CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
英語で「日本国憲法」を読んでみる―The Constitution of Japan
英語で「日本国憲法」を読んでみる―The Constitution of Japan (JUGEMレビュー »)
別冊宝島編集部
英語で憲法を読んでみれば、戦勝国アメリカから押し付けられたことが手に取るように分かります。50年以上、修正されていない憲法。時代にそぐわない内容。それでも、憲法改正、不要ですか?
★★★★★
RECOMMEND
駅 STATION [DVD]
駅 STATION [DVD] (JUGEMレビュー »)

高倉健を知りたければ、まずこの一本。「渋さ」の意味が分かります。★★★★★
<< 英語学習に役立つ国内盤BD 12月23日発売分 | main | 気になる英語表現(15-42):米国よ、コレマツ判決を破棄せよ >>
海街diary(BD)

2015年 東宝=ギャガ製作
上映時間:2:06:49
2015年6月13日 国内劇場初公開
公式サイト:http://umimachi.gaga.ne.jp/

ゴウ先生総合評価:  A
  画質(1.85:1): A/A-
  音質(DTS-HD Master 5.1): A
  英語学習用教材度: F
『誰も知らない』(2004)『花よりもなほ』(2006)『歩いても 歩いても』(2007)『奇跡』(2011)『そして父になる』(2013)の是枝裕和監督・脚本による人間ドラマ。

原作は、吉田秋生によるコミック『海街diary』(小学館「月刊フラワーズ」連載)。


主演は、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず。

共演は、加瀬亮、鈴木亮平、池田貴史、坂口健太郎、前田旺志郎、キムラ緑子、樹木希林、リリー・フランキー、風吹ジュン、堤真一、大竹しのぶ。

カンヌ国際映画祭において、パルムドールにノミネート。

☆鎌倉?崩壊した家族の再生?ひょっとして、小津?

カンヌ映画祭の報道があっても、ほとんど関心はありませんでした。ところが、本作の舞台が鎌倉で、崩壊した四姉妹の家族が再生する物語と知ると、「それって、小津安二郎?」と関心をもってしまったのです。そして、一度は観てみたいと思っていたのでした。

この結果、劇場まで行ってもいいかと、最近の邦画にはありえない反応をしたのですが、結局ぐずぐずしているうちに、公開終了となってしまいました。

そうなれば、Blu-ray Discを使わざるを得ません。すると、貧乏英語塾長にはうれしいことに、上掲のスタンダード・エディションがレンタルBDとして12月16日にリリースされるというではありませんか。その当日に近くのゲオから借り出すことができたのでした。

☆あらすじ

舞台は、現代の鎌倉。

香田家の幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)の三姉妹は、鎌倉の古い家に暮らしています。父親は不倫の末に15年前に家を出て行き、その1年後、母・都(大竹しのぶ)も再婚していなくなり、いまはこの3人だけがこの家に住んでいるのです。

そんなある日、山形から父の訃報が3人のもとに届きます。父の出奔した理由となる不倫相手も既に他界し、3人目の結婚相手と山形の田舎町で暮らしていたのでした。

葬儀に参列した三姉妹は、そこで腹違いの妹である13歳の浅野すず(広瀬すず)と出会います。血のつながりのない義母といっしょにいるすずは、気丈に振る舞っていたものの、肩身の狭い思いをしているのははた目にも明らかです。

すずの今後を心配した幸は、駅での別れ際に鎌倉で一緒に暮らすことを提案します。ずずは、この提案を受け入れ、鎌倉へやって来ます。

ですが、最初は自分の母が幸たちの父を奪ったことへの負い目を拭えずにいました。それでも、異母姉たちと毎日の食卓を囲み、日常を重ねていく中で、少しずつ凝り固まった心が解きほぐされていきます。

さらに、入部した地元のサッカーチームでも仲間に恵まれ、中学生らしい元気さを取り戻していくのでした……。

☆傑作!

