CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
英語で「日本国憲法」を読んでみる―The Constitution of Japan
英語で「日本国憲法」を読んでみる―The Constitution of Japan (JUGEMレビュー »)
別冊宝島編集部
英語で憲法を読んでみれば、戦勝国アメリカから押し付けられたことが手に取るように分かります。50年以上、修正されていない憲法。時代にそぐわない内容。それでも、憲法改正、不要ですか?
★★★★★
RECOMMEND
駅 STATION [DVD]
駅 STATION [DVD] (JUGEMレビュー »)

高倉健を知りたければ、まずこの一本。「渋さ」の意味が分かります。★★★★★
<< レッド・スパロー(BD) | main | ブラックパンサー(BD) >>
15時17分、パリ行き(BD)
15時17分、パリ行き ブルーレイ&DVDセット(2枚組) [Blu-ray]
2018
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

 

原題:The 15:17 to Paris (2018)
上映時間:1:33:51
2018年3月1日 国内劇場初公開
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/1517toparis/

ゴウ先生総合評価: B
  画質(2.39:1): A
  音質(Dolby Atmos/Dolby TrueHD 7.1): A
  英語学習用教材度: A

 

許されざる者』(1992)『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)でアカデミー監督賞を受賞し、その両作で同主演男優賞に、『ミスティック・リバー』(2003)『硫黄島からの手紙』(2006)で同監督賞にノミネートされた、映画界の生きた伝説クリント・イーストウッド監督・製作により、2015年にフランスで発生したタリス銃乱射事件を、実際に事件に巻き込まれた3人の若者を中心に描く米国製人間ドラマ。

 

原作は、アンソニー・サドラーアレク・スカラトススペンサー・ストーンジェフリー・E・スターン共著のノンフィクション(未翻訳)。

 

The 15:17 to Paris: The True Story of a Terrorist, a Train and Three American Heroes
HarperCollins Publishers Ltd

 

脚本は、『ハドソン川の奇跡』(2016)でスタッフ助手、『夜に生きる』(2016)で製作助手、『LOGAN/ローガン』(2017)で製作秘書を務めたドロシー・ブリスカル。本作が長編劇映画デビュー。

 

主演は、本人役を演じたアンソニー・サドラーアレク・スカラトススペンサー・ストーン。すべて映画初出演。

 

準主演は、ジェナ・フィッシャージュディ・グリア

 

少年時代の3人を演じるのは、ポール=ミケル・ウィリアムズブライス・ガイザーウィリアム・ジェニングズ

 

その他、レイ・コラサーニP・J・バーントニー・ヘイルアイリーン・ホワイトが共演。

 

被害となった乗客のマーク・ムーガリアンとその妻イザベラ・リサチャー・ムーガリアンも出演。

 

☆英語字幕つきBDで観る

 

本作は、クリント・イーストウッド監督作としては、異例なほど低評価でした。Rotten Tomatoesでは、支持率25%で、10点満点中4.3点。Metacriticでは、100点満点中45点というありさまです。実際に観た観客による投票でも、「B-」と冴えないものでした。

 

貧乏英語塾長は、イーストウッドの熱狂的ファンを自任する人間ですが、この評判の悪さと本人たちを起用するという手法のせいで、本作への興味を失い、劇場へ足を運びませんでした(イーストウッド自身がそうであったように、スターが出るから、娯楽映画は娯楽となると考えるからです)。

 

しかし、7月4日に国内盤Blu-ray Discが発売になりました。英語字幕もついています。やはりファンとしては観ておかないと恥ずかしい限りです。すぐに取り寄せたのでした。

 

☆あらすじ

 

舞台は、2005年の米カリフォルニア州サクラメントから2015年の伊ローマ・ヴェネツィア、ドイツ、蘭アムステルダム、仏パリ。

 

