2007.05.01 Tuesday
ハッピーフィート(字幕版)


ハッピーフィート
原題: Happy Feet (2006)
2007年3月17日 日本初公開
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/happyfeet/
新宿バルト9 スクリーン4 D-8
2007年5月1日(火)10時20分の回
ゴウ先生総合評価: A-/B+
画質(シネスコ): A+
音質(SRD-EX?): A
英語学習用教材度: A
『バベル』を10時から見るつもりで、9時50分に新宿バルト9に着きました。しかし、読みが甘すぎました!9階のチケット売り場に上がったら、すごく長い蛇行した列ができているではないですか!
それでも予告編が終わり本編が始まる10時10分頃までに買えたら見ようと思って並んでいました。しかし、カウンターにたどり着いたのは、10時17分!さすがに『バベル』をあきらめなければならない時刻です。
その時点で待ち時間なく見られるのは、10時15分開始の『ラブ・ソングができるまで』と10時20分開始の本作。
ヒュー・グラントとドリュー・バリモアのラブコメにも心を動かされましたが、アカデミー長編アニメ賞を獲得した本作を見ることに。急いで11階まで駆け上がったのでした。
しかし、それが大正解。AVファンのゴウ先生を唸らせる映画と出会えたのです!
予習なしの本作、予告編が終わり本編が始まりワーナーのオープニング・エンブレムが出てきてビックリ。めちゃくちゃ鮮明。後を振り返ると向かって左側の窓から上映されています。
チケット・カウンターでもらったチラシにはデジタル上映は『スパイダーマン3』と『ブラッド・ダイヤモンド』(レビューは、こちら!)だけとありますが、どう見てもこの絵はデジタルのもの。フィルムのだるさはどこにもありません。本編が始まってもその鮮明さは変わらず、ワクワクします。
その上に素晴らしい音響設計。左右前後グルグル回ります。リア・サラウンドをディスクリート配置したSRD-EXだったのでしょうか。
冒頭、皇帝ペンギンのメンフィス(声:ヒュー・ジャックマン)がノーマ・ジーン(声:ニコール・キッドマン)との間に生まれた卵を一心不乱に温めています。ところが、ある激しいブリザードの日、大切な卵を雪原に誤って転がしてしまいます。
そして生まれたマンブル(声:イライジャ・ウッド)、卵を雪原に転がした生でしょう、身体異常。くちばしで殻を割るのではなく、足で割ってふ化するありさま。しかも、ひどい音痴。「心の歌」を唄えないとバカにされる皇帝ペンギンの世界でつまはじきにされてしまいます。

そんなマンブルを救うのが、アデリン・ペンギンの5人組。唄えないマンブルでもタップを踏むのが上手いと分かるとその長所を褒め称えます。

この辺、健常者しか受け入れない皇帝ペンギンの社会と長所があれば短所に目をつむるアデリン・ペンギンの社会が対比されて描かれ、人間社会を風刺しています。
そして、そういう短所を受け入れ長所を伸ばし優しく成長したマンブルをメンフィスやノーマ・ジーン、そして好きだったグローリア(声:ブリタニー・マーフィ)が高く評価し、迎え入れる姿に涙さえあふれるのでありました。
さらに、圧巻は、マンブルとアザラシの死闘シーン。絵と音の迫力にスクリーンに吸い込まれていくようです。
この時点では、『ブラッド・ダイヤモンド』よりも『ディパーテッド』(レビューは、こちら!)よりも『ドリーム・ガールズ』(レビューは、こちら!)よりも素晴らしい作品だと思っていたのですが、これからがいけません。
後半、環境問題を中途半端に描いているのが納得できません。ペンギンの生存を脅かす魚の激減が、南氷洋での人間の乱獲にあると批判しだすのです。
登場する実写の人間には日本人らしき姿は描かれていませんが、南氷洋での捕鯨や漁業の取締りに意識が向かっているのを見ると、日本をターゲットにしているように感じます。
本作にこういう政治メッセージを入れる必要が本当にあったのか。ちょっと後味が悪い鑑賞となりました。とにかく最後の部分がなければ、A+の総合評価を用意していたのですから。
++++++++++
画質(シネスコ): A+
