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東映ビデオ

1964年製作
上映時間: 3:02:39
1965年1月15日 劇場初公開
参考サイト: goo映画『飢餓海峡(1964)』

ゴウ先生総合評価: A-
  画質(2.35:1/モノクロ): B
  音質(ドルビーデジタル/モノラル): B-
高倉健さんの誕生日2月16日が近づいていることもあって、健さん映画を集中して見ているゴウ先生、今日も健さん映画をレビューさせてもらいます。お許しください。

本作、健さん100本目の出演作。撮影当時、33歳。前年『日本侠客伝』(レビューは、こちら!)によって任侠映画のスーパースターになろうとしている時期の作品。

本作の公開から15日経った1月30日には『日本侠客伝 浪花篇』(レビューは、こちら!)が公開され、過密スケジュールが始まった年。ちなみに、1965年には『網走番外地』シリーズも『昭和残侠伝』シリーズも始まり、10本の作品に出演しています。

ただし、本作の主演は、三国連太郎であり、伴淳三郎。健さんの序列は、クレジットでいえば、トップの三国、シンガリを務める伴に対して、シンガリひとつ手前の位置。三国を直接逮捕する舞鶴警察署警部補味村時雄の役を演じています。

監督は、内田吐夢。『森と湖のまつり』(レビューは、こちら!)で健さんを鍛え上げていますし、『宮本武蔵』シリーズでは佐々木小次郎役に健さんを使った恩師。三国や伴の存在感には及びませんが、開始後108分経ってからようやく登場する健さんも伸びやかに自己主張しています。

原作は、水上勉の同名小説。昭和29年に起きた洞爺丸遭難事件を昭和22年9月22日に移して、戦後の混乱期の中で同時に起きた殺人事件を描いた社会派サスペンス。

三国の役は、網走刑務所から出所したばかりの身長六尺の大男犬飼多吉。他のふたりの出所者と一緒に岩内の佐々田質店を遅い3人を殺し金を奪います。その後、層雲丸遭難のどさくさにまぎれて小船で函館を脱出し津軽海峡をわたり、残りのふたりを殺してしまいます。

その後、乗員名簿より死体が2名分多いことに疑念を抱いた函館警察署の刑事弓坂吉太郎(伴淳三郎)は、犬飼が青森で接触した女郎の杉戸八重(左幸子)を手がかりに犬飼を追い求めるのでした・・・。

よくもまあ昭和22年を18年経って再現したものだと思いましたが、昭和40年には東京でも方々でこのような焼け跡が残っていたのではないでしょうか。まだまだ日本は発展途上国。ちょっといじれば、すぐに戦争直後を再現できたことでしょう。内田監督もその辺を考えて、これを最後のチャンスと本作を作ったことでしょう。

そんな混乱下起きる男と女の情念劇。三国の巧みさもさることながら、撮影当時34歳の左幸子のフェティシズムを全面に出す熱演に圧倒されずにはいられません。

そしてまた自分の仕事に忠実な弓坂刑事を、普段のコミカルな演技を封印し東北弁を使いながらシリアスに演じきった伴の好演も特筆もの。特に、留置場で三国と対峙するシーンは、さすが。

結末の呆気なさをどう解釈するかが、評価の分かれ目。個人的にはやや物足りません。犬飼には現実と戦ってほしかった思いが残るのが惜しまれます。

とはいえ、3時間を越す長尺ものをだれずに描ききった演出と編集はさすが。見て損はない日本映画です。

++++++++++

画質(2.35:1/モノクロ): B  

Gump Theatreにて、480pのDVD信号をPS3において1080pにアップスケールし、その信号をHDMIケーブルによってTA-DA3200ES経由でDLA-HD1に送り込み、120インチ・ワイド・スクリーンに映しています。伝送レートは、2.5 Mbpsから8.4 Mbps。

東映W106方式を使っての撮影。これは、16mmで撮影したフィルムを35mmにブロウアップする方式。ざらついた質感にすることで、戦後すぐの雰囲気を出そうとする意図。さらに、エンボス処理やソラリゼーション処理を多用することで、富田勲の音楽もあいまって、不条理性が演出されています。特に、犬飼と八重が交わるシーンは、その象徴。

ブロウアップのせいで、画質は荒れているものの、大画面でも破綻することはありません。輪郭もそれほど太らず、暗部階調もまずまず。リアリティのあるモノクロ画面です。

音質(ドルビーデジタル/モノラル): B-

TA-DA3200ESからサラウンド・バック・スピーカー2本を付け加えた7.1チャンネル再生態勢。しかし、本作はフロントの2スピーカーを使ってのモノラル再生。伝送レートは、448 kbps。

伝送レートを5.1チャンネル並みにおごっているせいか、耳当たりのよい音。ヒスノイズも最少に抑えられています。音の角がつぶれている感があるのは惜しまれますが、セリフも音楽も浸透力をもっています。

++++++++++

気になるところを、アト・ランダムに。

☆先月NHK教育で放送されていた『知るを楽しむ 人生の歩き方』において、三国連太郎は、内田監督を恩師と仰いでいました。その意味で本作は三国にとっても重要な作品。撮影当時41歳。あの目のぎらつきを見てください。

☆健さんの立場から本作を見るとすると、物足りなさを感じるのは事実。特に犯人逮捕に至る流れは相当強引。そして、健さんよりも藤田進が演じる警察署長の方がかっこよく見えるのが、ファンとしてはやや残念なところです。

☆健さんは、右利きなのによく右手に腕時計をつけます。本作でもそう。理由を知りたいところです。

☆チラッとだけ出る山本麟一の和尚姿が大いに気に入りました。この人の存在がどれだけ健さんを支えてきたことか。合掌。

++++++++++

東映映画に数少ない、完成度の高い作品。戦後の風俗を知るためにも、必見の映画。

強くオススメします!

