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KUBO/クボ 二本の弦の秘密(UK BD/Region Free)

 

原題:Kubo and the Two Strings (2016)
上映時間:1:42:00
2017年11月18日 国内劇場初公開
公式サイト:http://gaga.ne.jp/kubo/

ゴウ先生総合評価: A
  画質(2.40:1): A+
  音質(DTS-HD Master Audio 5.1): A
  英語学習用教材度: A

 

ライカ・エンタテインメントが日本のサムライとその世界観をストップモーション・アニメで描く米国製ファンタジー・アドベンチャー。

 

監督・製作は、日本痛のライカのCEO、トラヴィス・ナイト。本作が、監督デビュー作。

 

原案は、TVで活躍するシャノン・ティンドル

 

原案・脚本は、本作が脚本2作目となるマーク・ヘイムズ

 

共同脚本は、『パラノーマン ブライス・ホローの謎』(2012)のクリス・バトラー

 

声の出演は、主役のクボが、『ドラキュラZERO』(2014)『カリフォルニア・ダウン』(2015)の子役アート・パーキンソン

 

準主演が、シャーリーズ・セロンマシュー・マコノヒー

 

その他、レイフ・ファインズルーニー・マーラジョージ・タケイケイリー=ヒロユキ・タガワが出演。

 

アカデミー賞では、視覚効果賞・長編アニメ賞にノミネート。

 

☆英盤BDで観る

 

海外で非常に高く評価された作品です。Rotten Tomatoesでは、97%の支持率で、10点満点中8.4点。Metacriticでは、100点満点中84点というもの凄さです。

 

しかも、敬愛する映画番長こと堀切日出晴さんが『Hi-Vi』2017年1月号で11月22日に発売されている米盤3D BDを絶賛していました。

 

これは買わねばならないと、今年の1月に英盤3D BDセットを英アマゾンから17.99ポンドで購入しました(今日は、11.69ポンド)。そして、その期待にたがわぬすばらしい内容と超絶極美のストップ・アニメーション映像に驚嘆したのでした。

 

今回は2D版の評価ですが、日本公開が始まりましたので、そのレビューをアップロードさせていただきます。

 

☆あらすじ

 

舞台は、(たぶん)江戸時代の日本。

 

クボ(アート・パーキンソン)は、幼い頃にサムライの父・ハンゾウを殺され、左目を盗まれ、母(シャーリーズ・セロン)とふたりで追手を逃れて山の中でひっそりと暮らしている12歳の少年です。三味線の演奏で折り紙を自在に操る不思議な力で大道芸を披露し、病気がちな母に代わってわずかなお金を稼ぐ日々を送っています。

 

そんなある日、クボはついに邪悪な叔母である闇の姉妹(ルーニー・マーラの二役)に見つかって、襲われます。間一髪のところを母が自分の身を犠牲にしてクボを逃します。ひとりになってしまったクボでしたが、そんな彼の前に厳しいけれど世話好きなニホンザル(シャーリーズ・セロン)と陽気な弓の名手のクワガタ(マシュー・マコノヒー)が現われ、3人はともに行動します。

 

こうして自らの出自と一族を巡る秘密を探り、両親の仇を討つべく、闇の姉妹と左目を奪った権力の亡者である月の帝という異名をもつ祖父のライデン(レイフ・ファインズ)を倒すために、クボは過酷な旅へと出ていくのでした……。

 

☆大傑作!

 

壊れてしまった家族を元通りにするために、魔法の三味線が使える12歳の少年が獅子奮迅の活躍をする物語です。貧乏英語塾長、おもわず泣いてしまいました。

 

日本の描写にはややヘンテコリンな部分もありますが、許せる範囲。トラヴィス・ナイトの日本愛にも大感謝です。アカデミー長編アニメ賞を受賞した『ズートピア』(2016)もよい映画でしたが、出来は圧倒的に本作が上。歴史に残る大傑作と評価します。

 

まずもって、クボを襲う数々の苦難を、クボがときに自力で、ときに母・サル・クワガタの力を借りて跳ね返す脚本の完成度が高く、しびれます。

 

たとえば、冒頭の荒波を行く母と赤ん坊のクボのシーン。これを観ただけで、このふたりがどれだけ大変な状態に追い込まれているかがわかり、胸が締め付けられます。

 

にもかかわらず、片目のままで(つまり身体障害者として)成長したクボが、そのハンディキャップをものともせず、魔法の力を身につけ、三味線で折り紙を動かすまでになるシークエンス見せられると、今度はクボの魅力に圧倒されてしまうのです。この不安と安堵が交互に押し寄せるローラーコースター状態の展開が最後まで続くのですから、面白くないはずがありません。

 

キャラクターの描き方も秀逸です。

 

