2006.04.10 Monday
アイランド (DVD)
『チーム★アメリカ ワールド・ポリス』を見たら(4月5日のレビュー参照)、本作を見たくなりました。あの作品で「クソ」だと唄われた『パールハーバー』のマイケル・ベイが監督しているからです。
DVDを手にとって思ったのは、「面白い、けど・・・」という思いです。
(ここからネタバレ注意!)
2019年の近未来に人間の完全なクローンが出来るという設定そのものに、まず引っかかります。
いま現在も世界のどこかでだれかがクローン技術を高める研究を続けているとしても、にわかに信じがたい科学の進歩の速さです。
そのうえ、途中からユアン・マクレがーとスカーレット・ヨハンソンの主人公二人がクローンだと分かると、感情移入がしにくくなりもします。
本作で展開されているクローン技術がいまのそれの発展系であるならば、無精交配の結果誕生したクローンには、生殖能力はありえません。つまり、この二人のクローンが愛し合ったところで、子供はできず、クローン人間社会はいずれ消滅するだけのものになるのです。
つまり、たとえ二人が結ばれても普通の意味でクローンの二人の未来はありえないのです。
その明日のないクローンが他のクローンを助けるというストーリー展開に、アクション映画としての面白さは感じるものの、感情移入できないのでありました。
もちろん、それが現代科学への痛烈なる批判をこめた結果であるというのならば、すごい発想であると思わないではありません。しかし、そういうメッセージを伝えられている映画のようには見えないのです。
“クローンで儲けようとした奴らは、クローン人間から復讐されても仕方ない”という程度のコンセプトとしか思えないと言い換えましょう。
その意味で、大いに食い足りないアクション映画でした。「クソ映画」だとは申し上げませんが・・・。
++++++++++
画質 (スコープ): A-
メリハリのついた鮮やかな絵です。屋内シーンも屋外シーンも違和感なく見られます。カメラワークの見事さも、見逃せません。CGも極めて少ないようで、好きな画面構成です。
音質 (ドルビー・デジタル5.1ch): A-
奥行きのある透明感というほど鮮度は高くないものの、サラウンドや重低音の使い方はさすが。切迫感が出ています。
英語学習用教材度: B-
アクション映画であるにもかかわらず(?)、英語そのものの質は低くありません。むしろ上品な英語ばかりが使われていると申し上げてよいでしょう。しかも、本編は英語字幕つき。英語学習用テクストとして十分に使えます。
しかし、アクション映画の常で、会話の量が少なすぎます。お洒落な会話もそれほどありません。さらに、頼みの特典映像もたった15分程度。しかも英語字幕なし。
英語学習用教材としてお薦めするのには、少し勇気がいるDVDです。
++++++++++
気になるところを、アト・ランダムに。
☆ユアン・マクレガーの眉間のいぼ。かつての千昌夫を思い出してしまいました。ファンの方、申し訳ありません。
☆スカーレット・ヨハンソン。この間アメリカで最もセクシーな女優に選ばれていましたが、ゴウ先生にはその魅力がいまいち分かりません。『ロスト・イン・トランスレーション』のどこか中性的な若い人妻には唸るものがありました。が、今回の彼女にはマクレガーが引き付けられるものがよく見えないのです。グラマラスなフィジークが魅力的であるのは認めます。しかし、その域を映画が超えてくれません。脚本の弱さのせいだとは思いますが。
☆彼らクローンが来ている白の制服と靴。プーマ製でした。劇中マクレガーがいうほど悪くないと思いましたが、たまには白以外の色の服も着たいのでしょうね。
☆クローン人間製造の責任者をショーン・ビーンが演じています。『フライト・プラン』以来、どうも悪人に見えなくて困ります。この映画でも本当に悪い奴のようには見えません。主役二人と彼に魅力を出させなかった脚本の弱さは、強調しておくべきでしょう。
☆同じく不満をもったのが、ゴウ先生の大好きな黒人巨漢俳優マイケル・クラーク・ダンカンの扱い方。『アルマゲドン』や『グリーンマイル』の熱演を懐かしく思い出しました。彼の身体と声の魅力をもっと存分に活かしてほしかったものです。
☆同じく『アルマゲドン』のメンバー、スティーヴ・ブシェミ。相変わらず歯並びが悪く、何かしてくれそうな気配濃厚でした。でも、それも若干肩透かしでした。
☆『グラディエーター』でラッセル・クロウを助けた黒人戦士ジャイモン・フンスーが、警官役で登場します。しかし、彼の存在もどこかステレオタイプ的使われ方で、ゴウ先生は不満です。『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』の方がはるかにベターです。
☆というわけで、俳優の使い方に不満の残る本作、やはり注目は実写で撮ったというアクション・シーンの数々。特に、カーチェイスの迫力は、腐ってもマイケル・ベイという感じでした。
++++++++++
辛口のコメントが多くなってしまったレビューですが、あれこれ細かいことを気にしなければ、十分に楽しめる映画ではあります。
まずは、レンタルでどうぞ。
DVDを手にとって思ったのは、「面白い、けど・・・」という思いです。
(ここからネタバレ注意!)
