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TV『てっぱん』(アマゾン・プライム・ビデオ)
第3回 ばあちゃんが来た!

 

タイトル:NHK連続テレビ小説 てっぱん (2010)
放映日:2010年9月27日〜2011年4月2日
放送回数:151回
放送時間:各15分


ゴウ先生総合評価: A‐
  画質(1.78:1): A‐
  音質(Stereo): A-/B+
  英語学習用教材度: F

 

本作がTVドラマ初主演となる瀧本美織主演による、尾道市と大阪市を舞台にした現代の青春ホームドラマ。NHK製作連続テレビ小説第83シリーズ。

 

準主演は、富司純子

 

尾道シーンを中心に、安田成美遠藤憲一遠藤要森田直幸朝倉あき木南晴夏柳沢慎吾尾美としのり

 

大阪シーンを中心に、竜雷太趙民和長田成哉柏原収史松尾諭前田航基神戸浩松田悟志小市慢太郎川中美幸京野ことみともさかりえ

 

ナレーターは、中村玉緒

 

演出は、井上剛石塚嘉小林大児熊野律時藤並英樹松川博敬橋爪紳一朗

 

脚本は、寺田敏雄今井雅子関えり香

 

☆連続テレビ小説が、アマゾン・プライム・ビデオで観られる

 

先月、ふと気づいたら、NHK連続テレビ小説が、プライム会員ならば見放題できるアマゾン・プライム・ビデオ(APV)で観られるようになっているではないですか。これは面白そうだと調べたら、本作以外に、次の連続テレビ小説がAPVで視聴可能になっています。

 

純情きらり(2006上半期:第74シリーズ)

第48回 初めての連弾

 

ゲゲゲの女房(2010上半期:第82シリーズ)

第122回 戦争と楽園

 

おひさま(2011上半期:第84シリーズ)

第139回 送り出す愛

 

4作品とも、貧乏英語塾長はTVで観たことがありません。そこで、物は試しとそれぞれ何話か観てみました。ですが、戦前・戦中・戦後を生き抜いた女性一代記というだけで若干引き気味なうえに、宮崎あおい松下奈緒井上真央という主演者になじめず、上の3つは、それ以上観る気がしませんでした。

 

ところが、本作だけが違ったのです。後の『あまちゃん』(2013)のように、現代の女子高校生の苦悩を笑いで描く成長談を描く展開が好ましいうえに、瀧本美織がキュートで、富司純子が圧巻。その他、安田成美遠藤憲一柳沢慎吾尾美としのり竜雷太と脇を固めるキャストと中村玉緒の絶妙なナレーションがしっかりと噛みあい、8年も前のTVドラマとはおもえないほど、面白いのです(そうです、本作は東日本大震災発生直前のシリーズなのです)。これは全部観らねばという気になり、1週間ちょっとかけて全151話を制覇したのでした。

 

☆あらすじ

 

舞台は、2008年夏から2010年冬にかけての広島県尾道市と大阪市。

 

村上あかり(瀧本美織)は、尾道に住む尾道第一高校3年生。17歳です(1990年10月12日生まれ)。親友の篠宮加奈(朝倉あき)とともに、吹奏楽部に所属し、トランペットにのめり込む日々を送っています。

 

従業員3名の下請け会社・村上鉄工所を経営する父・錠(遠藤憲一)、それを支えて鉄工所事務を担当する母・真知子(安田成美)、尾道信金で働く長兄・欽也(遠藤要)、留年してあかりと同級生になってしまった次兄・鉄平(森田直幸)、ならびに錠の親友である下請け造船所社長であり、加奈の父親である篠宮久太(柳沢慎吾)、村上家の菩提寺の住職・横山隆円(尾美としのり)と和気あいあい愉しく暮らしていました。

 

ところが、ある夏の日、あかりがブラバンの練習を終えて帰宅途中に港にさしかかると、波止場でいきなりトランペットを海に投げ込もうとしている老女(富司純子)を発見します。おもったことはすぐに行動しないと気が済まないあかりは、咄嗟に海に放り投げられたトランペットを追って海に飛び込みます。海中で拾い上げたトランペットをもって波止場に上がると、老女はそんなトランペットは要らないとけんもほろろです。頭にきたあかりは、トランペットを家に持ち帰ります。

 

その夜、いきなり、老女が村上家を訪ねてきます。老女は、大阪市阪南区楠木町3丁目(架空)で下宿屋・田中荘を経営する田中初音(67)。ひとり娘の千春(木南晴夏)を探しにやってきたといいます。

 

突然の初音の登場に、真知子と錠は戸惑います。というのも、18年近く前に、千春は死んでおり、ふたりはそれを看取っていたからです。初音の詰問に応えているうちに、それまで秘密にしておいた、あかりが実はふたりの実子ではなく、千春の子供であるということをあかりが知ってしまいます。

 

この結果、あかりは、深くショックを受けてしまい、ブラバン活動も、進路決定も、すべて上の空となってしまい、自分のルーツを知りたくなります。しかし、どうしても自分が村上家の子供であると信じたいあかりは、初音と決別するために、大阪に初音を訪ね、トランペットを返すことにしたのでした。

