2006.04.22 Saturday
Mr.&Mrs.スミス

Mr.&Mrs.スミス プレミアム・エディション
原題: Mr. & Mrs. Smith (2005)
2005年12月3日日本初公開
公式サイト: http://www.mr-and-mrs-smith.com/index.html
池袋新文芸座
2006年4月19日(水)11時からの回
ゴウ先生ランキング: A-
いやあ、面白かった・・・。
映画のレビューを他人様に読んでいただく、このようなブログに書くようになってから、どこか気の利いたことを書かなければならないと身構えている自分がいることに気がつきます。思ったことと違うことを書くことこそありませんが、どこか自分で自らを抑制している気がするのです。
しかし、本作に関していえば、もうコントロールが効きません。誰が何といおうが、面白いといいたくなります。理屈でなく、理性でなく、感情が、感性が、面白いと叫べと命じるのです。
さすがにAと評価するのには抵抗がありますが、A-の価値はあると「感じ」てしまいます。いまでも3日前の興奮が蘇るのです。それだけ、ゴウ先生のツボにはまってしまった映画だということで、お許しください。
ともかく、ゴウ先生、アンジェリーナ・ジョリーもブラッド・ピットもどこか勘違いしていました。アンジェリーナに関していえば、彼女のタラコ唇が何となく嫌で、出る映画をほとんど見たことがなかったし(『スカイキャプテン』ぐらい?)、ブラピも『テルマ&ルイーズ』と『セブン』と『ファイト・クラブ』で終わっていると思って、他の作品はほとんど見ていない有り様です(あ、『オーシャンズ11』は見ましたね、よく覚えていないけど)。
しかし、今回気づかされました。アンジェリーナは美しく聡明だし、ブラピはバカみたいにカッコよいではないですか。二人とも大衆的アクション映画に必要な要素をすべて兼ね備えたスターです。
その二人を支える監督が『ボーン・アイデンティティ』のダグ・リーマンだとは、見終わって公式サイトを覗くまで知りませんでした。どうりで途中のカメラ回しなどがスタイリッシュでどこかで見たことがあると思ったわけです。
確かに、本作の話の展開は、あまりに虫が良すぎます。しかし、あれこれ偏見を拭い去って虚心坦懐に画面を見つめる限り、「嘘だろう!」と茶々を入れる気がうせてきます。ありえないと分かっていながら、息を呑み、ワクワクするのです。
なぜなのか考えてみました。本作の殺し屋夫婦は、何よりも自分たちがプロの仕事人であることにプライドを持っています。そして、そのことから生じるあらゆるトラブルを解決することに自分の存在意義を見出しているのです。
したがって、結婚6年が経って(ブラピ曰く「5、6年かな?」)お互いの間にすきま風が吹いても、その解決法をセラピーに求めるのではなく、自分の稼業に求めるしかありません。
ある意味、仕事中毒の二人が、ライバルとして敵対して本当の愛に目覚めるというラブ・コメディの王道を歩んでいるのが本作の設定なのです。
たとえば、『ユー・ガット・メール』のメグ・ライアンとトム・ハンクスがそうでしたし、『ディボース・ショウ』のキャサリン・ゼタ-ジョーンズとジョージ・クルーニーもそうでした。戦うことでお互いの愛を深めていくのです。
このラブコメの基本コンセプトに、『キル・ビル』ばりの強烈な対面アクションや『マトリックス』のカーアクション、そして『ボーン・アイデンティティ』のような真犯人を探すプロットが乗っかるのです。面白くないはずがありません。
ゴウ先生、二人の光り輝くスターの熱演を見て、久しぶりに映画らしい映画を見たといいたくなるほどです。
++++++++++
画質 (スコープ): A-
空いていたので、新文芸座のベストと思える座席で人の頭に邪魔もされず、しっかりと体全体でシネスコ画面を受け取ることができました。大満足です。DVDでもあの鮮烈な絵が入っていることを願いたいものです。
音質 (ドルビーサラウンド): A
音はグルグル回りますし、重低音もドーンときます。アクション映画のお手本みたいなサウンド・デザインです。
英語学習用教材度: B+
多少下品な俗語が使われるのと会話の量が少ないので、B+としました。しかし、実に分かりやすいセリフが多いので、相当な学習教材になる可能性があります。
