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タンポポ(UK Criterion BD / Region B)

 

英語題:Tampopo (1985)
上映時間:1:54:33
1985年11月23日 国内劇場初公開
公式サイト:N/A

独盤BDレビュー:2013.12.27 Friday タンポポ(GR BD/Region Free)


ゴウ先生総合評価: A+
  画質(1.85:1): A+
  音質(DTS-HD Master Audio 5.1): A+
  英語学習用教材度: A-/B+

 

俳優として成功した後『お葬式』(1984)で監督・脚本デビューをし、遺作『マルタイの女』(1997)に至るまでユニークな視点で日本を描き続けた鬼才・伊丹十三(1933年5月15日ー1997年12月20日)の監督・脚本2作目のグルメ・コメディです。

 

主演は、山崎努宮本信子

 

準主演は、役所広司渡辺謙

 

その他、安岡力也桜金造池内万平加藤嘉大滝秀治黒田福美洞口依子津川雅彦藤田敏八原泉井川比佐志三田和代中村伸郎大友柳太朗岡田茉莉子が共演。

 

ストーリーの基本が西部劇『シェーン 』(1953)にあるため、通称「ラーメン・ウェスタン」。

 

☆英クライテリオン盤を取り寄せる

 

今年4月25日に4Kリマスタリングされた米クライテリオン盤Blu-ray Discが発売されました。ほしいとはおもったものの、米アマゾンで今日現在25.22ドルもして(最安値は、22.97ドル)、送料を入れると、3000円以上もします。貧乏英語塾長には、なかなか難しい買物です。

 

そんなときに、2017年5月1日に発売された英クライテリオン盤が12.99ポンドまで値下がりし、送料込みで2000円ちょっとで買えます。こうなれば、話は別です。取り寄せることにしたのでした。

 

伊丹作品はどれも面白いのですが、本作はその最高峰と貧乏英語塾長は考えます。ところが、なぜか日本では評価が低かったのです。それに比べて、海外での評価が高く、伊丹作品の中で本作だけがBD化されています。

 

最初に出たBDは、国内盤です。2011年11月25日に出ています。

 

タンポポ<Blu-ray>
東宝

 

しかし、音声はリニアPCMであるものの、容量が1層25GBで、特典が劇場予告編だけというのですから、ものたりません。しかもアマゾンですら3807円もして、とても買う気になりませんでした。

 

その後、2012年4月20日に独盤BDが発売され、7.97ユーロの最安値をつけたときに、取り寄せることにしました(レビューは、こちら!)。

 

 

ところが、このBDは容量1層25GBで、映像コーデックがMPEG-2、音声がドルビーデジタル・モノラル仕様と、非常にものたらないレベルのもので、貧乏英語塾長は、画質A-、音質B+/Bと評価しました。ゆえに、よりよいBDが出てくれたらと願っていたのでした。

 

そんなときに、米英のクライテリオン盤が出て、安くて充実している英クライテリオン盤がベストと判断したわけです。

 

☆あらすじ(主筋のみ)

 

舞台は、製作当時の東京。

 

タンクローリーの運転手でありながら、ラーメンにうるさいゴロー(山崎努)が、弟分のガン(渡辺謙)と、雨の夜来々軒という中華料理屋に入ってラーメンを頼みます。その店は、息子ターボー(池内万平)を抱えた未亡人タンポポ(宮本信子)が経営している店です。

 

ところが、そのラーメンがあまりにまずいために、閑古鳥が鳴いています。そこにたむろしていたタンポポに惚れている土建屋のビスケン(安岡力也)があまりにうるさいため、ゴローが注意すると、ピスケンとその子分たちがゴローにいちゃもんをつけ、喧嘩になります。

 

こうしてタンポポと縁ができたゴローは、タンポポから日本一のラーメン店になりたいから先生になってくれと頼まれ、ガンとともにそれを引き受けます。

 

こうして、元医者であるグルメ・ホームレスのリーダーであるセンセイ(加藤嘉)、大金持ちの老人(大滝秀治)の運転手兼料理人のショーヘイ(桜金造)、そして仲直りしたピスケンの協力を得て、タンポポを教育し、タンポポと改名した店を行列のできるラーメン店に変えていくのでした……。

 

☆何度観返しても、面白い

 

