CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
英語で「日本国憲法」を読んでみる―The Constitution of Japan
英語で「日本国憲法」を読んでみる―The Constitution of Japan (JUGEMレビュー »)
別冊宝島編集部
英語で憲法を読んでみれば、戦勝国アメリカから押し付けられたことが手に取るように分かります。50年以上、修正されていない憲法。時代にそぐわない内容。それでも、憲法改正、不要ですか?
★★★★★
RECOMMEND
駅 STATION [DVD]
駅 STATION [DVD] (JUGEMレビュー »)

高倉健を知りたければ、まずこの一本。「渋さ」の意味が分かります。★★★★★
<< 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の米盤BDを、19.96ドルで購入 | main | ジェイソン・ボーン(BD) >>
ラビング 愛という名前のふたり

 

原題:Loving (2016)
上映時間:123分
2017年3月3日 国内劇場初公開
公式サイト:http://gaga.ne.jp/loving/


TOHOシネマズシャンテ スクリーン1 B-10
2017年3月7日(火)12時45分の回

ゴウ先生総合評価: A-/B+
  画質(2.39:1/Digital): A+/A
  音質(Linea PCM): A+/A
  英語学習用教材度: C-

 

テイク・シェルター』(2011)『MUD マッド』(2012)『ミッドナイト・スペシャル』(2016)の奇才ジェフ・ニコルズ監督・脚本による実話をもとにした人間ドラマ。

 

主演は、本作でゴールデン・グローブ男優賞にノミネートされた、『アニマル・キングダム』(2010)『ウォーリアー』(2011)『ザ・ギフト』(2015)『ジェーン』(2016)『ミッドナイト・スペシャル』(2016)のジョエル・エドガートン、本作でアカデミー主演女優賞にノミネートされた、『プルートで朝食を』(2005)『コンフィデンスマン/ある詐欺師の男』(2012)『JIMI:栄光への軌跡』(2013)『ウォークラフト』(2016)のルース・ネッガ

 

共演は、マートン・ソーカスニック・クロールテリー・アブニーアラーノ・ミラージョン・ベース、シャロン・ブラックウッド、マイケル・シャノン

 

共同製作者のひとりに、コリン・ファース

 

☆ジョエフ・ニコルズ作品は、見逃せない

 

ジェフ・ニコルズ監督作品は、3作とも観ています。それぞれにストーリーはもちろん違いますが、すべて「家族」の映画。今回は、異人種結婚という夫婦の絆を描く作品です。これは、ニコルズの得意分野。観らねばなりません。

 

しかも、俳優たちも渋い限り。ニコルズ監督作には欠かせないマイケル・シャノンが顔を出しているのもうれしいところです。

 

興行的には苦戦したようですが、評論家からの受けはなかなか。Rotten Tomatoesでは、支持率89%で、10点満点中7.6点。Metacriticでは、100点満点中79点ももらっています。期待が募ります。

 

ただし、東京ですら、TOHOシネマズシャンテのみの上映。しかも、人気がないのか、予約状況をチェックしてみると、かなりの空席です。

 

1400円で観られるシネマイレージデーに都合がついたので、調べてみたら、前から2列目上手側通路脇の席が空いています。個人的に、シャンテ・スクリーン1でもっとも好きな席です。シネスコだとかなり厳しいのですが、かぶりつき派ですから、かえって好都合なのです。日比谷まで出かけることにしたのでした。

 

☆あらすじ

 

舞台は、1958年から1967年にかけてのバージニア州とワシントンDC。

 

リチャード・‟リッチ”・ラビング(ジョエル・エドガートン)は、左官職人の白人男性。1958年、幼なじみで恋人の黒人女性ミルドレッド・‟ビーン”・ジーター(ルース・ネッガ)から妊娠を告げられ、結婚を決意します。

 

しかし、バージニアでは異人種間の結婚が法律で禁じられていたため、ふたりは法律で認められているワシントンDCまで行って結婚の手続きを済ませます。

 

その後、ミルドレッドの実家で幸せな結婚生活をスタートさせますが、ある日突然、ブルックス保安官(マートン・ソーカス)に押し込まれ、逮捕され、法廷で、ふたりは離婚するか、25年間の州外退去かを迫られます。仕方なく、家族と離れて、ふたりはワシントンDCに移り住むのでした……。

 

☆描かれる事実は衝撃的だが、映画としては……

 

異人種結婚が犯罪となるというバージニア州法が1967年まで存在したという事実には驚かされ、その悪法を撤廃するのにラビング夫妻が重要な役割を果たしたことに感動します。

 

ですが、その描き方は史実にとらわれてしまって、自由さがなく、いつものジェフ・ニコルズの冴えがありません。そのため、淡々とラビング夫妻を描くだけで、映画としての高いレベルの面白さが奪われています。期待していただけに、やや肩透かしです。

 

それに対して、役者たちはがんばっています。

 

まずもって、愚直で素朴で口下手なリチャードを演じたジョエル・エドガートンには、拍手喝采です。自信なさげに、猫背でうつむき加減な姿勢が、リチャードの置かれた立場を物語ります。それでいて、妻と子供たちに向ける優しい眼差しが印象的。この人のキャリアベストの演技です。

 

各映画賞では高く評価されたルース・ネッガですが、個人的には違和感を覚えます。そのいささか素っ気ない演技が、感動を遠ざけられたからです。もう少し、感情的になる場面もあってもよかったはず。このあたり、ジェフ・ニコルズの演出にも疑問を覚えます。

