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ある天文学者の恋文(BD)
ある天文学者の恋文 [Blu-ray]
ギャガ

 

原題:La Corrispondenza (2016)

英語題:Correspondence
上映時間:2:01:40
2016年9月22日 国内劇場初公開
公式サイト:http://gaga.ne.jp/tenmongakusha/

ゴウ先生総合評価: B+/B
  画質(2.39:1): A+/A
  音質(DTS-HD Master Audio 5.1): A/A-
  英語学習用教材度: C+

 

ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)『みんな元気』(1990)『記憶の扉』(1994)『海の上のピアニスト』(1999)『マレーナ』(2000)『題名のない子守唄』(2006)『シチリア!シチリア!』(2009)『鑑定士と顔のない依頼人』(2013)のジュゼッペ・トルナトーレ監督・脚本の英語によるラブストーリー。

 

主演は、『運命の逆転』(1990)でアカデミー主演男優賞を受賞した、『リスボンに誘われて』(2013)『奇蹟がくれた数式』(2015)のジェレミー・アイアンズと『007/慰めの報酬』(2008)『オブリビオン』(2013)『ディバイナー 戦禍に光を求めて』(2014)のオルガ・キュリレンコ

 

共演は、ショーナ・マクドナルドパオロ・カラブレージアンナ・サヴァイリーナ・カラ

 

音楽は、『ヘイトフル・エイト』(2015)でアカデミー作曲賞を受賞し、『天国の日々』(1978)『ミッション』(1986)『アンタッチャブル』(1987)『バグジー』(1991)『マレーナ』(2000)で同賞にノミネートされた、『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)以下、トルナトーレと組み続けている巨匠エンニオ・モリコーネ

 

☆トルナトーレ作品BDなら、英語字幕がつかなくても取り寄せる

 

ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)や『マレーナ』(2000)を観ればわかるように、切ないヒューマンドラマを描かせたら、ジュゼッペ・トルナトーレは天才です。本作が死んでいく老教授とその愛人の恋を描いたと聞けば、ぜひとも観たくなります。

 

ところが、劇場へ行こうとおもっていたのに、なかなか都合がつきません。結局、行きそびれてしまいました。そこで、Blu-ray Discで観ることにしたのですが、ギャガ製BDらしく、英語字幕がつきません。それでも、観たくなり、4月4日にリリースされると、取り寄せることにしたのでした。

 

☆あらすじ

 

舞台は、現代の英ヨーク、エディンバラ、伊サン・ジュリオ島。

 

エイミー・ライアン(オルガ・キュリレンコ)は、(はっきりとは示されませんが、推測するに)ヨーク大学で天文物理学を専攻する博士課程の大学院生です。エディンバラに住む指導教授である著名な天文学者エドワード・‟エド”・フィーラム(ジェレミー・アイアンズ)と6年前の2009年1月18日から不倫関係にあります。

 

(たぶん)ヨークのホテルで別れて3か月、2015年1月19日に(おそらく)ヨーク大学で開かれた学会に出席したエイミーは、エドが4日前の15日に亡くなっていたことを知ります。悲しみに暮れるエイミーでしたが、その後もエドからの手紙や贈りものが届き続けます。

 

その謎めいたメッセージに戸惑いつつも、彼が暮らしていたエディンバラや、かつて2人で時間を過ごしたイタリア北部のオルタ湖にあるサン・ジュリオ島などを巡り、エドが遺した謎に向き合っていくエイミーだったのでした……。

 

☆究極の終活映画

 

死を目前にして不倫愛をどう清算するかを徹底して描いた作品です。倫理的には問題があるかもしれませんが、エドの娘の反発以外、不倫愛の善悪はほとんど問われません。その点で好き嫌いがわかれそうですが、個人的には問題なし。自分の死を受け止めようとしたためであろうエドの行為と、それによりエドの喪失を忘れる準備ができたエイミーの姿に、これこそが究極の終活なのだろうと受け入れてしまいます。

 

映画では「星状細胞腫」と表現される星細胞腫に罹患すれば、よほど初期段階でなければ、死ぬことは避けられません。それに罹患したエドが、生きている間にしたいことがエイミーはもちろん、家族の今後をより幸福にしたいと考えるのは立派なことだとおもうのです。

 

エイミー視点で語られる映画ですから、エイミーに向けられたエドからの手紙・メール・ビデオレターが主に登場しますが、エドの息子に宛てたビデオレターが一本間違ってエイミーに送られるシーンがあります。エドが家族に対しても、エイミーと同じようにしていたことが示されているのです。

 

こういう手配をするには緻密な将来予測が必要で、それをなし遂げるエドには、ほとほと感心します。世界的天文物理学者というのは、ここまで周到であるのかと尊敬の念さえ抱きます(変人といってしまえば、それまでですが)。

 

とはいえ、人間を描かせたら超一流のジュゼッペ・トルナトーレですから、上述のビデオレターの送り間違いなどエドのささいなミスを盛り込んでいるのも、憎いところです。

 

