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追想(UK BD/Region B)

 

原題:On Chesil Beach (2017)
上映時間:1:49:52
2018年8月10日 国内劇場初公開
公式サイト:http://tsuisou.jp/

ゴウ先生総合評価: A/A-
  画質(2.39:1): A+/A
  音質(DTS-HD Master Audio 5.1): A
  英語学習用教材度: A/A-

 

つぐない』(2007)の原作者イアン・マキューアンが自らの小説『初夜』を脚色し映画化した英国製恋愛ドラマ。

 

On Chesil Beach
Vintage

 

初夜 (新潮クレスト・ブックス)
新潮社

 

主演は、『つぐない』(2007)でアカデミー助演女優賞に、『ブルックリン』(2015)『レディ・バード』(2017)で同主演女優賞にノミネートされた、『ラブリーボーン』(2009)『ウェイバック -脱出6500km-』(2010)『ハンナ』(2011)『ビザンチウム』(2012)『グランド・ブダペスト・ホテル』(2013)『わたしは生きていける』(2013)『ゴッホ 最期の手紙』(2017)『かもめ』(2018)『Mary Queen of Scots』(2018)のシアーシャ・ローナン

 

準主演は、『ベロニカとの記憶』(2017)『アウトロー・キング 〜スコットランドの英雄〜』(2018)のビリー・ハウル

 

その他、アンヌ=マリー・ダフエイドリアン・スカーボロービビー・ケイヴエミリー・ワトソンサミュエル・ウェストが共演。

 

監督は、『劇場版】 嘆きの王冠 〜ホロウ・クラウン〜』三部作(2016)のドミニク・クック

 

☆英盤BDで観る

 

シアーシャ・ローナンの大ファンです。『つぐない』(2007)以来、すべての出演作を観ています。そのピュアな美しさと確かな演技力に惚れこんでいるからです。

 

ゆえに、本作も観たいとおもっていました。ところが、劇場へ行く都合がつかなかったのです。そこで、18日(日)に英盤Blu-ray Discが、英アマゾンで10.89ポンドの最安値をつけていたので注文しました。それが、スタンダード便なのに、たった3日で21日(水)に届き、早速観ることにしたのでした。

 

☆あらすじ

 

舞台は、1962年、1975年、2007年のイギリス。

 

1962年、ロンドンに住む23歳のフローレンス・ポンティング(シアーシャ・ローナン)は、成功した実業家の父ジェフリー(サミュエル・ウェスト)、厳格な母ヴァイオレット(エミリー・ワトソン)、妹ルース(ビビー・ケイヴ)の上流階級の家庭で育ち、ヴァイオリニストとしての成功を夢見て、自ら弦楽四重奏団を率いていました。

 

一方、郊外に住むほぼ同じ歳のエドワード・メイヒュー(ビリー・ハウル)は、学校の教員をしている父ライオネル(エイドリアン・スカーボロー)、脳に障害を持つ母マージョリー(アンヌ=マリー・ダフ)、双子の妹アン(アンナ・バージェス)、ハリエット(ミア・バージェス)の中流階級の家庭で育ち、ロンドン大学(UCL)で歴史学を学び、その成績も優秀で、歴史学者になることを夢見ていました。

 

その年、このふたりが偶然出会い、恋に落ちてしまいます。そして、異なる家庭環境を乗り越えて、同じ年の夏、結婚式を行い、ふたりは風光明媚なドーセット州のチェジル・ビーチに新婚旅行に向かいます。

 

ところが、初夜を迎え、緊張と興奮のせいでふたりのセックスはうまくいかず、気まずい空気がふたりの間に流れるのでした……。

 

☆処女と童貞の悲しい物語

 

原作を大昔に読みましたが、それほど感心しませんでした。しかし、映画は別もの。瑞々しくて魅力的です。若い男女の一途な恋が空回りするさまが丁寧に描かれ、切なさが倍増しています。キャリー・マリガンがフローレンス役に関心をもっていたようですが、いまとなってはシアーシャ・ローナン以外のフローレンスは考えられません。

