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The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(US BD/Region Free)

 

原題:The Beguiled (2017)
上映時間:1:33:08
2018年2月23日 国内劇場初公開
公式サイト:http://beguiled.jp/

ゴウ先生総合評価: A
  画質(1.66:1): A
  音質(DTS-HD Master Audio 5.1): A/A-
  英語学習用教材度: A-

 

ロスト・イン・トランスレーション』(2003)でアカデミー監督賞にノミネートされ、同脚本賞を受賞した、『マリー・アントワネット』(2006)『SOMEWHERE』(2010)『ブリングリング』(2013)『ビル・マーレイ・クリスマス』(2015)のソフィア・コッポラ監督・製作・脚本により、トーマス・カリナンの小説『The Beguiled』を映画化したサスペンス・ドラマ。

 

The Beguiled (Penguin Classics)
Penguin Classics

 

ビガイルド 欲望のめざめ
作品社

 

主演は、ニコール・キッドマンコリン・ファレル

 

準主演が、キルステン・ダンストエル・ファニング

 

その他、アンガーリー・ライスウーナ・ローレンスエマ・ハワードアディソン・リーケが共演。

 

カンヌ国際映画祭では、パルム・ドールにノミネートされ、監督賞を受賞。

 

☆米盤BDで観る

 

クリント・イーストウッドの大ファンです。ゆえに、同じ原作をドン・シーゲルが監督・製作し、クリント・イーストウッドが主演して映画化された『白い肌の異常な夜』(1971)も観ています。

 

白い肌の異常な夜 [Blu-ray]
キングレコード

 

したがって、ソフィア・コッポラがリメイクしたら、どんな風になるのか、ぜひとも観たいとおもっていました。しかも、大好きなニコール・キッドマン、キルステン・ダンスト、エル・ファニングが出るのです。観ないわけにはいきません。

 

そンな折り、米盤Blu-ray Discが送料込みで1164円相当で買えることがわかり、昨年12月に注文したのでした。

 

公開が23日に迫ってきているこの機会に、米盤BDのレビューをアップロードさせてもらいます。

 

☆あらすじ

 

舞台は、米南北戦争末期の1864年における南部バージニア州の人里離れたところにある寄宿制のファーンズワース女子学院(The Farnesworth Seminary)。

 

戦争のせいで、女子学院からはほとんどの教員・生徒・奴隷がいなくなり、残っていたのは院長マーサ・ファーンズワース(ニコール・キッドマン)、女性教員エドウィーナ・ダブニー(キルステン・ダンスト)、そして、アリシア(エル・ファニング)を含めた5人の生徒だけでした。

 

ある日のこと、ひとりの傷ついた北軍兵士ジョン・マクバニー(コリン・ファレル)が、女子学院の近くで倒れていました。それを発見した生徒のエイミー(ウーナ・ローレンス)がマクバニーを女子学院まで連れてきます。

 

院長の指示のもとエドウィーナたちが兵士を介護し、兵士は回復するのですが、その結果、性に目覚めた女性たちは兵士に強い関心を寄せていくのでした……。

 

☆爽やかにさえ感じる女の戦争

 

ドン・シーゲル版はオープニング・クレジットが特徴的で、南北戦争の写真のモンタージュとそれにかぶさるクリント・イーストウッドの歌で反戦・厭戦を冒頭からはっきりと主張します。当時まだ終結していなかったベトナム戦争を意識してのことでしょう。物語も、スーパースターに上り詰めたイーストウッドの視点から描かれます。

 

他方、本作は、それとはまったく違う路線を走ります。反戦・厭戦は表向きに語られず、視点も女性側に移ります。ビリングでは、コリン・ファレルがトップですが、実質的な主役はセカンド・ビリングのニコール・キッドマンです。ファレルは、キルステン・ダンストと同等の位置づけといってもよいでしょう。

 

とはいえ、戦争を意識させないかといえば、そんなことはありません。決して遠くないところが戦場になっているらしく、しょっちゅう砲声が聞こえてきますし、疲れ果てた南軍兵士も登場します。しかし、映画は女性たちが静かに自分たちの「今日」を生き抜こうとしているところを描くのです。

 

いまとてアメリカは戦争当事国ですから、ソフィア・コッポラが反戦・厭戦を強く謳ってもよいとおもうのです。『ハート・ロッカー』(2008)『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)『デトロイト』(2017)のキャスリン・ビグローだったら、そうしたことでしょう。

 

しかし、コッポラはそうしません。そして、まさにそのことに非常に強く感銘を受けてしまいました。

 

4年続いた南北戦争の中で、残された7人の女性たちは嫌なものを大量に見てきたことでしょう。死体や負傷者をその目にしたことや略奪があったこともセリフでわかります。ひょっとすると、兵士たちに強姦された関係者もいたかもしれません。

 

しかし、それを胸の奥にじっとしまって(おそらくそれを口にすれば、何かが崩れてしまいそうで怖いのだとおもわれます)、女性たちはただひたすら戦争の終結を待っているわけです。その健気さに胸を打たれてしまいます。声なき反戦といってもよいでしょう。

