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雪に願うこと

雪に願うこと (2005)
2006年5月20日 初公開
公式サイト: http://www.yukinega.com/

テアトルタイムズスクエア
2006年5月24日(水)13時30分からの回

ゴウ先生総合ランキング: B-
  画質 (ビスタ): A-
  音質 (ドルビー2ch?): B
昨年から公開を待ち望んでいた作品です。東京国際映画祭でグランプリを獲ったとか、根岸吉太郎監督作品であるとか、伊勢谷友介が主演であるとかはまったく関係ありません。

何となくよさそうだという感じがしていたのです。(あのチャン・イーモウが褒めていたというのが気にならなかったといえばウソですが・・・。)

しかも、画質を除けば、お気に入りのテアトルタイムズスクエアで上映中。1000円のサービス価格で見られる水曜日に行って来ました。

1時前に着いて切符を買ったら、340人はいる小屋なのに、74番。人気はイマイチのようです。皆さん、『ダ・ヴィンチ・コード』に行っているのでしょうか。最終的には100名程度の入りでした。

ガラガラの館内の利点を活かして、かねてから試してみたかった最後部の席に陣取りました。急な階段を登ったり降りたり(上映前にトイレに2回行ったもので・・・)は大変だったものの、正解です。

巨大スクリーンのすべてが、無理なく視野に入ります。しかも、最前列のように見上げる必要がないので、身体が楽です。この席を確保することが、この小屋でかかる映画を評価する絶対条件だったのかもしれません。

というわけで、エクスキューズのない座席からじっくり見た本作。結論から言えば、ちょっと裏切られた感じがします。欲求不満の残る作品でした。泣かしてくれよと思うところで、カメラは立ち去っていくのです。もっと見たいのに。

東京で会社を倒産させてしまってすべてを失くした矢崎学(伊勢谷友介)。13年ぶりに兄・威夫(佐藤浩市)と母・静子(草笛光子)が住む帯広に帰ります。

威夫は農耕馬の輓馬レースである「ばんえい競馬」の調教師をしており、学は厩舎で暮らし始めます。

イヤイヤながら世話を始めたウンリュウという廃馬寸前の馬に自分を重ねる学。自然と世話に力が入ります。そしてそれに応えるウンリュウとその騎手・首藤牧恵(吹石一恵)。

登場人物すべての思いをのせて、ウンリュウ最後のレースが始まるのでした。

こんな感動的なストーリーが、淡々と進んでいきます。みんなまなじりを決して「勝たねば」と力みません。唯一、勝負は勝たねばと言い張るのは、高利貸し兼スナック・オーナーでもある丹波(山崎努)だけ。

勝ちたい気持ちはあるけれど、それを声を大にして言いたくはない人たちばかりなのです。威夫が学に「何で世間を見返さなければならないんだ?」とぶん殴るシーンに、その哲学が集約されています。

実は、みんな勝ちたいのです。みんな幸せになりたいのです。しかし、威夫を始めとしてみんなぐっと殺して生きています。

たとえば、高校生の息子を女手一つで育てている賄婦の田中晴子(小泉今日子)。

威夫のことが好きなのだと思います。学も威夫と結婚したらどうだと勧めます。威夫にしても嫌いではないのです。だからこそ、ボケてしまった母のところへも晴子を連れて行くほど信頼しているのですから。

しかし、「男の人と幸せになるのはバチが当たる」といって、身を引きます。

勝ちたいけれど、ギラギラしない。肩の力を抜いて生きよう。そんなメッセージが届きます。

ゴウ先生、こういうテーマ、嫌いではありません。しかし、やはり薄味すぎます。観客は泣きたいと思っているのに、監督からはぐらかされている気がします。特に、最後のレースでゴールを映さずにエンドロールが出てくるのには、さすがにイラリときました。

チャン・イーモウ映画のテイストに似てはいます。しかし、彼の演出は――数本見ただけですが――観客の期待を背くことはありません。泣きたいと思うところでは泣かせてくれるし、笑いたいと思うところでは笑わせてくれます。そうすることで、観客と映画が一体化させるのです。

その意味で、物足りなさが残る根岸作品でした。登場人物たちの幸せな笑顔を見たい。そういう苦い思いをもって、映画館を後にしたのでした。

++++++++++

画質 (ビスタ): A-

撮影困難な冒頭の吹雪のシーン。粒子が粗く、嫌な予感がよぎります。さっきまで流れていた予告編の『リバティーン』レベル(Cランク以下)の画質かと恐れていたら、映画が進むにつれて、見事な映像に。ただし、暗い厩舎内の絵が荒れているのが、欠点です。