最初から、最後までしびれまくりました。本作が、何とも言えない緊張感と安らぎを与えてくれるうえに、映画を観ている喜びに浸らせてくれるからです。観終わった瞬間、もう一度見直したくなり、そうしてしまったほどでした。

最近日本映画をほとんど観ていなかったのですが、これは間違いなく、小津安二郎の直系ではないとはいえ、傑作だと評価します。脚本、俳優、演出、編集、すべてが高次元で調和していて、格別な完成度を誇るのです。

まず、脚本。不安定な家族の想いが、説明過多にならずに、映像とセリフがちょうどよいバランスで進みます。セリフも(原作のままかもしれませんが)絶妙で、すばらしい限りです。

特に、婿養子の父親が家を出た理由に、母親の料理嫌いや母親と祖母との諍いがあったことなどが、テロップやナレーションで示されるのではなく、何気ない登場人物たちのセリフでじわりじわりとわかってくるあたり、どこの家族でもそうでしょうが、家族のもつサスペンス性が浮き彫りになり、感心ぜざるを得ません。

その脚本を、俳優たちが活かしきっているのも立派です。

圧倒的存在感は、綾瀬はるかと長澤まさみです。このふたりの他の映画をほとんど観ていませんが、硬派の幸と軟派の佳乃を見事に演じきっていて、ふたりの虜になってしまいます。ことに凛としたたたずまいを見せる綾瀬とくだけたひょうきんぶりを出す長澤が好一対で、この人たちの芸の熟成の見事さに、日本映画の未来は明るいと思ってしまったのでした。

千佳を演じた夏帆も、さりげなく、他の3人のよさを引き出し、立派な縁の下の力持ちとなっています。同時に、非常に印象に残る演技も見せてくれます。特に、川釣りに関心を持ちだした千佳が死んだ父親が川釣りが好きだったとすずから聞いて、幼い時にわかれたために父親のことを覚えていなかったことから、その偶然を親子の絆として喜ぶ際の抑制された笑顔は忘れられません。

大型新人(貧乏英語塾長が知らなかっただけで、そうでもないのかな?)の広瀬すず(芸名と役名の一致は故意?偶然?)の嫌みのない爽やかさは、絶品です。異母姉妹の3人との関わりあいに戸惑いつつも、礼儀正しく接するすずをこれほど完ぺきに演じられるとは、驚きです。

幸が父親とよく来たという鎌倉の高台に幸とすずが上って、幸が「お父さんのバカ」、すずが「お母さんのバカ」と叫んだあと、長身の綾瀬に背が低いすずが抱きしめられるシーンでは、その絵の見事さもあって、すずが本当に香田家の一員になったのだと実感させられるとともに、すずが幸を母親としてすがる気持ちも透けて見え、泣けてしまいます。綾瀬に対して一歩も引かない広瀬はたいしたものです。

その他の俳優も、忘れてはいけません。印象深い順に並べると、こうなります。

 末期がんのはかなさをさりげなく表現した、海猫食堂の女将二ノ宮さち子役の風吹ジュン。
 顧客に対して献身的に相談に乗る、佳乃が務める信用金庫の上司坂下美海役の加瀬亮。
 穏やかな博多弁で話す、カフェの主人福田仙一役のリリー・フランキー。
 精神病の妻を離婚できないまま幸と不倫関係を続ける、優柔不断な小児科医椎名和也役の堤真一。
 生活に疲れた雰囲気を身にまとう、娘たちを捨てて再婚した三姉妹の実母佐々木都役の大竹しのぶ。

是枝の演出も、ポイントを抑えたものですが、小津のようにガチガチに役者たちを縛っていません。自発性を重んじているのでしょう。みんなが伸び伸びとしているように見えます。

編集も、簡にして要。2時間ちょっとの間、特別な事件も起こらない映画なのに、観る者を飽きさせません。それでいて、カットを細かく切ってはいないのですから、たいしたものです。

特に、最終カットは、四姉妹が鎌倉の砂浜を歩くシーンを長回しで取るのですが、長回しにありがちな緊張感よりも、4人が一体化した安心感を見せてくれるのですから、凄いものです。

是枝作品では、『歩いても 歩いても』(2007)の延長線上にある作品ですが、前作をはるかに上回っています。8年という年月は、是枝にとってすばらしい成長の年月であったのだと痛感させられ、ちょっと妬ましくなったのでした。

内容: A+

++++++++++

画質(
1.85:1): A/A-

Gump TheatreにてOppo BDP-93から1080p/24信号を直接HDMIケーブルによってソニーVPL-HW30ESに送り込み、120インチ・ワイド・スクリーンに映していま す。2層50GB。コーデックは、MPEG-4 AVC。伝送レートは、4 Mbpsから39 Mbps。

撮影は、『そして父になる』(2013)の瀧本幹也。

機材・マスター・フォーマットは、不明。HDカメラを使用した模様。オリジナル・アスペクト比も、1.85:1。

全体的に、軟調。解像度はそれほど高くなく、細部は甘くてべたつき、輪郭もだぶりがちです。奥行き感はそれなりにあるのですが、彫りはそれほど深くありません。現代の最新最高BD画質からすると、かなり差があります。