シェーン 』(1953)を下敷きにしたラーメン・ウェスタンの部分は、そのチーム・タンポポを編成するのが『七人の侍』(1954)、負け犬タンポポが成功者へと成長していくさまは『ロッキー』(1976)を想い出されるなど、過去の名作へのオマージュがたっぷりと詰まっていて、映画ファンを喜ばせてくれます。

 

そのうえに、山崎努と宮本信子のコミカルでロマンティックな絡みがすばらしく、そこに安岡力也、渡辺謙、大滝秀治などの芸達者たちが最高の演技を見せてくれるのですから、面白くないはずがありません。

 

加えて、白服のヤクザ(役所広司)とその情婦(黒田福美)のグルメ・エロティック・ストーリーを始め、小ネタが主筋と微妙に絡まりあって、何度観ても、その豊かな発想力に終始感心し続けてしまいます。

 

個人的には、井川比佐志の「母ちゃん、めし作れ」の名セリフが涙を誘う、死にゆくその妻(三田和代)が作る最後のチャーハンには、胸がぐっときます。

 

ともあれ、こんな面白い映画を、画質・音質が格段に向上したクライテリオン盤で観られるのは、僥倖以外の何ものでもありません。本当に感激した次第です。

 

内容: A

 

☆英クライテリオン盤の外観

 

表です。半透明プラケースが使われています。

 

 

裏です。

 

 

プラケースを開けると、向かって左にポスター/解説書が折りたたまれていて、右側にピクチャーBDが収められています。

 

 

BDの絵は、役所広司と黒田福美が生卵の黄身のやりとりをする場面を模したものです。BDを外すと、きちんと卵の黄身が出てきます。こんな遊び心は、大歓迎です。

 

 

ディスクを大写ししましょう。

 

 

ポスターを広げると、サイズは縦472×横324弌M名イラストレーターのPing Zhuの手になるウマへたイラストを見ることができます。なお、表ジャケット、BDを含め、すべてPing Zhuによるものです。

 

 

裏側には、Willy Blackmoreによる“Ramen for the People”という解説がついています。右側は、上から、キャスト、スタッフ、BDトランスファーの説明、謝辞、BD製作クレジットが表記されています。

 


++++++++++

画質(1.85:1): A+

Gump TheatreにてOppo BDP-93から1080/24p信号を直接HDMIケーブルによってソニーVPL-HW30ESに送り込み、120インチ・ワイド・スクリーンに映して います。2層50GB。コーデックは、MPEG-2。伝送レートは、7 Mbpsから40 Mbps。平均26.97 Mbps。

撮影は、『竜馬暗殺』(1974)『さらば愛しき大地』(1982)『逆噴射家族』(1984)『火まつり』(1985)『美しい夏キリシマ』(2002)『レイクサイド マーダーケース』(2004)の田村正毅

機材は、詳細は不明ながら、パナビジョンの35mmフィルム・カメラを使用。オリジナル・アスペクト比も、1.85:1。

 

驚きの高画質。独盤BDの画質とは、雲泥の差です。公開当時の劇場でも、これほど鮮明な映像は見られなかったことでしょう。4Kスキャン・2Kワークフローのクライテリオン・トランスファーのもの凄さを感じます。

グレインは、大量。実にフィルムルックなテクスチュアです。それでいて、解像度は非常に高く、細部はまったくスポイルされていません。彫りも深く、奥行き感も十分に出ています。


発色は、ニュートラル。色数は多く、色乗りはパワフル。フィルムらしく、茶系が強く、くすみも白茶けもありません。肌の質感も、ナチュラルそのもの。違和感は、まったくなしです。

もっとも特筆すべきは、暗部情報の多さです。黒がどこまでも沈み、陰影に富んだ映像を見せてくれます。冒頭の来々軒の薄暗い室内が、実にリアルなのです。独盤では、ここがいちばんダメなところでしたから、なおのことビックリです。

大画面の近接視聴も、まったく問題ありません。

 

音質(Linear PCM Mono): A+

 

Oppo BDP-93からソニーVZ-555ESに、サラウンドバック・スピーカー2本を付け加えた7.1チャンネル分をラインアウト接続して再生。伝送レートは、不明。音量は、マイナス30デシベル。

 

これまた、独盤BDの音質をはるかに凌駕しています。

 

