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女神の見えざる手

 

原題:Miss Sloane (2016)
上映時間:132分
2016年10月20日 国内劇場初公開
公式サイト:http://miss-sloane.jp/

TOHOシネマズ日本橋 スクリーン6 B-11
2017年11月15日(水)15時30分の回

ゴウ先生総合評価: A
  画質(2.39:1/デジタル): A+/A
  音質(Linea PCM): A
  英語学習用教材度: C+

 

ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』(2011)でアカデミー助演女優賞、『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)で同主演女優賞にノミネートされた、『ツリー・オブ・ライフ』(2011)『ラブストーリーズ エリナーの愛情』(2013)『インターステラー』(2014)『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』(2014)『クリムゾン・ピーク』(2015)『オデッセイ』(2015)『スノーホワイト/氷の王国』(2016)『ユダヤ人を救った動物園 〜アントニーナが愛した命〜』(2016)のジェシカ・チャステイン主演による米仏合作のポリティカル・サスペンス。

 

準主演は、マーク・ストロングググ・ンバータ=ロージョン・リスゴー

 

その他、アリソン・ピルマイケル・スタールバーグジェイク・レイシーチャック・シャマタサム・ウォーターストンデヴィッド・ウィルソン・バーンズが共演。

 

監督は、『恋におちたシェイクスピア』(1998)でアカデミー監督賞にノミネートされ、チャステインとは『ペイド・バック』(2010)で組んだ、『コレリ大尉のマンドリン』(2001)『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』(2005)『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』(2011)『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』(2015)のジョン・マッデン

 

脚本は、本作が脚本家デビューとなるジョナサン・ペレラ

 

ゴールデン・グローブ女優賞(ドラマ)ノミネート(ジェシカ・チャステイン)。

 

☆J・チャステインがロビイストならば、絶対に見逃せない

 

ジェシカ・チャステインの大ファンです。ほとんどの出演作を観ています。そのチャステインが、切れ者ロビイストを演じたというのですから、絶対に観たいとおもっていました。

 

できることならBlu-ray Discでじっくりとと考えたのですが、米英のBDはまだ値が張って、2000円から3000円します。しかも、特典も多くありません(後述参照)。そんなときに、今週はTOHOシネマズ会員なら1100円で観られるキャンペーンをやっていることを知り、劇場で観ることにしたのでした。

 

狙うは、4K上映館です。ところが、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)と一緒に観たかったので、TOHOシネマズ日本橋を選んだら、すでに上映は1日1回だけになっています。それでも、上映されているスクリーン6は、4Kプロジェクター設置館。これは逃せないと、『マイティ・ソー』から続けて観ることにしたのでした。

 

入りは、6割弱。3列目から後ろはかなり人が入っています。他人からの干渉を嫌う貧乏英語塾長としては、左右前後に人の気配のしない席が好みです。ありがたいことに、1、2列目にはだれもいません。かぶりつき派の貧乏英語塾長、喜んで2列目中央下手側に席を確保したのでした。

 

☆あらすじ

 

主な舞台は、現代のワシントンDC。

 

エリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)は、勝つためには手段を選ばない巧妙な戦略と妥協しない非情な(cutthroat)仕事ぶりで恐れられる花形ロビイストです。夜も眠らず、気晴らしはときおりエスコート・サービスを使って、フォードという男(ジェイク・レイシー)とホテルでつかの間の情事を楽しむことだけでした。

 

大手ロビー会社「コール・クラヴィッツ&ウォーターマン(CKW)」で働いていたある日、スローンの名声を聞きつけた銃擁護派団体のボブ・サンフォード(チャック・シャマタ)から新たな銃規制法案の成立を阻止してほしいと依頼を受けます。

 

ところが、スローンはこれをきっぱりと断ります。その情報を聞きつけた、銃規制法成立をもくろむ小さなロビー会社「ピーターソン・ワイアット(PW)」のCEOロドルフォ・シュミット(マーク・ストロング)が、スローンを引き抜こうとします。すると、スローンは部下を引き連れ電撃的に移籍し、規制法成立へ向けた大胆かつ巧妙なロビー活動を開始します。

 

スローンの動きを知ったCKWは、CEOのジョージ・デュポン(サム・ウォーターストン)以下、パット・コナーズ(マイケル・スタールバーグ)を中心に、かつてスローンの下で2年間働いてそのすべてのやり方を知っているジェーン・モロイ(アリソン・ピル)などが、銃規制法成立阻止に動き出します。

 

この激しい戦いの中、スローンはエズメ・マヌチャリアン(ググ・ンバータ=ロー)という優秀な黒人女性社員をフルに使って、シュミットやPWの法律顧問ダニエル・ポスナー(デヴィッド・ウィルソン・バーンズ)が驚き怒り呆れる中、次々とCKWの意図を覆していきます。

 

しかし、そんな中、CKWはスローンの強引なやり方が法律に抵触していることを暴き、デュポン自身がロン・M・スパーリング上院議員(ジョン・リスゴー)と交渉して、スローンを上院公聴会にかけることにしたのでした……。

 

☆傑作!