 

一見、単なるセックス下手が原因の離別物語とおもえる本作です。しかし、本作の底流に流れるのは、イギリスにいまでも残る階級意識なのです。階級差のあるフローレンスとエドワードが恋に落ちても、たとえ後者が名門UCLの歴史学部をトップで卒業しても、ポンティング家から歓迎されることは決してありません。この負い目が、常にエドワードを苦しめたのです。

 

その象徴が、フローレンスの父親の態度です。結婚したら、自分の電子機器メーカーに就職させてやるというのですが、与えられるオフィスはいままで倉庫に使っていた窓もない部屋。そのうえ、エドワードに無理やりテニスの試合を挑み、コテンパンにやっつけます。3セット行い、エドワードは1ゲームしか取れない有様です。しかも、その様子を見に来たフローレンスに父親は「スパイに来たのか」と怒鳴りつけるのです。

 

このプレッシャーの中で結婚式を挙げ、チェジル・ビーチのホテルに来たものの、セックスを怖がる処女のフローレンスを、童貞のエドワードは懐柔できません。もう少しセックスを勉強しておけよと叱りたくなるほど、エドワードは前戯も中途半端で、挿入前に射精してしまい、フローレンスの嫌悪感を最大にしてしまうのです。それもこれも、ポンティング家とうまくやっていく自信がないからの緊張感なのではないかと解釈したくなります。

 

こうして結婚6時間で破局を迎えるのですが、ここでもエドワードが意地を張らずに、フローレンスの心をほぐしてあげられていれば、何の問題もありませんでした。しかし、ポンティング家との関係に疲れていた若いエドワードは、破局へとひた走ります。

 

この結果、フローレンスの父親の会社で働くこともなくなり、エドワードは仕事を見つけることから再スタートしなければならなくあんります。映画は1975年に飛び、エドワードがロンドンでレコード店を経営している風景が映ります。歴史学者になる夢が途絶え、就職に苦労したということでしょう。エドワードの人生は、実母が走ってくる列車のドアに頭をぶつけて脳を損傷して、奇行に落ち込んだように、どこまでも好転しないのです。

 

黒人の恋人モリー(タマラ・ローレンス)ができたようですが、結婚して家庭をもったという感じではありません。エドワードはいつまでもフローレンスのことを想っているのです。悲しい男の性です。

 

他方、フローレンスは自らの四重奏団のチェリストであるチャールズ・モレル(マーク・ドナルド)と結婚し、四重奏団を有名にしたうえ、3人の子供を産み、幸せな家庭生活を築きます。フローレンスのたくましさと階級差を超えられなかったエドワードの悲痛が対象的です。

 

とはいえ、フローレンスもエドワードを忘れたわけではないのです。エドワードと交わした女の子が生まれたら「クロエ」にするという約束をフローレンスは守ります。そのクロエが、1975年にエドワードのレコード店にエドワードがフローレンスに教えたチャック・ベリーのレコードを買いに来る偶然には、胸を熱くさせられます。

 

2007年、エドワードは実家で暮らしています。両親は死に、妹たちも独立し、本人に配偶者や子供はおらず、どうやらひとり暮らしです。わびしく冷凍食品で夕食を取る姿が映ります。その背後にラジオ・ニュースが流れ、フローレンスの四重奏団が引退コンサートをウィグモア・ホールで開くことをアナウンサーが告げます。

 

エドワードはコンサートに出かけ、しかもフローレンスと約束していた前から3列目9番の席に座ります。お互い涙を流しつつも、演奏が終わった際に、エドワードは「ブラボー」と声にならない声で叫びます。ですが、もはやふたりの人生が重なることはなくなったことが宣言されてしまうのです。

 

そして迎える、痛切なエピローグ。エドワードの意固地な選択ミスが観客の胸を締めつけるのです。たまりません。

 

