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健さん

 

上映時間:95分
2016年8月20日 国内劇場初公開
公式サイト:http://respect-film.co.jp/kensan/

 

新宿 K's Cinema A-5
2016年9月1日(木)9時00分の回

 

ゴウ先生総合評価: A-/B+
  画質(1.85:1/Digital): A
  音質(Linear PCM 5.1): B+
  英語学習用教材度: C-

ニューヨークを拠点に、写真家としても活躍する日比遊一の監督により、2014年11月10日に亡くなった映画俳優・高倉健の足跡を関係者の証言でまとめたドキュメンタリー。

 

エグゼクティブ・プロデューサーは、『月はどっちに出ている』(1993)『のど自慢』(1999)『ゲロッパ!』(2003)『パッチギ!』(2004)『フラガール』(2006)の李鳳宇

 

プロデューサーは、『太秦ライムライト』(2013)『バケモノの子』(2015)の増田悟司
 

主な出演者は、マイケル・ダグラス、マーティン・スコセッシ、ジョン・ウー、ポール・シュレイダー、ヤン・デ・ボン、ユ・オソン、降旗康男、澤島忠、山田洋次、梅宮辰夫、八名信夫、中野良子、川本三郎、立木義浩。

 

語り、中井貴一。

 

☆本作は、新宿昭和館跡のK's Cinemaで観たい

 

かつて任侠映画ファンの聖地ともいうべき名画座が新宿にありました。「新宿昭和館」です。1932年12月22日に開館し、2002年4月30日に閉館になりました。

 

アメリカ留学から引き揚げて、将来の不安に怯えていた1994年の秋、貧乏英語塾長は高倉健さんに勇気をもらいたくて、健さんの映画がかかると、昭和館に通い、1日3本立ての任侠映画に拍手を送ったものです。

 

ただし、ガラとマナーは悪くて、劇場内でタバコを吸うオッサンもいれば、気をつけないと椅子にガムがついていたりという状態でした。まあ、それは、同じく任侠映画を専門とした名画座である中野武蔵野ホールや浅草名画座も同じでしたが。

 

その跡地に建てられたビルの3階にあるのが、2004年3月6日にオープンしたK's Cinemaです。一度は行きたいと思いつつも、観たい映画がなかなかかからず、縁遠い劇場となっていました。

 

ところが、今回健さんのドキュメンタリー映画『健さん』が、この劇場で公開されると知って、ならば観るならこの劇場だと思ったのでした。

 

何せ、真実はどうだか知りませんが、K's Cinemaの“K”は、高倉「健」と鶴田「浩二」、ついでに中村「錦」之助の”K”ではないかと思っているものですから。

 

あれこれスケジュールを調整していたら、ファーストデイに観るのがいちばんよいことがわかり、この劇場では1000円で観られますから、これ幸いと、昨日朝イチの回に自転車で駆けつけたのでした。

 

8時45分に窓口に到着。もらった整理券の「ご入場番号」が、5番。結局、同好の士は、たったの6名。77席しかないミニシアターとはいえ、ガラガラ。寂しい限りです。

 

それでも、待合室には任侠映画時代のポスターがずらり。かなり傷んでいるものもありましたから、昭和館時代から残ったものかもしれません。

 

都内では3館でしか上映されていない作品ですが、高倉健さんについてのドキュメンタリーだとこんなものかもしれません。

 

貧乏英語塾長、健さんを独り占めしたくて、最前列中央の席に腰かけ、健さんをいまでも見上げているように、スクリーンを見上げることにしたのでした。

 

☆総花的になるのは、仕方がないか

 

マイケル・ダグラス、マーティン・スコセッシ、ジョン・ウー、ポール・シュレイダー、ヤン・デ・ボン、ユ・オソンという海外のビッグネームが出演するというので、健さんファンとしては中身に関しては予想できました。

 

マイケル・ダグラスは、『ブラック・レイン』(1989)の思い出。

マーティン・スコセッシは、長年の交流から今年全米公開予定の『沈黙』への出演要請。

ジョン・ウーは、『君よ憤怒の河を渡れ』(1976)のリメイク。

ポール・シュレイダーは、『ザ・ヤクザ』(1974)と問題作『MISHIMA』(1985)問題。

ヤン・デ・ボンは、『ブラック・レイン』と夢に終わった『ゴジラ』製作。

ユ・オソンは、『ホタル』撮影の際のソウルでの面会。

 

この中で、知らなかったのは、デ・ボンが『ゴジラ』の製作準備中に健さんへの出演要請をして、健さんは乗り気になっていたのに、1億5000万ドルという製作費にスタジオがOKを出さなかったという話です。

 

結局、この映画はローランド・エメリッヒ監督により『GODZILLA』(1998)として完成されましたが、ご存知の通り、非常に評判の悪いものでした。エメリッヒに1億3000万ドルもかけてあの駄作を作らせるぐらいなら、デ・ボン・健さんチームに作らせておけばよかったのです。バカなトライスターです。

 

