CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
英語で「日本国憲法」を読んでみる―The Constitution of Japan
英語で「日本国憲法」を読んでみる―The Constitution of Japan (JUGEMレビュー »)
別冊宝島編集部
英語で憲法を読んでみれば、戦勝国アメリカから押し付けられたことが手に取るように分かります。50年以上、修正されていない憲法。時代にそぐわない内容。それでも、憲法改正、不要ですか?
★★★★★
RECOMMEND
駅 STATION [DVD]
駅 STATION [DVD] (JUGEMレビュー »)

高倉健を知りたければ、まずこの一本。「渋さ」の意味が分かります。★★★★★
<< ポリーニのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集が、1枚500円もせずに買える | main | 『ズートピア』の英盤3D BDを1570円で購入 >>
アンネ=ゾフィー・ムター 室内楽の夕べ 〜ムター・ヴィルトゥオージ

 

2016年10月4日(火)午後7時6分-9時10分
サントリーホール 大ホール 
C席 2階RA5列20番(3000円)

ゴウ先生総合評価: A+

世界最高の女流ヴァイオリニスト、アンネ=ゾフィー・ムター(1963年6月29日生まれ)のコンサートをへ行ってきました。

 

サントリーホール開館30周年記念事業の一環として、「サントリーホール スペシャルステージ2016」として今月4回行われる次のコンサートの第一弾です。

 

 4日(火)    室内楽の夕べ 〜ムター・ヴィルトゥオージ
 5日(水)    ヴァイオリン・リサイタル
 7日(金)    スペシャル・コンサート〜アクティブ・シニアでいるために
 9日(日)    協奏曲の夕べ

 

昨夜は室内楽の人気曲を並べたものでしたが、非常にレベルが高く、ファンを大切にするムターの誠実な態度にも、大いに感激したのでした。

 

☆演奏曲目

 

 プレヴィン: 2つのクァルテットとコントラバスのためのノネット
 J. S. バッハ: 2つのヴァイオリンのための協奏曲  ニ短調  BWV1043
 ヴィヴァルディ: ヴァイオリン協奏曲集『四季』  op. 8

  アンコール1:ヴィヴァルディ:『四季』第2番「夏」から第3楽章 
  アンコール2:J.S.バッハ:G線上のアリア

 

☆演奏時間

 

 プレヴィン    7:06−7:26
 バッハ      7:30−7:46
 ヴィヴァルディ  8:12−8:54
  アンコール1  8:00−9:00
  アンコール2  9:02−9:07

 

☆演奏者

 

 ヴァイオリン:アンネ=ゾフィー・ムター
 チェンバロ:ランバート・オルキス
 ムター・ヴィルトォージ:
    Vn:リュウ・ウェイ、イェウン・チェ、ファニー・マクマジラン、
     ナンシー・ゾウ
  Va:ウラディーミル・バベシコ、ファユン・イ
    Vc:キャン・ソルターニ
  Cb:ロマン・パトコロ
 サントリーホール室内楽アカデミー選抜メンバー:
  Vn:内野佑佳子、小川響子、竹本百合子、宮本有里
  Va:古賀郁音
  Vc:加藤陽子、松本亜優

 

☆ムター、トレードマークのタイトな肩出しドレスで登場

 

5月にこのコンサートを調べたら、C席だとたったの3000円ですむではないですか。これなら貧乏英語塾長も購入できます。

 

ただし、いつも好んで選んでいるステージ背後のP席には気に入った席がなく、2階上手側の通路脇の席を選んだのでした。

 

ところが、これが大正解。下手側のステージ出入口が丸見えですし、下手側に立って、つまり上手側に顔を向けて演奏することが多いムターの表情もはっきりと確認できます。これからは、好んでこの席を取ることに決めたのでした。

 

さて、ヴァイオリン王国の女王アンネ=ゾフィー・ムターの降臨は、もちろん、ムターの代名詞である肩出しのタイトドレスともにあります。色は、ロイヤルブルー。金髪と白い肌によく似合います。

 

インターネットのインタビュー映像を観ると、老けを感じたのですが、生で見ると、どうしてどうして、いまもってスタイルは抜群で、妖艶そのものです。やはり、ヴィジュアル的にも魅力的な演奏家のほうが、生で間近で見るときには楽しいものです。

 

☆若々しく情熱的

 

1曲目は、指揮者・ジャズピアニスト・映画音楽家としても有名な、ムターの元夫アンドレ・プレヴィン(1929年4月6日生まれ)による「2つのクァルテットとコントラバスのためのノネット」です。

 

2014年にムターの依頼で作られ、2015年8月26日にエディンバラ国際フェスティバルでムターとムターが率いる若手演奏家集団ムター・ヴィルトォージによって初演されました。今回が、日本初演となります。

 

2006年にムターは5年にわたるプレヴィンとの結婚を解消したのですが、離婚後も仲はよいようです。

 

2組の弦楽四重奏団を、コントラバスが結びつける構成のノネット(九重奏曲)で、ステージでは後者を扇の要にしてふたつのカルテットが鋭角に客席に向かって並ぶという配置です。ムターは下手側の先頭に立ち、全体を指揮しながら、演奏します。

 

ひょっとしたら、CD・ネット配信で聴けるのかもしれませんが、貧乏英語塾長は初めて。確かに、一部には現代音楽っぽい難解なフレーズが並びますが、メロディアスな曲を書いてきたプレヴィンですから、途中には古典派・ロマン派を思わせる甘い旋律が挟まります。

 

おかげで、バッハ、ヴィヴァルディにつながる演奏曲目として、違和感がありません。CDでじっくりと聴きたい欲求にかられました。

 

