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素晴らしきかな、人生

 

原題:Collateral Beauty (2016)
上映時間:97分
2017年2月25日 国内劇場初公開
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/subarashiki-movie/

TOHOシネマズ新宿 スクリーン5 B-10
2017年3月2日(木)8時20分の回

ゴウ先生総合評価: B
  画質(2.39:1/Digital): A+
  音質(Linea PCM): A
  英語学習用教材度: C+

 

ALI アリ』(2001)『幸せのちから』(2006)でアカデミー主演男優賞にノミネートされたウィル・スミス主演による人間ドラマ。

 

共演は、エドワード・ノートンキーラ・ナイトレイマイケル・ペーニャナオミ・ハリスジェイコブ・ラティモアアン・ダウドケイト・ウィンスレットヘレン・ミレン

 

監督は、『プラダを着た悪魔』(2006)『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』(2008)『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』(2010)『31年目の夫婦げんか』(2012)『ワン チャンス』(2013)のデヴィッド・フランケル

 

脚本・製作は、『悲しみが乾くまで』(2008)『ラスベガスをぶっつぶせ』(2008)『が結婚を決めたワケ』(2010)『ウォール・ストリート』(2010)『アラフォー女子のベイビー・プラン』(2010)『ウソツキは結婚のはじまり』(2011)『ロック・オブ・エイジズ』(2012)のアラン・ローブ

 

ラジー賞のワースト・スクリーン・コンボ賞にノミネート。

 

☆酷評された作品だが、この面子なら観てみたい

 

本作、評論家からは厳しい扱いを受けました。Rotten Tomatoesでは、12%の支持率で、10点満点中3.5点。Metacriticにいたっては、100点満点中23点という惨状です。

 

しかし、一般映画ファンからは、かなり好意的に受け止められ、IMDbのファン投票では6.7点、CinemaScopeのそれではA-となっています。

 

どちらを信じるも何も、手堅い仕事をしてきたデヴィッド・フランケルとアラン・ローブのチームがこれだけの役者たちをラジー賞候補にしてしまったことに興味を覚えます。

 

そこで、マスターカードでチケットを購入すると1100円になるTOHOシネマズ新宿のモク割サービスを使って、2日に観ることにしました。この日が1年続いたモク割の最後の日です。使わないと、後悔します。

 

8時20分の回はガラガラ。同士は、たったの3人です。スクリーン5には後述するような致命的な欠点があるのですが、4Kプロジェクター設置館ですし、この大量の空席は混んでいる劇場が死ぬほど嫌いな貧乏英語塾長にはうれしい限りです。ともあれ、かぶりつき派には最高の2列目中央の席を確保し、準備万端です。

 

☆あらすじ

 

舞台は、現代のクリスマス前後のニューヨーク・シティ(NYC)。

 

ハワード・インレット(ウィル・スミス)は、ニューヨークで広告代理店の創業者兼COOをしています。その手腕で会社は業績を伸ばし、公私ともに順風満帆な人生を送っていました。

 

ところが、6歳の愛娘が不治の病でこの世を去ってしまったことで、人生が変わってしまいます。ハワードは深い悲しみで自暴自棄になり、仕事を放り出して、離婚し、引っ越したアパートに閉じこもる日々を過ごします。

 

こうして3年、クリスマスを前にして、ハワードに頼り切りだった会社が急速に傾き始めていきます。他の会社役員であるCEOのホイット・ヤードショー(エドワード・ノートン)、CFOのサイモン・スコット(マイケル・ペーニャ)、CAOのクレア・ウィルソン(ケイト・ウィンスレット)は、会社を救うためには、会社をこれまで通り仕事を続けさせてくれるような信頼できる会社に売却しなければいけないという結論に至ります。

 

そのためには、契約者にハワードのサインが必要です。そのことをホイットがハワードに頼むのですが、ハワードはまともに相手にしません。

 

仕方なく、ホイットがハワードを役員から解任して、自分たちだけで議決できるように、ハワードに業務遂行能力がないことを証明するという奇策を思いつきます。

 

というのも、ハワードが自分のやるせない想いを、「死」「時間」「愛」あての手紙を書いて、ポストに投函していることを知り、これなら精神異常を立証できると考えたのです。

 

そこで、ホイットたちは、売れない舞台俳優である年輩の白人女性ブリジット(ヘレン・ミレン)、黒人青年ラフィ(ジェイコブ・ラティモア)、若い白人女性エイミー(キーラ・ナイトレイ)を雇い、ハワードと接触させます。

 

いきなり自分が出した手紙をもって目前に現れた「死」「時間」「愛」にハワードは狼狽し、立腹します。その様子を秘密裏に私立探偵のサリー・プライス(アン・ダウド)が撮影し、精神異常があるように画像処理して、ハワードを辞任へと追い込みます。

 

他方、3人の「死」「時間」「愛」が目の前に現れたことに釈然としないハワードは、子供の死を乗り越えるための集会に参加し、会のリーダーであるマデレーン(ナオミ・ハリス)に相談するのでした……。

 