2019年の近未来に人間の完全なクローンが出来るという設定そのものに、まず引っかかります。
いま現在も世界のどこかでだれかがクローン技術を高める研究を続けているとしても、にわかに信じがたい科学の進歩の速さです。
そのうえ、途中からユアン・マクレがーとスカーレット・ヨハンソンの主人公二人がクローンだと分かると、感情移入がしにくくなりもします。
本作で展開されているクローン技術がいまのそれの発展系であるならば、無精交配の結果誕生したクローンには、生殖能力はありえません。つまり、この二人のクローンが愛し合ったところで、子供はできず、クローン人間社会はいずれ消滅するだけのものになるのです。
つまり、たとえ二人が結ばれても普通の意味でクローンの二人の未来はありえないのです。
その明日のないクローンが他のクローンを助けるというストーリー展開に、アクション映画としての面白さは感じるものの、感情移入できないのでありました。
もちろん、それが現代科学への痛烈なる批判をこめた結果であるというのならば、すごい発想であると思わないではありません。しかし、そういうメッセージを伝えられている映画のようには見えないのです。
“クローンで儲けようとした奴らは、クローン人間から復讐されても仕方ない”という程度のコンセプトとしか思えないと言い換えましょう。
その意味で、大いに食い足りないアクション映画でした。「クソ映画」だとは申し上げませんが・・・。
++++++++++
画質 (スコープ): A-
メリハリのついた鮮やかな絵です。屋内シーンも屋外シーンも違和感なく見られます。カメラワークの見事さも、見逃せません。CGも極めて少ないようで、好きな画面構成です。
音質 (ドルビー・デジタル5.1ch): A-
奥行きのある透明感というほど鮮度は高くないものの、サラウンドや重低音の使い方はさすが。切迫感が出ています。
英語学習用教材度: B-
アクション映画であるにもかかわらず(?)、英語そのものの質は低くありません。むしろ上品な英語ばかりが使われていると申し上げてよいでしょう。しかも、本編は英語字幕つき。英語学習用テクストとして十分に使えます。
しかし、アクション映画の常で、会話の量が少なすぎます。お洒落な会話もそれほどありません。さらに、頼みの特典映像もたった15分程度。しかも英語字幕なし。
英語学習用教材としてお薦めするのには、少し勇気がいるDVDです。
++++++++++
気になるところを、アト・ランダムに。
☆ユアン・マクレガーの眉間のいぼ。かつての千昌夫を思い出してしまいました。ファンの方、申し訳ありません。
☆スカーレット・ヨハンソン。この間アメリカで最もセクシーな女優に選ばれていましたが、ゴウ先生にはその魅力がいまいち分かりません。『ロスト・イン・トランスレーション』のどこか中性的な若い人妻には唸るものがありました。が、今回の彼女にはマクレガーが引き付けられるものがよく見えないのです。グラマラスなフィジークが魅力的であるのは認めます。しかし、その域を映画が超えてくれません。脚本の弱さのせいだとは思いますが。
☆彼らクローンが来ている白の制服と靴。プーマ製でした。劇中マクレガーがいうほど悪くないと思いましたが、たまには白以外の色の服も着たいのでしょうね。
☆クローン人間製造の責任者をショーン・ビーンが演じています。『フライト・プラン』以来、どうも悪人に見えなくて困ります。この映画でも本当に悪い奴のようには見えません。主役二人と彼に魅力を出させなかった脚本の弱さは、強調しておくべきでしょう。
☆同じく不満をもったのが、ゴウ先生の大好きな黒人巨漢俳優マイケル・クラーク・ダンカンの扱い方。『アルマゲドン』や『グリーンマイル』の熱演を懐かしく思い出しました。彼の身体と声の魅力をもっと存分に活かしてほしかったものです。
☆同じく『アルマゲドン』のメンバー、スティーヴ・ブシェミ。相変わらず歯並びが悪く、何かしてくれそうな気配濃厚でした。でも、それも若干肩透かしでした。
☆『グラディエーター』でラッセル・クロウを助けた黒人戦士ジャイモン・フンスーが、警官役で登場します。しかし、彼の存在もどこかステレオタイプ的使われ方で、ゴウ先生は不満です。『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』の方がはるかにベターです。
☆というわけで、俳優の使い方に不満の残る本作、やはり注目は実写で撮ったというアクション・シーンの数々。特に、カーチェイスの迫力は、腐ってもマイケル・ベイという感じでした。
++++++++++
辛口のコメントが多くなってしまったレビューですが、あれこれ細かいことを気にしなければ、十分に楽しめる映画ではあります。
まずは、レンタルでどうぞ。
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