 

ところが、そのときに知り合った田中荘の住人であるモデルのジェシカこと西尾冬美(ともさかりえ)、鰹節会社浜勝の若き社長・浜野一(趙民和)、大学音楽講師・岩崎潤(柏原収史)と知り合い、岩崎が指導し、浜野がリーダーを務めるブラバンで千春のトランペットを吹き、それを聴いた初音は感じ入ります。こうしてトランペットを返したあかりでしたが、あかりの後をつけていたおっちょこちょいの鉄平がそのトランペットを尾道に持って帰ってきてしまいます。

 

当初は大学進学を考えていたあかりでしたが、自分が村上家の本当の子供でないことを知り、高校卒業後は就職することにします。しかし、尾道で仕事を探すのですが、なかなか仕事がありません。そこで、大阪で活躍することで初音を見返してやろうとJTトレーディングという大阪にある会社に就職を決めます。

 

2009年4月、就職のため、あかりは上阪します。意気揚々と初日に出勤したのですが、何とその会社が倒産していたのでした。会社寮に住む予定でしたから、職場と住む場所を一度になくしたことになります。

 

途方に暮れて、とぼとぼと街を歩いていたら、いつの間にか浜勝の前に来ていました。そこで、浜野社長のことをおもいだし、浜野に就職を願い出ます。すると、そこの経営実験を握っている古株の事務・松下小夜子(川中美幸)に反対されつつも、浜野があっさり了承し、あかりは浜勝で働けることになったのでした。

 

次は、住む場所探しです。浜勝の鰹節削り職人・神田栄治(赤井英和)に紹介された下宿屋に神田とともに訪れてみると、そこは何と初音の経営する田中荘だったのです。一度は部屋がないと断られたあかりでしたが、不憫におもった初音のおかげで、初音の部屋に寝起きできることになります。

 

こうして、近所に住む元大工の長谷川伝(竜雷太)、田中荘の下宿人である男やもめのSE・中岡徹(松尾諭)、その小学生の息子・民男(前田航基)、実業団の長距離ランナー・滝沢薫(長田成哉)、売れない画家・笹井拓朗(神戸浩)との不思議な同居生活が始まったのでした。

 

田中荘には、開かずの間があります。初音は、下宿屋を始まる前、「千春」という名のお好み焼き屋を経営していたのですが、千春が家出した21年前に店を閉め、それ以来開かずの間になっていたのです。

 

ある夜、偶然、その中に入ってしまったあかりは、そこで尾道お好み焼きを専門とするお好み焼き屋を開くことをおもいつきます。そして、冬美もそれに乗り気で、ふたりで経営することにし、何とか初音の了解も勝ち取ります。

 

こうして、冬美がつけたあかりのあだ名「おのみっちゃん」を店名として、お好み焼き屋を始めることになったのでした……。

 

☆脚本は弱いが、役者がそれを救って余りある

 

あかりと初音の出会いからあかりが自分の出自を知り悩み、あかりが「おのみっちゃん」を開いて奮戦苦闘するさまを描く前半は、脚本も冴えています。話の展開も早く、先が読めず、次から次へと観たくなります。

 

ところが、おのみっちゃんを開いたあと、あかり・滝沢・浜野の三角関係、小夜子の結婚、シングルマザーとなる小早川のぞみ(京野ことみ)の登場へと流れる後半は、物語の進行テンポが遅くなり、中身も薄くなります。後半の脚本は、明らかに失敗作です。

 

それでも観てしまうのは、役者たちがすばらしいからです。特に瀧本美織のフレッシュな魅力と富司純子の老練な巧さには舌を巻きます。

 

瀧本美織に関していえば、第1回の冒頭で野球の応援のためにスタンドでトランペットを吹くその演奏姿勢を観ただけで、ワクワクさせられます。その後、『また逢う日まで』『威風堂々』『上を向いて歩こう』『銀河鉄道999』『瀬戸の花嫁』『ひまわり』(本作の主題曲)を演奏するのですが、瀧本は全身をリズミカルに動かし楽しそうにラッパを吹くのです。その度に、若者の躍動感を感じさせられ、瀧本の演奏シーンがあるたびに目を細めてしまうことになってしまいました。

 

映画『スウィングガールズ』(2004)の上野樹里(テナーサックス)・貫地谷しほり(トランペット)・本仮屋ユイカ(トロンボーン)のジャズ演奏、映画『フラガール』(2006)の蒼井優のフラダンスが与えた感動と同種のものです。(実際に瀧本が演奏しているかどうかはわかりませんが。)

 

さらに、本作での瀧本のコメディエンヌとしての才覚は高く、TV『あまちゃん』(2013)の能年玲奈に匹敵しています。しかも、笑いだけではなく、涙を誘えるしっとりさと切なさももっています。瀧本の出演作を本作以外まったく観ていない人間ですが(タイトル・共演者・内容の紹介を観ても、観たい作品が他にないんですよ)、ポテンシャルは非常に高い女優だと感じました。

 

