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世界一キライなあなたに

 

原題:Me Before You (2016)
上映時間:110分
2016年10月1日 国内劇場初公開
公式サイト:https://warnerbros.co.jp/c/movies/sekakira/

立川シネマシティ・ワン h studio B-7
2016年10月12日(水)14時20分の回

ゴウ先生総合評価:   A-/B+
  画質(2.39:1/Digital): A+/A
  音質(Linea PCM): A/A-
  英語学習用教材度: C+

エミリア・クラーク主演によるラブロマンス。

 

準主演は、サム・クラフリンジャネット・マクティアチャールズ・ダンス

 

その他、ブレンダン・コイル、スティーヴン・ピーコック、マシュー・ルイス、ジェナ・コールマン、サマンサ・スパイロ、ヴァネッサ・カービー。

 

監督は、TVで活躍するテア・シャーロック。本作が、長編劇映画監督デビュー作。

 

脚本は、ベストセラー『ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日』を自ら脚本化したジョジョ・モイーズ

 

ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日 (集英社文庫)
集英社

 

Me Before You
Michael Joseph

 

☆世界で2億ドル以上を売り上げるメガヒット作

 

原作が2012年1月にアメリカで発売されると、すぐにベストセラーになりました。ネタ不足で悩む映画界が放っておくわけがなく、すぐに映画化に動き出します。そして、アメリカで今年5月23日、イギリスで6月3日に公開されると、またたく間に大ヒットし、2億ドル以上の売り上げを記録したのです。

 

とはいえ、評論家から絶賛されたわけではありません。Rotten Tomatoesでは、58%の支持率で、10点満点中5.6点ですし、Metacriticでは、100点満点中51点しか取れていないのです。それだけ新鮮さに欠ける内容だということですが、それでもこれだけのメガヒットを記録するには何か秘密があるはずです。

 

その秘密を知りたいことはもちろん、貧乏英語塾長、身体障害者の尊厳自死をめぐる純愛物語というテーマにも関心が募り、ぜひとも観たいと思っていました。

 

ところが、東京では7館でしか公開されていないのです。近場では新宿バルト9でやっていますが、4Kプロジェクター上映ではなさそうです。どうせなら高画質・高音質で観たいと思っていたら、会員である立川シネマシティで上映されているではないですか。それならばと出かけることにしたのでした。

 

入りは、2割程度。ガラガラですが、だれも座っていない列は前2列しかありません。他の観客を視野にまったく入れないのを理想とする貧乏英語塾長です。躊躇せず、前から2列目中央の席を確保したのでした。

 

☆あらすじ

 

舞台は、現代のイギリスの田舎町。

 

ルイーザ・“ルー”・クラーク(エミリア・クラーク)は、お洒落をすることが大好きな明るい26歳の独身女性です。ある日、働いていたカフェが閉店してしまい、突然ルーは失業してしまいます。しかし、実家の父バーナード・クラーク(ブレンダン・コイル)も失業しており、一家の稼ぎ頭として早く仕事に就かないといけません。

 

そんなときに得た職は、バイクにはねられたせいで脊髄を損傷し、首から下が動かなくなり、生きる希望を失ってしまった31歳の大富豪ウィル・トレイナー(サム・クラフリン)の世話係を6ヶ月するという仕事でした。

 

面接に30年前の母親の服を着て現れると、そこにはウィルの母親カミーラ・トレイナー(ジャネット・マクティア)と父親スティーブン・トレイナー(チャールズ・ダンス)が待っていました。緊張したルーは落ちたと思っていたのですが、何がよかったのか、採用となり、翌日から働くことになります。

 

最初は、奇妙な服装を身に着け、場違いな話ばかりをするルーに冷たく当たるウィルでしたが、ルーの明るさのせいで、ウィルの頑な心が溶けだし、やがてふたりは恋に落ちていきます。

 

ところが、ある日ルーは知ってしまうのでした、なぜ仕事が6か月しかないのかというその理由を……。

 

☆既視感たっぷりだが、捨てがたい

 

ストーリーは、予想通り、『最強のふたり』(2011)の設定に『シンデレラ』物語を載せて、尊厳自死を加えたものでした。しかし、役者たちがすばらしく、既視感で白けることなしに感じ入ってしまったのでした。

 

まずもって、イギリスの階級社会と現在の不況を重ねるオープニングが、月並みではありますが、悪くありません。

 

冒頭、ロンドンの豪華アパートで長身美女の恋人(ヴァネッサ・カービー)と同棲する貴族出身の投資銀行家ウィルの私生活が描かれた直後に、バイクにはねられたことを示唆するカットが続きます。

 

その直後、いきなり田舎町のカフェが登場し、老人客たちに親切にして人気があるのに、いきなり閉店のための退職で悩むウェイトレスのルーとその家族の姿が映されます。

 