個人的にしびれたのは、中盤、フローレンスがエドワードが働いていたクリケット場をいきなり訪ねる場面です。予期していなかったフローレンスの登場にエドワードは喜びはしゃぎます。その無邪気な喜びとシアーシャ・ローナンのキュートさが爆発し、目を奪われるのです。

 

しかも、その後、フローレンスはエドワードの実家を訪れ、上半身裸の母親に服を着せ、プレゼントを与え、妹ふたりと仲良くし、父親からも気に入られるのですから、ふたりの幸せを切望してしまいます。このように応援してしまうふたりが破局していくのですから、後半の悲しみはより強まるのです。

 

シアーシャ・ローナンが最高のフローレンスであったことは、いうまでもありません。1962年の透き通った美しさはもちろん、特殊メイクによって老けた2007年シーンの美しさも、格別です。惜しむらくは、ビリー・ハウルにローナンを惚れさせるパワーをいまひとつ感じなかったという恨みは残ります。

 

他の俳優は、出番が少ないもののすばらしい存在感を示してくれました。特に、アンヌ=マリー・ダフ、エイドリアン・スカーボロー、エミリー・ワトソン、サミュエル・ウェストには脱帽です。その他、それぞれの妹役の3人も印象的で、役者陣の充実には驚くべきものがあります。

 

本作は、現実の進行と回想シーンを織り交ぜる方法を採ります。月並みな手法ですが、本作では実に効果的です。現実と過去のつながりがダイレクトに結びつき、フローレンスとエドワードの心情が見えやすくなっているからです。編集(ニック・フェントン)の功績も大きいことはいうまでもありません。

 

ドミニク・クックの演出も奇を衒わず、正攻法。フローレンスの清楚で上品な衣服とエドワードの少し崩れた衣服も、イメージ通り。衣装デザインのキース・マッデンがきちんとした仕事をして、映画を支えています。

 

モーツァルトやベートーヴェンの名曲が多用される音楽も、うまく働いています。音楽監修カレン・エリオットはよい仕事をしました。

 

とにもかくにも、愛する人は、どんなことがあっても手離してはいかんということです。胸に突き刺さります。

 

内容: A/A-


++++++++++


画質(2.39:1): A+/A
 

Gump TheatreにてOppo UDP-203から1080・24p信号を直接HDMIケーブルによってソニーVPL-HW30ESに送り込み、120インチ・ワイド・スクリーンに映しています。2層50GB。コーデックは、MPEG-4 AVC。伝送レートは、5 Mbpsから37 Mbps。

 

撮影は、シアーシャ・ローナンとは『ビザンチウム』(2012)で組んだ、『ひかりのまち』(1999)『HUNGER/ハンガー (2008)『SHAME -シェイム-』(2011)、『ヒステリア』(2011)『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』(2012)、『それでも夜は明ける』(2013)、『オールド・ボーイ』(2013)『ロック・ザ・カスバ!』(2015)『ボストン ストロング 〜ダメな僕だから英雄になれた〜』(2017)のショーン・ボビット

 

機材は、アリカムLT、アリカムST 35mmフィルム・カメラを使用。マスター・フォーマットは、DI(バイト数は不明)。オリジナル・アスペクト比も、2.39:1。

 

グレインが全面的に残され、非常にフィルムルックなテクスチュアです。それでいて、解像度は高く、細部をえぐりだすほどの迫力はないものの、最新BDの水準は上回り、非常に美しい絵です。

 

昼間に見たら、軟調な印象がありました。ですが、電源状態がよい電車が走らない真夜中に見ると、フィルムらしい柔らかさを残しながらも、くっきりとした彫りの深さが印象に残り、奥行き感も十分に出るようになります。ただし、Blu-ray.comの米盤BDレビューのように、5点満点中5点という画質(貧乏英語塾長の評価では「A+以上」)までは、英盤BDはいきません。

 

色温度は、やや低め。暖色系がほんの少し強くなっています。色数は豊富で、発色は鮮明。肌の質感も、ナチュラルです。薄化粧をしているシアーシャ・ローナンとスッピンのビビー・ケイヴの違いがはっきりとわかります。違和感はありません。