 

もっとも感心したのは、リチャードの母ローラ・ラビングを演じたシャロン・ブラックウッドです。産婆として、近隣の白人・黒人を取り上げてきたローラは、無口そのもの。産婆としてさまざまな夫婦を観てきたために、口を重くしているのです。それゆえ、息子の結婚が違法であることから反対しつつも、息子にはそれを黙っています。そのあたりの出しゃばらない微妙な演技が、何とも魅力的なのです。

 

このブラックウッド、脇役で『タイタンズを忘れない』(2000)『マジック・マイク XXL』(2015)『きみがくれた物語』(2016)などに出ていたようですが、気づきませんでした。すばらしい俳優が、アメリカにはいくらもいるものです。

 

ともあれ、演出はひととおりですが、役者たちの存在感が映画の完成度を高めているともうせましょう。

 

++++++++++

 

画質(2.39:1/デジタル): A+/A

 

撮影は、ジェフ・ニコルズのすべての作品『テイク・シェルター』(2011)『MUD マッド』(2012)『ミッドナイト・スペシャル』(2016)で組んでいる、『コンプライアンス 服従の心理』(2012)のアダム・ストーン

機材は、パナビジョン・パナフレックス・ミレニアム・XL2 35mmフィルム・カメラを使用。マスター・フォーマットは、DI(2K)。

 

4Kプロジェクター上映。


いまどき珍しくなった35丱侫ルム撮影作品です。細かいグレインが残されて、フィルムルックな質感を湛えます。やや軟調ですが、解像度は犠牲になっていません。現代最高レベルにはやや及ばないものの、細部がスポイルされることもなく、彫りも深く、奥行き感も十分です。

 

実は、米盤Blu-ray Discの画質がおもわしくないとBlu-ray.comのレビューが書いているため(5点満点中3.5点)、心配していたのですが、これなら文句はありません。この画質をBDは再現できていないようでは、買わずによかったと胸をなでおろしたのでした。

発色は、ニュートラル。色数は多く、鮮明です。やや茶色みが強まっているのが、フィルムらしさを醸し出しています。それでも、色乗りがべたつくことはありません。肌の質感も、ナチュラルそのもの。違和感はまったくありません。


暗部情報も、相当。黒がよく沈み、コントラストも高く、滑らかな階調で、見えづらいシーンは一切ありません。

 

2列目で見上げましたが、シネスコとはいえ、固定されたカメラワークであるために、何の不都合もなく楽しめました。

 

音質(Linear PCM): A+/A

 

左右前後に音を定位させた音響設計。後方からの音数も非常に多く、音の出所もスクリーンと完全にマッチしていて、感心させられます。特に、真後ろからタイプライターの打鍵音が聞こえたときには、サラウンドジャンキーの血が騒ぎました。ただし、包囲感はかなりのものですが、移動感はそれほどでもありません。

 

ノイズフロアは、最低レベル。音量も、適切。メタリック成分も混入せず、不快にさせられることはありません。音楽も、団子状になることもなく、アコースティックギターの響きが艶めかしい限りです。

 

セリフの抜けも、文句なし。サ行がきつくならず、発音も明瞭です。音像も膨らまず、口元に寄り添います。

 

超低音成分は、控えめ。下品に垂れ流しされることはありません。

 

英語学習用教材度: C

 

字幕翻訳は、牧野琴子。

 

セリフは、多め。俗語・卑語は使われますが、F-wordが一度も登場しないように、その頻度は少ないものです(PG-13指定)。さらに、文法を逸脱したセリフも少ないので、ちょっと注意をすれば、十分にテクストとして使えます。

 

翻訳は、滑らか。不自然さがなく、信頼できます。安心して、日本語字幕を頼ってください。

 

++++++++++

 

気になるところを、アト・ランダムに。

 

☆原題も、Loving。主人公夫妻のラストネームであるとともに、「愛すること」という意味を兼ね合わせていることはいうまでもありません。邦題は、その辺を工夫していて、悪くありません。

 

マイケル・シャノンは、『LIFE』誌のカメラマン役を演じています。シャノンの登場場面は、本作で数少ない笑える場面です。

 

☆900万ドルの製作費で、これまでのところ、全米771万ドル、海外で103万ドル、世界で874万ドルの売り上げ。残念ながら、赤字となってしまっています。

 

米盤Blu-ray Discは、2017年2月7日に発売されています。

 

 

仕様です。

 

 Region Free
 容量: 2層50GB
 映像: MPEG-4 AVC/1080p/2.40:1
 音声: DTS-HD Master Audio 5.1(英語)
     DTS 5.1(仏・西語)
 字幕: 英・仏・西語
 

特典は、まあまあの量です。

 

 Commentary features writer/director Jeff Nichols
 Making 'Loving' (4:28, HD) 
 A 'Loving' Ensemble (4:07, HD) 
 'Loving' vs. Virginia (4:26, HD) 
 Virginia: A 'Loving' Backdrop (3:09, HD)

 

今日現在、米アマゾンで22.99ドル。10ドルを切ったら、購入します。

 

++++++++++

 

ジェフ・ニコルズ・ファンとしてはややものたりませんが、映画ファン・英語勉強家なら、観て損はありません。シャンテの絵と音は優秀。安心して推奨できます。映画としての面白みにはやや欠けるものの、「推薦」とさせていただきます!

 

| 外国映画(ラ行) | 11:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://blog.indec.jp/trackback/1063379
トラックバック