スクリーン4は、80名しか入れませんが、スクリーンは十分に大きいもの。幅10メートル、高さ3メートル以上はあるのではないでしょうか。それを4列目で見ると、なかなかの迫力。別にスクリーン9やスクリーン6の幅20メートル近い大スクリーンでなくても、バルト9では大いに満足できるスクリーンがあると嬉しくなったのでした。
画質に関して言えば、尋常でなくシャープでクリア。輪郭も太くならず、奥行きの透明感も十分。ペンギンの毛一本一本がはっきりと見えます。3DCGによる作品とはいえ、『ブラッド・ダイヤモンド』よりも凄まじい解像度。デジタル上映だと推測する所以です。
思えば、『ブラッド・ダイヤモンド』も本作もワーナー作品。この会社の映画は劇場ででもDVDででも美しい映像が売りです。本作はその看板に偽りなしの結果となりました。
音質(SRD-EX?): A
アメリカ盤DVDにはドルビーデジタルEX 5.1chで音声が収録されていますし、クレジットの最後にはDTS-ESの表示がありましたので、バルト9でもSRD-EXで上映されていたのではないでしょうか。とにかく、サラウンドが最高です。グルグル回ります。
最初は、ヒュー・ジャックマンのナレーションが野太くて少し低音過多気味だと感じたのですが、それに慣れると何の問題もありません。セリフの抜けも問題ないし、音楽も緻密で繊細。効果音と混ざり合ってスクリーンと座席が一体化する感じです。
英語学習用教材度: A
セリフは大量。ただし、一部俗語が混じりますし、歌も多いので、日本語字幕だけでセリフを自由に再現できる人は相当な英語力の持ち主。確実にTOEFLのリスニング・パートで高得点を取れることでしょう。とはいえ、それ以下の実力の方でも十分に勉強になります。
++++++++++
気になるところを、アト・ランダムに。
☆原題のHappy Feet。オンチなのどを補う、見事なタップを踏んでくれるマンブルの足を意味します。英語圏では「楽しそうにしているもの」によくこの“happy”という形容詞をつけます。ニコニコしている赤ちゃんに“a happy baby”と使うがごとくです。なかなかのタイトルです。
☆スティービー・ワンダーやビートルズ、それにエルビス・プレスリーを始めとしたどこかで聞いたことのある名曲が次々にかかります。音楽ファン必聴の(?)映画です。
☆何ゆえ環境問題を入れるのだろうと思ったら、監督が『マッドマックス』シリーズのジョージ・ミラー。一筋縄ではいかない映画を作る人ではないですか。納得です。
☆声優で一番活躍していたのが、一人二役のロビン・ウィリアムズ。素晴らしい演技です。アドリブもあったのかもしれませんが、それと感じさせない立派なアテレコ。『アラジン』や『ロボッツ』の時よりも素晴らしいと思いました。脚本のおかげもあるのでしょうが。
☆主要な登場ペンギンの役名にはそれぞれいわく因縁を与えているようです。まず主人公の「マンブル(Mumble)」。これは普通名詞だと「口ごもる、モゴモゴ言う」という意味。つまりは、暗に音痴であることを示しています。
☆ニコール・キッドマンが声を担当したペンギンの名前が「ノーマ・ジーン(Norma Jean)」というのにはニヤリです。これはマリリン・モンローの本名。少し気だるく喋る声がモンローとダブります。
☆マンブルの父親の「メンフィス(Memphis)」という名前にも、ゴウ先生、ニヤリ。どう考えてもエルビス・プレスリーの大邸宅グレイスランドがある場所からの引用。関係ないとは言わせません。
☆ロビン・ウィリアムズが演じたアデリン・ペンギンの教祖「ラブレイス(Lovelace)」は、「道楽者、放蕩者」という意味。
☆マンブルの恋人役のグローリア(Gloria=賛歌)を演じたのが、『シン・シティ』(レビューは、こちら!)で妖艶なシェリー役を演じたブリタニー・マーフィ。やっぱり歌がいいです。
☆凄すぎる興行収益です。2006年11月17日に全米公開された本作、アメリカで1億9800万ドル、世界で3億7900万ドルを売り上げています。
++++++++++
漁業問題の取り扱い方をのぞけば、ほぼ完璧な3DCGアニメ。一見の価値はあります。特に字幕版は、大人が楽しめる秀作。ゴールデン・ウィークを使って環境の良い映画館でご覧ください。新宿バルト9は、オススメです!