☆凝りすぎの脚本が、空回りしている

 

最初から最後まで主人公が悲しみに沈みっぱなしという珍しい映画です。もちろん、最後はハッピーエンドに終わるのですが、そのときに明かされる真実が、途中の凝りすぎた3人の役者を使う展開と齟齬を起こしているため、ハワードへの共感が薄れ、その結末に深いカタルシスを得ることができません。評論家たちが厳しい評価を下したのも、理解できます。

 

そもそも、3年も仕事をせずに、娘の死を嘆いてばかりいるという主人公の設定に違和感を覚えます。仕事をしつつ、落ち込むというのならまだしも、周囲に迷惑をかけて自分勝手なことをしているというのは、ウィル・スミスのニンにあいません。それを3年も許す他の役員3人の無作為も理解不能です。

 

さらに、ハワードの子供を亡くした悲しみを縦糸に、他の役員たちが味わう会社が潰れていく苦しみとそれぞれの登場人物が抱える悩みが横糸になって交差するのですが、あまりに主要登場人物が多すぎて、混乱が起きています。会社はホイット、役者はブリジットに絞り、これにハワードとマデレーンを登場させて、4人だけの交差なら、まだすんなりハワードへの共感が深まったことでしょうが、現状ではハワードを突き放したくなります。

 

とはいえ、魅力的でないかといわれると、そうでもないのが、難しいところです。全体的な流れには賛成できませんが、ハワードが「死」「時間」「愛」に手紙を出すという設定や会社の浮沈問題の解決に役者を使うというアイデアも、個々には面白いからです。この横糸が、ハワードの悲しみとその癒しという縦糸とうまく織り込まれていないのが、残念なだけです。

 

この脚本のせいで、これだけ豪華な俳優たちが、かなりもったいない使われ方をしているのも、気に入りません。それなりに見せ場はあるものの、食い足りないのです。特に、キーラ・ナイトレイにいたっては、カメオ出演の域を脱していません。

 

久々に見たエドワード・ノートンにはもっとウィル・スミスと絡んでほしかったし、子供を欲しがるケイト・ウィンスレットには仕事で結婚できなかった過去を多少は語ってほしかった。マイケル・ペーニャには死期が近づくのにそれを家族に告げない理由をもっと克明に語ってほしかったものです。

 

現代最高の女優のひとりであるヘレン・ミレンには、その年までどうやって俳優として食べてきたのかも明らかにしてほしいものでしたし、どうしてキーラ・ナイトレイ、ジェイコブ・ラティモアと劇団を結成したのかも知りたくなります。

 

謎が謎のままで終わってよいというタイプの映画ではないはず。もう少し劇中でそれらの不明な点を明らかにすべきでした。

 

これだけ批判すれば、評価は「C」以下になっても不思議はないのですが、そうせずに「B」評価にしたのは、ナオミ・ハリスの魅力によります。

 

ハワードがマデレーンの前に出ると、混乱と拒絶を繰り返す姿を見て、結末を予想できるという問題はさておき、ナオミ・ハリスの穏やかな微笑みがそういう勘繰りをなだめ、素直に映画を観ようという気にさせてくれるのです。

 

褐色の肌にウエーブのかかった長い黒髪がたまらない調和を醸しだし、これまででもっとも美しいナオミ・ハリスです。おかげで、脚本の凝りすぎによる謎解きの結末も許してあげようという気になってしまいます。

 

ウィル・スミスと並んだナオミ・ハリスは、もっとも美しい黒人カップルでありましょう。これを抜くとしたら、未見ですが、アカデミー作品賞候補作『Fences』のデンゼル・ワシントンとヴィオラ・デイヴィスしかないのではありますまいか。アカデミー作品賞受賞『ムーンライト』でも主人公の母親という重要な役割を果たしたハリス。いま俳優人生の絶頂期を迎えています。

 

ともあれ、めそめそするのが男で、耐えて復活するのは女という構図は、納得させられるものではあります。

 

++++++++++


画質(2.391/デジタル): A


撮影は、『ベルベット・ゴールドマイン』(1998)『夫以外の選択肢』(2004)『レスラー』(2008)『ストーン』(2010)『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』(2015)のマリス・アルベルチ


機材は、アリ・アレクサ・XT・プラスHDカメラを使用。マスター・フォーマットは、DI(2K)。

 

4Kプロジェクター上映。

 

解像度は、最高レベル。ある意味、この直後に見たネイティブ4K上映の『マリアンヌ』よりもくっきりしゃっきりしています。細部に甘さはなく、彫りも深ければ、奥行きも十分。面白いものです。

 

発色は、ニュートラル。色乗りはパワフルで、茶色がきれいに出て、ウィル・スミスとナオミ・ハリスの肌の色が素敵に輝きます。原色も、見事。NYCや広告代理店の中のカラフルさが、印象的です。もちろん、白人のスキントーンにも違和感はありません。

 

暗部情報も、十分。黒がよく沈み、夜のNYCをスミスが自転車で走り回る場面でも、見づらさはありません。

 

