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プーと大人になった僕

 

原題:Christoper Robin (2018)
上映時間:104分
2018年9月14日 国内劇場初公開
公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/pooh-boku.html


109シネマズ木場 シアター1 C‐12
2018年10月1日(月)15時40分の回

ゴウ先生総合評価: B
  画質(2.39:1/デジタル): A
  音質(Linea PCM): A
  英語学習用教材度: C+

 

ユアン・マクレガー主演によりA・A・ミルンの児童文学『くまのプーさん』に登場するプーさんの大親友クリストファー・ロビンのその後を映画化した米ディズニー製ファンタジー・ドラマ。

 

共演は、ヘイリー・アトウェルブロンテ・カーマイケルマーク・ゲイティス

 

声の出演は、ジム・カミングスニック・モハメッドブラッド・ギャレットソフィー・オコネドーピーター・キャパルディトビー・ジョーンズ

 

監督は、『ステイ』(2005)でユアン・マクレガーと組んでいる『チョコレート』(2001)『ネバーランド』(2004)『主人公は僕だった』(2006)『君のためなら千回でも』(2007)『007/慰めの報酬』(2008)『マシンガン・プリーチャー』(2011)『ワールド・ウォー Z』(2013)『かごの中の瞳』(2016)のマーク・フォースター

 

原案は、『スチュアート・リトル』(1999)の脚本家グレッグ・ブルッカー、『サイモン・バーチ』(1998)『デアデビル』(2003)『ゴーストライダー』(2007)『キリングゲーム』(2013)のマーク・スティーヴン・ジョンソン

 

脚本は、日本未公開『The Color Wheel』(2011)『Listen Up Philip』(2014)『Queen of Earth』(2015)『Golden Exits』(2015)『Golden Exits』(2017)『Her Smell』(2018)の監督・脚本を務めたアレックス・ロス・ペリー、『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)でアカデミー脚本賞にノミネートされ、『スポットライト 世紀のスクープ』(2015)で同賞を受賞し、監督賞にノミネートされた、『扉をたたく人』(2007)『WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々』(2011)『ミリオンダラー・アーム』(2014)『靴職人と魔法のミシン』(2014)『くるみ割り人形と秘密の王国』(2018)のトム・マッカーシー、『ドリーム』(2016)でアカデミー脚色賞にノミネートされたアリソン・シュローダー

 

☆ユアン・マクレガー主演作なら観てみたい

 

もともと本作には、関心がありませんでした。子供のころから、本であろうが、ディズニーのアニメであろうが、『くまのプーさん』を面白いとおもったことがないからです。

 

そのため、同時間帯に109シネマズ木場の4Kプロジェクター設置シアターで上映されていた『MEG ザ・モンスター』(2018)を観るつもりでいました。ですが、少し調べてやめました。この映画、allcinemaの当該サイトには米国製作映画となっていますが、実際は米中合作映画で、中国人俳優が準主演級で出演します。ジェイソン・ステイサムは好きですが、中国企業を儲けさせてあげることはありません。レンタルBlu-ray Discで十分です。

 

しかも、本作を改めて調べてみたら、ユアン・マクレガー主演、マーク・フォースター監督という凄い顔合わせで、評判もなかなかのものではないですか。手垢のついた話を面白い切り口で描いてくれそうな気がします。たとえディズニー映画という制約がついているにせよ。

 

とはいえ、1800円を払って、本作を観る気はしません。10月1日のファースト・デーをしっかりと利用することにしました。当日は、TOHOシネマズ日本橋で『散り椿』(2018)を観て、その後ちょっとした用事をすませたあと、109シネマズ木場に向かうことにしたのです。

 

いつも通り、先客の座席を確認するために、開始直前に購入します。入りは3割程度。前から5列目まで先客がいます。他人の干渉をできるだけ少なくするために、3列目中央の席を確保しました。シアター1では、3、4列目中央が個人的ベストシート。ゆえに、大満足です。

 

☆あらすじ

 

主な舞台は、第二次世界大戦後のロンドンと100エーカーの森。

 

少年クリストファー・ロビン(オートン・オブライエン)は「100エーカーの森」で親友のくまのプーやその仲間たちと楽しい毎日を送っていました。ですが、父親の意向で、そこから遠い寄宿学校へ転校することになってしまいます。「きみのことは絶対に忘れない」と固く誓って、クリストファーはプーと別れたのでした。

 

月日は流れ、大人になったクリストファー(ユアン・マクレガー)は、妻のイヴリン(ヘイリー・アトウェル)、娘マデリン(ブロンテ・カーマイケル)とともにロンドンに暮らしていました。しかし、旅行カバンを売る管理職の仕事が忙しく、家族とはすれ違いの日々です。

 

そんなある日、なぜかロンドンで途方に暮れていたかつての親友プー(声:ジム・カミングス)と驚きの再会を果たします。森の仲間たちのもとに戻れなくなったプーの頼みを聞き入れ、クリストファーは一緒に「100エーカーの森」へと向かいます。