それでも予告編が終わり本編が始まる10時10分頃までに買えたら見ようと思って並んでいました。しかし、カウンターにたどり着いたのは、10時17分!さすがに『バベル』をあきらめなければならない時刻です。
その時点で待ち時間なく見られるのは、10時15分開始の『ラブ・ソングができるまで』と10時20分開始の本作。
ヒュー・グラントとドリュー・バリモアのラブコメにも心を動かされましたが、アカデミー長編アニメ賞を獲得した本作を見ることに。急いで11階まで駆け上がったのでした。
しかし、それが大正解。AVファンのゴウ先生を唸らせる映画と出会えたのです!
予習なしの本作、予告編が終わり本編が始まりワーナーのオープニング・エンブレムが出てきてビックリ。めちゃくちゃ鮮明。後を振り返ると向かって左側の窓から上映されています。
チケット・カウンターでもらったチラシにはデジタル上映は『スパイダーマン3』と『ブラッド・ダイヤモンド』(レビューは、こちら!)だけとありますが、どう見てもこの絵はデジタルのもの。フィルムのだるさはどこにもありません。本編が始まってもその鮮明さは変わらず、ワクワクします。
その上に素晴らしい音響設計。左右前後グルグル回ります。リア・サラウンドをディスクリート配置したSRD-EXだったのでしょうか。
冒頭、皇帝ペンギンのメンフィス(声:ヒュー・ジャックマン)がノーマ・ジーン(声:ニコール・キッドマン)との間に生まれた卵を一心不乱に温めています。ところが、ある激しいブリザードの日、大切な卵を雪原に誤って転がしてしまいます。
そして生まれたマンブル(声:イライジャ・ウッド)、卵を雪原に転がした生でしょう、身体異常。くちばしで殻を割るのではなく、足で割ってふ化するありさま。しかも、ひどい音痴。「心の歌」を唄えないとバカにされる皇帝ペンギンの世界でつまはじきにされてしまいます。

そんなマンブルを救うのが、アデリン・ペンギンの5人組。唄えないマンブルでもタップを踏むのが上手いと分かるとその長所を褒め称えます。
この辺、健常者しか受け入れない皇帝ペンギンの社会と長所があれば短所に目をつむるアデリン・ペンギンの社会が対比されて描かれ、人間社会を風刺しています。
そして、そういう短所を受け入れ長所を伸ばし優しく成長したマンブルをメンフィスやノーマ・ジーン、そして好きだったグローリア(声:ブリタニー・マーフィ)が高く評価し、迎え入れる姿に涙さえあふれるのでありました。
さらに、圧巻は、マンブルとアザラシの死闘シーン。絵と音の迫力にスクリーンに吸い込まれていくようです。
この時点では、『ブラッド・ダイヤモンド』よりも『ディパーテッド』(レビューは、こちら!)よりも『ドリーム・ガールズ』(レビューは、こちら!)よりも素晴らしい作品だと思っていたのですが、これからがいけません。
後半、環境問題を中途半端に描いているのが納得できません。ペンギンの生存を脅かす魚の激減が、南氷洋での人間の乱獲にあると批判しだすのです。
登場する実写の人間には日本人らしき姿は描かれていませんが、南氷洋での捕鯨や漁業の取締りに意識が向かっているのを見ると、日本をターゲットにしているように感じます。
本作にこういう政治メッセージを入れる必要が本当にあったのか。ちょっと後味が悪い鑑賞となりました。とにかく最後の部分がなければ、A+の総合評価を用意していたのですから。
++++++++++
画質(シネスコ): A+
スクリーン4は、80名しか入れませんが、スクリーンは十分に大きいもの。幅10メートル、高さ3メートル以上はあるのではないでしょうか。それを4列目で見ると、なかなかの迫力。別にスクリーン9やスクリーン6の幅20メートル近い大スクリーンでなくても、バルト9では大いに満足できるスクリーンがあると嬉しくなったのでした。