モノラルですから、センター・スピーカーからしか音が出ません。しかし、これが、いいんです。直進するだけでなく、広がることはもちろん、移動感も出てくるのにはビックリです。

 

冒頭の土砂降りのシーンでは雨がたちこめますし、ゴローがタンポポの来々軒に泊まった翌朝の朝食シーンでは小鳥のさえずりが外から響いてくるのです。モノラル、侮れません。

 

来々軒でラーメンを食べているときも、外の道路を走る時も、左から右に音が流れます。スクリーンの外から声が聞こえるときも、それがまさにその位置から聞こえてくるのです。当時の録音部のがんばりとBDトランスファーの巧さが理由です。

 

周波数帯域も広く、高音が抑えられている印象はなし。リストの『前奏曲』やマーラー5番のオーケストラの弦楽器・管楽器が伸びやかに響きます。ダイナミック・レンジの広さも卓越しており、音量が上がっても、割れたりすることはありません。分離感もよく、団子にならないのには、感心しきりです。

セリフの抜けも、文句なし。ただし、サ行はそれほどでもありませんし、高音がヒステリックになることはありません。


超低音は、ありません。コントラバスが、最低音です。

英語学習用教材度: A-/B+

英語字幕つき。

英語字幕と見比べながら見ると、英作文練習になります。

 

特典で日本人が日本語を話す場面にも、すべて英語字幕がつきますから、これも刺激的です。アメリカ人の発言には英語字幕はつきませんが、非常に聴き取りやすい発音で、リスニングの勉強になります。

++++++++++

 

特典も、クライテリオン盤らしく、次のようにたっぷりと入っています。

 

 The Making of Tampopo (1:30:08)
 Nobuko Miyamoto (11:10)
 Seiko Ogawa (15:53)
 The Amateur and the Craftsperson (10:04)
 The Perfect Bowl (22:20)
 Rubber Band Pistol (32:39)
 Trailer (1:55)

 

映像:
  ΝΑ淵皀離ロ) A
 ◆Ν・ァBを基本に、Cが適宜挿入
 ぁΝАC

 A スタンダード・サイズ(1.33:1)のSD画質(AVC/1080i)
 B ビスタ・サイズ(1.78:1)のHD画質(AVC/1080・24p)
 C ビスタ・サイズ(1.85:1)のHD画質(AVC/1080・24p)

音声:
  銑Α.疋襯咫璽妊献織襦Ε皀離薀
 А.疋襯咫璽妊献織襦Ε好謄譽

 

☆久々に観た1985年に作られた メイキング」は、やっぱり面白いものでした。伊丹の映画製作法がはっきりわかります。特に役所広司・黒田福美のラブシーン撮影には、映画人たちの苦労がにじみ出ています。英語字幕つき。

 

☆△宮本信子のインタビューは、2016年にニューヨーク・シティでクライテリオンが実施したインタビューです。英語字幕つき。

 

☆の小川聖子は、本作のフード・スタイリストを務めた女性です。このインタビューは、2016年に聖徳大学のキャンパスで、クライテリオンによって行われたもの。かなり面白い裏話が聞けます。英語字幕つき。

 

☆い亘楮遒「素人」と「職人」の対立という観点から映画製作者のTaylr Ramos & Tony Zhoiuによって解説されたものです。2017年にクライテリオンによって作られています。本編の日本語には英語字幕が解説者の英語には、英語字幕がつきません。

 

☆“The Perfect Bowl”は、アメリカでラーメン店を経営しているSam White (Oakland, CA)、Rayneil De Guzman、Ivan Orkin (New York)、Jerry Jaksichというアメリカ人4名とオオサキ・ヒロシという日本人1名が、ラーメン店を始めた動機と本作の影響を話し合うものです。こむらさきの熊本店の風景が使われています。2016年クライテリオン製作です。日本人の発言には、英語字幕がつきますが、その他にはつきません。

 

☆“Rubber Band Pistol”という短編は、『ゴムデッポウ』(1962)という伊丹十三(当時は、伊丹一三)の監督デビュー作です。当時の伊丹夫人である川喜多和子が脚本を書いています。英語字幕つき。

 

++++++++++

 

映画ファン、出演役者ファン、必見。クライテリオン盤は、すばらしいのひと言。強くオススメします!

 

| 日本映画(た行) | 06:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
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