 

そこで、ピグレット(声:ニック・モハメッド)、ティガー(声:ジム・カミングス)、イーヨー(声:ブラッド・ギャレット)、カンガ(声:ソフィー・オコネドー)、ラビット(声:ピーター・キャパルディ)、オウル(声:トビー・ジョーンズ)という森の仲間たちとも再会でき、クリストファーは少年時代の懐かしい日々を想い出すのでした……。

 

☆イギリスの戦後復興物語

 

本作は、「おとぎ話」ではありません。「イギリスの戦後」という現実を必死に生きるクリストファー・ロビンの人間ドラマだったのです。それが理解できると、退屈にもおもえる100エーカーの森でのプーを始めとする昔の仲間たちとの交流が、生き生きと輝きだします。巧みな設定と展開です。

 

平和な100エーカーの森を出たクリストファー・ロビンが向かわされるのは、国家のために忠誠を尽くす人間を作る寄宿学校と大学であり、その本質を問われる第二次世界大戦でした。九死に一生を得て、復員したクリストファーに待っていたのも、荒廃した国家の立て直しだったのです。

 

誠実で真面目なクリストファーは、疑いもなく仕事に没頭します。ですが、与えられた旅行カバンの販売はまったく伸びず、クリストファーには部下のリストラと売り上げ改善が命じられてしまいます。仕事のせいで、妻と娘との距離はどんどん遠のくばかりなのに、会社でも信頼していた部下のクビを切らなければならなくなったのです。何と辛いことでしょう。

 

苦境に陥ったクリストファーが、そんなときに再会したのがプーでした。これをある種の幻影と捉えると、クリストファーの精神状態のひどさがわかります。存在しないプーを見てしまったのですから。

 

もちろん、映画は実際にプーがロンドンに存在し、100エーカーの森も、その他の仲間たちも実在するという設定ですが、もしすべてがクリストファー、そしてイヴリンとマデリンが見た共同幻想だとすれば、戦後のイギリス人の苦労がしのばれます。

 

よい学校に入れば何とかなると信じ、クリストファーはマデリンにも寄宿学校に進学させますが、マデリンは両親のもとにいたいとクリストファーに訴えます。当初、その願いを却下するクリストファーですが、次第にその気持ちが揺らぎます。実際、親のいいなりにその寄宿学校に入り、一流大学を出て、よい就職をしたはずなのに、クリストファーは決して幸せではありません。すでに、クリストファーのこうした硬直した人生観は通用しなくなっていたのです。

 

そのことに薄々気づきながらも、自己否定につながることを恐れ、マデリンの願いを退けていたクリストファーですが、会社も家庭も、にっちもさっちもいきません。結局、100エーカーの森での休息とプーたちと家族が教えてくれた逆転の発想で、クリストファーは新しいビジネスモデルを発見し、旅行カバンの売り上げ向上を達成することになるのです。

 

プーたちと100エーカーの森が実在するかどうかはともかく、こうしたものはだれもが心の中に持っておくべきもので、壁にぶつかったときには、それにすがればよいのです。そして、それまで考えていたことを逆転してみると突破の糸口を見つけられるもの。このことを本作が謳っていると考えると、なかなか深いものを感じられます。まさにマーク・フォースター好みの話です。

 

ユアン・マクレガーは、戦争のPTSDとミッド・クライシスにはまったサラリーマンを見事に演じました。子供のときには父親に振り回され、その後、従軍という形で国家に振り回され、いまは会社に振り回されている。そのやるせない表情が、100エーカーの森でプーと語り合うときには何ともいえない笑顔に変わるのです。この笑顔こそが、土壇場でのひらめきを産みだし、クリストファーが仕事も家庭も大切にし、幸せになるカギだとわかります。マクレガーの充実ぶりをおもわせる、さりげない好演です。

 

個人的には、イヴリンのヘイリー・アトウェルとマデリンのブロンテ・カーマイケルにまったく魅力を感じなかったのですが、ひょっとすると、それもマーク・フォースターの戦略なのかと考えてしまいました。もし妻と娘役にとびっきり美人の女優を配役すれば、クリストファーが家庭を顧みないことに観客は戸惑ってもおかしくありません。しかし、アトウェルとカーマイケルならば、クリストファーが家族を蔑ろにするのも何となくわかるからです。

 

気に入らないのは、カメラワークです。あまりに顔のアップが多すぎて、イライラさせられます。もう少し引いた絵を見せてくれないと、居心地が悪くてなりません。マティアス・クーニクスヴィーザーは、フォースターのお気に入りなのでしょうが、この画面構成には反対です。

 

ネバーランド』(2004)でアカデミー編集賞にのノミネートされた、『ステイ』(2005)『主人公は僕だった』(2006)『君のためなら千回でも』(2007)『007/慰めの報酬』(2008)『マシンガン・プリーチャー』(2011)『ワールド・ウォー Z』(2013)でフォースターと組んだマット・チェシーの編集も、やや間延び気味に感じられました。104分という短尺なのに、120分ぐらいにおもたのです。もう少し画面の切り替えをこまめにして、テンポを上げてほしいものでした。

 

というわけで、ストーリー展開「A-」、俳優「A-」、撮影・編集・演出「C」ということで、総合的に「B」評価としたのでした。惜しい!

