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ショート・レビュー:母と暮せば(BD)
母と暮せば [Blu-ray]
松竹

2015年松竹製作
上映時間:2:10:07
2015年12月12日 国内劇場初公開
公式サイト:http://hahatokuraseba.jp/

ゴウ先生総合評価: A-
  画質(1.85:1): A
  音質(DTS-HD Master 5.1): A
  英語学習用教材度: F
山田洋次監督・脚本による人間ドラマ。

共同脚本は、『十五才 学校IV』(2000)以来、『釣りバカ日誌16 浜崎は今日もダメだった♪』(2005)TV『祖国』(2005)『武士の一分(いちぶん)』(2006)『母べえ』(2007)『おとうと』(2009)『東京家族』(2012)『小さいおうち』(2013)『家族はつらいよ』(2016)と山田洋次と組んできた平松恵美子

主演は、吉永小百合、二宮和也

準主演は、黒木華

その他の共演は、浅野忠信、加藤健一、広岡由里子、本田望結、小林稔侍、辻萬長、橋爪功。

☆劇場で観たかった作品を、BDで観る

サユリストに申し訳ないくらいに、吉永小百合に対して何の思い入れもない貧乏英語塾長です。その出演作のほとんどを観ていません。最近観たものといえば、『母べえ』(2007)ぐらい(「最近」ではない?)。その前は、高倉健さんと共演した『動乱』(1980)『海峡』(1982)までまったく観ていないという体たらくです。

しかし、広島原爆を素材に井上ひさしの戯曲で黒木和夫監督・脚本によって宮沢りえ・原田芳雄主演映画『父と暮せば』(2004)の続編を、井上の代わりに山田洋次が作った映画に吉永が出るとなれば、話は変わります。
 
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しかも、長崎の原爆にまつわる映画です。絶対に劇場でと思っているうちに、都合がつかずにアウト。そこで、英語学習には直接役立ちませんが、6月15日にリリースされたBlu-ray Discで観ることにしたのでした。

☆あらすじ

舞台は、1945年8月9日から1949年正月にかけての長崎市。

1948年8月9日、長崎原爆投下の日から3年、福原伸子(吉永小百合)は、助産婦としてひとりで慎ましく暮らしていました。夫と長男は戦死し、長崎医科大に通っていた次男・浩二(二宮和也)も長崎の原爆で亡くなってしまたためです。

そんな伸子を気にかけてくれていたのが、浩二の恋人だった佐多町子(黒木華)でした。いまでも伸子の家に足繁く通ってきては、あれこれ世話をしてくれるのでした。

そんなある日、伸子の前に浩二が幽霊となってひょっこりと姿を現わします。以来、浩二はたびたび現われては、伸子と思い出話に花を咲かせるようになります。笑いの絶えない楽しい2人の会話でしたが、最後は決まって町子の話になっていくのでした……。

☆吉田小百合・黒木華のふたりの名演に涙がとまらない

原爆で息子を亡くした母。原爆で恋人を亡くした恋人。このふたりを演じた吉永小百合と黒木華が、絶妙のコントラストを示して、胸を打ちます。

脚本的には不満が残ります。『父と暮せば』(2004)の域に達していません。ですが、吉永と黒木のおかげで、映画は強いインパクトをもっています。山田洋次は、吉永と黒木に頭が上がらないはずです。

映画は、原爆で死んでしまった浩二の母・伸子とその恋人・町子が、厳しい戦後を生き延びる姿が描かれるのですが、その淡々とした描かれ方が胸を打ちます。

伸子は、町子の幸せを願って、浩二を忘れろという。町子はそんな気になれない。本音は、おそらく、伸子はいつまでも町子に浩二を忘れてほしくないと思い、町子とともに過ごしたいと思っているはずです。それなのに、その逆をいう。戦後の厳しい時代の中で、本音をぐっと押し殺す吉永の昭和の母親ぶりは圧倒的です。

しかし、映画的には、浩二の幽霊が出てくる以外にも、もう少しひねりや笑いを組み入れるべきだったと思います。そうすることで、より原爆の残酷さを強調すべきだったと思うのですが、どうやら山田洋次はそうする気がなかったようです。あえてシンプルに本音を押し殺す吉永を描きます。