画質に関して言えば、尋常でなくシャープでクリア。輪郭も太くならず、奥行きの透明感も十分。ペンギンの毛一本一本がはっきりと見えます。3DCGによる作品とはいえ、『ブラッド・ダイヤモンド』よりも凄まじい解像度。デジタル上映だと推測する所以です。
思えば、『ブラッド・ダイヤモンド』も本作もワーナー作品。この会社の映画は劇場ででもDVDででも美しい映像が売りです。本作はその看板に偽りなしの結果となりました。
音質(SRD-EX?): A
アメリカ盤DVDにはドルビーデジタルEX 5.1chで音声が収録されていますし、クレジットの最後にはDTS-ESの表示がありましたので、バルト9でもSRD-EXで上映されていたのではないでしょうか。とにかく、サラウンドが最高です。グルグル回ります。
最初は、ヒュー・ジャックマンのナレーションが野太くて少し低音過多気味だと感じたのですが、それに慣れると何の問題もありません。セリフの抜けも問題ないし、音楽も緻密で繊細。効果音と混ざり合ってスクリーンと座席が一体化する感じです。
英語学習用教材度: A
セリフは大量。ただし、一部俗語が混じりますし、歌も多いので、日本語字幕だけでセリフを自由に再現できる人は相当な英語力の持ち主。確実にTOEFLのリスニング・パートで高得点を取れることでしょう。とはいえ、それ以下の実力の方でも十分に勉強になります。
++++++++++
気になるところを、アト・ランダムに。
☆原題のHappy Feet。オンチなのどを補う、見事なタップを踏んでくれるマンブルの足を意味します。英語圏では「楽しそうにしているもの」によくこの“happy”という形容詞をつけます。ニコニコしている赤ちゃんに“a happy baby”と使うがごとくです。なかなかのタイトルです。
☆スティービー・ワンダーやビートルズ、それにエルビス・プレスリーを始めとしたどこかで聞いたことのある名曲が次々にかかります。音楽ファン必聴の(?)映画です。
☆何ゆえ環境問題を入れるのだろうと思ったら、監督が『マッドマックス』シリーズのジョージ・ミラー。一筋縄ではいかない映画を作る人ではないですか。納得です。
☆声優で一番活躍していたのが、一人二役のロビン・ウィリアムズ。素晴らしい演技です。アドリブもあったのかもしれませんが、それと感じさせない立派なアテレコ。『アラジン』や『ロボッツ』の時よりも素晴らしいと思いました。脚本のおかげもあるのでしょうが。
☆主要な登場ペンギンの役名にはそれぞれいわく因縁を与えているようです。まず主人公の「マンブル(Mumble)」。これは普通名詞だと「口ごもる、モゴモゴ言う」という意味。つまりは、暗に音痴であることを示しています。
☆ニコール・キッドマンが声を担当したペンギンの名前が「ノーマ・ジーン(Norma Jean)」というのにはニヤリです。これはマリリン・モンローの本名。少し気だるく喋る声がモンローとダブります。
☆マンブルの父親の「メンフィス(Memphis)」という名前にも、ゴウ先生、ニヤリ。どう考えてもエルビス・プレスリーの大邸宅グレイスランドがある場所からの引用。関係ないとは言わせません。
☆ロビン・ウィリアムズが演じたアデリン・ペンギンの教祖「ラブレイス(Lovelace)」は、「道楽者、放蕩者」という意味。
☆マンブルの恋人役のグローリア(Gloria=賛歌)を演じたのが、『シン・シティ』(レビューは、こちら!)で妖艶なシェリー役を演じたブリタニー・マーフィ。やっぱり歌がいいです。
☆凄すぎる興行収益です。2006年11月17日に全米公開された本作、アメリカで1億9800万ドル、世界で3億7900万ドルを売り上げています。
++++++++++
漁業問題の取り扱い方をのぞけば、ほぼ完璧な3DCGアニメ。一見の価値はあります。特に字幕版は、大人が楽しめる秀作。ゴールデン・ウィークを使って環境の良い映画館でご覧ください。新宿バルト9は、オススメです!
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