2006.03.15 Wednesday
ネバーランド (DVD)
本作は、「ピーター・パン」の原作者ジェームズ・M・バリが、未亡人と彼女の4人の男の子との交流から「ピーター・パン」を生み出すまでの物語です。ジョニー・デップが作家を、ケイト・ウィンスレットが未亡人を演じます。
最近、デップの魅力に気づきあるゴウ先生、『タイタニック』の最新DVDを通して演技の上手さを見直したウィンスレットが共演していることに気づき、遅ればせながら見てみました。

タイタニック アルティメット・エディション
しかも、監督がハル・ベリーの魅力を全開させた『チョコレート』のマーク・フォースター。さらに期待を募らせました。

チョコレート
しかし、その期待、残念ながら裏切られました。平板で先が読める脚本に難儀して、うたた寝をこらえるのに必死な有り様です。
まず、原題を知ると大体の筋が読めます。Finding Neverland。すなわち、「ネバーランドを探して」。
つまりは、バリにとっての夢の場所を探すというシナリオになると見えるではないですか。バリこそがピーター・パンになりたかったのだというコンセプトが容易に想像できるのです。これだけ有名な物語の誕生秘話を描くにしては、単純すぎるタイトルのつけ方です。
さらに、デップという個性の強い役者には、もう少しひねった脚本が向くと思うのです。抑制の効いた演技もうまいとは思うのですが、見ているこちらとしては何かしてくれるのではないかと思ってみてしまうので、淡々とした展開に肩透かしを食らうことになります。
その意味で、未亡人との関係が単なるプラトニックで終わったという設定もいただけません。もう少し濃密な物語が二人にあったとしても、不思議ではないと思います。それがあれば、映画的感動がこちらにはっきりと伝わったことでしょう。
それこそ、フォースターが『チョコレート』で作り出した、死刑囚の妻と元看守の間の人種を超えた激しいセックスにあたる山場こそ、この映画に必要だったのではないでしょうか。
これならば、同じ「ピーター・パン」を題材にした映画であるスティブン・スピルバーグ監督の『フック』に完全に負けています。

フック コレクターズ・エディション
この映画の主人公は、大人になったピーター・パン(デップと同じく癖のあるロビン・ウィリアムズが演じて話題を呼びました)。しかし、大人になったピーター・パンは、仕事に忙しく、自分に一番大切な家族・友人をないがしろにしてしまうようになってしまいます。しかし、それを自分の子供から指摘されたとき、彼は昔のピーターに戻ろうとするのです。そして「ネバーランドを探し」だすのでした。
こうしたコンセプトの内容をスピルバーグがエンターテインメント性豊かに描く本作。DVDの外箱をボロボロにしてしまうほど、わが家の子供たちは繰り返し見たものです。
誰もが憧れるピーター・パン。だからこそ、本作も、もう少し観客の気持ちを考えた展開にしてほしかった恨みが残ります。
++++++++++
画質 (スコープ): B+
120インチでもまずまずの画質です。それでもそれほどスケール感がないのが残念です。もう少し撮影に工夫があればと惜しまれます。ゴウ先生の好きなスコープ・サイズなのですから。
音質 (ドルビーデジタル5.1ch): B+
かなり音は回ります。ただし、テレビでステレオで見ると、若干セリフが聞こえにくくなるのが難点です。
英語学習教材度: C-
舞台はロンドンですから、基本的にはイギリス英語オンリー。しかし、気品のある英語ばかりですから、高く評価します。
しかし、最大の欠点は、英語字幕がないこと。これでは真剣な英語学習に使えません。このマイナス要素は、トータルのゴウ先生ランキングにも大いに影響を与えました。
++++++++++
気になったところを、アト・ランダムに。
☆このDVDの場合、冒頭に収録してある本編にまったく関係のない広告・予告編が飛ばせません。したがって、コマ送りするかじっと終わるのを待つかしないのです。
こういうDVD、時にありますが、ゴウ先生、大嫌いです。特にこのDVDを英語学習用に使いたいという方には、何度もこの部分を見せられて、さっと勉強に使えないと言うことになるのは、最悪です。この点もこのDVDの評価を下げました。
☆『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカとチャーリー(本作のピーター)の組み合わせが、すでにこの映画で実現していたのですね。

チャーリーとチョコレート工場 特別版
☆ダスティン・ホフマンの登用は、『フック』へのオマージュなのでしょう。『フック』がまた見たくなりました。
☆ケイト・ウィンスレットも、なかなか奥の深い女優さんです。『エターナル・サンシャイン』の時との違いの大きいこと。こういう演技の幅の広いカメレオンのような役者さん、大好きです。