 

暗部情報量も、十分。黒がよく沈み、階調も滑らかで、コントラストも非常に高く、夜のシーンでも見づらさは一切なしです。

 

大画面の近接視聴も、まったく問題ありません。

 

音質(DTS-HD Master Audio 5.1): A

 

Oppo UDP-203からソニーVZ-555ESに、サラウンドバック・スピーカー2本を付け加えた7.1チャンネル分をラインアウト接続して再生。伝送レートは、不明。音量は、マイナス30デシベル。

 

フロント重視の音響設計。後方に回るのは、音楽と効果音の一部くらいです。立体音場の密度感はやや寂しく、音の出所とスクリーンのマッチ度もやや曖昧になることがあり、移動感も明晰ではありません。それでも、左右の広がりは十分で、コンサート・シーンにはリアリティがあります。

 

ノイズフロアは、最低レベル。マイナス30デシベルの大音量でも、うるささはまったくありません。鳥・虫の鳴き声、風音など細かい環境・効果音がよく聞こえます。肝心の音楽が、見事。スタインウェイ・ピアノの響きにやや違和感を覚えますが、弦楽器の響きはなかなかのものです。特にチェロは、秀逸。多くのクラシック音楽ファンを納得させられる力があります。サラウンド感がイマイチなのを、音楽のすばらしさで取り戻しています。

 

セリフの抜けは、文句なし。レンジは広く、サ行がきつくなることもなく、高音も伸び、発音も明瞭です。

 

超低音成分の量は、控えめです。

 

英語学習用教材度: A/A-
 

英語字幕つき。残念ながら、日本語字幕・日本語吹替えはつきません。

 

セリフは、かなりの量。にもかかわらず、俗語・卑語は、まったく使われません。R指定なのは、エドワードの母親のフルヌードやエドワードとフローレンスのセックス・シーンがあるからです。英語に関していえば、安心してテクストに使えます。

 

しかも、使われる英語は正統的で美しく、俳優たちの発音も聴き取りやすいイギリス英語です。勉強になります。

 

英語字幕は、セリフを完璧にフォロー。とても勉強しやすい素材です。

 

ただし、特典が少ないうえに、英語字幕がつかないため、A/A-で終わってしまいました。

 

++++++++++

 

気になるところを、アト・ランダムに。

 

原題は、On Chesil Beach。もちろん、「チェジル・ビーチにて」という意味です。

 

☆弦楽・器楽演奏会場で有名なロンドンのウィグモア・ホールが、たびたび登場し、ステージはもちろん、楽屋まで見られることに、クラシック音楽ファンとしてはうれしくなりました。552席の小さなホールですが、100年以上の歴史をもち、多くの有名音楽家が演奏しています。貧乏英語塾長、一度は行ってみたいホールです。

 

☆製作費は、不明。世界で300万ドルの売り上げ。赤字になったものとおもわれます。

 

特典です。

 

 The Story Behind On Chesil Beach (9:09)
 Deleted Scenes (6:05)

 

映像:
  Aを基本に、適宜Bが挿入
 ◆B 

 A ビスタ・サイズ(1.78:1)のHD画質(AVC/1080・24p)
 B シネスコ・サイズ(2.39:1?)のHD画質(AVC/1080・24p)

音声:DTS-HD Master Audio Stereo

残念ながら、英語字幕はつきません。 

 

特典内容は、かなりものたらないものです。残念。

 

☆英盤BD、このあと20日には7.49ポンドまで値下がりしてしまいました。あと2日待てばよかったのです。トホホホホホ。

 

++++++++++

 

映画ファン、シアーシャ・ローナン・ファン、必見。電源事情さえよければ、画質は優秀で、音質も良好。英語学習の強い味方となる作品でもあります。強くオススメします!

 

(原作、再読決定です。)

 

| 外国映画(タ行) | 10:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
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