イギリスが(というより日本もそうなのですが)、伝統的な階級制度に影響を受ける格差社会であることを立ちどころに見せ、そのうえで、ルーのウィルとの出会いを描くあたり、対比の妙とテンポのよさゆえに、飽きる暇がありません。

 

実際、この貴族と平民、大富豪と失業家族の対比は、主人公が世話係の面接で露骨に示されます。

 

ルー・クラークを演じるエミリア・クラーク(面白い偶然の一致です)は157僂靴身長がないのに、出迎えたウィル・トレイナーの母親を演じるジャネット・マクティアは185僉△修良很鬚離船磧璽襯此Ε瀬鵐垢191僂△蝓△海凌板杭垢縫ラーク家とトレイナー家の貧富と階級の差を表していると取れます。

 

とはいえ、この差がそのまま幸不幸の差にならないところが、本作の面白いところです。大富豪のトレイナー家には回復不能で自殺を欲する息子しかおらず、両親は常にふさぎこんでいるのですから。

 

他方、クラーク家は、父親と長女が失業して、次女が未婚の母となっているのに、通常ならあってもおかしくない暗い影がありません。朗らかににぎやかで楽しそうな日々を送っています。

 

そのクラーク家の明るさを象徴するルーが、トレイナー家の不幸を象徴するウィルの世話をするようになるのも、面白い設定です。

 

実際、ルーは、赦しの女性です。自分が失業しているくせに娘が失業したことを叱責する父親も、未婚の母となったくせにルーが行けなかった大学に通う妹も、ルーの都合も聞かずにトライアスロン・レースの応援にルーを連れて行こうとする恋人も、すべてを赦してあげるのです。

 

当然、ウィルの不機嫌さも、ルーは赦し、そのひまわりのような笑顔で包み込みます。「私は憎むことをしない」といいきるルーらしい態度です。このあたりのコミカルな展開は、ややもすれば暗くなりがちな映画を救い、強く胸を打ちます。

 

そして、ふたりが恋に落ちるのも、ごく当然のことに思われ、かつてのウィルの恋人の結婚式にルーとともに出席したウィルが、車椅子の上にルーを乗せて、ダンスを踊り、ふたりだけになろうと車いすで式を抜け出すあたり、見ているこちらの目頭が熱くなります。

 

その高揚があるだけに、ウィルが自殺の意思を変えないことに傷つくルーの気持ちに共感でき、運命の皮肉を呪いたくなります。

 

ウィルが五体満足なら、ルーと出会う機会などなく、ウィルが身体障害者になったからこそ、ルーは出会えたわけで、そしてそれはウィルが自殺へ向かう準備を手伝うことでもあるからです。

 

出会わずに、死別の苦しみを知らないほうがよかったのか。それとも、死別の苦しみを味わいつつも、出会って、恋に落ちたほうがよかったのか。

 

その答えを、映画は最後にルーの行動で表します。ルーの夢であった大学進学を可能にする金銭をウィルが遺贈したのです。そして、ウィルの遺言通りに、パリの指定されたカフェでコーヒーを飲み、指定された店で香水を買う。そのときルーが身に着けていたのは、ウィルが誕生日のプレゼントに贈ってくれた黄色と黒のミツバチ・ストッキングだったのです。

 

悲しい別れはあったけれども、ウィルの遺志はルーの明るい笑顔に込められて、この世の中に残ったと解釈できます。

 

もちろん、ルーに遺産を狙った打算があったかもしれません。しかし、映画前半でこれでもかと他人を赦し、貧乏くじを引き続けたルーには、そのくらいの幸運が舞い込んでもよいではないかと弁護したくなるのです。

 

重たいテーマを扱いつつも、後味のよい終わり方をする。凡百の死別もの映画とは一線を画す面白さがあります。メガヒットを記録したのもうなずけます。

 

++++++++++

 

画質(2.39:1/Digital): A+/A

 

撮影は、『エリザベス』(1998)でアカデミー撮影賞にノミネートされた、『イン・グッド・カンパニー』(2004)『マッチポイント』(2005)『タロットカード殺人事件』(2006)『ブラザーサンタ』(2007)『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(2007)『ミート・ザ・ペアレンツ3』(2010)TVシリーズ『ザ・パシフィック』(2010)『シャドー・チェイサー』(2012)『高慢と偏見とゾンビ』(2016)のレミ・アデファラシン

 

機材は、アリ・アレクサ・XT・プラスHDカメラを使用。マスター・フォーマットは、DI(2K)。

 

4Kプロジェクター上映。

 

解像度は高く、細部に甘さは見られません。彫りも深く、奥行き感もあります。ただし、このh studioの特徴なのか、ぬめるようなテクスチュアで、ビデオっぽくなるのがいただけません。それさえなければ、A+と評価しました。

 

