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ミッドナイト・スペシャル(FRG BD / Region Free)

 

原題:Midnight Special (2016)
上映時間:1:51:55
国内劇場未公開
公式サイト:https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=52810

ゴウ先生総合評価: A-
  画質(2.40:1): A
  音質(DTS-HD Master Audio 5.1): A+/A
  英語学習用教材度: A

 

テイク・シェルター』(2011)『MUD マッド』(2012)『ラビング 愛という名前のふたり』(2016)のジェフ・ニコルズ監督・脚本によるSFドラマ。

 

主演は、ニコルズ監督作3回目の主演となるマイケル・シャノン

 

準主演は、『ラビング 愛という名前のふたり』(2016)で主役を務めたジョエル・エドガートン、『ヴィンセントが教えてくれたこと』(2014)で注目を集めた天才子役ジェイデン・リーバハー、『メランコリア』(2011)『アップサイドダウン 重力の恋人』(2012)『ギリシャに消えた嘘』(2014)のキルステン・ダンスト

 

その他、『ヤング・アダルト・ニューヨーク』(2014)『沈黙 -サイレンス-』(2016)のアダム・ドライヴァー、ジェフ・ニコルズ監督作には『MUD マッド』(2012)に引き続いての出演となる重鎮サム・シェパードが共演。

 

☆国内盤BDには英語字幕がついている

 

本作は、評論家から高く評価されました。Rotten Tomatoesでは、支持率83%で、10点満点中7.3点。Metacriticでは、100点満点中76点という凄さです。

 

にもかかわらず、興行的に失敗したために、日本では劇場公開されませんでした。そのため、貧乏英語塾長は、昨夏購入した日本語字幕・日本語吹替えつき独盤Blu-ray Disc(上掲)を取り寄せることにしました。しかし、それほど日本では注目されていないため、レビューをアップロードするのを見合わせていたのです。

 

そんな中、3月8日に国内盤BDがやっと発売されました。アマゾンの当該サイトに「英語字幕つき」という表記がなかったために、「英語学習に役立つ国内盤BD 3月8・10日発売分」で紹介しなかったのですが、その後調べてみると、英語字幕つきではないですか。

 

ミッドナイト・スペシャル ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組) [Blu-ray]
2016
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

 

となれは、国内盤BDは独盤BDと同じ仕様でできているということですから、独盤BDのレビューをすることにも十分に意味があります。というわけで、この機会に独盤BDレビューをアップロードすることにしたのでした。

 

☆あらすじ

 

舞台は、現代の米テキサス州・ルイジアナ州・アーカンソー州・フロリダ州。

 

カルヴィン・マイヤー(サム・シェパード)は、「牧場(Ranch)」と呼ばれる、テキサス州にあるカルト宗教集団の教祖。かつて牧場に属していたロイ(マイケル・シャノン)とサラ(キルステン・ダンスト)のトムリン夫妻に生まれた息子アルトンが特殊能力をもっており、それを利用できると考えたマイヤーはアルトンを養子にしてしまいます。

 

そのことに憤慨したロイとサラは牧場を出て、息子の奪還を図ります。養子にしてから2年後、8歳になったアルトン(ジェイデン・リーバハー)を助け出すために、ロイは幼馴染のルーカス(ジョエル・エドガートン)の協力を得て、行動を起こします。

 

ところが、救い出した息子を母親サラのもとへ届けようとしたところ、アルトンが国家の機密情報を得ていることを知ったFBIが、NSA(National Security Agency:国家安全保障局)のアナリスト、ポール・セビエ(アダム・ドライヴァー)を使って、アルトンの秘密を暴き、軍隊まで動員してアルトンを捕まえようとします。

 

ロイ、ルーカス、サラは、アルトンのある願いをかなえるために、アルトンが指定した場所までテキサス州を出て、ルイジアナ州、アーカンソー州、フロリダ州と必死に東進するのでした……。

 

☆破天荒なSFの形態を取った親子の情愛を描いた家族ドラマ

 

ジェフ・ニコルズ流『未知との遭遇』(1977)もしくは『E.T.』(1982)といえる作品です。しかし、そのトーンは熱っぽくなく、それでいて両親の息子に対する想いがより強調され、個人的に、上の2本ほどではないものの、深い感銘を受けたのでした。

 

ジョエフ・ニコルズの監督作は、すべて家族・疑似家族の絆の強さを描くものです。本作は、それがいちばんストレートに出ています。

 

とどのつまり、本作は、特殊能力をもった息子を抱えた両親が、その息子を利用しようとするカルト教団や米政府から息子を救おうとするだけの物語です。しかし、その描き方がすばらしいのです。

