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ブレードランナー 2049(2D字幕)

 

原題:Blade Runner 2049 (2017)
上映時間:163分
2017年10月27日 国内劇場初公開
公式サイト:http://www.bladerunner2049.jp/

TOHOシネマズ日本橋 スクリーン1 B-9
2017年11月21日(火)16時10分の回

ゴウ先生総合評価: A-
  画質(2.39:1/デジタル): A+
  音質(Linea PCM): A+
  英語学習用教材度: C

 

リドリー・スコット監督の傑作SF『ブレードランナー』(1982)の続編。

 

主演は、『ハーフネルソン』(2006)『ラ・ラ・ランド』(2016)でアカデミー主演男優賞にノミネートされ、話題作に出演し続けているライアン・ゴズリング

 

準主演は、前作の主役ハリソン・フォードに加えて、アナ・デ・アルマスシルヴィア・フークス

 

ロビン・ライトジャレッド・レトーが映画に深みを与え、その他、マッケンジー・デイヴィスレニー・ジェームズカルラ・ユーリデイヴ・バウティスタが共演。

 

前作出演のショーン・ヤングエドワード・ジェームズ・オルモスも登場。

 

監督は、リドリー・スコットに代わって、『メッセージ』(2016)でアカデミー監督賞にノミネートされた、『プリズナーズ』(2013)『複製された男』(2013)『ボーダーライン』(2015)のドゥニ・ヴィルヌーヴ

 

リドリー・スコットは、製作総指揮として参加。

 

原案・脚本は、前作『ブレードランナー』(1982)を書いたハンプトン・ファンチャー

 

共同脚本は、『グリーン・ランタン』(2011)『LOGAN/ローガン』(2017)『エイリアン:コヴェナント』(2017)『オリエント急行殺人事件』(2017)のマイケル・グリーン

 

☆ネイティブ4K上映にこだわる

 

ブレードランナー』(1982)の続編であるというだけでも観たくなるのに、ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォードが出演し、ドゥニ・ヴィルヌーヴが監督するというのです。映画ファンとしては垂涎の組み合わせではないですか。

 

ところが、評論家からの評価は高いのですが(Rotten Tomatoesでは支持率87%で10点満点中8.2点、Metacriticでは100点満点中81点)、興行成績はそれほどでもありません。莫大な製作費をきちんと回収できたのかどうか怪しい限りです。

 

とにもかくにも、一日でも早く、この目で本作を確認せねば気がすみません。そこで、劇場選びに入ったのですが、これが難題でした。

 

本作は、最新アレクサで撮影され、4KのDIファイルで上映される映画です。つまり、4Kプロジェクター設置館に行けば、ネイティブ4K上映を享受できるわけです。

 

ところが、東京の多くのシネコンでは、IMAX、TCX、4DMXなど巨大スクリーン設置館で、つまり2Kプロジェクターで上映されているケースが多く、4K上映されていません。たまにあっても、混んでいます。混雑する映画館が死ぬほど嫌いな貧乏英語塾長はとても足を運ぶ気がしません。

 

そんな中、先週末からTOHOシネマズ日本橋が、1日4回4K上映するようになりました。しかも、午後の回はそれほど混んでいません。会員になると1400円で観られる昨日のシネマイレージデイの4時10分の回も、そんな状態です。昨日は歌舞伎座で芝居見物をする予定でいましたから、好都合です。『吉例顔見世大歌舞伎』の昼の部が3時40分にはねたあと、木挽町から日本橋に向かって歩き出したのでした。

 

劇場に着いたのは、4時5分。急いで歩いたので、とても寒い夕方でしたが、汗びっしょりです。そこでチケット購入しようとすると、前2列にはだれも座っていないではないですか。というわけで、2列目中央左側の席を購入することにしたのでした。

 

☆あらすじ

 

舞台は、2049年のロサンゼルス(LA)。

 

2049年の地球は、荒廃が進む一方です。異常気象により、夏でもLAに雪が降ります。そんな中、労働力として製造された人造人間「レプリカント」が人間社会に入り込んでいます。そのため、危険なレプリカントも多く、それを取り締まる捜査官「ブレードランナー」が活動し、その捜査官には従順なレプリカントも採用されていたのでした。

 

LA市警のブレードランナーK(ライアン・ゴズリング)もそういうレプリカント捜査官で、人間のジョシ警部補(ロビン・ライト)の下で働いています。周囲の人間からは人間もどき(skinner)と嫌がらせを受けながら、アパートでひとりホログラムのジョイ(アナ・デ・アルマス)と疑似恋人生活を送っています。

 

ある日、Kは、反抗的なレプリカントであるサッパー(デイヴ・バウティスタ)を逮捕しようとしたとき、サッパーの家の前の木の下に箱が埋められていることを発見し、その中身からレプリカントが30年前に子供を産んだ事実を知ってしまいます。

 

一方、レプリカント開発に力を注ぐウォレス社も、CEOのニアンダー・ウォレス(ジャレッド・レトー)以下、その秘密に関心を持ち、ラヴ(シルヴィア・フークス)というレプリカントを使って、Kの行動を監視するようになります。

