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セントアンナの奇跡


原題: Miracle at St. Anna (2008)
上映時間: 163分
2009年7月25日 国内劇場初公開
公式サイト: http://www.stanna-kiseki.jp/

テアトルタイムズ・スクエア A-19
2009年8月26日(水)12時50分の回

ゴウ先生総合評価: B-
  画質(2.35:1): A-
  音質(SRD): A
  英語学習用教材度: C
先月知ったテアトルタイムズ・スクエアの閉館。何度も行ったところですが、最近はとんとご無沙汰。閉館前に一度は行っておかねばと思っていたら、戦争映画マニアのゴウ先生の食指が伸びる作品が上映されていることが分かり、水曜日の1000円サービスを使って、劇場に別れを告げてきました。

今回見た『セントアンナの奇跡』は、スパイク・リー監督による第二次世界大戦中の黒人部隊の実態を描くミステリー。有名俳優を使わず(使えず?)に興行的にはアメリカならびに全世界で大苦戦をしたようですが、なかなか見ごたえのある作品。戦場における人種差別を考えるのによい作品です。

1983年のクリスマス直前のニューヨーク。郵便局の窓口で切手を売っていたヘクター・ネグロン(ラズ・アロンソ)が、現れた客をいきなりドイツ軍の拳銃で撃ち殺してしまいます。動機不明の殺人事件といわれたのですが、その真相は、1944年の第二次大戦中のイタリアにあったのでした。

「バッファロー・ソルジャー」と呼ばれる黒人部隊は、トスカーナ地方でナチス・ドイツと激しい戦闘に陥ります。その途中、アンジェロ・トランチェッリ(マッテオ・スキアボルディ)という少年を救うために、無線兵のヘクター、リーダーのオブリー・スタンプス(デレク・ルーク)、わがままなビショップ・カミングス(マイケル・イーリー)、「チョコレートの巨人」と呼ばれるサム・トレイン(オマー・ベンソン・ミラー)の4人は、部隊からはぐれてしまいます。

小さな村に隠れた4人は、少年を助けながら黒人を差別しないイタリアの村人たちの中でしばしの休息を取って、本隊合流のタイミングをうかがいます。しかし、その村にもナチスの大群が次第に近づいてくるのでした・・・。

多くの人が指摘しているように、脚本が整理不足。1944年8月12日に起きた「セントアンナの大虐殺」の史実をもとに作られた物語なのですが、あまりに細かいエピソードが詰め込まれすぎて、焦点がボケてしまい、冗長な映画となってしまっています。そのせいで、サスペンス色も薄れてしまい、映画を見るカタルシスを奪われてしまっています。

そもそも、1983年の射殺事件の展開すら、観客にはその理由を理解させようという努力がありません。狂言回しとして使われるはずの新聞記者もその役目をきちんと果たしているように思いません。サンタ・トリニータ橋のプリマヴェーラの彫像の頭部をトレインが持ち歩く理由もイマイチ。

観客の生理をかなり無視した映画作りのうえ、黒人兵の活躍だけを描き(そういう設定ですから当たり前なのですが)、白人の隊長(オマリ・ハードウィック)の愚かさだけを強調すると、アメリカでヒットしなかったのはよく理解できます。

しかし、戦闘シーンの迫力や戦争の空しさを描くパワーは抜群。どこかで読んだ『プライベート・ライアン』を超えたむごたらしさという評価にもうなずけます。ともかく、「白人の戦争」を闘う黒人兵の混乱を描くことで、大義なきイラク戦争に対する批判をスパイク・リーは目論んだのでしょう。

であればこそ、戦争の空しさを描くという一点に絞って、あと1時間尺を縮めて公開すべきでした。傑作が誕生したかもしれないのに、惜しい作品です。

++++++++++

画質(2.35:1): A-

久しぶりに見たテアトルタイムズ・スクエアの絵。オリジナルがそうなっているのか、この劇場の特性なのか、粒子が粗くてがさついた絵を見ることが多いのですが、本作もそう。

最前列で見ている関係もあって、そのガサガサ感がはっきり見て取れます。撮影は、アリフレックスの35mmカメラで撮影したようなのですが、あたかも16mmフィルムで撮影してそれをデュープしたように見えます。もう少し滑らかな絵でもよかった気がするのですが、Blu-ray Discで確認したいところです。

音質(SRD): A  

音の迫力は、さすが。銃声・砲声ともに重さと痛さがあります。レンジも広く、超低音の響きは恐怖を誘い、左右前後の音の動きは時に肝を冷やされてしまうほど。セリフの抜け・響きも申し分なく、この音は魅力的です。

英語学習用教材度: C

セリフ量は、平均。ただし、イタリア語・ドイツ語が混じりますし、劇場で英語を勉強するというのには、あまり向きません。俗語・卑語は時代の制約もあって、それほど多くはありません。国内盤のBDもしくはDVD発売を待ちましょう。

++++++++++

気になるところを、アト・ランダムに。

☆原題は、Miracle at St. Anna。“St. Anna”が地名だとすると、“at”ではなく、“in”が正解。わざわざ前者を使ってあるということは、“St. Anna”が地名ではなく、虐殺が行われた「セントアンナ教会」を指すということ。ゆえに、正確に訳すと、「セントアンナ教会での奇跡」となります。

☆最近のスパイク・リー作品は、どれもパンチはあるのですが、決定打がない印象。『25時』 (レビューは、こちら!)は好きな映画ですし、『セレブの種』 (レビューは、こちら!) も『インサイド・マン』 (レビューは、こちら!)もまずまず。そろそろ大ブレイクしてもよいと思いますが、黒人ネタにしがみつくと、見方が矮狭になるのかもしれません。

☆ウェズリー・スナイプスやサミュエル・L・ジャクソンたちに出演を断られたそうですが、有名俳優が出ないマイナスを補えなかったのは、ジェームズ・マクブライドの脚本のせいでしょう。やはり原作者と脚本家が同一人物なのはまずいのかもしれません。

☆偶然ですが、飯田橋ギンレイホールで『リリィ、はちみつ色の秘密』を見たあとに本作を見ました(レビューは、近日公開予定)。どちらも人種差別を通奏低音にしている物語。こうした映画が作られるということは、人種差別がいまでもなくなっていないということであり、それがバラク・オバマを大統領に押し上げた一大潮流を作り上げたというところでしょう。大統領が黒人になって、こういう問題が解決されるかどうか。興味深い問題です。

☆4500万ドルの製作費で、アメリカで790万ドル、海外で140万ドル、計930万ドルの売り上げ。大幅な赤字です。

☆アメリカではすでにBDが発売中。 本作の真価は、BDでじっくりと見直すと理解できそうな気もします。



テアトルタイムズ・スクエアの閉館に当たって。あの特殊な構造はIMAX対応の劇場としてスタートしたから。ところが、ここ数年IMAX上映はほとんど行われませんでした。いま3D映画が人気を呼んでいるのですから、あれだけの施設を放置するのはもったいない限り。これからのことは知りませんが、IMAX劇場としてよみがえってくれることを切に祈りたいものです。立派な施設ですから。

++++++++++

現状では、素材のよさは認めるものの、眠気と尻の痛みと闘わねばならないのが残念。テアトルタイムズ・スクエアでの上映は今日までですが、他の劇場では上映は続きます。映画の日などを利用してご覧ください。
| 外国映画(サ行) | 08:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
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