エイミーに関していえば、危険なスタントウーマンをアルバイトで続けることを心配して「カミカゼ」とエイミーを呼ぶエドは、まず目の前のPhD(博士号)取得のための、博士号資格試験(qualify)突破と博士論文(thesis)への示唆を与え、そして不仲の実母との関係修復を手掛けます。

 

その背景には、19歳のときにエイミーが運転していた車の事故で実父を亡くしたトラウマが、自分への愛に変わったことをエドが認識していることがほのめかされます。このあたり、オルガ・キュリレンコの演技が妙に大味になってよろしくありませんが、ジェレミー・アイアンズの老獪な演技で映画の破綻は避けられています。

 

ファーザーコンプレックスのエイミーを優しく見つめたエドの6年間がどれだけ充実していたかは、エイミーに対するエドの配慮でわかります。

 

とっくに死んでいるであろう遥か彼方の星の運命を研究することで、死んでしまった自分をエイミーに忘れさせようとしたエド。結末から見ると、その露骨なパラレル構造に臭みを感じるのですが、観ているときにはそれほど気になりません。むしろ、この臭みが出るあたりに、どんな天才ですら、死を直面すると、どこか臭みを帯びるものと、エドの人間らしさにホッとするくらいです。

 

ほとんどがビデオレターによる登場で、あのすらりとした長身のカッコよさを観せることができないのに、その笑顔と美しくウェーブした髪型と落ち着いた話しぶりで観客を魅了するジェレミー・アイアンズの巧さは格別です。『リスボンに誘われて』(2013)と並んで、近年の代表作となりました。

 

オルガ・キュリレンコは、微妙。破滅衝動を抱えてスタントウーマンを行う天文物理学専攻の大学院生という、通常ありえない設定が、キュリレンコの演技からはリアルに感じられません。この辺は、トルナトーレの脚本の問題でしょうが、スタントウーマンの部分が明らかに他の部分から浮いているのです。乳房を露出するふたつの場面でも、それがもったいぶったように見えて、全体から見ると、なくてもよいように見えるのも、損です。トルナトーレの判断ミスであり、キュリレンコの演技力不足といえます。

 

エンニオ・モリコーネのオーケストラ音楽も、美しいものの、過去の名作からすればインパクトの少ないもの。むしろ記憶に残るのは、ジャズっぽいピアノをフィーチャーした音楽です。とはいえ、その登場部分は極めて少ないのですが。

 

ともあれ、映画のコンセプトとジェレミー・アイアンズの演技には感心しつつも、オルガ・キュリレンコのヒロインにいまひとつ共感を覚えられない点に不満が残る映画です。トルナトーレ作としては、もの足りません。

 

内容: B+

 

++++++++++

 

画質(2.39:1): A+/A

 

Gump TheatreにてOppo BDP-93から1080・24p信号を直接HDMIケーブルによってソニーVPL-HW30ESに送り込み、120インチ・ワイド・スクリーンに映しています。2層50GB。コーデックは、MPEG-4 AVC。伝送レートは、28 Mbpsから42 Mbps。


撮影は、『題名のない子守唄』(2006)『鑑定士と顔のない依頼人』(2013)でジュゼッペ・トルナトーレと組んだ、『マリア・カラス 最後の恋』(2005)のファビオ・ザマリオン


機材は、アリ・アレクサ・XT・プラス、アリ・アレクサ・XT・スタジオHDカメラを使用。マスター・フォーマットは、DI(2K)。オリジナル・アスペクト比も、2.39:1。

 

解像度が非常に高く、彫りも深ければ、奥行きも十分。くっきりすっきりした絵は、現代最高レベルのBD画質ではないかとおもったのですが、惜しむらくは輪郭が強調されすぎて、ダブる場面があるのが玉に瑕です。

 

発色は、ニュートラル。色数は多く、色乗りもパワフルで、鮮やかです。肌の質感も、何の問題もありません。とてもナチュラルです。


暗部情報量も、十分。黒の沈み込みも、満足できます。コントラストが高く、見づらさはありません。

大画面の近接視聴も、問題なしです。

 

音質(DTS-HD Master Audio 5.1): A/A-

 

Oppo BDP-93からソニーVZ-555ESに、サラウンドバック・スピーカー2本を付け加えた7.1チャンネル分をラインアウト接続して再生。伝送レートは、不明。音量は、マイナス30デシベル。

 

左右前後に音が定位する音響設計。ですが、音数は少なく、立体音場がみっちりと音で埋め尽くされる場面は少なく、やや寂しく感じます。音の出所も、やや曖昧で、移動感も鮮明ではありません

 

ノイズフロアは極めて低く、マイナス30デシベルでも、まったくうるさくありません。メタリック成分も、皆無。細かい環境音やも聞こえてきます。エンニオ・モリコーネのオーケストラ音楽は、分離感がよくて、爽やかに響きます。


セリフの抜けも、まったく問題なし。サ行も滑らかで、発音は明瞭そのものです。

超低音成分は控えめ。エイミーのスタント・シーンで多少使われるくらいです。

 

英語学習用教材度: C+

 

