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シェイプ・オブ・ウォーター

 

原題:The Shape of Water (2017)
上映時間:124分
2018年3月1日 国内劇場初公開
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/shapeofwater/


TOHOシネマズシャンテ スクリーン1 B-9
2018年3月6日(火)10時30分の回

ゴウ先生総合評価: A+++
  画質(1.85:1/Digital): A+
  音質(Linea PCM/D-Cinema 48kHz 5.1): A+
  英語学習用教材度: C

 

パンズ・ラビリンス』(2006)でアカデミー脚本賞にノミネートされ、本作でついに同監督賞を受賞した、『ミミック』(1997)『ヘルボーイ』(2004)『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』(2008)『パシフィック・リム』(2013)『クリムゾン・ピーク』(2015)のギレルモ・デル・トロ監督・製作・原案・脚本によるファンタジー・ラブロマンス。

 

共同脚本は、本作でアカデミー脚本賞にノミネートされた、『31年目の夫婦げんか』(2012)『ダイバージェント』(2014)のヴァネッサ・テイラー

 

主演は、『ブルージャスミン』(2013)でアカデミー助演女優賞、本作で同主演女優賞にノミネートされた、『ハッピー・ゴー・ラッキー』(2008)『パディントン』(2014)『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』(2016)『パディントン2』(2017)のサリー・ホーキンス

 

その恋の相手となる半魚人を、『ヘルボーイ』(2004)『パンズ・ラビリンス』(2006)『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』(2008)『パシフィック・リム』(2013)『クリムゾン・ピーク』(2015)でデル・トロと組み、異形の怪人を演じさせたら右に出る者がいないダグ・ジョーンズ

 

準主演は、マイケル・シャノンリチャード・ジェンキンスオクタヴィア・スペンサー

 

その他、マイケル・スタールバーグデヴィッド・ヒューレットニック・サーシーが共演。

 

アカデミー賞では、作品・主演女優(サリー・ホーキンス)・助演男優(リチャード・ジェンキンス)・助演女優(オクタヴィア・スペンサー)・監督・脚本・撮影・作曲・美術・衣装デザイン・音響(編集)・音響(調整)・編集の13部門にノミネートされ、作品・監督・音楽・美術の4賞を受賞。

 

☆アカデミー作品賞受賞作を4Kプロジェクター上映館で観る

 

日本時間で一昨日に発表されたアカデミー賞において、本作は作品賞を含め4部門を制しました。作品賞は『スリー・ビルボード』が獲るとばかりおもい込んでいた貧乏英語塾長、そんなに本作がよいのかと教えられ、一日も早く観たくなりました。

 

もちろん、観るなら4K上映館です。そこで、近場の上映館を探しますが、いちばん近いのは日比谷のTOHOシネマズ・シャンテだけです。調べてみると、これがガラガラではないですか。これならば、片道195円の地下鉄代を払って出かける価値ありと判断し、シネマイレージ会員ならば1400円で観られる昨火曜日に出かけたのでした。

 

10時23分にシャンテに着き、チケットを購入します。そのときには、かなり空いていて、前4列にはだれも座っていません。そうなると、大好きな2列目中央下手寄りの席を確保したくなります。本作はビスタ・サイズですから、2列目でもかぶりつき派にはまったく問題ありません。

 

ところが、直前にチケットが買われたようで、2列目にふたり、3列目にふたり客がきてしまいました。ですが、4人ともかなり離れていて、行儀が良い人たちだったので、まったく気になりませんでした。こういう人たちばかりだと、劇場へ行くのも苦でなくなるのですが。

 

☆あらすじ

 

舞台は、1962年の冷戦下にある米メリーランド州ボルチモア。

 

イライザ・エスポジート(サリー・ホーキンス)は、耳は聞こえるのですが、口の利けない中年女性です。親友のゼルダ・フーラー(オクタヴィア・スペンサー)という黒人女性とともに、政府の極秘研究所で掃除婦として働いています。

 

恋人のいないイライザは、同じアパートの隣室に住む初老の売れないイラストレーター、ジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)と一緒に古いハリウッド映画を観るのが楽しみでした。しかし、健康な女性です。性欲はあります。仕事に行く前には浴槽につかって、自慰行為をするのが常でした。

