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秀山祭九月大歌舞伎 夜の部『勧進帳』

 

歌舞伎座 一幕見席 2列目7番 1500円 
2019年9月13日(金)6:24‐7:40
公式サイト:https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/630

 

ゴウ先生総合評価: A

 

中村吉右衛門が松王丸を演じる『寺子屋』も楽しみでしたが、片岡仁左衛門が弁慶を演じる『勧進帳』にも期待していました。というわけで、『寺子屋』『勧進帳』と一幕見席で見物することにしたのでした。

 

ただし、仁左衛門が25日間演じるというわけではなくて、奇数日だけの出演ですから(松本幸四郎が偶数日の弁慶)、スケジュールには気をつけました。当初は、20日に行こうとおもっていたのですが、あわてて変更したのでありました。

 

席は、『寺子屋』と同じ下手の通路側の席。上手の好きな席が他の見物に押さえられていましたから、仕方ない選択です。

 

☆作品の成立

能の『安宅』をもとに、七世市川團十郎が天保11(1840)年3月に江戸河原崎座にて初演した歌舞伎十八番。作者は、三世並木五瓶の脚本、四世杵屋六三郎の作曲、四世西川扇蔵の振付。

 

☆戦後の上演歴

戦後204回目の本興行上演。

弁慶を戦後の本興行で最も演じているのは、十二世市川團十郎の37回。続いて、当代松本白鸚の33回、二世尾上松緑の19回、初世松本白鸚の17回、当代吉右衛門の13回、五世中村富十郎の12回。当代片岡仁左衛門は、平成20年4月以来、9回目。

富樫に関していえば、当代吉右衛門の20回が最高。続いて当代菊五郎の17回、当代仁左衛門の13回、五世富十郎の11回、十二世團十郎の8回。当代松本幸四郎は、5回目。

義経役は、七世尾上梅幸の25回が最多。続いて、藤十郎の23回、当代菊五郎の17回。片岡孝太郎は、4回目。

 

☆主な配役

 

     武蔵坊弁慶 仁左衛門(奇数日)

       源義経 孝太郎
      亀井六郎 坂東亀蔵
      片岡八郎 萬太郎
      駿河次郎 千之助
     常陸坊海尊 錦吾
     富樫左衛門 幸四郎(奇数日)

 

☆あらすじ

源頼朝から追われて逃げ延びる源義経(片岡孝太郎)一行が、山伏姿にて安宅の関を通ろうとします。すると、当地の関守である富樫左衛門(松本幸四郎)がその前に立ちふさがります。そこで、義経の配下武蔵坊弁慶(片岡仁左衛門)が知恵と勇気の限りを尽くして通り抜けようとするのでした……。

 

☆仁左衛門にしかできない弁慶

 

何ともカッコいい弁慶です。力強さもありますが、それにもまして男前。惚れ惚れするしかありません。

 

弁慶役者では、吉右衛門を当代一と評しますが、仁左衛門はそれに匹敵します。これを観たら、市川海老蔵はまだまだですし、松本白鸚・幸四郎父子も及びません。

 

「やーれ、暫く」の声から最後に至るまで、明晰そのものの仁左衛門のテノールのセリフ回しに、難しい仏教用語がモーツァルトのオペラのように美しく響きます。それを聴いているだけで、何度も観た『勧進帳』が別物のように感じられるから不思議です。

 

セリフの正確さと美しさも然りながら、その所作の正しさに目を瞠ります。例えば、金剛杖の持ち方。吉右衛門を含め、白鸚・幸四郎・海老蔵は杖を両手順手でもちます。しかし、それでは杖を自由に使えるはずがありません。ゆえに、順手と逆手で杖をもつのが正解であり、仁左衛門はその正解を見せてくれるのです。こういう細かいところにこだわるところが、仁左衛門の真骨頂です。

 

なお、富樫との山伏問答では、渡辺保先生は富樫の鼻先まで近づいていて、仁左衛門は近づきすぎという批判をされていましたが、この日は一歩出たら一歩下がり、どんなに富樫に近づいてもそこにはしっかりと適切な間隔が保たれていました。渡辺先生が観られた日から修正したのでしょう。

 

勧進帳を読み終えたあとサッサと帰るという渡辺先生の批判も、この日の仁左衛門はしっかりと富樫をにらみつける間を作っており、違和感なしです。

 

見得の訴求力も、格別です。石投げの見得を含め、すべてが華麗に決まり、流麗さに流れるのかとおもわせる弁慶に漲る迫力を与えています。

 

残念だったのは、最後の飛び六法。花道の本当の七三から飛び始めた仁左衛門、4階の一幕見席からはその飛び六法がまったく見えませんでした。国立劇場なら、そういうことはなかったわけですが、仁左衛門のこだわりが、最後の感動を4階席の見物から奪ってしまったのです。常に観客ファーストを唱えてきた仁左衛門にしては、落ち度といわねばなりません。

 

幸四郎の富樫は、この人のニンそのもの。弁慶で感じる背伸び感や不安感がなく、すんなりと観ることができます。少なくとも白鸚の富樫よりも好きです。ただし、義経一行を通させることにより身に及ぶ危険に対する覚悟が透けて見えないところが、惜しいところ。これからの課題ではないでしょうか。

 

孝太郎の義経は、品があり、なかなかのもの。ただ、義経御手の場面で弁慶を制する重みがあるかといえば、坂田藤十郎や尾上菊五郎にははるかに及ばないというしかありません。

 

四天王は、それなり。

 

長唄は、やっぱり壮観。「旅の衣は篠懸の」が始まるとワクワクします。「またか」の『勧進帳』のうれしいプレゼントです。

 

個人的に、仁左衛門の一世一代だとおもって観ました。そして、圧倒されました。十三世仁左衛門が七世幸四郎から習い、それを継承した演技です。この正確な演技が後輩たちに伝わることを強く望みます。

 

| 歌舞伎 | 11:26 | comments(0) | trackbacks(0) |
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