クボの母親が死ぬと、その母親代わりとしてのメスザルが現れ、その声が両方ともシャーリーズ・セロンであるだけに、亡くなった母親もこのサルのようにクボを守ってあげたかったのだろうとおもわせるサルのクボに対する献身ぶりに、胸を打たれます。

 

しかも、セロンの美しくて優しい声がこのサルにぴったりで、物語にますます引きずり込まれていくとともに、セロンの新しい側面を見られて、ファンとしてはうれしくなるという次第です。

 

このしっかり者の母親役のサルに対して、とぼけた父親役のクワガタも魅力的です。『SING/シング』(2016)に続いて声優として登場したマシュー・マコノヒーですが、その声のもつ温もりがクワガタにピッタリで、頬が緩むのです。脚本と声優のキャスティングが絶妙のコラボレーションを完成しているといえます。

 

先の見えないアップダウンの展開において、サルもクワガタも、そして闇の姉妹も死んでしまい、最後は祖父の月の帝(Moon King)とクボが戦うクライマックスへとなだれ込むのですが、そこでも家族の復活を謳いあげる展開にしてあるのも、悪くありません。音声解説でトラヴィス・ナイトが「家族がもっとも大切」と何度も力説していますが、そこにこそ本作の眼目があります。

 

実際、家族が結びつくのは死んだ後でも可能であると、日本のお盆を描く当たり、日本人にとってはあざとく感じないものでもありませんが、うまいものだと感心してしまうのも事実でした。

 

ストップモーション・アニメの出来は、完璧の一語。よくもまあ、これだけ複雑な映像を手作りで完成させたものだと感心し、BDの映像特典でその実際の苦労目の当たりにし、改めて脱帽してしまったのでした。

 

つぐない』(2007)でアカデミー作曲賞を受賞し、『プライドと偏見』(2005)『アンナ・カレーニナ』(2012)で同賞にノミネートされたダリオ・マリアネッリの音楽も、絶品。その甘く切ないオーケストラの響きに心を揺さぶられます。

 

よい映画を観させてもらった。ただただ、そのひと言です。

 

内容: A

 

++++++++++

 

画質(2.40:1): A+

 

Gump TheatreにてOppo BDP-93から1080i信号を直接HDMIケーブルによってソニーVPL-HW30ESに送り込み、120インチ・ワイド・スクリーンに映しています。2層50GB。コーデックは、MPEG-4 AVC。伝送レートは、4 Mbpsから42 Mbps。


撮影は、『親指トムの奇妙な冒険』(1993)『チキンラン』(2000)『マウス・タウン ロディとリタの大冒険』(2006)のフランク・パッシンガム


機材は、キャノンEOS 5D MarkIII HDカメラを使用。マスター・フォーマットは、不明。オリジナル・アスペクト比は、2.39:1。

 

世界の一部の劇場では、ドルビービジョン上映。

 

まず、3D盤の画質を申し上げると、クロストーク(画像のずれ)がひどいうえに、飛び出しも少なく、奥行きも深くなくて、期待外れでした。評価すれば、「A-/B+」となります。

 

それに対して、2D盤は別もの。細部に至るまで凛としており、ノイズも少なく、非常に見通しのよいくっきりとした絵です。3D盤よりも彫りも深ければ、奥行き感も満足いくもの。最新BDの最高画質からはやや劣るような印象もありますが、A+の価値は十分にあります。

 

色調は、場面によって変えられます。家族や人々の温もりを強調する場面では、色温度が低くなってオレンジ系が支配し、争いの場面になると色温度が高まってブルー系が強まります。それでも、色乗りはパワフルで、それでいてべたつかずすっきりとしたものです。

 

暗部情報も、十分。黒の沈みこみは深く、コントラストが高いために、見づらい場面はまったくありません。

 

大画面の近接視聴も、まったく問題なしです。

 

音質(DTS-HD Master Audio 5.1​): A

 

Oppo BDP-93からソニーVZ-555ESに、サラウンドバック・スピーカー2本を付け加えた7.1チャンネル分をラインアウト接続して再生。伝送レートは、不明。音量は、マイナス30デシベル。

 

世界の一部の劇場では、ドルビーアトモス、DTS:X上映。

 

絵と比べると、音はやや物足りなさを感じます。ドルビーアトモスかDTS:Xを搭載してほしいものでした。

 

それでも、左右前後に音を定位させ、音の出所もスクリーンとマッチしていて、立体音場の密度はかなり高く、包囲感も移動感もかなりのものです。

 

ノイズ感は、ゼロ。背後で火がぱちぱちと燃えている音などが聞こえてきて、ぞくっとします。オーケストラ音楽も分離感よく、切なく響きます。


セリフの抜けも、まったく文句なし。サ行も滑らかで、発音も明瞭です。レンジも広く、聴きづらさはまったくありません。特に、アート・パーキンソンとシャーリーズ・セロンの声には魅了されてしまいます。