 

その象徴として登場するニコール・キッドマンの存在感の強いこと。180僂猟洪箸稜惷擇鮨ばして、他を睥睨する凛とした美しさは、惚れ惚れさせます。しかも、1.66:1の縦長ヨーロピアン・ビスタですから、キッドマンが登場すると、絵面が見事なのです。

 

さらに、慎ましくも内に秘めた女性たちの強さが、全体的に証明が落とされた暗い画面から漂います。白っぽい服を身に着けた女性たちが、すべてが妖精のように見えるほどです。

 

そこへ、オスが入ってきて、事態は変わります。そのオスのせいで、一瞬、妖精たちはメスになりかけるのです。特に、キルステン・ダンストはコリン・ファレルにぞっこんという設定。あのキッドマンさえも、ファレルのフェロモンの前に落城せんとします。しかし、そこへ割入った小悪魔エル・ファニングがファレルと事に及ぼうとして、物語が急に生々しくなるのです。

 

この辺の転換のキレのよさ。コッポラの脚本・演出の見事さと盟友サラ・フラックの編集の巧みさに感心してしまいます。

 

ニコール・キッドマンは、TV『ビッグ・リトル・ライズ 〜セレブママたちの憂うつ〜』(2017)における夫のDVに悩む主婦役といい、本作といい、非の打ちどころがありません。ただただ観とれてしまいます。いまが、その絶頂期だといってよいのではないでしょうか。(なぜキッドマンがアカデミー主演女優賞にノミネートされないのだ!)

 

キルステン・ダンストの控えめな行儀良さも、本作の見所のひとつです。最愛のファレルをキッドマンたちのせいで殺されたときも、その死体を片付けるときも、泣きわめいたりはしません。仕方ないと諦めの入ったうつろな目で遠くを眺めているだけです。その姿に、戦争の悲惨さが映し出されています。いい女優さんです。

 

エル・ファニングは、『アバウト・レイ 16歳の決断』(2015)『ネオン・デーモン』(2016)『20センチュリー・ウーマン』(2016)に通じる透明感あふれた倦怠感と油断のなさが、凛としたキッドマンと対照的で、うまいキャスティングだと感心してしまいました。さすが、『SOMEWHERE』(2010)でファニングを使いこなしたコッポラらしい起用です。この小悪魔には、手練れのコリン・ファレルも負けてしまいます。

 

そのファレルも、クリント・イーストウッドの亡霊と戦ったわけですが、ファレルのマクバーニーのほうが、個人的には、好ましくおもえます。シーゲル版では当時193僂發△辰拭見るからに強そうなイーストウッドがそうそう女性たちに負けんだろうとおもわせる違和感が残るのに対し、178僂痢△修譴曚病腓くないファレルだと女性たちに翻弄されるのも仕方ないとおもわせられるからです。そのうえで、ファレルの下卑た雰囲気もマクバーニーに会っています。

 

最後に特筆したいのは、本作を93分まで切り詰めたコッポラの英断です。余白が大量に生まれ、観客は自由にあれこれ考えられます。それでいて、説明不足ではありません。もしイーストウッドが監督として本作をリメイクしたら、きっとコッポラのような道を選んだのではとおもうほどで、見事に女性の映画にしています。

 

とにもかくにも、本作を女性のための女性による女性の映画に変えたソフィア・コッポラは、立派のひと言。この人の才能に感心するとともに、本作が今年度のアメリカの映画賞から無視されていることが解せない限りです。少なくとも、コッポラがアカデミー監督賞にノミネートされていても、不思議はありませんでした。

 

内容: A

 

++++++++++

 

画質(1.66:1): A

 

Gump TheatreにてOppo BDP-93から1080・24p信号を直接HDMIケーブルによってソニーVPL-HW30ESに送り込み、120インチ・ワイド・スクリーンに映しています。2層50GB。コーデックは、MPEG-4 AVC。伝送レートは、24 Mbpsから41 Mbps。

 

撮影は、ソフィア・コッポラとは『ソフィア・コッポラの椿姫』(2016)で組んでいる、『グランド・マスター』(2013)でアカデミー撮影賞にノミネートされた、『エイリアンVSヴァネッサ・パラディ』(2004)『プロヴァンスの贈りもの』(2006)『7つの贈り物』(2008)のフィリップ・ル・スール

 

機材は、アリカムLT、アリカムST 35mmフィルム・カメラ。マスター・フォーマットは、DI(4K)。オリジナル・アスペクト比も、1.66:1。

 

一見、35mmで撮影されたとはおもえないほど、5mほど離れた場所からでは、グレインを視認できません。それもそのはず。スクリーンに近づいてみると、ないことはないのですが、粒子が非常に細かいのです。

 

とはいえ、デジタル撮影とはまったく違う柔らかさをもっています。解像度は、えぐるようなすごみこそないものの、十分に高く、もの足りなさは感じません。陰影に富み、彫りも深く、奥行き感も出ています。

 

