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コルトレーンを追いかけて(Netflix)

 

原題:Chasing Trane: The John Coltrane Documentary (2016)
上映時間:1:39:00
Netflix配信:国内劇場未公開・国内BD/DVD未発売
公式サイト:https://www.netflix.com/title/80147403​

ゴウ先生総合評価: A-
  画質(1.78:1): A-
  音質(Dolby Digital Plus 5.1): A-/B+
  英語学習用教材度: A

 

PEACE BED アメリカVSジョン・レノン』(2006)のジョン・シャインフェルド監督・脚本により、ジャズ界の伝説の巨人ジョン・コルトレーン(1926年9月23日 - 1967年7月17日)の人生を描いたドキュメンタリー。

 

ジョン・コルトレーンが遺した言葉を読むのは、『グローリー』(1989)でアカデミー助演男優賞、『トレーニング デイ』(2001)で同主演男優賞を受賞し、『遠い夜明け』(1987)で同助演男優賞、『マルコムX』(1992)『ザ・ハリケーン』(1999)『フライト』(2012)『フェンス』(2016)『ローマンという名の男 -信念の行方-』(2017)で同主演男優賞にノミネートされた、現代最高の俳優のひとりデンゼル・ワシントン

 

コメント出演は、ジャズ界からソニー・ロリンズベニー・ゴルソンマッコイ・タイナーウィントン・マルサリスカルロス・サンタナウェイン・ショーターコモンレジー・ワークマンジミー・ヒースカマシ・ワシントンジョン・デンズモア(ザ・ドアーズ)。

 

生存しているコルトレーンの子供たちを始め、ビル・クリントン元大統領、コーネル・ウェスト、福島おさはる、藤岡靖洋も発言。

 

映像として、ジョン・コルトレーン、マイルズ・デイヴィス、ディジー・ガレスピー、ジミー・ギャリソン、エルヴィン・ジョーンズ、マーティン・ルーサー・キングなどが登場。

 

☆完成度の高いドキュメンタリー

 

Netflixでデンゼル・ワシントン出演作を探していて、見つけたのが本作です。最近、ジャズをそれほど聴かなくなり、ジャズに関する情報を入手しなくなっていたので、映画情報サイトallcinemaにも紹介されていないことも手伝い、本作の存在も知りませんでした。

 

ところが、観てみると、これが面白いではありませんか。

 

コルトレーンの貧しくてつらい幼少期から、朝から晩までサックスを吹いていた修行時代、マイルズ・デイヴィスから追放されるヘロイン中毒時代、そしてそれを克服して世界のコルトレーンとなる発展期、そして晩年に至るまで、関係者と家族の発言で綴られるのが、エキサイティングです。

 

映像も、動画と写真をうまく散りばめて、飽きることがありません。肝心の音楽も、節目節目の代表曲を、一部だけではありますが、聞かせてくれます。もう少し聴きたいという恨みは残りますが、コルトレーンの人生を描くドキュメンタリーですから、それは別の映像作品に求めるべきです。

 

デンゼル・ワシントンが読むのは、ジョン・コルトレーンが生前書いたライナー・ノーツやインタビューでの発言です。残念ながらコルトレーンの肉声は聞けませんが、コルトレーンの声とワシントンのそれが自然と重なります。どちらも、黒人アーティストの最高峰ですから。

 

さらに、ソニー・ロリンズやベニー・ゴルソンというジャズ・ジャイアントがコルトレーンを語るのですから、たまりません。赤のニットキャップに赤のシャツを着たロリンズは可愛らしいですし、ゴルソンのコルトレーン愛には胸が熱くなります。

 

いつも通り、高級スーツを着こなしたウィントン・マルサリスの冷静なコルトレーン分析もなかなかのものです。それにしても、ジョン・デンズモアがコルトレーンの大ファンだったのは、驚きでした。

 

クリントン元大統領の音楽好きも、大したもの。ローリングストーンズだけではなく、コルトレーンに対しても、相当な知識をもっています。日本の政治家にこれだけ音楽を語れる人間がいるのだろうかとおもってしまいます。

 

