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ギドン・クレーメル、リュカ・ドゥバルグ&クレメラータ・バルティカ

 

サントリーホール 大ホール C席 2階RA1列16番 4000円

2018年2月14日(水)7:00−9:17

公式サイト:http://www.mplant.co.jp/concertm.html

 

ゴウ先生総合評価: A++

 

昨夜、サントリーホールに出かけました。2年ぶりのギドン・クレーメルの来日演奏を聴くためです。結論から申し上げると、とてもチャーミングな演奏が多くて、大いに感激した次第です。

 

6時43分に入場すると、エストニア・ラトビア・リトアニアのバルト三国関係者が大勢います。今年がバルト三国の建国100周年にあたり、クレーメルをバルト三国の文化大使に任命したからだとか。めでたいことです。ロシアの横暴に負けないでもらいたいものです。

 

2階に上がってみますと、異様な数の私服のSPと宮内庁関係者が右側に詰め掛けています。皇族のご臨席があるのだろうとおもっていたら、6時58分、皇太子殿下・皇太子妃殿下が登場するではないですか。場内、拍手でお出迎えです。おふたりとも、クラシック音楽がお好きですし、バルト三国の大使を迎えてのコンサートですから、もっともなご来訪です。席は、2階席最前列上手よりの席でした。

 

コンサートの概要です。

 

☆演奏者

 

 ヴァイオリン:ギドン・クレーメル
 ピアノ:リュカ・ドゥバルグ
 アンサンブル:クレメラータ・バルティカ

 

☆演奏曲目

 

 ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第11番ヘ短調op.95「セリオーソ」
 モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K216
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調K414
 モーツァルト:セレナーデ第6番ニ長調K239「セレナータ・ノットゥルナ」

 

7時になって、いよいよクレメラータ・バルティカが入ってきました。

 

セリオーソ」(7:01−7:24)の陣容は、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、各6名。ヴィオラ、チェロ、各4名。コントラバス、2名。つまり、「セリオーソ」の少人数オーケストラ版というわけです。これには、クレーメルは参加していません。

 

普段、四重奏でしか聴いていませんから、新鮮です。特に、コントラバスが入ったことが画期的で、音に厚みと迫力が生まれています。この日は、主催者側の都合により(警備をしやすくするため?)、ステージ裏のP席のチケットは販売されませんでした。そのためでしょう、音がかなりライブになっていて、低音がよく響きます。コントラバス・ファンとしては、うれしくなりました。

 

第1楽章の華やかな出だしもよいのですが、第4楽章が本当にバルト三国の演奏家によるものだけに、偏見かもしれませんが、スラブ的に聞こえてきて、すごくよかったのです。しかも、指揮者がいないのに、その演奏に乱れはなく、本当に弦楽四重奏曲(五重奏曲?)の巨大・低音付加版になっていて、爽やかな演奏でした。

 

第3番」(7:26−7:49)になると、クレーメルがソロイストとして、上の布陣にさらにホルン、フルート、クラリネットが各2名とともに、参加します。コンマスが、男性から女性に代わったのは、いかにも民主的なクレメラータ・バルティカらしいところです。

 

わが愛聴盤は、1986年にクレーメルがニコラス・アーノンクール指揮の下、ウィーンフィルと録音した次のCDです。

 

モーツァルト:VN協奏曲全集
クレーメル(ギドン)
ポリドール

 

基本的には、かなり似ているのですが、オケの人数が違いますし、古楽的で厳密なアプローチを取っていたCDよりも、より自由に伸びやかな演奏です。すべてのメンバーが非常に楽しそうで、聴いているこちらもワクワクしてきます。モーツァルトがこのハッピーな演奏を聴いたら、悦ぶだろうとおもうほどでした。

 

第1楽章を快速に飛ばして、気分を高揚されたところで、第2楽章のアダージョで優雅な音を響かせる。そして、第3楽章ではポルカをおもわせるリズムで刻み、本当にすばらしい演奏でした。これがライブ録音されたら、否も応もなく、購入します。

 

20分休憩を置いて、「第12番」(8:16−8:42)です。休憩の際に皇太子ご夫妻は退席されたので、そのままお帰りになるかとおもったら、再入場なさいます。たまにはしっかりと音楽を聴きたいでしょうねえ。そのそのくらいの自由は、未来の国家元首夫妻に与えないと。しかも、雅子妃はピアノの練達者ですから。

 

さて、いよいよリュカ・ドゥバルグの登場です。布陣は、第3番からフルート2名が抜ける形になっています。

 