超低音成分は、出るときには出ますが、その量は少なく、ブーミーになることはまったくありません。

 

英語学習用教材度: A+

 

英・仏・独・蘭・伊・西・ポル・韓国・北京語などの字幕ならびに西・ポル・アラビア・韓国・北京語吹替えつき。残念ながら、日本語字幕・日本語吹替えはつきません。

 

セリフは、大量。俗語・卑語は、まったくといってよいほど使われません(PG指定)。安心してテクストに使えます。

 

使われる英語には品格があり、英語字幕も、セリフを完璧にフォローしており、すばらしい素材です。

 

特典もかなりの量があり、、映像特典のみならず、音声解説にも英語字幕がつきますから、評価は高くなります。

 

++++++++++


気になるところを、アト・ランダムに。


原題は、Kubo and the Two Strings。直訳すれば、「クボと二本の弦」。邦題は、素直で好感がもてます。

 

☆「二本の弦」とは、一本は母親の髪の毛、もう一本は父親の残したひものこと。そして、三味線を弾くために必要な三本目の弦はクボの髪の毛がそれで、家族の結束を表現したタイトルになっています。

 

☆「クボ」という名前は日本人の男の子の名前にしては違和感がありますが、たぶん将軍を表す「公方(くぼう)」から来たのではないかと推察します。英語の発音は、まさに「クボウ」ですから。

 

☆盆踊りに使われるのが「炭坑節」なのには、笑いました。時代が違うだろうとツッコミたくなりますが、海外の人にはこれがいちばんしっくりくるのかもしれません。

 

☆どう見ても日本人には「クワガタ」にしか見えないサムライですが、音声解説を聞くと、トラヴィス・ナイトはこれを「カブトムシ」だといっています。日本通のナイトなのに、どこでどう勘違いしたのでしょう。

 

☆エンド・クレジットで流れるのがビートルズの『While My Guitar Gently Weeps』なのに、しびれます(ジョージ・ハリソン、万歳!)。唄うのは、レジーナ・スペクター。「ギター」が、この映画の「三味線」を指していることはいうまでもありません。

 

☆2500万ドルの製作費で、全米4502万ドル、海外で3990万ドル、計8492万ドルのスマッシュヒット。立派な黒字です。

 

特典です。

 

まず、音声特典。

 

 Audio Commentary with Director/Producer Travis Knight 

 

音声は、ドルビーデジタル ステレオ。うれしいことに、英語字幕がつきます。その英語字幕も、ナイトの発言を完璧にフォローしています。

 

次に、映像特典です。

 

 Kubo's Journey: 
  Introduction by Director/Producer Travis Knight (0:56)
  Japanese Inspiration (6:04)
  Mythological Monsters (9:25)
  Braving the Elements (4:35)
  The Redemptive and Healing Power of Music (5:55)
  Epilogue by Director/Producer Travis Knight (2:11)
 Corners of the Earth (3:12)
 The Myth of Kubo (2:33)

 

映像:Aを基本に、Bが挿入

 A ビスタ・サイズ(1.78:1)のHD画質(AVC/1080・24p)
 B シネスコ・サイズ(2.40:1?)のHD画質(AVC/1080・24p)

音声:ドルビーデジタル・ステレオ

うれしいことに、すべてに英語字幕がつきます。

 

トラヴィス・ナイトの音声解説は、発言量が膨大で、内容に関してはもちろん、技術的側面や製作の裏側も、もれなく滑らかに語り続けます。ナイトの英語自体も格調高く、語彙も豊富なうえ(かなり難解な単語が使われます)、発音も美しく、非常に聴き取りやすいものです。いままで聞いた何百という音声解説の中で最高のものだといえましょう。映画ファン、必聴です。

 

☆ただし、音声解説は英語が難しいので、TOEIC900点程度の実力では半分も理解できないはずです。逆にいえば、この英語が理解できたら、TOEFLのリスニング・セクションも怖くありませんし、米英の大学院でも苦労しません。

 

☆音声解説の中で、63分過ぎ、ナイトが黒澤明を高く評価して、大きな影響を受けたと語ります。宮崎駿にも影響を受けたといいますが、黒澤ほどの熱っぽさはありません。

 

☆荒れはててしまったクボの実家は、ナイトによると、黒澤の『羅生門』(1950)の半分壊れた羅生門のイメージだそうです。

 

☆93分過ぎに初めて登場するクボの父ハンゾウは、ナイトによると用心棒』(1961)の三船敏郎のイメージですと。

 

映像特典は、すべて見もの。ストップモーション・アニメを作るための気の遠くなるような映画人たちの努力がしっかりと描きこまれています。

 

++++++++++

 

映画ファン、必見。画質・音質のよい劇場でどうぞ。英盤BDは、画質・音質・特典、すべて優秀。英語に問題がなければ、購入もありです。強くオススメします!

 

| 外国映画(カ行) | 09:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
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