 

捜査を進める中で、Kは本来移植されただけとおもっていた記憶が実際に起きたことであることに驚き、記憶移植(memory implant)の専門家であるアナ・ステリン博士(カルラ・ユーリ)を訪ねます。その結果、自分がそのレプリカントから生まれた子供ではないかとおもいだします。

 

こうして捜査を進めているうちに、Kは、かつて優秀なブレードランナーとして活躍し、ある女性レプリカント・レイチェル(ショーン・ヤング)と共に忽然と姿を消した男リック・デッカード(ハリソン・フォード)の存在に辿り着くのでした……。

 

☆癖のある良作

 

前作との関連性を高めるために、前半が説明調になって、もたつきます。アメリカでそれほどヒットしなかったのも、睡魔に襲われるという人が多いというのも、この前半のせいでしょう。

 

しかし、個人的には、人間のように感情もあれば、血も流すレプリカントの悲哀をライアン・ゴズリングが丁寧に演じていて、長いとは感じつつも、SF離れした人間(レプリカント?)ドラマだと感心しました。

 

テンポがよくなってきた後半、Kがデッカードを父だとおもっていたところに訪れる悲しい事実を受け止めるゴズリングの優しくて儚いまなざしに圧倒されてしまいます。この結果、本作は人間とレプリカントとの恋愛と出産という衝撃的なSFアクションというよりも、人間以上に優しいレプリカントの犠牲精神が丁寧に描かれた大河ドラマであることに気づいたのです。

 

そのために、観終わったあとの余韻がたまりません。ゴズリングの顔が、いつまでもちらつくのです。

 

こうして、前半を振り返ってみると、ジョイというKにとってのホログラムの恋人の実在しそうで、実在しないありようにKが惚れるのも、まさにKが自分の存在に疑いをもっているからであることを痛感させられ、心が締め付けられてしまうのでした。

 

ただし、『メッセージ』といい、本作といい、娯楽作品というよりも芸術作品であり、その癖は強烈です。万人向けとはいえません。しかし、前作も最初はそういう扱いを受けたのに、いつの間にやら市民権を得て、SFの傑作だと多くの愛好家を生みました。本作も、これからそうなっていく可能性は十分にあると確信します。

 

ディストピア映画として観ると、その殺伐とした絵が不思議な美しさを放つのに、目を奪われます。特に空中撮影の美しさ、自然光で撮影された画面の生々しさ、雪、海、その他の自然の過酷さを映し出すリアリティ、そして猥雑なLAのダウンタウンと汚物の腐臭がしてきそうな廃棄物場、ネイティブ4K上映で観たせいでしょうが、そのスタイリッシュな映像に圧倒されました。ロジャー・ディーキンスに本作でアカデミー撮影賞を獲らせてあげたいと心からおもいます。

 

ハンス・ジマーベンジャミン・ウォルフィッシュの音楽も、前作のヴァンゲリスのそれには負けますが、その不穏なメロディラインと重低音には、心を揺さぶられます。Kの心の叫びに聞こえてくるからです。

 

それにしても、163分は長すぎ。あと30分切ってくれていれば、「A」評価にしていました。

 

++++++++++

 

画質(2.39:1/デジタル): A+

 

撮影は、『ショーシャンクの空に』(1994)『ファーゴ』(1996)『クンドゥン』(1997)『オー・ブラザー!』(2000)『バーバー』(2001)『ノーカントリー』(2007)『ジェシー・ジェームズの暗殺』(2007)『愛を読むひと』(2008)『トゥルー・グリット』(2010)『007 スカイフォール』(2012)『プリズナーズ』(2013)『不屈の男 アンブロークン』(2014)『ボーダーライン』(2015)で、のべ13回アカデミー撮影賞にノミネートされながら、一度も受賞していない無冠の名匠ロジャー・ディーキンス

 

コーエン兄弟の右腕として有名ですが、ドゥニ・ヴィルヌーヴとは、『プリズナーズ』(2013)に次いで2作目となります。

 

機材は、アリ・アレクサ・ミニ、アリ・アレクサ・XT・スタジオHDカメラを使用。マスター・フォーマットは、DI(4K)。

 

4Kプロジェクターによるネイティブ4K上映。

 

現代最高画質。

 

その解像度と透明度の高さ、そして発色の美しさに惚れ惚れします。さすがネイティブ4K上映です。高画質になれてしまったせいでA+評価でとどめましたが、2年前までならA+++評価にしていました。デジタル撮影を早くから採用してきたロジャー・ディーキンスにしても、この映像は最高地点でしょう。ディーキンスの意図は、すべてこの絵の中に確認できます。

 

とにもかくにも、その超高解像度には驚きました。細部の細部にいたるまで、どこにも甘さはありません。彫りはきわめて深く、奥行き感も十分です。109シネマズ大阪エキスポシティの4K IMAX 3Dならいざ知らず、これをボケボケの2K映像で観たら、悲しくなりそうです。やっぱり、4K上映館にこだわって正解でした。