 

ある日イライザは、研究所の水槽に閉じ込められていた南米から連れてこられた半魚人(Amphibian Man:ダグ・ジョーンズ)と出会います。アマゾンの奥地で原住民に神と崇められていた半魚人に心を奪われたイライザは、人目を忍んで半魚人のもとへと通うようになります。

 

やがて、ふたりが秘かに愛を育んでいく中、研究所の警備主任であるフレミング(デヴィッド・ヒューレット)を顎で使って研究を主導する冷血で高圧的なエリート軍人リチャード・ストリックランド(マイケル・シャノン)が、フランク・ホイト将軍(ニック・サーシー)の命令の下ついに半魚人の生体解剖を実行に移そうとします。

 

しかし、半魚人を愛していたイライザは、それが許せません。研究所のロバート・“ボブ”・ホフステトラー博士(マイケル・スタールバーグ)の助けを得て、ジャイルズとともに研究所から半魚人を連れ出すことにするのでした……。

 

☆間違いなく、アカデミー作品賞に値する

 

ギレルモ・デル・トロに、完全にやられてしまいました。見事です。本作の感動の前には、残念ながら、あれほどの『スリー・ビルボード』もかないません。歴史に残る傑作だと確信します。

 

何よりも、赤ん坊のときの虐待で口が利けなくなったヒロインと無理やりアメリカに連れてこられた半魚人の間に恋が生じるというデル・トロの発想に圧倒されます。社会的に恵まれない人々の夢と希望を描こうとする態度に、胸がいっぱいになってしまいました。

 

そのうえ、孤独で売れない初老のイラストレーターと夫から相手にされなくなった黒人女性という、これまた日陰の庶民が出てきて、冷戦状態で危機一髪の米ソ政府の鼻を明かすのですから、痛快そのものです。

 

しかも、口のきけないイライザを身障者として上から目線でかわいそうという形で描かないのが、たまりません。イライザは決して豊かな生活を送っているわけではありませんが、それでも美しい服装や靴に憧れをもち、TVでフレッド・アステアジンジャー・ロジャース主演のミュージカル『艦隊を追って』(1936)をやっていると、ジャイルズといっしょにステップを踏むような明るい女性です。恋に憧れ、健全な性欲を満たし、そして半魚人であろうが、自分を大切にしてくれる人を大切にするというイライザの性格造型の面白さは、デル・トロの映画フリークの部分もあって、観ているこちらが和まされてしまいます。

 

それに対して、半魚人に拷問をかけ、イライザにちょっかいを出すストリックランドは、妻とセックスをするときにも、まともな愛撫もできず、すぐに正常位で挿入します。妻には喘ぎ声を出すことさえも許さず、口をふさぎ、自らの欲望を吐き出すことしか考えられない男なのです。それは、自分のふたりの子供たちに対しても同じで、欲望を吐き出した結果生まれた子供たちには何の愛情も感じられません。

 

この対比を、サリー・ホーキンスとマイケル・シャノンという名優が、あざとくなく演じるのですから、映画の妙味が高まります。

 

ホーキンスが惜しげもなく全裸を披露し、半魚人とのセックスの楽しさをオクタヴィア・スペンサーに語る部分の笑顔が何ともいえずチャーミングです。フランシス・マクドーマンドという強面の女帝がいなければ、間違いなくホーキンスがアカデミー主演女優賞を獲れたことでしょう。

 

それに対して、軍隊の中での昇進にしか興味がないストリックランドの儚さは、底知れません。ホイト将軍に認めてもらうためだけに必死にがんばる姿が、実に愚かしく見えます。しかも、それを本人が気づかない。仕事人間にありがちな姿ですが、哀れを感じます。そのストリックランドをリアルに演じたマイケル・シャノンには拍手を送ります。リチャード・ジェンキンスと並んで、アカデミー助演男優賞にノミネートされていたとしても、不思議のない好演です。

 