日本側の降旗康男、澤島忠、山田洋次、梅宮辰夫、八名信夫、中野良子、川本三郎、立木義浩にしても、健さんファンからすれば、どこかで聞いた話をするだけです。

 

この結果、健さんの生涯が総花的に、それほど新しい真実を明かされることもなかったのが、残念なところです。

 

そのせいもあって、個人的に面白いと思ったのは、健さんのプライベートの生き方を語ってくれる人たちでした。

 

もっとも面白かったのは、長年付き人をしていた西村泰治さんです。健さんからもらったローレックスの腕時計を健さん流に右手首にはめて、「旦那」の思い出話を京都弁で語ってくれます。

 

もっとも感銘を受けた話は、健さんが任侠映画から足を洗った理由についてのものです。健さんは、自宅の火災全焼、離婚とトラブル続きのときに、大津長寿院の大阿闍梨に相談したそうです。すると、大阿闍梨から、役の上からとはいえ、多くの人を刀で殺してきた報いだといわれ、任侠映画に出るのが嫌になったとか。一度嫌になると、てこでも変えない健さんですから、ありえる話だと思ってしまいました。

 

西村さんの息子さんの結婚式に健さんが現れ、祝辞を述べるシーンも、カッコよいものでした。「人生でもっとも華やかなのは、いまのこの時だけ。これからは苦しい日々が続きます」と健さんがいうと、「本当にそうだ」と思ってしまうのでした。

 

健さんの妹さんである森敏子さんも、健さんに似て美しく、たおやかで、明るい方で、小田家というのは本当にすばらしいご家族であったのだと感心してしまいました。

 

その他、面白いのは、使われた健さんの写真が圧倒的に任侠映画時代のものが多かったこと。この辺の焦点の合わせ方は、悪くありません。

 

あれこれ不満はありますが、健さんへの想いを再燃させてくれた映画であることは間違いありません。在りし日の健さんをしのんで、主演作を片っ端から観直したくなってしまったのでした。

 

合掌。

 

++++++++++

画質(1.85:1/デジタル): A

撮影は、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』(2007)『キャタピラー』(2010)『かぞくのくに』(2011)『道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48』(2015)の戸田義久

機材は、詳細は不明。HDカメラを使用した模様。

 

スクリーンはそれほど大きくはありません。幅5m×縦3mというところでしょうか。機材の詳細はわかりませんが、2Kプロジェクターによる上映です。

 

こじんまりとしたスクリーンだけに、ビスタ・サイズだと最前列でも何とか全体を収められます。ただし、台形になるのは致し方ありません。

 

予告編が、おそらくDVDによる上映だったと思うのですが、解像度は低く、輪郭がダブるために、どうなることやらと心配したのですが、本編はきちんとしたDCPで、満足できるデジタル映像でした。

ドキュメンタリーですが、それほどビデオビデオしておらず、彫りの深さも、奥行き感も感じられます。

発色は、ニュートラル。スキントーンを含め、違和感はありません。バストアップや顔のクローズアップが多用されますが、まったく問題なしです。

音質(Linear PCM 5.1): A-/B+
  
縦に長いシューボックス型の劇場のせいでしょう、前方からの音圧が非常に高く、最前列に座ると、子左右後方からの音はほとんど聞こえません。

 

しかも、前方からの音は、割れがち。いささか問題です。左右の広がりもそれほどではなく、音楽も団子状になります。ただし、『ブラック・レイン』の主題歌“I'll Be Holding On”は、爽快。ゾクッと来ました。

セリフの抜けも発音も、申し分なし。発音も明瞭です。

英語学習用教材度: C-

 

聴き取りやすさでいうと、マイケル・ダグラスはさすが。滑舌もしっかりしていて、ゆっくり正確に話すので、TOEIC800点の人でも理解できるはずです。

 

ただし、マーティン・スコセッシ、ポール・シュレイダー、ヤン・デ・ボンはかなりの難物。スコセッシは早口のブロンクス訛りですし、シュレイダーは滑舌が甘くだみ声で、デ・ボンはオランダ訛りがまだ取れていません。


++++++++++

 

気になるところを、アト・ランダムに。

 

☆大阪には、昭和館を思わせるような「新世界東映」という、健さんの映画がよくかかる任侠映画専門の名画座があるとか。今度大阪に行ったら、行かないといけません。通天閣のすぐそばです。

 

☆健さんのことを、マイケル・ダグラスはジャック・ニコルソンのように予習しているのにそのそぶりを見せない、ポール・シュレイダーはスティーブ・マックイーンのようにすべてが高倉健になるというのには、彼らのリップサービスの巧さを感じます。でも、健さんファンとしては、悪い気がしないですね。

 

☆昭和館に関していえば、次の本がベストです。

 

名画座番外地―「新宿昭和館」傷だらけの盛衰記 (幻冬舎アウトロー文庫)
川原 テツ
幻冬舎

レビューは、こちら!

 

++++++++++

 

出演者の豪華な割には、印象の薄いドキュメンタリーですが、健さんファンなら観て損はないはずです。ファン限定で、オススメします!

 

| 高倉健映画 | 13:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
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