DVDには英語字幕がついているようなので、ゴウ先生、今度吟味してみたいと思います。
++++++++++
気になるところを、アト・ランダムに。
☆アンジェリーナ・ジョリー、この映画でファンになってしまいました。スタイル、ファッション、アクション、演技、どれもまったく破綻していません。大したものです。出演作を片っ端から見たくなります。
☆ブラピがあんなにマッチョになっているのにびっくり。『テルマ&ルイーズ』や『ファイト・クラブ』の時は線の細いボクサー・タイプの身体だったのに、いまは重厚な筋肉の鎧を身にまとっています。『トロイ』の影響でしょうか。現状を維持してくれれば、ゴウ先生、ファンになります。
☆本作、冒頭と結末で出てくるセラピー・シーン。結婚を数字で把握しようとしてそれに抵抗する冒頭は、まさに夫婦関係が壊れかけた風景。それに対し、喜んで数字で表現しようとする結末では、徹底的な夫婦喧嘩が逆に夫婦仲を完全に修復できたことを表しています。なかなかツボを押さえた脚本だと思いました。
☆それにしても、本作と『リバティーン』、冒頭と結末に主人公(たち)のモノローグを置く映画を1日で2本も見ることになるとは・・・。
☆出会った時を、夫は「5、6年前」といい、妻が「6年前」と修正する。殺した人間の数を、夫は「60人くらい」といい、妻は「312人」と正確に覚えている。こんなものでしょうか、世の中のご夫婦は。どちらかといえば、わが家では逆なのですが・・・。
☆ブラピの元嫁のジェニファー・アニストンがいま交際しているヴィンス・ヴォーンが出ているのにびっくり。しかも、ブラピを助けるしがない同業の友人の役。こういうのって、どんな気分で共演しているのでしょうか。
☆ヴォーンは、これが地でしょうか。ガンガンしゃべりまくって笑いを誘います。『トゥルー・ライズ』でいえば、トム・アーノルドの役どころです。それにしても、これだけの役なのに、名前が呼ばれた記憶がありません。名なしの権兵衛。なかなか粋な脚本です。
++++++++++
有無を言わせず、娯楽映画の王道を突っ走る本作。たまにはこういう映画を見ないと、どこか変になってしまいます(!?)。
ゴウ先生、すごい満足感でした。
しかも、DVDはDTS5.1chを所収している様子。欲しくなります。新文芸座を凌ぐ迫力が出るかもしれません。手に入れます。
見てください。
映画のレビューを他人様に読んでいただく、このようなブログに書くようになってから、どこか気の利いたことを書かなければならないと身構えている自分がいることに気がつきます。思ったことと違うことを書くことこそありませんが、どこか自分で自らを抑制している気がするのです。
しかし、本作に関していえば、もうコントロールが効きません。誰が何といおうが、面白いといいたくなります。理屈でなく、理性でなく、感情が、感性が、面白いと叫べと命じるのです。
さすがにAと評価するのには抵抗がありますが、A-の価値はあると「感じ」てしまいます。いまでも3日前の興奮が蘇るのです。それだけ、ゴウ先生のツボにはまってしまった映画だということで、お許しください。
ともかく、ゴウ先生、アンジェリーナ・ジョリーもブラッド・ピットもどこか勘違いしていました。アンジェリーナに関していえば、彼女のタラコ唇が何となく嫌で、出る映画をほとんど見たことがなかったし(『スカイキャプテン』ぐらい?)、ブラピも『テルマ&ルイーズ』と『セブン』と『ファイト・クラブ』で終わっていると思って、他の作品はほとんど見ていない有り様です(あ、『オーシャンズ11』は見ましたね、よく覚えていないけど)。
しかし、今回気づかされました。アンジェリーナは美しく聡明だし、ブラピはバカみたいにカッコよいではないですか。二人とも大衆的アクション映画に必要な要素をすべて兼ね備えたスターです。
その二人を支える監督が『ボーン・アイデンティティ』のダグ・リーマンだとは、見終わって公式サイトを覗くまで知りませんでした。どうりで途中のカメラ回しなどがスタイリッシュでどこかで見たことがあると思ったわけです。
確かに、本作の話の展開は、あまりに虫が良すぎます。しかし、あれこれ偏見を拭い去って虚心坦懐に画面を見つめる限り、「嘘だろう!」と茶々を入れる気がうせてきます。ありえないと分かっていながら、息を呑み、ワクワクするのです。