そのジェンキンス、貧乏英語塾長の大好きな俳優なのですが、禿げ頭を使ったギャグとイライザにほのかな恋心を抱きつつも、半魚人にイライザの心が傾くと、それを応援してやる好々爺ぶりが何ともよろしくて、ファンとしては喝采を送りたくなりました。これまた、サム・ロックウェルがいなかったら、ジェンキンスのオスカー初受賞は確実だったことでしょう。

 

オクタヴィア・スペンサーの肝っ玉母さんぶりは、アカデミー助演女優賞を受賞した『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』(2011)や同賞にノミネートされた『ドリーム』(2016)同様、実に頼もしく、ますますファンになってしまいました。ゼルダのような人が親友だったからこそ、イライザも明るく朗らかに生きてこられたのです。余人に代えがたいゼルダを演じてくれたスペンサーにも拍手です。

 

アレクサンドル・デスプラの音楽も、数々のスタンダードの名曲に挟まれて、それほど目立つものではないのですが、映画のコンセプトを正しく観客に伝えていた点で、さすがというしかありません。再見するときには、じっと耳を澄ませることにします。

 

先が読めない脚本も秀逸なら、それを再現した演出・撮影も立派。エンディング・シーンの美しさには、ただただ感激するばかりです。

 

とにもかくにも、わが愛するサリー・ホーキンスをこれほど美しく描いてくれたことに、ギレルモ・デル・トロには感謝しても感謝しきれません。これから何度でも観ていくであろう名作を作ってくれたことにも、感謝です。

 

++++++++++

 

画質(1.85:1/デジタル): A+

 

撮影は、本作でアカデミー撮影賞にノミネートされ、デル・トロとは『ミミック』(1997)『クリムゾン・ピーク』(2015)でも組んでいる、『ナイトウォッチ』(1997)『ジェヴォーダンの獣』(2001)『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』(2003)『サイレントヒル』(2006)『ポゼッション』(2012)『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017)のダン・ローストセン

機材は、アリ・アレクサ・ミニ、アリ・アレクサ・XT・プラスHDカメラを使用。マスター・フォーマットは、DI(2K)。

 

4Kプロジェクター上映。

 

冒頭付近では、細部が甘くなっていると感じたのですが、その後は現代最高レベルの解像度を誇る見事な画質に換わります。彫りも深く、奥行き表現も十分で、くっきり・すっきりした絵です。

発色は、場面によって変えられています。多くは、ニュートラルな色合いなのですが、時代臭を出すときには、発色が低くなり、暖色系が支配します。ニュートラルな場面では、色数は多く、鮮明ですが、他の部分ではあえて色数に制限をかけているようです。

 

時代臭を出す場面では、グレインこそありませんが、全体的な解像度もマイルドになり、フィルムルックに見えます。

 

色乗り自体は、あっさりとこってりを行ったり来たり。それが映画の主張にあっていて、感心しきりです。肌の質感も、ナチュラルそのもの。サリー・ホーキンスの肌がたまらなくセクシーです。


暗部情報も、豊潤。暗いシーンが多い映画なのですが、黒がよく沈み、コントラストも高く、滑らかな階調で、見えづらいシーンは一切ありません。これを正確に家庭劇場で再現するためには、4K UHD BDが必要なのではないかと感じた次第です。

 

2列目で見上げましたが、ビスタであり、固定されたカメラワークがほとんどであるために、何の不都合もなく楽しめました。

 

音質(Linear PCM/D-Cinema 48kHz 5.1): A+

 

IMDbの当該サイトには、音声仕様が“D-Cinema 48kHz 5.1”と記してあります。これが通常のドルビーデジタル5.1とどう違うのかもよくわかりませんし、シャンテの音声がそれだったのかのわかりません。しかし、これだけはいえます。実によい音質と音響設計であった、と。

 

左右前後に音を定位させ、音の出所はスクリーンと完全に一致します。しかし、ケレンに走ることはなく、現実的な対応でデル・トロは処理しています。

 

感心したのは、前から2列目なのに、後方からの音数が多かったこと。おかげで、立体音場の密度は最高レベルで、包囲感も移動感も鮮明です。なるほど、これなら編集・調整の音響賞2部門にアカデミー賞でノミネートされたのも理解できます。