モーツァルトとドゥバルグ、まったくイメージが結びつかないので、どうなるかとおもっていたのですが、悪い予感が当たってしまいました。申し訳ないけれども、貧乏英語塾長にはその特異なリズムの刻み方が性に合わず、楽しめなかったのです。快調に飛ばすべきところで、いきなりストップをかけられて、ビックリしてしまいました。どう考えても、普通の演奏ではありません。それがドゥバルグの解釈なのでしょうが、賛同しかねます。そのうえ、オケとのアンサンブルもいまひとつで、ここに指揮者のいない協奏曲の難しさを垣間見てしまったのでした。

 

その後、ドゥバルグがアンコール(8:43−8:45)で反撃に出ます。「スカルラッティのソナタニ長調K491」だったのですが、これがたまらなくよかったのです。

 

スカルラッティ、ラヴェル、リスト、ショパン
リュカ・ドゥバルグ
SMJ

 

上のデビューCDでスカルラッティを入れていますが、このソナタは録音していません。ゆえに、初めてのドゥバルグの演奏です。繊細で、優美で、この人のよいところがすべてに出た気がします。2年前とは違って、今回は髭なしのイケメンぶりで、それがスカルラッティの爽やかさに通じ、大いに満足しました。(それにしても、脚が長かったなあ。)

 

セレナータ・ノットゥルナ」(8:49−9:02)になると、クレーメルが戻ってきます。オケの前に4人立ちます。上手からコントラバス、ヴィオラ、クレーメル、ヴァイオリンという具合です(プログラムに名前が記載されていないので、変な記述になってしまいました)。ティンパニが参加し、管楽器はすべて退場です。

 

これが、この日のハイライト。とにかく、ムチャクチャ楽しいのです。第1楽章のティンパニの連打の始まりからして、心が浮き立ちます。その上に、途中で「上を向いて歩こう」をコントラバスが弾きだしたりして、まるでジャズ演奏です。その洒落心に拍手です。

 

その後も、ヴィオラ、クレーメル、ヴァイオリン、ティンパニとソロ演奏をします。クレーメルにいたっては、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の一部を弾きだしたので、それをずっと聴きたくなってしまったのでした。ティンパニもジャズ・ドラムのソロのような激しいリズムで打ち出すものですから、愉快ゆかい。これこそ、即興演奏を得意にしたモーツァルトの真髄をとらえたライブ演奏ではないでしょうか。これも、ライブ録音が出たら、絶対にほしいものです。

 

9時4分から、アンコール演奏が始まります。


1曲目は、クレーメルが休んで、テディ・ボー博士の「Mc Mozart Eine Kleine Bright Moonlight Nicht Music」(9:04−9:07)。これは、モーツァルトの「アイネクライネナハトムジーク」をもじった曲です。これも、初めて聴きましたが、面白い演奏で、笑顔がこぼれました。最後は「蛍の光」まで出てくるし、たまりません。

 

2曲目は、クレールがソロを取って、オケがピック奏法で静かに伴奏する梅林茂の『夢二』のテーマ(9:08−9:12)でした。日本人ファンへのサービスなのでしょうが、そのセンチメンタルでやるせないヴァイオリンの響きに身もだえさせられてしまったのでした。


これで終わりかと思ったら、クレーメル、まだサービスをしてくれたのです。ヴァインベルクの「ボニファチオの休日」(9:13−9:15)を、クレーメルがソロを取りながら、クレメラータ・バルティカとともに演奏するのです。

 

ヴァインベルクは、ポーランド生まれの作曲家(1919年12月8日 - 1996年2月26日)。2016年6月6日のサントリーホールでのリサイタルで、クレーメルはヴァインベルグの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番を弾きましたが、「ボニファチオの休日」はCDにも入っていないので、まったく知りませんでした。とてもチャーミングな小品で、大好きになってしまった次第です。

 

こうして、9時17分まで拍手を送り続け、クレーメルとオケが退場すると、今度は皇太子ご夫妻のお見送りです。立って拍手します。来年5月には天皇陛下と皇后陛下になられるおふたりです。あだやおろそかにはできません。

 

というわけで、それぞれの感銘度を記すと、次のようになります。

 

 ベートーヴェン:「セリオーソ」  A
 モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番  A++
 モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番  B
 モーツァルト:「セレナータ・ノットゥルナ」 A+++

 

 アンコール A+++

 

それにしても、とってもすばらしいコンサートでした。これだから、クレーメルの演奏は聞き逃せないのです。クレーメルたちに、大感謝です。

 

| 音楽 | 09:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
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