瀧本を支える富司純子の大阪下町のオババ役が、そのナチュラルな大阪弁の魅力と相まって、たまりません。さすが和歌山で生まれ大阪市で育った富司です。しかも、そこはかとなく漂う気品によって、その大阪弁が下品に流れないのも、すばらしく、長年のファンとしては、本作を見逃していたことを深く反省したのでした。

 

とにかく、ひねくれて口の悪い、どこまでもたくましい初音に笑わせられ、時折見せる優しい情の部分に感激させられるのです。しかも、その出演場面とセリフのすべてが生きています。当初、富司がお好み焼き屋の女将を演じるというのがピンと来ませんでした。ですが、実際には、それがしっかりと板についているのですから、脱帽です。

 

初音が下宿人たちに出す料理が、すべて美味しそうなのも、うれしいところです。富司本人が実演していると思しき調理シーンも見事で、庶民グルメ番組と呼べ、食欲を増進させます。初音の料理が観たくて、本作をこれから先も(特に食事中に)観ていくと確信しました。本作は、確実に、富司の代表作と断言できます。

 

物議を醸した『春よ、来い』(1994)での途中降板以来の連続テレビ小説出演となった安田成美の母親役も、見事です。困ったときに眉をひそめた表情とその天真爛漫な笑顔のギャップ、ならびにいつまでも若々しい声に、これこそが理想の真知子だと納得してしまいます。その優しさと包容力の表現は、他に例を見ません。

 

無骨に娘愛を前面に出す不器用な生き方しかできない父親役の遠藤憲一も、他に替えられない配役です。あの姿と裏腹の優しさに、遠藤があかりのために動き出すと、泣かされてしまいます。

 

コミック・リリーフとしての尾身としのりは、柳沢慎吾とならび、最強です。『あまちゃん』(2013)につながる尾身の持ち味が十全に出ています。それでいて、カギを握る住職として、映画に深みと重みも与えており、格別です。

 

個人的に大好きだったのが、竜雷太ともさかりえ。竜の温もりとともさかのとぼけ具合(あの顔の左右がずれた話し方がキュートです)のおかげで、ふたりが登場してくれるだけで拍手を送りたくなります。

 

下宿人の笹井を演じた神戸浩の特異な障害者演技も、それが笹井のキャラクターにぴったりで、後半のだれを防ぐ一因となっています。

 

柏原収史のとぼけたおかしさ、川中美幸の演歌歌手が本業とはおもえない達者な演技、赤井英和の暴走気味のおかしさも本作には欠かせません。

 

あかりの実父橘公一役の小市慢太郎も、その声のよさとセリフ回しの巧さに、サスペンスフルな展開を支える力を感じます。

 

もの足りなかったのが、森田直幸長田成哉。脚本に救われていない部分は大きいのですが、最後まで違和感が残りました。残念。

 

葉加瀬太郎啼鵬の音楽は、まずまず。劇中では橘公一が千春に送り、そしてその楽譜をあかりにも送る『ひまわり』が、トランペット・ソロにも堪えるなかなかの曲であるのも、悪くありません。ですが、大ヒットするほどのパワーがないのが惜しいところです。(『あまちゃん』のテーマ曲に似ているフレーズが登場しますが、もちろん、葉加瀬の盗作ではありません。)

 

中村玉緒の大阪弁によるナレーションも、最高。この人選をした人間に、拍手喝さいです。

 

困っている人を放っておけないあかりとその家族の生きざまに涙し続ける秀作。再見に堪える(特に、前半)作品と高く評価します。

 

内容: A-

 

++++++++++

 

画質(1.78:1): A‐

 

Amazon Fire HDX-6による視聴。HD配信(720p)。本作はBlu-ray Disc化されず、DVDしか出ていません。ゆえに、このHD配信は貴重です。6インチ画面ですから、720pのものたりなさは最小に抑えられ、細部までくっきりすっきりとしています。発色は、ニュートラル。色数は多く、鮮明。彫りの深さ、奥行き感にはものたりなさを覚えますが、TVのHD画質としては、十分です。

 

なお、Fire TVを購入し、LANをつなげば、大画面視聴も可能ですが、現状の装置ではではGump Theatreではかないません。

 

音質(Stereo): A-/B+

 

AACとおもわれますが、ステレオの広がりはなかなか。HDX-6のサラウンド効果のせいもあるのでしょう。音の純度も高く、セリフの抜けも良好で、悪くありません。

 

英語学習用教材度: F

 

もちろん、英語学習には使えません。

 

++++++++++

 

DVDは入手可能ですが、絶版になっており、高額で取引されています。なお、レンタルは可能です。

 

てっぱん 完全版 DVD-BOX1
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)

 

てっぱん 完全版 DVD-BOX2
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)

 

てっぱん 完全版 DVD-BOX3<完>【DVD】
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)

 

++++++++++

 

レジェンド富司純子、瀧本美織のファンの方、必見。環境が許せば、アマゾン・プライム・ビデオがベストでしょう(購入可能)。Fire TVをもっていない貧乏英語塾長は、大画面上映ができないのが残念です。強くオススメします!

 

| 日本映画(た行) | 09:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
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