 

発色は、ニュートラル。色数も多く、色乗りもパワフルで、鮮明。肌の質感もナチュラルで、違和感はまったくありません。

暗部情報も、豊潤。黒はどこまでも沈みます。この映像で真っ黒に感じられる場面は(確かに、何度かそういう場面があるのですが)、すべて意図的に黒を潰したのだと断言できるほど、黒の階調は滑らかで、見事です。

 

前から2列目からシネスコ・サイズのスクリーンを観たわけですが、スクリーン全体をめまぐるしく物体が動くという場面が少なく、横移動よりも、縦移動が多い映像であったために、まったく気になりませんでした。かぶりつき派には、最高の2列目です。

 

音質(Linea PCM): A+

 

一部の劇場では、ドルビーアトモス、Auro 11.1、DTS:X、IMAX 12 trackで上映。

 

普通のドルビーデジタル5.1チャンネルだとおもうのですが、左右はもちろん、前後の移動感も鮮やかですし、できあがる立体音場の密度も最高です。高さ表現もかなりのものだし、スピーカーのリンケージもスムーズで、トップスピーカーのないハンディキャップを感じさせません。これ以上のシネソニックを味わえる場所はあるのでしょうが、これだけ聴いていれば、不満は何も覚えずにすみます。

ノイズフロアは、最低レベル。メタリックな不快感はないのに、音の角々がきっぱり・しっかりしていて、驚かされます。クリアでクリスピーな音です。そのため、銃声・打撃音・爆破音に十分な重みと痛みが伴います。劇伴音楽も、上述通り、それ自体オリジナルのヴァンゲリスには劣りますが、鳴り出すとものすごい迫力で映画を盛り上げます。

 

セリフの抜けも、まったく問題なし。サ行も滑らかで、音像も肥大しすぎることなく、口元に寄り添います。ただし、発話音源が、スクリーンとややマッチしていない場面があって、気になりました。

 

超低音成分は、かなりの量。ですが、固く引き締まっていて、重たくなりすぎません。劇場の癖もあるでしょうが、実に上品なLFEです。


英語学習用教材度: C

 

翻訳は、松浦美奈。

セリフは、やや多め。俗語・卑語は、F-wordが6回登場するなど、かなり使われます(R指定)。テクストとして使うには、注意が必要です。

 

英語は、SF映画の常で、ちょっと癖があります。相当な英語力がないと、耳だけで理解するのは厳しいでしょう。TOEIC900点程度では、四苦八苦するはずです。

 

それでも、松浦美奈さんの日本語字幕という強い味方が付いています。松浦さんの手になる字幕ではないかと途中から確信できたほど、自然で素直な翻訳です。信頼して、身を任せてください。

 

++++++++++
  
気になるところを、アト・ランダムに。

 

☆原題も、Blade Runner 2049。“blade”には、「刃」「ブレード」という意味以外に、「粋な青年」という意味があります(「ホモ」という意味もありますが)。ゆえに、“blade runner”を直訳すれば、「追跡するとんがった粋な男」とでもなります。

 

☆日本語の看板や日本語での音声指示が頻繁に登場するので、日本人としてはうれしくなりました。ですが、これ、世界中でも同じなのでしょうか。中国に行ったら、その部分は中国語になっていたりすることはないのかと疑ってしまいました。それほど、日本語が多用される映画です。

 

エルビス・プレスリーに、フランク・シナトラ。1960年代から70年代にかけてのスーパースターがホログラムで登場します。プレスリーが唄い、デッカードが好きな曲だというのは、「愛さずにはいられない(Can't Help Falling In Love )」でありました。なお、シナトラは「One For My Baby (and One More For The Road) 」を唄っています。

 

☆Kが乗っているパトカーは、プジョー製でありました。

 

ショーン・ヤングがクレジットされていて、美しい前作のままのレイチェル姿で登場するので、てっきり前作の映像をレストアして使っているのだとおもったら、それだけではなくて本人が出ていたのですね。ただし、そのシーンでは身体はボディ・ダブルで、顔はCG加工したとか。まあ、1959年11月20日生まれですから、いじり倒さないと22歳には戻れません。

 

☆1億8500万ドルの製作費で、これまでのところ、アメリカで8928万ドル、海外で1億6028万ドル、計2億4955万ドルのメガヒット。ですが、これだけの製作費です。はたしてペイしたのでしょうか。

 

Blu-ray Discの発売日は、アメリカでも未定です。

 

++++++++++

 

映画ファン、前作ファン、必見。好悪はわかれるでしょうが、観て損はない作品です。途中で眠ってしまって、面白くないといいそうな人は、観てはいけません。でも、長い上映時間には気をつけましょう。しかも、冷え冷えとした内容です。体調を整え、温かい格好をして劇場へはお出かけください(昨日のTOHOシネマズ日本橋スクリーン1は、とても寒かったです)。オススメします!

 

| 外国映画(ハ行) | 10:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
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