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アバウト・レイ 16歳の決断(De BD/Region Free)

 

原題:3 Generations (2015)
上映時間:1:32:42
2018年2月23日 国内劇場初公開
公式サイト:http://aboutray16-eiga.com/

ゴウ先生総合評価: A-/B+
  画質(1.85:1): A
  音質(DTS-HD Master Audio 5.1): A
  英語学習用教材度: A-

 

トランスジェンダーの少女を、その母と祖母との関係から描く人間ドラマ。

 

少女を演じるのは、『SOMEWHERE』(2010)で注目され、その後『UPER 8/スーパーエイト』(2011)『Virginia/ヴァージニア』(2011)『ネオン・デーモン』(2016)『夜に生きる』(2016)『20センチュリー・ウーマン』(2016)『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(2017)と話題作に出続けているエル・ファニング

 

母役は、『21グラム』(2003)『インポッシブル』(2012)でアカデミー主演女優賞にノミネートされた、『マルホランド・ドライブ』(2001)のナオミ・ワッツ(製作総指揮も兼務)。

 

祖母役は、『アトランティック・シティ』(1981)『テルマ&ルイーズ』(1991)『ロレンツォのオイル/命の詩』(1992)『依頼人』(1994)でアカデミー主演女優賞にノミネートされ、『デッドマン・ウォーキング』(1995)で同賞を受賞したスーザン・サランドン

 

その他、リンダ・エモンドテイト・ドノヴァンサム・トラメルが共演。

 

監督・脚本は、イギリス出身の女優兼監督のゲイビー・デラル。残念ながら、日本公開作は1本もないものの、『The Ride』(2003)『On a Clear Day』(2005)『Angels Crest』(2011)という監督作品あり。

 

共同脚本は、日本未公開シアーシャ・ローナン主演スリラー『Stockholm, Pennsylvania』(2015)を監督・脚本したニコール・ベックウィズ

 

☆独盤BDで観る

 

大好きな女優3人が出る映画です。絶対に観たいとおもっていました。ところが、評論家たちからよからぬ評価をされたせいらしく(Rotten Tomatoesでは支持率30%で10点満点中5.2点、Metaciriticでは100点満点中47点)、アメリカでの公開が延期されたのです。

 

そのため、決まっていたはずの日本での劇場公開が一度流れてしまいました。もう日本で上映されることはないとおもった貧乏英語塾長、昨秋、ドイツからBlu-ray Discを取り寄せていたのでした。

 

そのときにも一度観ていましたが、今回、日本での劇場公開が始まったのを受けて、もう一回観直しました。感想も変わったので、この機会にレビューをアップロードさせていただきます。

 

☆あらすじ

 

舞台は、現代のニューヨーク・シティ(NYC)。

 

ロマーナ(エル・ファニング)は、イラストレーターとして自活するバツイチの母マギー(ナオミ・ワッツ)と悠々自適の生活を送る祖母ドリー(スーザン・サランドン)とともに、ドリ一所有のNYCのタウンハウスに住む16歳の少女です。

 

ロマーナは性同一性障害に悩み、男性「レイ」として生きたいと願っていました。それをマギーに告白し、そのために生理を完全に止めるホルモン治療を受けたいと訴えます。マギーも、突然のことに動揺を隠しきれません。

 

一方、すでにレズビアンであることをカミングアウトし、離婚してパートナーのフランシス(リンダ・エモンド)と暮らしているドリーも、レイの気持ちはわかるものの、レズビアンで生きていく道もあるだろうにと困惑していました。

 

ところが、ホルモン治療を始めるためには、レイが未成年者であるため、両親の同意が必要です。しかし、マギーはレイが赤ん坊のときに別れて以来、元夫のクレイグ(テイト・ドノヴァン)とは連絡を取っておらず、会うこと自体に気乗りしません。

 

とはいえ、男子の格好をし、身体を鍛え、「お前は男なのか女なのか」と男子からいじめられるレイを見て、マギーは考えを変えます。ホルモン治療の同意書にサインをもらうため、クレイグの家を探し当てて、会いに行くことにしたのでした……。

 

☆主役は、母親マギー

 

1回目に観たときには、LGBTがテーマだとおもい、どうしてもレイに焦点を当てて観てしまいました。そうすると、確かに、掘り下げが足りません。レイが性転換を切実に要求せざるを得なくなった理由が深く描かれていないからです。

 

2回目に観ても、レイに関しては意見は変わりません。エル・ファニングというすばらしい女優を使っているのに、もったいない限りです。その点では、陳腐な脚本・演出だと評します。

 

ところが、2回目に別の側面から観ると、これはなかなかの作品ではないかと考え直したのです。つまり、本作はレイを描きたいのではなくて、その母親マギーを描きたかったと解釈すると、腑に落ちる部分が多々あるのです。

 

実際、ビリングもトップはナオミ・ワッツで、2番目がエル・ファニングです(3番目は、もちろん、スーザン・サランドン)。ワッツがファニングよりも格上だから、この順番になったともいえなくもありませんが、ワッツ演じるマギーが主役と製作陣がみなしてのことだというのが当方の意見です。