 

例えば、スティーヴン・スピルバーグなら、『宇宙戦争』(2005)のように、娘を救うためにトム・クルーズ演じる父親に必死の形相をさせて、さも宇宙人から逃げるのが難事業であることを観客にわからせ、父親の愛情の深さを熱く描きます。

 

ところが、ジェフ・ニコルズはそうではありません。ロイとサラに、猯篝鼎豊疇避行をさせるのです。

 

実際、ロイもサラもアルトンも「愛している(I love you)」とはいいません。ロイとサラがキスをするシーンさえないのです。ただ、ハグをするだけ。一瞬、ロイとサラの夫婦間の愛情は冷めきっているのかとおもってしまうのですが、そうではありません。ふたりは深く愛し合っているがゆえに、感情を押し殺し、息子を救出し、息子が行きたがっている場所まで連れて行こうとするのです。

 

このクールでスマートな演出が、マイケル・シャノンとキルステン・ダンストのニンに合っていて、熱っぽくて、ときに鬱陶しい感のあるリチャード・ドレフィスやトム・クルーズでは出せない、新しい両親像を見せてくれるのが、心地よいのです。

 

クールなシャノンとダンストに対して、ジョエル・エドガートンだけは熱っぽさをもっているのですが、その熱もメチャクチャ高いわけではなく、怒りをぶつけるシーンはたったのふたつ。ほぼ冷静といってもよいルーカスです。

 

つまるところ、感情に流されては、家族の絆など守ることができないというのがジェフ・ニコルズなのでしょう。それは『テイク・シェルター』で、他人がどういおうが地下シェルターを作り続けたシャノン演じる父親に通じます。ただし、そのときの母親役のジェシカ・チャステインは夫の行為に懐疑的でしたから、本作で夫婦がまったく同じ考え方で息子を守ろうとするのが、たまらなくよく感じます。

 

本作の原題『Midnight Special』は、南部の囚人が作ったアメリカに古くから伝わるフォークソングのタイトルから採られています。‟Take me with you”(オレを一緒に連れて行って)という歌詞で始まる歌は、そのサビで‟Let the Midnight Special shine her light on me”(ミッドナイト・スペシャルに、その光をオレに当てるようにお願いします)と神に願います。

 

この場合の‟Midnight Special”(真夜中の特急)は、原義であれば「脱走」もしくは「脱走手段」という意味ですが、本作ではロイ、サラ、ルーカスのことを指しています。この、光の当たらない夜を猛スピードで駆け抜けて息子の願いをかなえようとする家族・疑似家族(ルーカス)の存在に感動させられるのです。

 

デヴィッド・ウィンゴによる音楽も、サスペンスフルで映画にピッタリ。固唾を飲んで、4人の逃避行が成功することを願ってしまいます。

 

結末の意外さと、謎の世界の登場をどう解釈すればよいのかを映画が語らないのが、本作へのとっつきにくさを生んでいますが、丹念に観ていくと、そんなことはどうでもよいものにおもえてきます。

 

役者に関していえば、マイケル・シャノンとジョエル・エドガートンの充実ぶりは、いうまでもありません。監督の意向を100%再現しています。本作が、このふたりの代表作の1本になったことは間違いありません。

 

驚かされたのは、キルステン・ダンストのすばらしさです。子役から活躍してきたダンストも、撮影当時(2014年1月20日から2014年3月1日)、31歳(1982年4月30日生まれ)。疲れた母親のイメージと息子を守ることに命を懸ける健気さを抑制した演技で表現しているのに、目頭が熱くなりました。これほど訴求力のあるダンストを観たのは初めてです。ダンストにとっても、本作が代表作となりました。

 

子役のジェイデン・リーバハーも、『ヴィンセントが教えてくれたこと』に続いての大ヒット。難しい役を、映画の雰囲気を壊すことなく、描いています。

 

個人的には、本作は『ラビング 愛という名前のふたり』(2016)よりもよくできた作品だと評価します。ジェフ・ニコルズ監督作品4本の中では、ベストといってよいでしょう。

 

内容: A-

 

++++++++++

 

画質(2.40:1): A

 

Gump TheatreにてOppo BDP-93から1080i信号を直接HDMIケーブルによってソニーVPL-HW30ESに送り込み、120インチ・ワイド・スクリーンに映しています。2層50GB。コーデックは、MPEG-4 AVC。伝送レートは、2 Mbpsから41 Mbps。

 

撮影は、ジェフ・ニコルズのすべての作品『テイク・シェルター』(2011)『MUD マッド』(2012)『ラビング 愛という名前のふたり』(2016)で組んでいる、『コンプライアンス 服従の心理』(2012)のアダム・ストーン