ムターのパートは、特に甘く響き、プレヴィンのムターへの恋心を聴いたかのような気がします。錯覚でしょうか。

 

バッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲では、ムターは面白い趣向を試みます。第1ソロヴァイオリンは自身がすべてやるのですが、3楽章構成のこの曲の第2ソロヴァイオリンを、次のようにそれぞれ違う3人の奏者に任せたのです。

 

 第1楽章:リュウ・ウェイ
 第2楽章:イェウン・チェ
 第3楽章:小川響子

 

中国、韓国、日本のヴァイオリニストをドイツ人の女王が率いる。音楽の特徴に合わせたというよりも、実力と日本のファンを重視した登場順番だと思いますが、小川が出てくると、こちらの気持ちが入るのも事実です。

 

演奏は、スピーディー。さくさく進むのが心地よくて、ライブ感十分です。それでも、破綻することなく、ふたりのソロヴァイオリニストがうまく掛け合い、バックがそれをフォローします。ジャズっぽい趣きが出るところに、ムターの音楽づくりの楽しさがあります。

 

貧乏英語塾長の愛聴盤は、ギドン・クレーメルとその元妻タチアナ・グリンデンゴがソロイストを務める1980年録音のものです。

 

バッハ:ヴァイオリン協奏曲集
クレーメル(ギドン)
日本コロムビア

 

ムターも、34年前19歳の時に、巨匠サルヴァトーレ・アッカルドと録音したものがあります。

 

バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 他(クラシック・マスターズ)
アンネ=ゾフィー・ムター&サルヴァトーレ・アッカルド
ワーナーミュージック・ジャパン

 

新しい録音をしてくれればよいのですが。

 

20分ちょっとの休憩を置いて、ヴィヴァルディの『四季』です。

 

ムターは、1999年5月にこの曲を録音して、CD化しており、今回はそれを聴いて予習しました。

 

ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」/タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ「悪魔のトリル」
ムター(アンネ=ゾフィー)
ユニバーサル ミュージック

 

17年も経ち、音楽に対する考え方も、一緒に演奏するプレイヤーの顔ぶれも変わったせいでしょう。まったく別の音楽に聴こえて、ビックリしました。

 

もっとも違うのは、貧乏英語塾長のオーディオ装置では細身で繊細な音に聴こえるのが、実に分厚い音なのです。サントリーホールの響きのよさと馥郁たる最高級弦楽器の鳴りの美しさと秀逸な技術によるものでしょう。心を奪われました。

 

これがライブの醍醐味といわんばかりに、多少統制が取れなくても、感情を曲にぶつけるチーム・ムターは、調教されきったCDの行儀のよい演奏とはまったく別の側面を見せます。

 

ヴァイオリンがムター以外に8人、ヴィオラが3人、チェロが3人、コントラバス1人、チェンバロ1人というこじんまりとした構成なのに、トウッティの迫力は、格別。若々しい情熱を感じます。ライブは、こうでなければいけません。

 

特に、アンコールでも弾かれた第2番「夏」の激しさから第3番「秋」へ向かうあたり、スリリングでグルーヴィー。身体が揺れます。しかも、ムターの演奏は力強く、チームをぐいぐい引っ張っていきます。

 

とりわけ、「秋」と「冬」の速さは、1999年CDよりそれぞれ1分以上速く、聴いている側も力が入ります。これこそ、“男前女王”ムターの面目躍如という感じです。

 

演奏がすむと、ムターはチームメンバーひとりひとりとハグとキス。すばらしい光景です。

 

3回のカーテンコールで、始まった1回目のアンコール。『四季』の「夏」第3楽章は、先ほど以上に気が入ったもので、これこそ「ヴィルトゥオージ」(virutuosi:複数形、イタリア語で「達人」の意味)を率いた「ヴィルトゥオーサ」(virutuoisa:女性単数形)であると思い至った次第です。

 

これで終わりかと思ったら、またもや3回のカーテンコールで、2回目のアンコールを始めてくれます。しかも、だれもが知っている有名曲中の有名曲バッハの「G線上のアリア」ではないですか。そのしっとりとした響きは、観客の心を癒し、気持ちよい感慨の中で家路に着くことを可能にしてくれました。

 

しかも、ムターはすべての観客を大切にしてくれます。多くの演奏家は、ステージ正面の客へのあいさつは丁寧なのですが、ステージ背面の客にはあっさりしたもの。ところが、チーム・ムターは、全員が背面を向いてお辞儀をするのです。

 

ヴィンヤード形式のサントリーホールでは、背面の席にこそ熱心な音楽ファンが詰めかけます。その立派な態度がとてもうれしく、深い感銘を受けました。

 

さらに、ムターは日本の若いクラシック音楽ファンを増やそうとして、学生用に1000円の席を用意してくれているのです。頭が下がります。

 

ムターがリュウ・ウェイの腕にすがってステージを去る9時10分まで、しっかりと拍手をし、大満足の夜をもらった謝意を表したのでした。

 

| 音楽 | 13:07 | comments(1) | trackbacks(0) |
コメント
はじめまして、映画好きなので
ときどき読んでました。

私もこのコンサートに行って感激しました。
ちょうど向かい側の席だったのですね。。。私はLA5列でした。
周囲は学生さんが多く、きっと彼らのこやしになったことでしょう。

このレビューを読んで、あの晩の感動がよみがえりました。
さすが、ゴウ先生です! どうぞごきげんよう。
| えりり | 2016/10/14 7:25 PM |
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://blog.indec.jp/trackback/1063190
トラックバック