エターナル・サンシャイン DTSスペシャル・エディション
☆20世紀のイギリスの貴族階層。やっぱりスノッブでした。デップの怪しさはその点においてうまく出ています。
++++++++++
本編そのもので、B-/C+。そしてDVDが、C。これがゴウ先生の評価です。イアン・マクレガーあたりが、バリ役をやってくれていたら、きっと評価が変わったことでしょう。
最近、デップの魅力に気づきあるゴウ先生、『タイタニック』の最新DVDを通して演技の上手さを見直したウィンスレットが共演していることに気づき、遅ればせながら見てみました。

タイタニック アルティメット・エディション
しかも、監督がハル・ベリーの魅力を全開させた『チョコレート』のマーク・フォースター。さらに期待を募らせました。

チョコレート
しかし、その期待、残念ながら裏切られました。平板で先が読める脚本に難儀して、うたた寝をこらえるのに必死な有り様です。
まず、原題を知ると大体の筋が読めます。Finding Neverland。すなわち、「ネバーランドを探して」。
つまりは、バリにとっての夢の場所を探すというシナリオになると見えるではないですか。バリこそがピーター・パンになりたかったのだというコンセプトが容易に想像できるのです。これだけ有名な物語の誕生秘話を描くにしては、単純すぎるタイトルのつけ方です。
さらに、デップという個性の強い役者には、もう少しひねった脚本が向くと思うのです。抑制の効いた演技もうまいとは思うのですが、見ているこちらとしては何かしてくれるのではないかと思ってみてしまうので、淡々とした展開に肩透かしを食らうことになります。
その意味で、未亡人との関係が単なるプラトニックで終わったという設定もいただけません。もう少し濃密な物語が二人にあったとしても、不思議ではないと思います。それがあれば、映画的感動がこちらにはっきりと伝わったことでしょう。
それこそ、フォースターが『チョコレート』で作り出した、死刑囚の妻と元看守の間の人種を超えた激しいセックスにあたる山場こそ、この映画に必要だったのではないでしょうか。
これならば、同じ「ピーター・パン」を題材にした映画であるスティブン・スピルバーグ監督の『フック』に完全に負けています。

フック コレクターズ・エディション
この映画の主人公は、大人になったピーター・パン(デップと同じく癖のあるロビン・ウィリアムズが演じて話題を呼びました)。しかし、大人になったピーター・パンは、仕事に忙しく、自分に一番大切な家族・友人をないがしろにしてしまうようになってしまいます。しかし、それを自分の子供から指摘されたとき、彼は昔のピーターに戻ろうとするのです。そして「ネバーランドを探し」だすのでした。
こうしたコンセプトの内容をスピルバーグがエンターテインメント性豊かに描く本作。DVDの外箱をボロボロにしてしまうほど、わが家の子供たちは繰り返し見たものです。
誰もが憧れるピーター・パン。だからこそ、本作も、もう少し観客の気持ちを考えた展開にしてほしかった恨みが残ります。
++++++++++
画質 (スコープ): B+
120インチでもまずまずの画質です。それでもそれほどスケール感がないのが残念です。もう少し撮影に工夫があればと惜しまれます。ゴウ先生の好きなスコープ・サイズなのですから。
音質 (ドルビーデジタル5.1ch): B+
かなり音は回ります。ただし、テレビでステレオで見ると、若干セリフが聞こえにくくなるのが難点です。
英語学習教材度: C-
舞台はロンドンですから、基本的にはイギリス英語オンリー。しかし、気品のある英語ばかりですから、高く評価します。
しかし、最大の欠点は、英語字幕がないこと。これでは真剣な英語学習に使えません。このマイナス要素は、トータルのゴウ先生ランキングにも大いに影響を与えました。
++++++++++
気になったところを、アト・ランダムに。
☆このDVDの場合、冒頭に収録してある本編にまったく関係のない広告・予告編が飛ばせません。したがって、コマ送りするかじっと終わるのを待つかしないのです。
こういうDVD、時にありますが、ゴウ先生、大嫌いです。特にこのDVDを英語学習用に使いたいという方には、何度もこの部分を見せられて、さっと勉強に使えないと言うことになるのは、最悪です。この点もこのDVDの評価を下げました。
☆『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカとチャーリー(本作のピーター)の組み合わせが、すでにこの映画で実現していたのですね。

チャーリーとチョコレート工場 特別版
☆ダスティン・ホフマンの登用は、『フック』へのオマージュなのでしょう。『フック』がまた見たくなりました。
☆ケイト・ウィンスレットも、なかなか奥の深い女優さんです。『エターナル・サンシャイン』の時との違いの大きいこと。こういう演技の幅の広いカメレオンのような役者さん、大好きです。

エターナル・サンシャイン DTSスペシャル・エディション
☆20世紀のイギリスの貴族階層。やっぱりスノッブでした。デップの怪しさはその点においてうまく出ています。
++++++++++
本編そのもので、B-/C+。そしてDVDが、C。これがゴウ先生の評価です。イアン・マクレガーあたりが、バリ役をやってくれていたら、きっと評価が変わったことでしょう。