機材は、アリフレックス435ES、パナビジョン・パナフレックス・ミレニアム・XL2 35mmフィルム・カメラを使用。マスター・フォーマットは、DI(2K)。オリジナル・アスペクト比は、2.39:1。

 

最近珍しい35丱侫ルムで撮影された作品です。グレインはかなり取り除かれているものの、細部が甘くなっていて、HD撮影ではないとすぐにわかります。

 

彫りの深さは、そこそこ。奥行き感は出ているものの、DVDをアップコンバートした映像のように荒れて見えるのが残念なところです。

 

発色は、ほぼニュートラル。ただし、色数をやや減らして、ややくすんでいるように見えるシーンが多々あります。肌の質感は、ナチュラル。すっぴんのキルステン・ダンストの肌に魅了されます。

 

問題は、暗部情報量。暗い夜間シーンが多いのですが、黒の沈み込みが少なく、コントラストもそれほど高くないので、見づらいシーンが生まれています。

 

大画面の近接視聴は、一応は問題なしです。A/A-に落とすか、最後まで悩みました。

 

音質(DTS-HD Master Audio 5.1​): A+/A

 

Oppo BDP-93からソニーVZ-555ESに、サラウンドバック・スピーカー2本を付け加えた7.1チャンネル分をラインアウト接続して再生。伝送レートは、不明。音量は、マイナス30デシベル。

 

絵に比べると、音の迫力はかなりのものです。

 

左右前後に音を定位させる音響設計で、音の出所もスクリーンとほぼマッチしており、移動感のキレはかなりのものです。夜の道をぶっ飛ばす車が、左右に、そして後ろから前へと走るのが快感です。ただし、場面によっては後方からの音数が極端に減って、フロント重視になり、立体音場の密度感が下がる場合があるのが、惜しいところです。

 

ノイズフロアは低いものの、やや雑味を感じます。マイナス30デシベルだと、ややうるさく感じないではありません。それでも、団子になることのない魅力的な音楽が、胸を締め付けます。

 

セリフのキレは、十分。発音にも甘さはなく、サ行もスムーズです。

 

超低音成分は、使われると、下品に感じるほど膨大です。音楽でも重低音が使われ、超常現象が起きる場面では、部屋を揺らし、ブーミーになり、鼓膜を押さえつけます。調整が必要な部屋が多いはずです。


英語学習用教材度: A

 

日本・英語ならびに日本語吹替えつき(BDプレーヤーの言語設定を「日本語」にした場合)。

 

セリフ量は、多め。にもかかわらず、F-wordは一回も使われず、俗語卑語の登場回数も非常に少なくなっています。PG-13になっているのは、暴力シーンがあるからです。安心してテクストに使えます。

 

確認した限り、英語字幕はセリフを完璧にフォローしています。川嶋加奈子による日本語字幕は凝りすぎた訳が多く、イライラさせられます。結局、英語字幕を出して観ていました。戸田奈津子女子系の翻訳で、もっと素直な訳を求めます。

 

特典は、すべてに英語字幕がつきますが、17分の映像特典しかないのが、残念なところです。音声解説が欲しいところでした。


++++++++++

 

気になるところを、アト・ランダムに。

 

☆原題Midnight Specialは、上述した通りですが、このフォークソングはエンディング・クレジットで唄われます。

 

☆1800万ドルの製作費で、アメリカで371万ドル、海外で250万ドル、計621万ドルの売り上げ。残念ながら、赤字になってしまいました。

 

特典は、約17分の映像特典です。

 

 .リジンズ(12:36):
   ロイ
   ルーカス
   サラ
   アルトン
   セビエ
 ¬っ里寮こΑ5:12)

 

映像: Aを基本に、Bが適宜挿入

 A ビスタ・サイズ(1.78:1)のHD画質(AVC/1080・24p)
 B シネスコ・サイズ(2.39:1)のHD画質(AVC/1080・24p)

音声:ドルビーデジタル・ステレオ

うれしいことに、すべてに英語字幕がつきます。

 

 屮リジンズ」は、それぞれの登場人物にフォーカスを当てたメイキングです。それほど画期的なものではありません。

 

◆嵬っ里寮こΑは、アルトンが向かう謎の世界について語ったものですが、これまたそれほど深く突っ込んだものではありません。

 

独盤BDは、独アマゾンで7.99ユーロまで下がっています。

 

++++++++++

 

映画ファン、キャスト・スタッフのファン、必見。絵も音も、まずまず。英語学習には役立ちます。オススメします!

 

| 外国映画(マ行) | 09:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
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