2005年、スペンサー・ストーンウィリアム・ジェニングズ)とアレク・スカラトスブライス・ガイザー)は、13歳。ふたりとも、離婚した母親にサクラメントで育てられています。いつも一緒に行動するふたりですが、問題ばかりを起こし、いつも校長室に呼び出されます。問題児同士ということで、同じ歳の黒人のアンソニー・サドラーポール=ミケル・ウィリアムズ)とも仲良くなり、3人で戦争ゲームをして遊びます。

 

しかし、公立中学校ではADDだと担任教師(アイリーン・ホワイト)から指摘され、しかもシングルマザーの子供は発達障害を起こすという担任の発言に怒ったスペンサーの母(ジュディ・グリア)とアレクの母(ジェナ・フィッシャー)は、ふたりをキリスト教の学校に転校させます。それでも、スペンサーとアレクの素行はよくならず、常に問題を起こし、アレクはオレゴンに住む父親のもとに引き取られていきます。

 

成長しても、3人の友情は続きました。スペンサー(スペンサー・ストーン)は空軍、アレク(アレク・スカラトス)は陸軍に入隊し、アンソニー(アンソニー・サドラー)はカリフォルニア州立大学に入学します。

 

そんな3人が、23歳の夏にヨーロッパ旅行を計画します。そして、イギリスを回ったスペンサーとアンソニー、ドイツで恋人と会っていたアレクがアムステルダムで出会い、そこから8月21日にパリ行き15時17分発の列車に乗ったのでした……。

 

☆凡作ではあるが、イーストウッドらしさに満ちている

 

詳しい展開を予習せずに観たら、銃乱射事件は、最後の13分ほどしか描かれず、しかも犯人の背景・動機などの説明はゼロ。徹底して、犯人制圧と被害者を救った主役3人、特にスペンサーについて語られる展開に、驚かされるとともに、決して秀作とは呼べない作品ですが、イーストウッドらしさを痛感させられたのでした。

 

「イーストウッドらしさ」とは、徹底的に無駄と説明を省き、観客の賢明な想像力を喚起させることに努めるという映画の作り方です。

 

たとえば、13歳時の3人が、その後どういう経路を経て、23歳まで親友であり続けたかなどということは、犯人の背景を描かないように、描かれません。成長過程に関しても、スペンサーこそ、その不器用さが詳しく描かれますが、アンソニーとアレクに関しては、ほぼゼロ。そんなことは観客が勝手に解釈してくれればよいことと割り切り、映画のテンポを速めることに専心しているのです。こんな娯楽映画を作る人は、イーストウッド以外にはなかなかいません。

 

この結果、上映時間は、これまでもっとも短かった『ハドソン川の奇跡』(2016)の96分を下回るイーストウッド監督作品中最短の94分となっています。この割りきり力、大したものです。

 

さらに、スペンサーの何をしてもうまくいかず、希望通りに生きられず、常に第二候補、第三候補の道を選ぶしかなかったのに、そのことにより、看護兵として救急救命の技術を身につけ、柔術を上達していたことが事件解決につながるというのも、「徹底的に苦労した人間ほど報われる」というイーストウッド映画における長年の基本テーマと重なり、にやりとさせられます。

 

素人3人の演技が下手という意見もあるようですが、それは演技をさせないイーストウッドの演出によるものだと判断します。その結果、肩に力の入らない自然な演技を3人にさせているではありませんか。これより下手な俳優など、日本にはゴマンといます。

 

面白かったのは、プロの俳優をジェナ・フィッシャージュディ・グリアP・J・バーントニー・ヘイルトーマス・レノンアイリーン・ホワイトとコメディが得意な人選にしていることです。それによって、ほのかなユーモアが生まれています(個人的には、ジェナ・フィッシャージュディ・グリアのファンなので、もっと出番が多かったらよかったのにとおもいながら観ていました)。こうしたのは予算の関係もあるのでしょうが、イーストウッドらしいおもい切った配役だともいえます。これまた凡百な監督にはできないことです。

 