 

++++++++++

 

画質2.39:1/デジタル): A

 

撮影は、『かごの中の瞳』(2016)でもマーク・フォースターと組んでいるのマティアス・クーニクスヴィーザー

 

機材は、アリ・アレクサ・SXT HDカメラ、パナビジョン・パナフレックス・ミレニアム・XL2 35mmフィルム・カメラ、パナビジョン・パナフレックス・システム・65・スタジオ65mmフィルム・カメラを使用。マスター・フォーマットは、DI(2K)。


4Kプロジェクターによる上映。

 

高画質ではありますが、軟調。グレインが多くフィルムルックですが、せっかく65mmフィルム撮影しているのに、『オリエント急行殺人事件』(2017)のような目覚ましいまでの解像度も鮮鋭さもありません。

 

確かに、解像度は高く、細部が甘くなりすぎているわけでもないのですが、もっとフィルム画調らしい彫りの深さが欲しいところです。DIファイルが2Kになっているせいなのかもしれませんが、残念なところです。ただし、奥行き感は十分に出ています。


色温度は、ほぼニュートラル。場面によって多少は変更されており、色数もやや減らされていますが、フィルムらしく、濃厚な茶色を愉しむことができます。ただし、ややくすみがちに見えるシーンが目立つのが難点です。そのため、鮮明でクリスピーというわけにはいきません。それでも、肌の質感は、ナチュラルです。違和感はまったくありません。

 

暗部情報量も、十分。黒がよく沈み、階調も滑らか。見づらさは皆無です。

 

3列目からだとシネスコ・スクリーンは一度にすべてを視野に収めるわけにはいきません。ですが、動きの少ないカメラワークのせいで、不愉快なおもいをすることなく、集中できました。

 

音質(Linea PCM): A

 

一部の劇場では、ドルビーサラウンド7.1上映。

 

最新映画の水準はクリアしていますが、それ以上の積み増しはありません。

 

基本的に、フロント重視の音響設計。後方から聞こえてくるのは、音楽がメインです。それでも、音の出所がスクリーンと合っており、必要な場合には後ろからも音が届きますし、左右の広がりもスクリーンを大きくはみ出しています。それでも、みっちりとした包囲感や鮮やかな移動感という点では、満足できません。

 

ノイズ感はなし。純度が高く、風の音・室内の反響音・雑踏のざわめきなどの細かい環境音が聞こえてきます。オーケストラによる劇伴音楽も雄大で、華麗。分離感よく、爽やかに響きます。

 

セリフの抜けは、文句なし。音像が肥大することもなく、口元に寄り添います。レンジも広く、ヒステリックでメタリックな響きも、皆無です。

 

超低音成分は、出ると、かなりの量ですが、そういう場面は滅多にありません。

 

英語学習用教材度: C+

 

翻訳は、佐藤恵子。

 

セリフは、かなりの量。にもかかわらず、俗語・卑語も、F-wordを含め、ほぼ皆無(PG指定)。安心して、おもう存分テクストに使えます。

 

日本語翻訳も、かなりのナチュラルさ。ほとんど違和感を覚えずにすみます。

 

++++++++++

 

気になるところを、アト・ランダムに。

 

原題は、Christopher Robin。主人公の名前をタイトルにするのは、英米ではよくあることです。

 

☆『メリー・ポピンズ』(1964)でアカデミー作曲賞・歌曲賞を受賞し、『チキ・チキ・バン・バン』(1968)『ベッドかざりとほうき』(1971)『シンデレラ』(1977)『ラッシー』(1978)で同歌曲賞にノミネートされた、アニメ『クマのプーさん』(1965)のリチャード・M・シャーマンが、エンド・クレジットでその主題歌を唄っているのに、うれしくなりました。この人、1928年6月12日生まれ。相棒の兄ロバート・B・シャーマンは2012年に86歳で亡くなっているのに、この人は90歳になっても、元気です。

 

なお、シャーマンは、『プーさんと大あらし』(1968)『プーさんとティガー』(1974)と3作のプーさん・シリーズをすべて担当しています。

 

☆7500万ドルの製作費で、これまでのところ、アメリカで9754万ドル、海外で7460万ドル、世界で1億7215万ドルのメガヒット。これならば、実質的にも黒字になったことでしょう。

 

米盤Blu-ray Disc・4K UHD BDの発売は10月23日に決まっていますが、そのデザインその他はわかっていません。

 

++++++++++

 

プーさんならびにユアン・マクレガーのファンの方、必見。ですが、それ以外の方は、BDリリースを待つのも手です。内容はよいのに、その見せ方が気に入りません。残念。

 

| 外国映画(ハ行) | 03:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
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