CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
<< February 2020 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
英語で「日本国憲法」を読んでみる―The Constitution of Japan
英語で「日本国憲法」を読んでみる―The Constitution of Japan (JUGEMレビュー »)
別冊宝島編集部
英語で憲法を読んでみれば、戦勝国アメリカから押し付けられたことが手に取るように分かります。50年以上、修正されていない憲法。時代にそぐわない内容。それでも、憲法改正、不要ですか?
★★★★★
RECOMMEND
駅 STATION [DVD]
駅 STATION [DVD] (JUGEMレビュー »)

高倉健を知りたければ、まずこの一本。「渋さ」の意味が分かります。★★★★★
<< ホテル・ルワンダ  | main | 白バラの祈り -ゾフィー・ショル、最期の日々- >>
日本のいちばん長い日 (DVD)
日本のいちばん長い日
日本のいちばん長い日
1967年8月3日 初公開

INDEC定期上映会2006年8月26日プログラム

ゴウ先生総合ランキング: A
  画質(スコープ・モノクロ): B+
  音質(ドルビーデジタル・モノラル): B
1945年8月14日から15日にかけての終戦詔勅発表に至る過程を、史実に忠実に再現した東宝35周年記念映画です。岡本喜八監督の腕が冴え渡り、2時間28分の上映時間があっという間に過ぎ去ります。日本で製作された大東亜戦争映画の中でも屈指の傑作だといえるでしょう。

ゴウ先生、本作を映画館では見たことは(多分)ないものの、テレビ・ビデオで何回も見てきました。都合4回くらいは見ているはずです。何せ20年位前は、終戦詔勅の日になると本作をどこかのテレビ局が放送していたものですから。

しかし、ここしばらくそうした放送が、少なくとも地上波では、行われなくなり、DVD発売を機に20年ぶりくらいで見返すことになりました。

半藤一利の原作を読んでいないゴウ先生、本作中の登場人物のセリフが原作どおりなのか、脚本の橋本忍の作り出したものだか、あるいは岡本監督の変更によるものなのか分かりません。しかし、心に残るセリフがちりばまれているのも事実です。

その中でも特に注目するのが、映画も終わりがけの開始後146分15秒に下村情報局総裁が8月15日の午前11時から開かれる最後の御前会議を前に語る次のセリフです。本作の主張が集約されているのではないでしょうか。

あらゆる手続きが必要だよ。儀式と言ったほうが正しいのかも知れないがね。日本帝国の葬式だからね

この言葉が示すとおり、本作は「大日本帝国の葬式」を描いた映画だと考えます。これだけ重要なセリフを言わせるために、下村総裁という地味な役柄に志村喬という名優を置いた気がするくらいです。

1960年代東宝が毎年夏になると作る映画は、『太平洋の嵐』や『太平洋の鷲』など旧皇軍の勇ましさを描いたものばかりでした。

しかし、へそ曲がりの(?)岡本監督、翌年ATGで『肉弾』という回天乗組員の運命を描いた見事な反戦映画を作るくらいです。勇ましい戦争映画ではなく、大日本帝国に止めを刺す葬式映画を作ろうとしたのだと思います。

肉弾
肉弾

そのためでしょう。本作には自決シーンがこれでもかというほど映し出されます。

黒沢年男演じる畑中少佐のピストル自殺も印象的ですが、何よりも三船敏郎演じる阿南陸軍大臣の割腹自殺のシーンには目を釘付けにさせられます。

もちろん、世界のミフネに花を持たせるために、この割腹シーンに時間をかけるのは分からないではありません。しかし、このシーンの長さは尋常ではありません。時系列に整理してみましょう。時間は、映画が始まってからそのシーンが現れるまでのものです。

134分39秒  陸相、自決のために濡れ縁に正座する。
136分21秒  さらしを巻いた腹部に小太刀を突き刺す。
139分24秒  「うーん、うーん」という唸り声を上げながら、介添え無用と部下を怒鳴りつけ、首の頚動脈を左手で支えた右手に持った小太刀で切る。
139分49秒  前に俯伏し、絶命。

途中、宮城や鈴木首相私邸で同時刻に起きていることが挿入されますが、陸軍の最後を象徴する大臣の自決シーンに都合5分10秒もかけているのです。岡本監督の執念が分かるものです。

こうして、大日本帝国は77年の幕を閉じたのでした・・・。

++++++++++

画質(スコープ・モノクロ): B+  

Gump Theatreの120インチスクリーンに映写してもまったく破綻しません。39年前の映画とは思えないほどです。DVDに当たっての東宝の執念を感じます。

音質(ドルビーデジタル・モノラル): B

セリフの押し出しは立派。しかも、収録音量レベルが大きいために、ノイズもほとんど乗らず、実に聞き取りやすいものです。

++++++++++

気になるところを、アト・ランダムに。

☆ポツダム宣言の受諾がもう少し早かったら、原爆投下もソ連参戦もなかったと思っているゴウ先生ですから、鈴木貫太郎首相の責任を追及したくなるのですが、本作を見ると、その気になりません。笠智衆のとぼけた味のなせる業です。

☆たびたび出てくる陸軍省。いま現在市ヶ谷の防衛庁の中にその一部が記念館として残されており、昨年INDECの修学旅行で行ってきました。ツアーがありますので、一度足をお運びください。陸軍大臣室・講堂(東京裁判法廷)が当時のまま再現されています。

☆真夏の夜の夢にしたかった大東亜戦争の敗戦。しかし、それは現実でした。若き陸軍将校の汗にまみれて口から泡を飛ばしヒステリックになる姿に、大日本帝国の断末魔に聞こえてしまいます。

☆天本英世演じる佐々木大尉(横浜警備隊長)が率いる鈴木首相私邸襲撃隊の若き隊員がポケットに岩波文庫の『出家とその弟子』を入れているのが映ります。当時よく読まれていた倉田百三のベストセラーです。親鸞の教えと焼き討ち。アンビバレントなその関係こそが戦争というものを象徴しているのかもしれません。

出家とその弟子
出家とその弟子
倉田 百三

++++++++++

かつて大東亜戦争というものがあり、そしてそれを終わらせるためにこれだけの苦労をしたというのは紛れもない事実です。何事であれ、始めるよりも、うまく終結に向かわせることの方がはるかに難しいことだと分かります。

映画としても、単なるドキュメンタリーの感動の域を超えています。『ホテル・ルワンダ』に感動した皆さんにも満足してもらえることでしょう。必見の作品です。
| 日本映画(な行) | 22:04 | comments(1) | trackbacks(1) |
コメント
TBありがとうございます。

やはり昔は毎年放映されていたんですね。


笠智衆のとぼけた味というのは同感です。
なぜか説得力ありますよね。

日本帝国の葬式。
そうなんですよね。
この台詞も非常に印象深かったです。
| bob | 2006/12/12 9:44 PM |
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック
『日本のいちばん長い日』監督岡本喜八、三船敏郎主演
2006/12/08(金) 原作は大宅壮一。 残念ながら未読です。 東宝創立35周年記念作品ということで、 相当力が入ってます。 オールスターキャスト。 豪華です。 仲代達矢(ナレーションのみ)、 笠智衆、天本英世、加山雄三他多数出演。 昭
| bobの書庫 | 2006/12/12 6:22 PM |