 

先を読ませないドンデン返しのある脚本、巧みな演出、見事な編集、そしてなかんずくジェシカ・チャステインの計算されつくした演技に圧倒される秀作です。ポリティカル・サスペンスの傑作といってよいでしょう。

 

何よりも、銃規制法といういまアメリカでもっともホットな話題を正面から取り扱っているジョナサン・ペレラの脚本に圧倒されます。しかも、それをロビイストの活躍(暗躍?)、ロビー会社の対立、緊迫した人間関係と絡めているのですから、たまりません。スローンは予見することがロビイストの仕事だといい放ちますが、ボケた貧乏英語塾長はとても予見ができず、ただただスローンの賢さに舌を巻くだけなのでした。これがデビュー作だとは信じられない完成度の高いペレラの脚本です。

 

女性が主演の映画を撮らせたらピカイチのジョン・マッデン、今回も期待を裏切りません。冷酷なまでに落ち着き払ったスローンをジェシカ・チャステインに演じさせ、他の俳優たちをすべてチャステインの引き立て役にしてしまいます。チャステインばかりではありません。ググ・ンバータ=ローやアリソン・ピルといった女優達も大活躍です。それに引き換え、スパーリング、デュポン、コナーズ、そしてシュミットという男たちはみんなノータリン。「映画は、女優で決まる」が信条の貧乏英語塾長としては、痛快な演出です。

 

時間を前後に動かすアレクサンダー・バーナーの編集も、ありふれた手法といえばありふれていますが、本作では見事に決まっていて、才におぼれたスローンが奈落の底に叩き落されるのかとハラハラどきどきさせられ続けるのには参りました。脚本と演出の冴えを生かした切り替えの妙のある編集に、拍手です。

 

いうまでもなく、ジェシカ・チャステインには、脱帽するしかありません。この程度の演技はチャステインならば当然のこととおもいつつも、そこまでやるかという強引な態度といつ潰れてもおかしくない脆弱さのバランスが絶妙で、スローン=チャステインに振り回されてしまいます。あのややはみだし加減の真っ赤な口紅が、血をすする肉食動物に見えてきます。

 

そして、最後の公聴会の発言のカッコよさとそれがもたらすカタルシスの大きさ、たまりません。こんな女性が近くにいたら、メチャクチャ疲れるでしょうが、頼りになることは間違いないことです。チャステインに、改めて惚れ直しました。これでアカデミー主演女優賞にノミネートされないのは、アカデミーのメンバーたちはどこを見ているのでしょう。メリル・ストリープよりも、チャステインです。

 

最後の場面でのチャステインと弁護士とのやりとりも、絶妙。エンド・クレジットに入ってからのカットで見せるチャステインのどこを見ているかわからない視線の行方も、意味深。余韻を引きずる映画です。(いまのアメリカには、ミス・スローンが絶対に必要です。)

 

++++++++++

 

画質(2.39:1/デジタル): A+/A

 

撮影は、『ライオット・クラブ』(2014)『人生はシネマティック!』(2016)のセバスチャン・ブレンコフ

 

機材は、アリ・アレクサ・XT・プラスHDカメラを使用。マスター・フォーマットは、DI(2K)。

 

4Kプロジェクターによる上映。

 

全体的にマイルドで、フィルム・グレインのようなものが加えられているために、実にフィルムルックです。個人的には大いに気に入りましたが、意見は分かれそうです。

 

それでも、解像度はかなり高く、細部はスポイルされていません。彫りは深く、奥行き感も十分です。

 

発色は、ニュートラル。色数も多く、色乗りもパワフル。くすみもなく、白茶けてもおらず、鮮明です。肌の質感もナチュラル。違和感はまったくありません。

暗部情報も、かなりのもの。黒がよく沈み、階調も滑らかで、見づらいシーンはありません。

 

前から2列目でシネスコ・サイズのスクリーンを観たわけですが、動きが少ない映画ですから、何も問題は感じませんでした。かぶりつき派の強みではありましょうが。

 

音質(Linea PCM): A

 

フロント重視の音響設計。一応、左右前後に音が定位し、音の出所もスクリーンと正確にマッチしていますが、大部分は前方からのセリフで進行し、場面によっては鮮やかな移動感を見せる場合もあるものの、後方に音が回るのは音楽が鳴り出すときに限られます。そのため、包囲感にものたりなさを感じる場面も多々ありますが、アクション映画ではないので、それで問題はまったく感じません。