横9.6縦4.0m のシネスコ・スクリーンを2列目で見たのですが、スクリーンまで距離があるので、ほとんどすべて視野に入ります。かぶりつき派には、たまらない席です。


音質(Linear PCM): A

 

絵に比べると、音は平凡。現代映画の水準は超えているものの、それ以上のものはありません。

 

左右前後に音を定位させ、音の出所もスクリーンとマッチし、後方からの音数も多いものの、それが発揮されるのは音楽が鳴り響くときだけ。大部分、フロントからの音で進行します。それゆえ、包囲感にものたりなさを覚えるときもありますし、移動感は大したことがありません。

 

ノイズフロアは、最低レベル。分厚い音に、メタリック成分は乗らないのが、ありがたい限り。音量も、ちょうどよい感じです。細かい環境音もよく聞こえてきますが、マンハッタンに放り込まれるほどではありません。


セリフは、すっきりと耳に届きます。音像が膨らむこともなく、役者の口元に寄り添うのも、結構。サ行も滑らかで、米黒人英語、米白人英語、英黒人英語、英国女王英語、と微妙に異なる発音が行きかう作品ですが、聴き取るのは難しくありません。


超低音成分は、出るときには出ますが、それほど腹に堪えるものではありません。上品な使われ方です。


TOHOシネマズ新宿の場合、MX4DシアターやIMAXデジタルシアターの隣にあるスクリーン5では、常に重低音が漏れてきて、映画の興趣を殺ぎます。今回は8時20分と早かったので、前半はその被害に遭いませんでしたが、後半は椅子が揺れて不快でした。どうにかならんものでしょうか。


英語学習用教材度: C+


字幕翻訳者は、未確認(エンドクレジットの途中で退出したため)。

 

セリフは、かなりの量。俗語・卑語も、F-wordを含め、登場します。それでも、目くじらを立てるほどではありませんPG-13指定)。注意さえすれば、安心してテクストに使用できます。

 

英語自体も、それほど難しい言い回しが多くなく、病名をのぞけば、TOEIC860点ホルダーだと、日本語字幕を頼りにすれば、原文のセリフの8割以上は再現できるはずです。

 

字幕翻訳は、やや暴走気味のところがあり、混乱させられた場面がありました。ひょっとすると、某女史による翻訳なのでしょうか。

 

++++++++++


気になるところを、アト・ランダムに。


原題は、Collateral Beauty。直訳すれば、「付随する美」となります。劇中でこの言葉が使われるときには字幕では、「幸せのおまけ」となっていました。個人的には、違和感が強すぎます。これは、死にゆく娘を嘆く母親に隣に座った見知らぬ老女が語る言葉ですが、死んでいく娘にも、それなりの美があるという意味ですから、「おまけ」という言葉は不適切に感じます。


☆邦題は、フランク・キャプラ監督・製作・脚本、ジェームズ・スチュワート主演の大傑作人間ドラマ『素晴らしき哉、人生! 』(1946)のもじりです。しかし、その共通点はクリスマスが舞台であるヒューマン・ドラマであるということだけ。ゆえに、この邦題は古いファンを混乱させるだけのものでしかありません。別のタイトルを考えられなかったのでしょうか。ちなみに、『素晴らしき哉、人生! 』の原題は、It's a Wonderful Lifeです。

 

素晴らしき哉、人生! Blu-ray
IVC,Ltd.(VC)(D)

 

☆作中、ハワードが精巧なドミノ倒しを作ることだけに没頭して、仕事をしないという状況になっています。一所懸命ドミノを立てても、それは破壊のためのものに過ぎないという、あたかも人生のはかなさを比喩したものでありましょうが、あまりにわかりやすすぎて、いささか嫌味におもえます。

 

☆ウィル・スミスはずっとナイキのジョギングシューズを履いています。それが、カッコいいのです。特に、赤の靴が気に入ってしまいました。売っているのでしょうか。探してみましょう。

 

☆3600万ドルの製作費で、これまでのところ、全米3102万ドル、海外で5440万ドル、計8542万ドルの売り上げ。この顔ぶれだとものたりませんが、黒字になったことは間違いないようです。

 

米盤Blu-ray Discは、3月14日に発売されます。

 

 

仕様です。残念ながら、日本語字幕・日本語吹替えはつきません。

 

 Region A
 容量:2層50GB
 映像:1080p/2.40:1/MPEG-4 AVC
 音声:DTS-HD Master Audio 5.1(英語)
    Dolby Digital 5.1(仏・西語)
 字幕: 英・仏・西語

 

特典は、「A Modern Fable: Discovering Collateral Beauty」というメイキングだけです。

 

米アマゾンで、今日現在、BDが22.21ドルです。いまはパスします。

 

++++++++++

 

ナオミ・ハリス・ファンなら、観るべき。その他の出演俳優ファンも、観て損はないでしょう。ですが、作品に対して過剰に期待すると、失望を招くかもしれません。絵と音のよい劇場でどうぞ。

 

| 外国映画(サ行) | 08:43 | comments(0) | trackbacks(0) |
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