21世紀に入ってからのイーストウッド作品は、『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)のあと、『父親たちの星条旗』(2006)『硫黄島からの手紙』(2006)『インビクタス/負けざる者たち』(2009)『J・エドガー』(2011)『ジャージー・ボーイズ』(2014)『アメリカン・スナイパー』(2014)『ハドソン川の奇跡』(2016)と実話をもとにしたものが大半になっています。事実は小説より奇なりと考えるようになったのでしょうが、「また実話か」という批判が起きるのも予想できました。しかし、それを無視してわが道を貫くあたりもイーストウッド流の真骨頂といえましょう。

 

次回作では、後述するように、イーストウッドは監督・製作のみならず、主演として俳優業に復帰します。どうやらこの人には引退という言葉はなさそうです。拍手して、平伏。

 

内容: B


++++++++++


画質(2.39:1): A
 

Gump TheatreにてOppo UDP-203から1080・24p信号を直接HDMIケーブルによってソニーVPL-HW30ESに送り込み、120インチ・ワイド・スクリーンに映しています。2層50GB。コーデックは、MPEG-4 AVC。伝送レートは、11 Mbpsから34 Mbps。

 

撮影は、『ブラッド・ワーク』(2002)以来イーストウッドのすべての作品を担当しているトム・スターン。その他の作品に、『エミリー・ローズ』(2005)『幸せはシャンソニア劇場から』(2008)『ハンガー・ゲーム』(2012)『人生の特等席』(2012)など。

 

機材は、アリ・アリクサ・XT、アリ・アレクサ・ミニHDカメラを使用。マスター・フォーマットは、DI(2K)。オリジナル・アスペクト比も、2.39:1。

 

解像度は高いものの、細部を抉り出すほどの迫力はありません。現代最高レベルとは、はっきりと差があります。それでも、彫りの深さは、まずまず。奥行き感も、それなりに出ています。現代最新BDの平均といったところです。

 

発色は、ニュートラル。色数は多く、鮮やかですが、コッテリ感はありません。すっきりとした色合いです。肌の質感は、ナチュラル。違和感はありません。

 

暗部情報量は、なかなか。黒がかなり沈み込み、暗いシーンでも見づらいシーンはほとんどありません。

 

大画面の近接視聴も、問題なしです。

 

音質(Dolby Atmos/Dolby TrueHD 7.1​): A

 

Oppo UDP-203からソニーVZ-555ESに、サラウンドバック・スピーカー2本を付け加えた7.1チャンネル分をラインアウト接続して再生。伝送レートは、不明。音量は、マイナス30デシベル。

 

一部の劇場ではドルビーアトモス上映。

 

ドルビーアトモス非対応のGump Theatreでは、ドルビーTrueHD 7.1で視聴。

 

左右前後に音を定位させる音響設計。現代最新BD水準はクリアしていています。

 

ですが、残念なことに、サラウンドバック・スピーカーに回される音数が少なく、包囲感も移動感も現代最高レベルからは距離があります。

 

そこで、試しに収録されているDTS-HD Master Audio 5.1に切り替えてみると、こちらのほうがわずかに印象がよいのです。サラウンドバック・スピーカーが活躍しないのは同じですが、スピーカーのリンケージがよいために、包囲感が高まります。同じ「A」評価の範囲内ではありますが、DTS-HD Master Audio 5.1に軍配をあげます。アトモスは、AVアンプとHDMI接続してこそ本来の働きをするのでしょう。

 

ノイズフロアは、最低レベル。マイナス30デシベルでもうるさく感じず、不快なメタリック成分も乗りません。雑踏のざわめきなどや列車の走行音などを含め、細かい環境音もよく聞こえてきます。ただし、銃声・打撃音の迫力はいまひとつです。音楽も、団子状にならず、分解能に優れています。

 

セリフの抜けは、文句なし。サ行がきつくなることもなく、こもることもなく、発音も明瞭です。

 

超低音成分は、出るとかなりの量ですが、そういう場面は多くありません。かなり上品なLFEです。

 

英語学習用教材度: A
 

日本・英語その他字幕ならびに日本語その他の吹替えつき。

 