 

レイが女性を捨てようとおもうのはよほどのことです。それにまつわるとてつもなく嫌なことが、学校などの家庭の外でレイには起きたからなのでしょう。

 

しかし、それをマギーは実際に見ていません。ゆえに、映画でそれを描くシーンを描かないのです。そのため、レイからトランスジェンダーだと告白されてホルモン治療を受けたいといっても、マギーがピンと来ないのも致し方ないことだとマギーに同情した見方を要求しているのが本作であるようにおもいます。

 

たとえば、マギーはレイの希望はかなえたいとおもいつつも、ホルモン治療に同意することに躊躇し続けます。その躊躇が生まれるのは、マギーはレイの母でドリーの娘でもありますが、女でもいたいとはおもうのに、女でいることが本当によいことなのかということにも自信をもてないのがいまのマギーだからです。

 

このあたり、ナオミ・ワッツがさらりと演じているために、見落としがちですが、女性と恋することで幸せな人生を手に入れた実母とそれを手に入れようとする娘を見て、男に恋することで自分は幸せになれるのか、マギーには自信がなさそうなのです。それゆえ、若い黒人男性とセックスをしても、ワッツは決して満足しているようには見えません。

 

最後の場面で、元夫の家族とマギーの家族4人がレストランで食事をするときも、マギーは最後までそれに入るかどうか躊躇します。自分ひとりが幸福のサークルから外れているような気がしているためです。しかもレイが元夫とその弟(サム・トラメル)と笑顔で話していることで、さらに自分が蚊帳の外に置かれている気分になっています。

 

自分の生きる道を決めたレイとドリーはよしとして、マギーはこれからどう生きればよいのか。それを描くのが、本作のポイントだとおもうと、ナオミ・ワッツが製作総指揮に乗り出したのも、製作チームが「3世代」という原題にこだわったのもわかります。

 

すなわち、本作は、“About Ray”ではなくて、トランスジェンダーの娘をもった中年にさしかかるシングルマザーの苦悩を描く“About Maggie”だったのです。

 

とはいえ、エル・ファニングとスーザン・サランドンの演技は、堅実そのものです。ナオミ・ワッツ同様、臭みはまったくありません。リンダ・エドモントもコミック・リリーフとしてきちんと役割を果たしています。

 

とにもかくにも、本作をマギーの映画だとおもえば、それでもレイの真意を描いてほしかったという不満は残るものの、これはなかなかのものです。それを見落として酷評したアメリカの映画評論家たちの目を疑う次第です。

 

内容: A-/B+

 

++++++++++

 

画質(1.85:1): A

 

Gump TheatreにてOppo BDP-93から1080・24p信号を直接HDMIケーブルによってソニーVPL-HW30ESに送り込み、120インチ・ワイド・スクリーンに映しています。2層50GB。コーデックは、MPEG-4 AVC。伝送レートは、1 Mbpsから46 Mbps。

 

撮影は、『オセロ』(1995)『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』(1998)『理想の結婚』(1999)『バイオハザード』(2002)『エイリアンVS. プレデター』(2004)『バイオハザード III』(2007)のデヴィッド・ジョンソン

 

機材その他、不明。オリジナル・アスペクト比も、1.85:1。

 

解像度が非常に高く、細部に甘さはありません。彫りは深く、奥行きも十分。くっきり、すっきりとした高画質です。米盤は容量が25GBしかないせいなのか、Blu-ray.comのレビューでは画質評価がやや低めですが、50GBの独盤BDは十分に最新BDの画質レベルをクリアしています。特に、晴天のNYC風景にはしびれます。A+/Aにするかどうか、悩んだほどです。

 

発色は、ニュートラル。色数も多く、色乗りもパワフル。鮮明で艶やかです。肌の質感にも不自然さはありません。すっぴんのエル・ファニングの肌の白さがはかなすぎます。

暗部情報量も、かなりのもの。たとえば、冒頭近くの小さなスタンドだけを点けた暗い部屋の中でファニングがピアノを弾くシーンでも、見えづらさはありません。

 

大画面の近接視聴も、まったく問題なしです。

 

音質(DTS-HD Master Audio 5.1): A

 

Oppo BDP-93からソニーVZ-555ESに、サラウンドバック・スピーカー2本を付け加えた7.1チャンネル分をラインアウト接続して再生。伝送レートは、不明。音量は、マイナス30デシベル。

 

音もなかなかのものです。左右前後に音は定位し、音の出所もスクリーンと正確にマッチします。包囲感はかなりのものですし、移動感も鮮明です。たとえば、通りを走る車の方向などがしっかりとわかります。さらに、室内のエコー成分もかなり収められていて、音楽が流れなくても、立体音場の密度感に寂しさを覚えません。


