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この世界の片隅に

 

2016年製作
上映時間: 126分
2016年11月12日 国内劇場初公開
公式サイト:http://konosekai.jp/

テアトル新宿 D-7→B-9
2017年2月7日(火)16時00分の回

ゴウ先生総合評価:   A+
  画質(1.85:1/Digital): A+/A
  音質(Linea PCM): A
  英語学習用教材度: N/A

 

『マイマイ新子と千年の魔法』(2009)の片渕須直の監督・脚本により、戦前・戦中・戦後を生きる広島の若い女性の生きざまを描いた人間ドラマ。

 

原作は、『夕凪の街 桜の国』(2007)の原作者であるこうの史代の同名漫画。

 

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)
こうの 史代
双葉社

 

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)
こうの 史代
双葉社

 

この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)
こうの 史代
双葉社

 

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)
こうの 史代
双葉社

 

小説 この世界の片隅に (双葉文庫)
こうの 史代,蒔田 陽平
双葉社

 

昨年11月12日からロングランが続き、キネマ旬報日本映画ベストテン第1位・監督賞、ブルーリボン監督賞など、多くの映画賞に輝くアニメ。

 

声の出演は、主役の北條(浦野)すずを能年玲奈改めのん

 

その他、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世、牛山茂、新谷真弓など、ほとんどがプロの声優たち。

 

☆ずっと観たかった作品を、やっと観る

 

昨秋、劇場で予告編を観ただけで感激し、涙うるうる状態にさせられた映画です。すぐに観ようとおもっていたら、公開されるやどこの劇場も人がいっぱい。混んだ映画館ほど嫌いなものがない貧乏英語塾長は大ピンチに追い込まれます。

 

待てど暮らせど、改善されない混雑状況でしたが、さすがに3か月以上のロングランとなると、混雑ぶりもだいぶ緩和されてきました。

 

こうなれば、あとは劇場選びです。できれば、4Kプロジェクター上映版を観たいとおもっていたのですが、近場の劇場では、おこなわれていません。『君の名は』にしがみつくTOHOシネマズ新宿が、上映しないからです。

 

新宿ピカデリーでは公開されていますが、ボケボケのDLPプロジェクターを使ったスクリーン1での上映です。こういうアニメは、ピュアな画質が魅力なのですから、ボケていてはたまりません。

 

となれば、選択肢は、当初から公開していたテアトル新宿しかなくなります。とはいえ、ずいぶんご無沙汰していて、勝手がよくわかりません。調べてみたら、2008年10月8日(水)に北野武監督『アキレスと亀』を観たのが、ここを訪れた最後です。

 

不安になって、上映プロジェクターを調べたら、大好きなクリスティ液晶プロジェクターではないですか。たぶん、このプロジェクターは2K仕様だとおもわれるのですが、2Kでもくっきり・すっきりした絵を見せてくれる優秀なプロジェクターです。しかも、ビスタサイズのスクリーンは横6.6m×縦3.6mとこじんまりとしたもの。これならば、解像度の高い高精細な絵が楽しめそうです。

 

1日2回上映に減っているために、混むことを想定していましたが、上映開始15分ほど前のチケット購入時に確認したら、4列目から前は、先客がひとりだけ。どんな場内だったか記憶がないので、まずは、4列目上手通路側を押さえます。

 

ところが、このスクリーンの大きさだと、かぶりつき派には4列目は遠すぎです。こっそりと前から2列目中央やや上手よりの席に移動してみたら、バッチリ、望んだ迫力を得ることができました。

 

☆あらすじ

 

主な舞台は、昭和8年から20年にかけての広島県呉市、広島市。

 

1944年(昭和19年)2月。浦野すず(のん)は、絵を描くことが好きな広島市に住む18歳。そのすずに呉の北條家から急に縁談話が持ちかけられます。あれよあれよという間に話は進み、すずは海軍の街・呉に嫁にやってきます。

 

夫・周作(細谷佳正)は、海軍で働く文官です。幼い頃に出会ったすずのことが忘れられずにいたという一途で優しい人でした。こうして北條の父(牛山茂)母(新谷真弓)に温かく迎えられたすずは、見知らぬ土地での生活に戸惑いつつも、健気に嫁としての仕事をこなしていきます。

 

そんな中、嫁に行った周作の姉・黒村径子(尾身美詞)が、5歳の晴美(稲葉菜月)を連れて、広島市から里帰りしてきます。夫が死に、経営していた時計店が建物疎開の対象となって壊され、婚家と離縁したのです。この径子という小姑のいびりに、すずは円形脱毛症になってしまいます。

 

日ごとに、戦況が悪化し、配給物資が次第に減っていく中で、すずは様々な工夫を凝らして北條家の暮らしを懸命に守っていきます。しかし、呉への空襲は日ごとに増して、北條家にも危険が迫ってくるのでした……。
 

☆ボディブローを与えるじわじわ感動作

 

間違いなく、傑作です。

 

2時間6分の上映時間が、あっという間に過ぎました。「すずさん」が愛おしくて、観終わると、すぐにもう一度観たくなったほどです。そして、「すずさん」の健気さが、時間が経つとさらに心の中で増幅し、ふと感傷的になり、感慨を新たにするのでした。このボディブローは、堪えます。

 