発色は、ニュートラル。色数は多く、ど派手なルーの服や靴が鮮明に映えます。特に、結婚式に来ていったドレスの赤の鮮やかさは格別で、チラシやポスターの写真よりもヴィヴィッドです。肌の質感もナチュラルで、違和感はありません。

暗部情報は、十分。黒はかなり沈み、暗いシーンでも、見づらさはほとんどありません。

 

2列目だと、シネスコ・スクリーンすべてを一度に視野に入れることはできません。ですが、ポイントを絞った絵が多い映画なので、それで問題はありません。サウンドホールもまったく目立たないスクリーンなので、かぶりつき派としては、十分に満足です。

 

音質(Linear PCM): A/A-

 

KICリアルサウンドアナログ・システム。

 

絵と比べると、音にはもの足りなさを覚えます。

 

フロント重視の音響設計。後方にも音は回りますが、音楽やアンビエント成分がメインで、派手なサラウンド効果はほとんど使われません。それでも、立体音場はまずまずの密度感があり、寂しさを覚えずにすみます。

 

ノイズフロアは、最低レベル。それでも、細かい環境音は記憶に残りません。ヒット・ポップスが多用されますが、団子にならず、すっきりしています。金属的な不快成分もなしです。

 

セリフの抜けは、十分。ブリティッシュ・アクセントが使われますが、サ行も滑らかで、ヒステリックになることもなく、スムーズに耳に馴染みます。

 

超低音成分は、控えめ。ほとんど入ってないような印象です。

 

英語学習用教材度: C+

 

翻訳は、藤澤睦美。

 

セリフは、大量。俗語・卑語は、まったく使われません。PG-13指定となっているのは、自殺を取り扱う素材のためです。安心して、テクストに使えます。

 

藤澤さんの字幕は、滑らかそのもの。スムーズな視聴を可能にします。

 

++++++++++

 

気になるところを、アト・ランダムに。

 

原題は、Me Before You。これにはふたつ意味があるようです。ルーの立場から訳せば、「あなたに会う前の私」と「あなたの目の前の私」。ウィルの側から訳せば、「君に会う前のぼく」と「君の目の前のぼく」というところでしょうか。原作から採られたタイトルですが、本作の主題を表しています。邦題は、工夫していますが、ルーはウィルのことを「世界一キライ」だったわけでもなかろうにと文句をいいたくなります。

 

エミリア・クラークは、1986年5月1日生まれの30歳。TV『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズ(2011〜2016)の    デナーリス・ターガリエンや『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015)でサラ・コナーが有名ですが、すべて違ったタイプの役に挑戦するあたり、この人の役者根性を評価したくなります。とはいえ、本作がキャリアベスト。決して美人美人していませんが、あの顔が壊れたかと思わせるほどの笑顔が最強です。

 

サム・クラフリンは、1986年6月27日生まれの30歳。個人的には『ハンガー・ゲーム』シリーズ(2013〜2016)のフィニック役で記憶に残る人です。あまりよい印象をもっていなかったのですが、本作で見直してしまいました。リリー・コリンズと共演した『あと1センチの恋』(2014)を未見なので、観てみることにします。

 

あと1センチの恋 スペシャル・プライス [Blu-ray]
TCエンタテインメント

 

☆大好きなジャネット・マクティア(1961年5月8日生まれ)が登場してきて、うれしくなりました。彼女の背の高さがこれほど劇的効果を高めたのは『アルバート氏の人生』(2011)以来かもしれません。この人の出る作品に駄作はありません。

 

チャールズ・ダンス(1946年10月10日生まれ)は、いつもの悪役とは違って、息子想いの父親役。こういう好々爺のダンスもよいものです。

 

☆2000万ドルの製作費で、これまでのところ、全米で5625万ドル、世界で2億675万ドルのメガヒット。すごい収益率です。


アメリカでは8月30日にBlu-ray Discが発売されています。

 

 

仕様は、次の通りです。残念ながら、日本語字幕・日本語吹替えはつきません。


 Region Free
 容量: 2層50GB
 映像: MPEG-4 AVC/1080p/2.39:1 (27.88 Mbps)
 音声: DTS-HD Master Audio 5.1 (48kHz, 24-bit)(英語)
      Dolby Digital 5.1 (640 kbps)(英・仏・西・ポル語)
 字幕: 英・仏・西・ポル語

 

特典は、多くはありません。

 

 Me Before You: From Page to Screen (1080p; 1.78:1; 5:40)
 Outtakes (1080p; 2.35:1; 2:15)
 Deleted Scenes (1080p; 2.35:1; 6:11)

 

米アマゾンでは、今日現在、19.99ドルで販売されています。

 

++++++++++

 

恋愛映画ファン、必見。画質・音質のよい劇場でどうぞ。オススメします!

 

| 外国映画(サ行) | 14:25 | comments(0) | trackbacks(0) |
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