ノイズフロアは、最低レベル。音に張りがあり、もう一歩できつくなるところで、収まっています。それでも、室内のざわめきや反響がよく聞こえてきます。マックス・リヒターの音楽は、それ自体は強くは印象に残らないものの、烈しく爽やかに響き、映画を盛り上げます。

 

セリフの抜けは、問題なし。サ行も滑らかで、音像も肥大しすぎることなく、口元に寄り添います。ただし、わざとでしょうが、とげとげしく聞こえるように調整してあり、ジェシカ・チャステインが強くしゃべりだすと、破綻一歩手前までいきます。

 

超低音成分は、控えめ。ドンと腹に堪えるのは、ほんの数場面です。上品な使われ方だといえましょう。

英語学習用教材度: C+

 

翻訳は、松浦美奈。

セリフは、膨大。F-word・S-wordを含め、俗語・卑語はかなり使用されます(R指定)。テクストとして使うには、注意が必要です。

 

それでも、政治関連用語が大量に飛び出し、非常に勉強になります。ただし、早口の俳優が多いので、英語字幕つきBDで、じっくりと観るのが一番です。とはいえ、配給のキノフィルムズがBD製作に関与するでしょうから、国内盤に英語字幕がつく可能性は極めて低いようです。

 

松浦さんの翻訳は、いつもどおり、流麗かつ正確。イライラさせられることがなく、安心して字幕を目で追うことができます。

 

本作の英語がすんなり理解できたら、TOEICでは満点を取ってもおかしくなく、米英の大学院への留学も、ことリスニング能力に関していえば、十分に可能です。

 

++++++++++
  
気になるところを、アト・ランダムに。

 

☆原題は、Miss Sloane。「エリザベス」「リズ」などと呼ばせないスローンの男前の姿を表す原題です。「女神の見えざる手」という邦題は、アダム・スミスの「神の見えざる手」をもじったもので、スローンが相手のおもいつかない手段を使うことを表していますが、凝りすぎにもおもえます。カッコよいですが、映画を観ないと、その意味がわからず、敷居の高い邦題だからです。「ミス・スローン」もありえた気がします。

 

☆勉強になるセリフが大量にある映画です。まずは、スローンがロビイストの極意を語るセリフです。

 

 Lobbying is about foresight.
 About anticipating your opponent's moves and 
  devising counter measures.
 The winner plots one step ahead of the opposition.
 And plays her trump card just after they play theirs.
 It's about making sure you surprise them.
 And they don't surprise you.

 

 ロビー活動とは、予見のこと。
 敵の動きを予想して、対抗策を生み出すことよ。
 勝者は、敵の一歩先を構想するの。
 そして、敵が自分の切り札を切った後に自分の切り札を切るわけ。
 もちろん、確実に敵を驚かす必要もあるわ。
 絶対に敵から驚かされないようにしてね。

 

カッコいいですねえ。

 

☆シュミットが、スローンの強引なやり方を非難するときのセリフです。

 

 You're a piece of work, Elizabeth.

 

“piece of work”で「扱いにくい奴」「変人」という意味です。ゆえに、この文を訳すと、「君はどうかしているぞ、エリザベス」ぐらいでしょうか。

 

☆スローンの場合、毎日ほとんど眠らず、精神刺激剤を飲み、夕食はいつも同じ中華料理店(ただし、かなりの量を食べます)。ロビイストも、敏腕になると、大変です。

 

☆1300万ドルの製作費で、これまでのところ、アメリカで350万ドル、海外で560万ドル、計910万ドルの売り上げ。残念ながら、黒字は難しそうです。

 

米英では、すでにBDが出ています。

 

米盤 17.99ドル

 

英盤 13.30ポンド

 

2017年3月21日発売の米盤BDの仕様です。残念ながら、日本語字幕・日本語吹替えはつきません。

 

 Region A
 容量:2層50GB
 映像:1080p/2.39:1/MPEG-4 AVC (32.99 Mbps)
 音声:DTS-HD Master Audio 5.1 (48kHz, 24-bit)(英語)
 字幕:英・西語

 

特典は、次のものだけです。

 

 Lobbying: Winning at Any Cost (1080p; 10:53) 
 Theatrical Trailer (1080p; 1:24)

 

英盤は、米盤をRegion Bにしたもので、仕様も特典もほぼ同じもののようです。貧乏英語塾長、アマゾン売価が手ごろになったら、購入します。

 

++++++++++

 

映画ファン、ジェシカ・チャステイン・ファン、英語勉強家、必見。多くの劇場では、22日までの上映のはず。関心のある方は、急ぎましょう。強くオススメします!

 

| 外国映画(マ行) | 05:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
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