 

ノイズフロアは、最低レベル。音量も、適切。メタリック成分も混入せず、不快にさせられることはありません。音楽も、団子にならず、爽やかに響きます。

 

セリフの抜けも、文句なし。サ行がきつくならず、発音も明瞭です。音像も膨らまず、口元に寄り添います。

 

超低音成分は、控えめ。ただし、途中で何度か出てくる銃声の重みと迫力には度肝を抜かれました。その場面では、LFE成分がドーンと出ているからです。

 

英語学習用教材度: C

 

字幕翻訳は、稲田嵯裕里。

 

セリフは、多め。F-wordが9回、S-wordが15回登場するなど、俗語・卑語がかなり使われます(R指定)。テクストに使うには、細心の注意が必要です。

 

しかも、やや凝った表現が多いために、TOEIC860点程度の実力だと、字幕なしでは7割も理解できないことでしょう。

 

その意味で、日本語字幕を頼らなければいけないのですが、かなり凝った翻訳になっていて、不自然さを感じる部分がかなりありました。英語字幕で、観直したいものです。

 

++++++++++

 

気になるところを、アト・ランダムに。

 

☆原題も、The Shape of Water。訳せば、もちろん、「水の形」です。形のない水のように、人間の心が変わっていくという意味でしょう。もちろん、イライザと半魚人の恋も、まさに「水の形」です。

 

☆「イライザ」は、絶対に『マイ・フェア・レディ』(1964)でオードリー・ヘプバーンが演じたヒロインの名前から採ったものだと確信します。それくらい、本作のイライザは半魚人のおかげで人生をよりよいものに変えていきます。

 

☆イライザがストリックランドに手話で“F-U-C-K Y-O-U”とやるのが、小気味よくてぐっときました。

 

☆イライザが半魚人に教えて、半魚人も使えるようになった次の手話の文が最高でした。

 

 You and me together.

  (ふたりは、一緒。)

 

半魚人は神ですから、ゆで卵も好きですが、手話もすぐに覚えるのです。

 

☆1940万ドルの製作費で、これまでのところ全米5739万ドル、世界で1億2640万ドルのメガヒット。アカデミー作品賞を受賞しましたから、成績はこれからも伸びそうです。

 

米盤Blu-ray Disc・4K UHD BDは、3月13日に発売されます。

 

 

 

今日現在、米アマゾンで、BDが19.96ドル、4K UHD BDが24.96ドルで予約販売されています。

 

4K UHD BDの仕様です。残念ながら、日本語字幕・日本語吹替えはつきません。

 

 Region A
 容量:2層50GB
 映像:2160p/1.85:1/HEVC / H.265
 音声:DTS-HD Master Audio 7.1 (48kHz/24bit)(英語)
    Dolby Digital 5.1(西語)
    DTS 5.1(仏語)
 字幕:英・仏・西語

 

特典は、次の内容です。

 

 A Fairy Tale for Troubled Times
 Anatomy of a Scene: Prologue
 Anatomy of a Scene: The Dance
 Shaping the Waves: A Conversation with James Jean
 Guillermo del Toro's Master Class
 Theatrical Trailers

 

貧乏英語塾長、絶対に4K UHD BDを購入します。ただし、もう少し安くなってからのことですが(冷汗)。米盤より安い英盤が出てくれると最高なのですが。

 

++++++++++

 

映画ファン、ギレルモ・デル・トロ・ファン、出演俳優ファン、必見。ぜひとも画質・音質のよいところでご覧ください。シャンテは、安心して推奨できます。非常に強く(心から)オススメします!

 

| 外国映画(サ行) | 09:29 | comments(1) | trackbacks(0) |
コメント
いつも拝読しておりとても参考になっております。
amazonUSで予約販売中のシェイプ・オブ・ウォーターですが、4KUHDにのみ日本語字幕が入っている様子です。
当方も凄く感動して、想わず予約してしまいました。
これからも映画の批評など楽しく見させて頂きます。
| pontdeciel | 2018/03/08 7:53 PM |
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