とはいえ、映画を観ているときにはそういう不満はほとんど気になりません。対照的な吉永小百合と黒木華に強く引き付けられるのです。落ち着いた低音で語る吉永と可愛らしい高音の黒木。くっきり眼(まなこ)美人の吉永とすっきり眼(まなこ)美人の黒木。そのふたりが手と手を取り合って戦後を乗り切いっていく。その姿に、涙腺はどんどん緩くなっていきます。『小さいおうち』といい、吉永のような大先輩に一歩も引けを取らない黒木は、たいした女優です。

そこに、メニューインがソロイストを務めるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が流れるのには、ガーンときます。この曲は死んだ浩二がもっとも好きな曲であり、戦争で片足をなくしながらも生き延びて町子の新しい恋人となる黒田正圀(浅野忠信)が出生する前に聴いた最後の曲。この不思議な縁が町子と黒田をつなぐことになるわけで、浩二が町子の愛のキューピッドを務めるあたりに、映画のたくらみを見るとともに、浩二の切なさを感じます。

役者たちが使う長崎弁も、ネイティブとはいえないものの、長崎出身じゃない役者たちにしては立派なものです。町子が黒田を連れてあいさつに来たときに吉永小百合が浩二と町子が一緒に写っている写真を「直しておかんばね」と机の引き出しに収納するのには、佐世保生まれの貧乏英語塾長は、それだけで心にズシンときてしまいました。

吉永、黒木、二宮以外では、何といっても、諫早市の復員局の職員を演じた小林稔侍が最高です。町子が教え子の少女を連れて、その父親の消息を尋ねに行くと、フィリピンで戦死したことを静かに告げつつも、本人も左手は手首から先がないのです。その抑制した演技は圧倒的です。

『小さいおうち』に次いで、山田組に参加した浅野忠信も、出演時間はわずかなものの、その風情から町子を幸せにしてくれそうなオーラを発散してくれます。この人も、すばらしい俳優です。

ともあれ、民間人に対する大量虐殺を行ったアメリカへの怒りを押し殺し、今日一日を精一杯生きることを考える庶民の気持ちを描いた秀作だといえます。

原爆批判といえば、1948年8月9日の日に辻萬長演じる長崎の老人が、原爆のことを「人間のすっことじゃなか」と言い放つだけ。これが山田洋次の美意識なのでしょう。

それでも、胸に堪えます。

内容: A-

++++++++++

『おとうと』(2009)『東京家族』(2012)『小さいおうち』(2013)『家族はつらいよ』を撮影した近森眞史が35mmフィルム・カメラで撮影した本作は、ほどよくグレインが残っていて、実にフィルムルックです。それでいて、解像度も高く、彫りも深ければ、奥行き感も十分。発色はニュートラルで、色数も多く、鮮やか。暗部情報も満足できるレベルでした。間違いなく、高画質です。

音質も悪くありません。左右前後に音を定位させた音響設計は、つながりもスムーズです。移動感はさほどではありませんが、包囲感は十分。ノイズ感はなく、虫の鳴き声など細かい環境音がよく聞こえてきます。超低音の量はないものの、原爆投下シーンはドーンと来ます。

++++++++++

坂本龍一の音楽は、荘厳なオーケストラ曲で胸に迫ります。『レヴェナント』(2015)より上でしょう。

特典は、次の特報・予告編集です。

  ‘段鵝0:31)
 ◆‘段2(0:31)
  予告編30秒(0:31)
 ぁ〕醜霾圈1:31)

映像:
  .咼好拭Ε汽ぅ此1.78:1)のHD画質(AVC/1080・24p)
 ◆銑ぁ.咼好拭Ε汽ぅ此1.85:1)のHD画質(AVC/1080・24p)
 
音声: DTS-HD Master Audio 5.1

☆その他3種類のBDが入手可能です。
 
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BDは、スタンダード版だと特典がないので、勧めるのには抵抗がありますが、映画は観て損はありません。オススメします!
| 日本映画(は行) | 09:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
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