ノイズフロアは低く、雑味はありません。おかげで、マイナス30デシベルでもうるさく感じません。室内のちょっとした音や雑踏のざわめきなど細かい環境音も聞こえてきます。それでいて、不快な金属成分は絡まないのです。音楽も、使われる頻度はそれほど高くないのですが、団子になることなく、鮮やかに響きえます。

 

セリフの抜けも、文句なし。レンジも広く、ヒステリックに聞こえることもありません。サ行も滑らかで、発音も明瞭です。

 

超低音成分は、かなり控えめです。


英語学習用教材度: A-

 

英・独語字幕ならびに独語吹替え付き。残念ながら、日本語字幕ならびに日本語吹き替えはつきません。

 

セリフは、大量。ただし、俗語卑語は、F-wordとS-wordを含め、多くはありませんが、使われます(PG-13指定)。それでも、注意さえすれば、テクストとして十分に使えます。

 

英語字幕は、100%セリフをフォローしており、英語自体もそれほど難しくないので、TOEIC860点ホルダーなら、8割は理解できます。

 

++++++++++
  
気になるところを、アト・ランダムに。

 

☆原題は、3 Generations。つまり、「3世代」という意味です。しかし、当初は“Three Generations”で、そのあと“About Ray”に変わり、最終的に上のタイトルでアメリカでは公開されたのでした。

 

☆このタイトルの変遷の背景には、もともとの配給会社であるワインスタイン・カンパニーのセクハラ男・ハーヴェイ・ワインスタインが配給権を買ったときに、試写会の反応が悪く、“Three Generations”という地味なタイトルのせいだというので、“About Ray”に変えさせたことがあります。その後、配給権をワインスタインが手放したために、上のタイトルに戻りました。どうして日本はセクハラ男の決めたタイトルで劇場公開したのでしょう。その鈍感さを疑います。

 

主役3人の絵面がいいんです。身長が、エル・ファニングが175僉▲后璽競鵝Ε汽薀鵐疋鵑170僂△襪里法▲淵ミ・ワッツは164僂靴ありません。つまりいちばん背が低くて、このふたりを見上げることになり、3人がそろうとワッツだけがいつもイジイジしているように見えます。映画のエッセンスを絵として見せた成功した配役だといえましょう。

 

☆短髪にしたエル・ファニング、ギルバート・グレイプ』(1993)の頃のレオナルド・ディカプリオを彷彿させる雰囲気です。

 

☆エル・ファニングは本来のきれいなプラチナ・ブロンドの長い髪を封印して、ウィグで乗り切ったとか。確かに、売れっ子のファニングは、次の作品も待機していましたから、髪は切れませんよね。それでもそのウィグが浮いているように見えないのですから、どれだけ髪の毛が細いか、驚きです。

 

ドリーの家のジャズ度は凄くて、フランシスはジョージ・ラッセルと結婚していた関係で、ビル・エヴァンスもアート・ペッパーもやってきて演奏をしたという設定です。なお、セロニアス・モンクは、犬にアレルギーがあるために、来なかったとか。ジャズ・ファンにはたまらないビッグネームの勢ぞろいです。

 

☆500万ドルの製作費で、これまでのところアメリカで15万5936ドル、世界で53万1046ドルの売り上げ。大赤字で終わってしまいました。残念。

 

独盤BDの特典は、わずかです。


 .肇蹈鵐塙餾蘖撚荳廚任離ぅ鵐織咼紂次12:21)
 ▲ャラリー集(1:05)
 ドイツ版劇場予告編(2:23)
 ぅリジナル予告編(2:27)

 

映像:
  Ν◆A
 ・ぁB

 A ビスタ・サイズ(1.78:1)のHD画質(AVC/1080・24p)
 B ビスタ・サイズ(1.85:1)のHD画質(AVC/1080・24p)

音声: 

  DTS 2.0

 ◆銑ぁDTS 5.1

字幕は、ドイツ語だけです。

 

,離ぅ鵐織咼紂爾砲蓮⊆臾3人が登場し、撮影時の想い出を語り合います。左からナオミ・ワッツ、スーザン・サランドン、エル・ファニングです。

 

△離ャラリー集は、1枚に複数の静止画を収め、撮影風景を描きます。

 

のドイツ版予告編では、すべてドイツ語吹替え。その声優たちが本人たちの声によく似ていて、感心してしまいました。

 

米盤BDも、2017年6月13日にリリースされています。

 

 

今日現在、米アマゾンで17.90ドル。対して、独盤BDは、9.99ユーロ。米盤BDは容量が25GBしかなくて、特典も“Deleted and Extended Scenes”(1080p; 6:11)だけです。独盤のほうが、優秀におもいます。

 

++++++++++

 

映画ファン、出演俳優ファン、必見。LGBTに関心のある人には、シス・ジェンダーのエル・ファニングがトランスジェンダーを演じているので違和感があるかもしれません。

 

独盤BDは、画質・音質ともに優秀。特典が少ないのが残念ですが、英語に問題がなければ、検討する価値はあります。

 

絵と音のよい劇場で、どうぞ。オススメします!

 

| 外国映画(ア行) | 11:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
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