色温度は、やや高め。さらに、色数を減らしているために、冷ややかで清潔な雰囲気が漂います。鮮明で艶やかとはいえませんが、映画の本質を衝いた色調と感じます。それでも、肌の質感にも不自然さはありません。女性たちの肌が、とても艶やかで綺麗です。

驚くべきは、暗部情報量の多さです。黒がよく沈み、ほとんどが自然光で撮影されたとおもわれ、ろうそくしかない当時の室内の暗さを再現しています。そこに白っぽい服を身に着けた女性たちが浮き上がるため、何とも妖しいムードが漂うのです。ただし、コッポラの意図を正確に再生するためには、真っ暗な室内と高性能のプロジェクター(ディスプレイ)が必須でしょう。

 

大画面の近接視聴も、問題なしです。

 

この映像、4K UHD BDで観てみたいものですが、残念ながら、アメリカでも4K UHD BDの発売は予定されていません。

 

音質(DTS-HD Master Audio 5.1): A/A-

 

Oppo BDP-93からソニーVZ-555ESに、サラウンドバック・スピーカー2本を付け加えた7.1チャンネル分をラインアウト接続して再生。伝送レートは、不明。音量は、マイナス30デシベル。

 

派手さはなく、立体音場の密度もそれほど高くはありません。それでも、左右前後に音は定位し、音の出所もスクリーンと正確にマッチしています。真後ろから聞こえるべきシーンでは、5.1チャンネルですが、しっかりと聞こえてきます。移動感こそ、それを強調する場面もないので、曖昧ですが、包囲感はかなりのものです。


ノイズフロアは低く、雑味は乗りません。デフォルトの音量が低めに設定させていることもあるのでしょうが、マイナス30デシベルでもまったくうるさく感じません。おかげで、当時の邸宅の広さを感じさせてくれ室内のエコー成分や鳥・虫の鳴き声・遠方の砲声など細かい環境音がよく聞こえてきます。

 

セリフの抜けは、文句なし。レンジも広く、ヒステリックになることもありません。サ行も滑らかで、発音も明瞭です。

 

超低音成分は、控えめ。ほとんど入っていないといってよいでしょう。


英語学習用教材度: A-

 

英・仏・西語字幕ならびに西・仏語吹替え付き。残念ながら、日本語字幕ならびに日本語吹き替えはつきません。

 

セリフは、かなりの量。しかも、俗語卑語は、F-word・S-wordは一回も登場せず、ほぼゼロです(“bitches”、“Jesus”は使われます)。R指定なのは、セックス・シーンがあるからです(とはいえ、肌はほとんど露出しないのですが)。英語だけから観れば、安心してテクストに使えます。

 

英語字幕は、100%セリフをフォローしており、英語自体もそれほど難しくありません。TOEIC860点ホルダーなら、英語字幕を頼りにすれば、8割は理解できることでしょう。

 

++++++++++
  
気になるところを、アト・ランダムに。

 

☆原題は、The Beguiled。何とも謎めいた表現です。他動詞“beguile”は、「…をだます」という悪い意味と「…を楽しませる」「…を喜ばせる」というよい意味があります。この場合は、ふたつを重ね、「だまされ・楽しませてもらった人々」とでも訳さないといけないところでしょう。なお、“the + 形容詞”は「形容詞のような人びと」という意味ですから、この場合、マクバーニーばかりではなく、女子学院の女性たちすべてを指すと解釈すべきです。

 

☆1050万ドルの製作費で、全米1071万ドル、海外1668万ドル、世界2740万ドルの売り上げ。どうやら、実質的にも黒字になったようです。めでたしめでたし。

 

特典は、残念ながら、些少です。

 

 A Shift in Perspective (6:53)
 A Southern Style (5:40)

 

映像:ビスタ・サイズ(1.78:1)のHD画質(AVC/1080・24p)

音声:ドルビーデジタル・ステレオ

うれしいことに、両方に英語字幕がつきます。

 

☆特典は両方ともメイキングです。“A Shift in Perspective”は、映画製作の経緯とキャストの紹介がメインです。インタビューには、ソフィア・コッポラはもちろん、コリン・ファレルキルステン・ダンストエル・ファニングアンガーリー・ライスウーナ・ローレンスエマ・ハワードアディソン・リーケが答えています。どうしてニコール・キッドマンは登場しないのでしょう。

 

☆“A Southern Style”は、ロケ地に選ばれたルイジアナ州の風景や当時を再現した衣服・髪型の説明がなされます。ここでも、キッドマンはインタビューされません。

 

++++++++++

 

映画ファン、出演俳優、特にニコール・キッドマンのファン、必見。ぜひとも4Kプロジェクター上映館に出かけられて、(極上映像を楽しめるはずの)ネイティブ4K上映を楽しんでください。貧乏英語塾長も、そこでもう一回観てみたいとおもっています。

 

米盤BDは、画質優秀、音質水準、悪くありません。英語に問題がなければ、購入を検討されるのもよいでしょう。

 

強くオススメします!

 

| 外国映画(ハ行) | 10:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
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