音質 (ドルビー2ch?): B

日本映画にもう少しお金をかけてほしいと思う項目です。いまどきリア・サラウンドがない映画では、人は入りません。さらに、伊勢谷や佐藤が怒鳴る時には、高音部がピーキーな感じでうるさく感じられました。この小屋のJBLスピーカーのエージングはすでに済んでいるはずなのですが。

++++++++++

気になるところを、アト・ランダムに。

☆根岸吉太郎監督作品をいくつ見ているのだろうと思って、フィルモグラフィーをチェックしてみました。そしたら、何と『遠雷』(1981)と『探偵物語』(1983)しか見ていません。しかも、実際に見たのは、20年以上ぶり。何ともはや。大反省です。

☆こういう淡々と描く人間ドラマが好きな監督さんだとは思っていませんでした。まるで、小津安二郎の映画を見ているような感じです。悪くはないのですが。

☆本作で一番輝いていたのは、山崎努。相変わらず、怪しいです。ただひつつ気になったことが。あれだけ頻繁に映画でもTVでもタバコを吸うシーンを演じていた山崎が、本作では一本もタバコに火を点けませんでした。止められたのでしょうか、演技プランでしょうか。病気でないことだけを祈ります。いつまでもお元気で。

☆二番目によかったのは、加藤テツヲ役の山本浩司。学とはサラベツ南小学校での同級生という設定です。少し足りない感じの青年なのですが、絶妙な暖かさが見ているほうをホッとさせます。

☆タイトル『雪に願うこと』の直接の由来もテツヲが作ってくれた雪玉の迷信です。雪の玉を屋根に置いておくと、よいことがあるということ。そして学もそれを真似します。確実に、テツヲは学の恩人です。

☆三番目に、小泉今日子。いまの彼女は何をしても輝いています。キョンキョンと薬師丸ひろ子でいまの邦画は持っています。

☆佐藤浩市。もっとボコボコに弟をやっつけるのかと思ったら、意外と優しいお兄ちゃんでした。ちょっと物足りません。

☆ボケた母を草笛光子が演じます。彼女が入る施設に威夫と晴子が学を連れて行く場面。学を認識できないままに、「幸せなら手を叩こう」を一緒に踊るシーンには、唯一泣かされました。特に、二人が踊る後で、少しピントがずれた背景として二人を見ながら泣いている佐藤の姿が秀逸でした。

☆騎手役の吹石一恵。学と恋愛関係にもつれ込むかと思っていたら、裏切られました。下世話すぎる発想でしょうか。彼女の存在感・演技自体は、そこそこのものでしょう。

☆本作にのめりこめない理由は、脚本にもあるのでしょうが、主役の伊勢谷友介に感情移入させるパワーを感じられなかったことにあると思います。再会直後に、威夫から「やつれてしまって」といわれるシーンがありますが、観客に「もともと痩せているだけじゃん」と思わせてしまいます。いかんでしょう、これでは。

☆ただし、美しい場面がいくつも出てくる映画です。勝手に順位をつけると次のようになります。

…まだ明けきらぬ馬場で走る馬たちの全身から出る湯気。
▲瀬爐忙弔気譴浸箸錣譴覆なった橋。
M柴をバックにウンリュウの調整に励む牧恵と学。

++++++++++

ゴウ先生のようにガーッと押し寄せる熱い感動を期待していくと、物足らない映画です。

じわりと効くボディブローを楽しむのが見るコツです。それでも、薄味に思われるかもしれませんが。

水曜日にテアトルタイムズスクエアでご覧ください。1000円ならば、元は取れるはずです。

| 日本映画(や行) | 09:44 | comments(1) | trackbacks(19) |
コメント
 先生、お久しぶりです。みつけていただき、トラックバック、感謝します。ありがとうございました。
>泣かしてくれよと思うところで、カメラは立ち去っていく
 はい、根岸吉太郎監督ってそういう人ですよね。ポルノ映画時代から「それからどうした!」というところでカメラはソッポを向きます。しかし、私がいまだにわからないのは、根岸監督はいったい何を撮りたいのか・・・稼ぎたいと思っている人ではないので、映画同様、つかみどころのない人物です。私にはわかりません。
 トラックバック、ありがとう。  冨田弘嗣
| 冨田弘嗣 | 2006/05/29 2:24 AM |
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