+++++付記+++++

☆キャスト

三國連太郎 犬飼多吉/樽見京一郎
風見章子 妻敏子
左幸子 杉戸八重
加藤嘉 父長左衛門
伴淳三郎 弓坂吉太郎
進藤幸 妻織江
加藤忠 刈田治助
岡野耕作 戸波刑事
菅原正 佐藤刑事
志摩栄 岩内署長
外山高士 田島清之助
河合絃司 単本虎次郎
最上逸馬 沼田八郎
安藤三男 木島忠吉
曽根秀介 朝日館主人
牧野内とみ子 朝日館女中
北山達也 札幌の警部補
山本麟一 和尚
大久保正信 漁師辰次
矢野昭 下北の漁師
西村淳二 下北の巡査
遠藤慎子 巫子
田村錦人 大湊の巡査
沢彰謙 来間未吉
安城百合子 葛城時子
荒木玉枝 富貴屋のおかみ
河村久子 煙草屋のおかみ
亀石征一郎 小川
須賀良 鉄
八名信夫 町田
久保一 池袋の警官
北峰有二 警視庁の係官
三井弘次 本島進市
沢村貞子 妙子
高須準之助 竹中誠一
藤田進 荻村利吉
鈴木昭夫 唐木刑事
関山耕司 堀口刑事
斎藤三男 嘱託医
高倉健 味村時雄

☆スタッフ

監督: 内田吐夢
製作: 大川博
企画: 辻野公博
吉野誠一
矢部恒
原作: 水上勉
脚本: 鈴木尚也
撮影: 仲沢半次郎
美術: 森幹男
編集: 長沢嘉樹
音楽: 富田勲
助監督: 山内柏
太田浩児
福湯通夫
高桑信
録音: 内田陽造
スチール:遠藤努
照明:川崎保之丞

☆あらすじ(ネタばれ注意!)

昭和二十二年九月二十日十号台風の最中、北海道岩内で質店一家三人が惨殺され、犯人は放火して姿を消した。その直後嵐となった海で、青函連絡船の惨事が起き、船客五百三十名の命が奪われた。死体収容にあたった函館警察の刑事弓坂は、引取り手のない二つの死体に疑惑を感じた。船客名簿にもないこの二死体は、どこか別の場所から流れて来たものと思えた。そして岩内警察からの事件の報告は、弓坂に確信をもたせた。事件の三日前朝日温泉に出かけた質屋の主人は、この日網走を出所した強盗犯沼田八郎と木島忠吉それに札幌の犬飼多吉と名のる大男と同宿していた。質屋の主人が、自宅に七八万円の金を保管していたことも判明した。弓坂は、犬飼多吉の住所を歩いたが該当者は見あたらず、沼田、木島の複製写真が出来るまで死体の照合は出来なかった。だが弓坂は漁師から面白い話を聞いた。消防団と名のる大男が、連絡船の死体をひきあげるため、船を借りていったというのだ。弓坂は、直ちに犬飼が渡ったと見られる青森県下北半島に行き、そこで船を焼いた痕跡を発見した。犬飼が上陸したことはまちがいない。その頃、杉戸八重は貧しい家庭を支えるために芸者になっていたが、一夜を共にした犬飼は、八重に三万四千円の金を手渡し去った。八重はその恩人への感謝に、自分の切ってやった爪を肌身につけて持っていた。そんな時、八重の前に犬飼の件で弓坂が現われたが、八重は犬飼をかばって何も話さなかった。八重は借金を返済すると東京へ発った。一方写真鑑定の結果死体は沼田、木島であり二人は、事件後逃亡中、金の奪い合いから犬飼に殺害されたと推定された。その犬飼を知っているのは八重だけだ。弓坂の労もむなしく終戦直後の混乱で女は発見出来なかった。それから十年、八重は舞鶴で心中死体となって発見された。しかしこれは偽装殺人とみなされた。東舞鶴警察の味村刑事は女の懐中から舞鶴の澱紛工場主樽見京一郎が、刑余更生事業資金に三千万寄贈したという新聞の切り抜きを発見した。八重の父に会った味村は、十年前八重が弓坂の追求を受けたと聞き、北海道に飛んだ。樽見が犬飼であるという確証は、彼が刑余者更生に寄附したことだ。弓坂と味村は舞鶴に帰ると、樽見を責めたが、しらをきる樽見の大罪は、八重が純愛の記念に残した犬飼の爪と、三万四千円を包んだ、岩内事件の古新聞から崩れていった。


| 高倉健映画 | 10:33 | comments(0) | trackbacks(0) |
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