発色は、ほぼニュートラル。ただし、色数を減らしていて、あっさりとしたというか、場面によってはくすんで見える色調です。そのために、スキントーンも、若干青ざめていて、違和感を覚えます。ただし、日光がかなり強く当たるシーンでは、鮮明になります。


暗部情報も、不十分。黒の沈み込みも不足していて、階調はかなり滑らかですが、見えづらいシーンも生まれています。

大画面の近接視聴は、一応問題なしです。

音質(DTS-HD Master 5.1): A

Oppo BDP-93からパイオニアVSA-LX55にHDMI接続して、サラウンドバック・スピーカー2本を付け加えた7.1チャンネルにより再生。伝送レートは、不明。音量は、マイナス12デシベル。DSPは、THXサラウンドEXを選択。

絵に比べると、音は上です。

静かな映画ですが、左右前後に音が定位させる音響設計。後方からの音数もかなり多く、立体音場の密度も濃いものです。移動感こそたいしたことありませんが、包囲感は十分に感じられます。

ノイズ・フロアは低く、雑味はありません。鳥や虫の鳴き声、波の音、車の走行音などの遠方からの細かい環境音も聞こえてきます。特に、人の声の重なりが、臨場感を盛り上げます。ピアノが多用された音楽の分解能も十分です。

セリフの抜けも、文句なし。発音も明瞭で、サ行はスムーズです。

超低音成分は、ないに等しいくらい。上品です。

英語学習用教材度: F

英語字幕はつきません。カンヌ出品作品なのですから、外国人にも観てもらいたいはず。英語字幕をつけておくべきでした。

++++++++++
  
気になるところを、アト・ランダムに。

☆本作は、坂道の映画です。ここという場面では、みんな坂道を上ります。鎌倉が坂の多い海街だからというわけではなく、意図的な演出だと考えます。是枝にとって、人生とは坂道を上ったり下りたりするものなのでしょう。それが、露骨に示されず、慎み深く提示されるのがたまりません。

鎌倉は大好きな場所なので、撮影場所はほとんどわかります。しかも、固定もしくはゆっくりとした移動のみの瀧本幹也による落ち着いたカメラワークが描き出す絵が見事なのです。特に、134号線をすずとサッカー仲間の男の子ふたりが、江の島から逗子方面に自転車で走り去る姿を背中越しに映した映像には、普通の絵なのに、ぐっときました。鎌倉ファンには見逃せない作品です。

スタンダード・エディションの特典は、次の予告編集です。

  ‘段1
 ◆‘段2(0:31)
  予告編(1:31)
 ぁTV-SPOT〜一緒に暮さない?(0:16)
 ァTV-SPOT〜父がのこしてくれたもの(0:16)
 ΑTV-SPOT カンヌを席巻(0:16)
 АTV-SPOT 大ヒット上映中(0:16)

映像: 

  銑ァA
 ΑΝАAにBが挿入

 A:ビスタ・サイズ(1.85:1)のHD画質(AVC/1080i)
 B:ビスタ・サイズ(1.78:1)のHD画質(AVC/1080i)

音声: DTS-HD Master Stereo

字幕はつきません。

☆本作にはスペシャル・エディションも存在します。


本編ディスクは、スタンダード・エディションで、特典を収めたDVDがつきます。その内容です。

 公開時期に放送した特番を一挙収録:
  4姉妹の海街ダイアリー
  4姉妹の愉快な撮影日記 in 海街diary 
  現場密着ドキュメント映画『海街diary』が生まれるまで
  海街おねだりcooking
 幸姉のサプライズ
 カンヌ国際映画祭でのメイキング映像
 未公開シーンを含むロールナンバー集

どうして特典ディスクがDVDで、しかも参考価格7560円、アマゾン売価5789円もするのだろうと首を傾げますが、フジテレビ=ポニーキャニオンだから仕方ないのかと思わんでもありません。貧乏英語塾長は、とても買えない高級品です。

++++++++++

日本映画がこれほどの高みに達していたことに驚きました。映画ファン必見です。BDの作りには、画質・特典に問題ありですが、内容のすばらしさはそれを補って余りあるものです。英語の勉強にはなりませんが、現代日本の映画にも世界に通じる秀作が存在することを知っておくのはよいことです。強くオススメします!
| 日本映画(あ行) | 12:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://blog.indec.jp/trackback/1062830
トラックバック