何をおいても、さりげない日常を描き続けることで、運命に対して抗う径子と運命を受け入れるすずの対比が鮮明になっていき、個人的に後者をよしとする人間としては、よりすずに応援したくなるのです。

 

結婚相手の選択も、相手と親のいうがまま。

婚家に入れば、北條家のいうがまま。

径子がやってくれば、径子に圧倒されるがまま。

 

このすずの態度は、戦争に対しても、変わりません。日ごとに厳しくなる生活も、与えられた範囲で最善を尽くそうとするのです。途中で出てくる、粗末な食材で作る料理の美味しそうに見えること。それもこれも、すずの精一杯の生き方が与える恩恵です。実際に食べれば、決して美味しくはないのでしょうが。

 

そして、迎える運命の空襲。その悲劇にすずは身体だけでなく、心まで打ちのめされます。さらには、8月6日の原爆投下。すずはその日に里帰りする予定だったのを都合により変更したことが、これまたすずを助けます。しかし、実母は原爆で亡くなり、実父も原爆症で同年10月に亡くなり、妹すみ(潘めぐみ)も原爆症で明日をも知れない日々を過ごすことになります。

 

それでも、運命を甘受するすずは、優しい周作に守られ、シラミだらけの戦争孤児を連れて、呉で再出発を図るのです。

 

そんなすずが過酷な運命に激しく憤る場面が、ひとつだけあります。8月15日の昭和天皇による終戦詔勅放送を聴いたあとです。実兄を戦死で亡くし、母を亡くし、自分も傷ついた戦争を簡単に負けて終わりにするなと涙を流しながら、怒るのです。その言葉が、胸に重く響きます。

 

 暴力で従えとったいう事か

 じゃけえ 暴力に屈するいう事かね

 それがこの国の正体かね

 うちも知らんまま死にたかったなあ……

 

唯一の激怒シーンですから、心に堪えます。ウソ偽らざる、当時の人の本音でしょう。

 

それでも、その怒りは少しずつ静まり、北條家の一員として、生きていくことを決める。この潔さと強さに、胸が熱くなります。

 

原作と少し違った絵の雰囲気とのんの声が、最高のマッチング。広島弁も、実に達者で、その声がいまでも耳にこびりついて離れません。

 

コトリンゴの透明感あふれる歌声も、素敵。冒頭の『悲しくてやりきれない』は、鳥肌ものです。

 

二度、三度と観たくなります。

 

++++++++++

画質(1.85:1/Digital): A+/A

 

撮影は、『きんいろモザイク Pretty Days』(2016)の熊澤祐哉。

 

機材・マスター・フォーマットは、不明。

 

見事なアニメ画質です。2Kでしょうが、非常に解像度は高く、不満はありません。これでもうひとつ上の深みが出たら、いうことなしです。4Kプロジェクター上映だと、それが出るのでしょうか。

 

中間色を多用したパステル画調の色調も、テーマに沿っていて、文句なし。発色に曖昧さはなく、美しい限りです。

 

黒の階調は、滑らか。コントラストが高く、見づらいシーンはまったくありません。

 

2列目でも、上述通り、テアトル新宿のスクリーンはそれほど大きくなく、ビスタでもすべて一度に視野に収められます。最前列でも、問題はなさそうです。

 

音質(Linear PCM): A

 

2列目に座ったせいでしょうか。フロント重視に感じられました。左右の広がりと移動感は、かなりのものですが、前後の移動感はほとんど感じられません。

 

それでも、包囲感はかなりのもの。音楽がやや団子状になるのが残念ですが、悪くはありません。

 

空襲シーンの迫力も、絶品。そのときだけサブウーファーが咆哮し、恐怖に身体が凍りついてしまいました。

 

ノイズ・フロアは、最低レベル。メタリックな響きも乗らず、耳に優しい分厚い音です。

 

セリフの抜けも、十分。サ行にきつさはなく、発音も明瞭です。

 

英語学習用教材度: N/A

 

英語はまったく登場せず、英語学習用のテクストとしては、残念ながら、使えません。

 

++++++++++

 

気になるところを、アト・ランダムに。

 

☆夫婦の情愛がこもった広島市の橋の上でのセリフのやりとりが、泣かせます。

 

 周作:この街は みんなが誰かを亡くして みんなが誰かを探しとる

 すず:みんなが 人待ち顔ですね

 周作:うん

    すずさん わしとすずさんが 初めて会うたんは ここじゃ

    この街も わしらも もうあの頃には戻らん

    変わり続けて 行くんじゃろうが

    わしは すずさんは いつでも すぐわかる

    ここへほくろがあるけえ すぐわかるで

 周作:周作さん ありがとう

    この世界の片隅に 

    うちを見つけてくれて ありがとう 周作さん

    ほいで もう 離れんで……

    ずっとそばに 居って下さい

 

☆『あまちゃん』以来ののんのすばらしさを痛感しました。早く実写に戻ってきてもらいたいものです。

 

原作のKindle版を購入すると、コミックだと700円なのが、540円になり、そのうえ200ポイントつきますから、1冊あたり340円で購入できることになります。つまり、全部を1020円で購入できるのです。貧乏英語塾長、購入して、一気に読んでしまいました。すばらしい本です。

 

++++++++++

 

映画ファン、戦争を知らない人、必見。強くオススメします!

 

| 日本映画(か行) | 10:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
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