なぜなのか考えてみました。本作の殺し屋夫婦は、何よりも自分たちがプロの仕事人であることにプライドを持っています。そして、そのことから生じるあらゆるトラブルを解決することに自分の存在意義を見出しているのです。
したがって、結婚6年が経って(ブラピ曰く「5、6年かな?」)お互いの間にすきま風が吹いても、その解決法をセラピーに求めるのではなく、自分の稼業に求めるしかありません。
ある意味、仕事中毒の二人が、ライバルとして敵対して本当の愛に目覚めるというラブ・コメディの王道を歩んでいるのが本作の設定なのです。
たとえば、『ユー・ガット・メール』のメグ・ライアンとトム・ハンクスがそうでしたし、『ディボース・ショウ』のキャサリン・ゼタ-ジョーンズとジョージ・クルーニーもそうでした。戦うことでお互いの愛を深めていくのです。
このラブコメの基本コンセプトに、『キル・ビル』ばりの強烈な対面アクションや『マトリックス』のカーアクション、そして『ボーン・アイデンティティ』のような真犯人を探すプロットが乗っかるのです。面白くないはずがありません。
ゴウ先生、二人の光り輝くスターの熱演を見て、久しぶりに映画らしい映画を見たといいたくなるほどです。
++++++++++
画質 (スコープ): A-
空いていたので、新文芸座のベストと思える座席で人の頭に邪魔もされず、しっかりと体全体でシネスコ画面を受け取ることができました。大満足です。DVDでもあの鮮烈な絵が入っていることを願いたいものです。
音質 (ドルビーサラウンド): A
音はグルグル回りますし、重低音もドーンときます。アクション映画のお手本みたいなサウンド・デザインです。
英語学習用教材度: B+
多少下品な俗語が使われるのと会話の量が少ないので、B+としました。しかし、実に分かりやすいセリフが多いので、相当な学習教材になる可能性があります。
DVDには英語字幕がついているようなので、ゴウ先生、今度吟味してみたいと思います。
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気になるところを、アト・ランダムに。
☆アンジェリーナ・ジョリー、この映画でファンになってしまいました。スタイル、ファッション、アクション、演技、どれもまったく破綻していません。大したものです。出演作を片っ端から見たくなります。
☆ブラピがあんなにマッチョになっているのにびっくり。『テルマ&ルイーズ』や『ファイト・クラブ』の時は線の細いボクサー・タイプの身体だったのに、いまは重厚な筋肉の鎧を身にまとっています。『トロイ』の影響でしょうか。現状を維持してくれれば、ゴウ先生、ファンになります。
☆本作、冒頭と結末で出てくるセラピー・シーン。結婚を数字で把握しようとしてそれに抵抗する冒頭は、まさに夫婦関係が壊れかけた風景。それに対し、喜んで数字で表現しようとする結末では、徹底的な夫婦喧嘩が逆に夫婦仲を完全に修復できたことを表しています。なかなかツボを押さえた脚本だと思いました。
☆それにしても、本作と『リバティーン』、冒頭と結末に主人公(たち)のモノローグを置く映画を1日で2本も見ることになるとは・・・。
☆出会った時を、夫は「5、6年前」といい、妻が「6年前」と修正する。殺した人間の数を、夫は「60人くらい」といい、妻は「312人」と正確に覚えている。こんなものでしょうか、世の中のご夫婦は。どちらかといえば、わが家では逆なのですが・・・。
☆ブラピの元嫁のジェニファー・アニストンがいま交際しているヴィンス・ヴォーンが出ているのにびっくり。しかも、ブラピを助けるしがない同業の友人の役。こういうのって、どんな気分で共演しているのでしょうか。
☆ヴォーンは、これが地でしょうか。ガンガンしゃべりまくって笑いを誘います。『トゥルー・ライズ』でいえば、トム・アーノルドの役どころです。それにしても、これだけの役なのに、名前が呼ばれた記憶がありません。名なしの権兵衛。なかなか粋な脚本です。
++++++++++
有無を言わせず、娯楽映画の王道を突っ走る本作。たまにはこういう映画を見ないと、どこか変になってしまいます(!?)。
ゴウ先生、すごい満足感でした。
しかも、DVDはDTS5.1chを所収している様子。欲しくなります。新文芸座を凌ぐ迫力が出るかもしれません。手に入れます。
見てください。