さらに、コルトレーンの日本ツァーの長崎コンサートで司会を務めた、被爆者でもある福島さんが伝える、長崎に着いたコルトレーンが取るものも取らずに爆心地で祈りを捧げたというエピソードには感激しました。「至上の愛」を訴えたコルトレーンらしい話です。

 

藤岡さんが流暢な英語で語るのには、さすが日本を代表するコルトレーン・ファンであると感じ入りました。頭が下がります。

 

それにしても、コルトレーンの最晩年がふたりの日本人に語られるというのが、愉快極まりありません。日本のジャズ・ファンは、誇りにいたしましょう。

 

内容: A-

 

++++++++++

 

画質(1.78:1): A-

 

Gump TheatreにてOppo UDP-203から1080・60i信号を直接HDMIケーブルによってソニーVPL-HW30ESに送り込み、120インチ・ワイド・スクリーンに映しています。コーデックは、不明。伝送レートも、不明。

 

撮影は、TVで活躍するスタンリー・テイラー

 

機材、マスター・フォーマットは、不明。オリジナル・アスペクト比も、1.78:1。

 

Netflixの水準を上回る画質です。最新Blu-ray Discには及ばないものの、DVDにははっきりと勝っています。

 

解像度は、かなりのもの。細部までよく見通せます。特に、50年以上前に撮影されたフィルム映像(モノクロならびにカラー)が、予想以上に鮮明なのに感心しました。丁寧にレストアされた結果でしょう。ジョン・コルトレーンはもちろん、マイルズ・デイヴィスの映像に、ジャズ・ファンとしてはうれしくなります。

 

カラーの発色は、ニュートラル。色乗りはパワフルで、くすみも少なく、鮮やかです。肌の質感にも、不満はありません。

 

120インチの大画面の視聴には、4メートルも離れれば、愉しめます。

 

音質(Dolby Digital Plus 5.1): A-/B+

 

Oppo UDP-203からソニーVZ-555ESに、サラウンドバック・スピーカー2本を付け加えた7.1チャンネル分をラインアウト接続して再生。伝送レートは、不明。音量は、マイナス30デシベル。

 

フロント重視の音響設計。後方からも聞こえなくはありませんが、基本はフロント3本です。コルトレーンの演奏をもっと聴きたいという恨みは残りますが、ドキュメンタリーですから、あくまで関係者の発言を活かすサウンドデザインとなり、センター・スピーカーがもっともよく活躍します。

 

それでも、モノラル録音であったものが、違和感のないステレオフォニックになって立体音場を埋め尽くすのは、快感です。

 

ノイズフロアは低く、マイナス30デシベルでも、まったくうるさくありません。音の角が丸まることもなく、すっきりしています。コルトレーンのテナーサックス、ソプラノサックスはイメージ通りです。映像で聴くピアノの音がイマイチなのは、当時の録音のせいです。

 

セリフの抜けは、十分。発音は明瞭で、レンジは広く、高音も伸び、詰まりません。サ行も滑らかです。

 

超低音成分は、ゼロです。

 

英語学習用教材度: A

 

日本語・英語字幕つき。日本語吹き替えは、つきません。

 

発言は、大量。しかも、俗語・卑語がまったく登場せず、非常によいテクストです。

 

英語字幕は、確認した限り、完璧に発言をフォローしています。

 

とはいえ、特典が予告編しかないNetflixですから、これ以上の評価は無理です。

 

++++++++++

 

☆原題は、Chasing Trane: The John Coltrane Documentary。直訳すれば、「トレーンを追跡して:ジョン・コルトレーン・ドキュメンタリー」となります。“Trane”は、コルトレーンの愛称です。“Blue Train”という1957年にブルーノートから出されたアルバムもあります。

 

☆製作費は、不明。全米で406,284ドルを売り上げています。

 

アメリカでは、Blu-ray Disc、DVDが発売されています。国内アマゾンで購入可能です。

 

Chasing Trane: the John Coltrane Documentary [Blu-ray]
Decca

 

Chasing Trane: the John Coltrane Documentary [DVD]
Decca

 

今日現在、BDが2692円、DVDが2414円です。ただし、日本語字幕はつきません。

 

++++++++++

 

ジャズ・ファン、必見。画質・音質は、良好。内容も十分。オススメします!

 

| 外国映画(カ行) | 10:43 | comments(0) | trackbacks(0) |
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