セリフは、大量。俗語・卑語の登場は、F-wordこそ登場しませんが、かなり使われます(PG-13指定)。ただし、ちょっと注意すれば、テクストとして十分に使えます。

 

英語字幕は、確認した限り、完璧にセリフをフォローしており、非常に勉強しやすい素材です。

 

特典は、多くはないのですが、英語字幕がつくのが利点です。

 

++++++++++

 

気になるところを、アト・ランダムに。

 

☆原題は、The 15:17 to Paris。邦題は、直訳です。西部劇の秀作『決断の3時10分』(1957)『3時10分、決断のとき』(2007)の原題3:10 to Yumaから採ったと勝手に想像しています。

 

☆3000万ドルの製作費で、アメリカで3625万ドル、海外で2060万ドル、世界で5685万ドルの売り上げ。あまり宣伝費はかけてないようですから、ぎりぎり黒字というところでしょうか。

 

特典は、次の映像特典です。

 

 〕者たちが語る息詰まる瞬間(8:11)
 ▲ャスティングについて(12:27)

 

映像: 
  Ν〜 A
 ◆Bを基本に、適宜Aが挿入
  C

 A シネスコ・サイズ(2.40:1?)のHD画質(AVC/1080・24p)
 B ビスタ・サイズ(1.78:1)のHD画質(AVC/1080・24p)
 C ビスタ・サイズ(1.85:1?)のHD画質(AVC/1080・24p)

音声: ドルビーデジタル ステレオ 2.0

うれしいことに、すべてに英語字幕がつきます。

 

☆◆キャスティングについて」では、現在のクリント・イーストウッドが登場します。老けました。でも、元気です。

 

☆本作は、アメリカでも4K UHD BDの発売はありません。

 

☆このクリント・イーストウッド、いま現在、何と『The Mule』(運び屋)という監督・製作・主演クライム・サスペンス映画を撮影中です。イーストウッド演じる主人公アール・ストーンは、90歳の第二次世界大戦に従軍した元兵士で、いまは園芸を趣味にしています。そのストーンが300万ドル相当のコカインをメキシコの麻薬カルテルのためにミシガンまで運ぶというストーリーです。

 

脚本は、『グラン・トリノ』(2008)『ジャッジ 裁かれる判事』(2014)の原案・脚本を務めたニック・シェンク。つまりは、ジジイを描かせたらピカイチの脚本家だということです。これは期待できます。

 

しかも、準主演が『アメリカン・スナイパー』(2014)で主役として起用されたオスカー・ノミニーのブラッドリー・クーパー。その他、マイケル・ペーニャタイッサ・ファーミガローレンス・フィッシュバーンダイアン・ウィーストアリソン・イーストウッド(クリントの実の娘)という豪華な顔ぶれがそろいました。

 

撮影監督が、長年イーストウッド作品に欠かせなかったトム・スターンから、どういう理由かわかりませんが、『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013)『わたしに会うまでの1600キロ』(2014)『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』(2015)でジャン=マルク・ヴァレと組んだ、『ブルックリン』(2015)のイヴ・ベランジェに交代しています。どんな影響が出るか、注目です。

 

ただし、編集が、『アメリカン・スナイパー』(2014)までのオスカー受賞者ジョエル・コックスに戻っていますから、大きな差はないのかもしれません。とにもかくにも、新旧スタッフの組み合わせがどんなケミストリーを見せてくれるか、大いに気になります。

 

なお、劇場公開日は明らかになっていません。早撮りのイーストウッドのことですから、年末までに公開して、アカデミー賞を狙ってくる公算大です。ともかく、一流のプロを集めた『The Mule』。本作の素人っぽさに嫌気がさした人には最高のプレゼントとなることでしょう。

 

++++++++++

 

クリント・イーストウッド・ファン、必見、必携。BDの音質・画質は十分。特典が少ないのが寂しいですが、イーストウッド御大を拝めます。ファン以外の方は、レンタルBDでお試しください。

 

| 外国映画(サ行) | 04:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://blog.indec.jp/trackback/1063938
トラックバック