日本語字幕ならびに日本語吹き替えつき。残念ながら、上述どおり、英語字幕はつきません。

セリフ量は、かなりのもの。それでも、俗語卑語はS-wordなど多少使われますが、F-wordは皆無です。アメリカで公開されていないために、レーティングはなしですが、あえてレーティングすれば、オルガ・キュリレンコの乳房が出るシーンを除けば、PG-13というところ。安心してテクストに使えます

英語も、非常に端正なインテリが使う格調高いものですが、それほど難解ではありません。TOEIC860点ホルダーなら、日本語字幕を頼りに7割以上はセリフを再現できるのではないでしょうか。英語字幕がついていないのが、返す返すも残念です。

 

++++++++++
  
気になるところを、アト・ランダムに。

 

☆原題は、La Corrispondenza。英語題は、Correspondence。訳せば、「文通」。邦題は、なかなか頑張っています。こういう工夫は大歓迎です。なお、このBDでは、英語版なのか、タイトルはクレジットでは‟Correspondence”が使われています。

 

メールによってわかるエイミーの足取りを記録しておきます。

 

 2014年
  12月13日 前衛舞踊鑑賞

 2015年
  1月09日 炎上スタントに出演
  1月13日 柔道の稽古
  1月15日 エド死去
  1月19日 エイミー、エドの死を知る
  3月27日 博士号資格試験
  4月09日 教授の誕生日:サンジュリオ島へ行く
  5月16日 エドのビデオレターが届く
  5月の最終月曜日 エイミー、聖ジャスト図書館へ
  9月03日 卒業式
  9月04日 エイミー、エドからサンジュリアン等の別荘を遺贈される
  その後、エイミー、島へ
  そこで、エドからの最後のビデオレターを観る

 

無事、博士号を獲れ、母親との関係を修復したエイミーで、エドとしてもこの世に未練は残らなかったことでありましょう。

 

☆iPhoneのCMではないかと揶揄したくなるくらいにiPhoneが頻繁に登場する映画ですが、かわいそうなのはPCです。エイミー愛用のヒューレット・パッカードのPCは、すぐ動かなくなるらしく、エイミーから頻繁に叩かれます。あんなことをするから、故障するのだと見ていて気になって仕方ありませんでした。他方、エドが残したPCはサムスンで、これは問題なく動くのですが、残念なことに、アパートに泥棒が入り、盗まれてしまうのです。結局、エイミーはHPのPCを叩きながら、それで博士論文を書き上げるのでした。

 

☆エイミーのあだ名が「カミカゼ」なら、エドは自分のことを‟Wizard”と呼びます。「魔法使い」という意味もありますが、「天才」という意味もあり、ここでは両者を意味していると考えられます。

 

☆メールの日付を丹念にチェックしていたら、間違いをひとつ発見しました。4月9日という設定なのに、4月4日着信のエドからのメールが届くのです。トルナトーレ以下、スタッフが全員見逃したのでしょう。残念なことです。

 

☆エイミーの博士論文のタイトルは、『客星から超新星へ:死せる星との対話』(Guest Stars to Super Novas: A Dialogue to Dead Stars)といいます。

 

☆エイミーが母に会いに行くときに、ハヤブサがエイミーの乗るバスに並行して飛んでいきます。あのハヤブサは、近所の公園でエイミーになついてきたブッチという名前の黒のラブラドールと並んで、エドの霊が乗り移っているということなのでしょう。

 

☆エドが死ぬ直前かに星雲(Crab Nebula)を天体望遠鏡で観察していたというのも、その形態が星細胞腫と似ていることを知っているインテリがん患者らしい行動かもしれません。

 

☆それにしても、ヒロインの名前が、「エイミー・ライアン」というのには驚かされます。アカデミー助演女優賞候補女優とまったく同じなのですから。トルナトーレには、確固たる命名の理由があったのでしょうか。

 

☆1000万ユーロという製作費はわかっていますが、アメリカで公開されていないために、売り上げは不明です。黒字になったのでしょうか。

 

特典は、次の映像特典です。

 

 .瓮ぅング(14:49)
 ⇒醜霾埆 :
   日本版予告編A(1:49)
   日本版予告編B(0:39)
 キャスト・スタッフ プロフィール(静止画/音声なし)
 ぅ廛蹈瀬ションノート(静止画/音声なし) 
 

映像:
  Ν◆.咼好拭Ε汽ぅ此1.78:1)のHD画質(AVC/1080i)
 ・ぁ.咼好拭Ε汽ぅ此1.78:1)のHD画質(AVC/1080・24p)

音声: DTS-HD Master ステレオ

残念ながら、英語字幕はつきません。

 

☆ 屮瓮ぅング」を見たら、オルガ・キュリレンコの台本にそのフルネームが背景に刷り込まれていました。台本の秘密性を保つための措置でしょう。驚きです。処分したければ、燃やすしかありません。

 

++++++++++

 

観る人を選びそうな映画ですが、ジェレミー・アイアンズ・ファンならば、観ても損はないでしょう。BDに英語字幕がつかないのも欠点ですし、悩まれたら、まずはレンタルBDで確認して観てください。

 

| 外国映画(ア行) | 11:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
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