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鈴本演芸場11月下席夜の部 柳家喬太郎、恐るべし

鈴本演芸場 B-4
11月下席夜の部
11月24日(火)6:39‐8:47

ゴウ先生総合評価: A+++
24日に上野の鈴本演芸場まで出かけてきました。

お目当ては、中入り前の三遊亭白鳥師匠とトリの柳家喬太郎師匠です。そのうえに、三遊亭天どん師匠、橘屋文左衛門師匠が聴けるのですから、見逃せません。

仕事のために、木戸をくぐったのが6時39分。漫才のホンキ―トンクさんがやっていました。場内の入りは8割強。何とか前から2列目下手の席に座ることができました。

続いて、三遊亭天どん師匠(6時47分〜7時00分)。例の脱力感は十分でしたが、この夜はイマイチ笑えませんでした。残念。

お目当ての三遊亭白鳥師匠、7時1分に登場(7時22分上がり)。

この日は、右身頃が赤で左身頃が黒の着物です。『女が階段を上る時』(1960)に銀座のバーの雇われママ役の高峰秀子さんが来ていた着物の趣向と同じです。いつものスポーティーな感じではなく、ドレッシーなので驚かされました。新宿末廣亭の11月中席でトリを務めているときに2回見たときには、どちらも青のアディダスもどきの着物だったので、なおのこと新鮮です。

マクラは、師匠の故郷・新潟県高田市が犬猿の仲であった直江津市と合併して上越市ができたこと。となれば、噺は『千葉棒鱈』です。

埼玉県浦和出身の「みどり」が(これって、『ナースコール』のバカ看護婦の「みどり」と同一人物ですよね?)、自由が丘出身という先輩と新宿歌舞伎町にあるジュリエットというホストクラブに行ったら、ギンギラギンに着飾った金持ちのデブの中年女と対決することになるという噺です。

古典落語『棒鱈』のパクリなのは、酔っ払った中年女が千葉の内房出身で、先輩は千葉の外房出身であることがばれ、そのふたりが壮烈なケンカを始めるという設定だからです。この田舎者差別ネタは、白鳥師匠の代名詞。生で聴けて良かったです。もちろん、サゲは、「ボウソウ」です。

13分の中入り後、7時35分から太神楽翁家社中で後半戦が開始。

7時45分、橘家文左衛門師匠、登場(8時3分上がり)。初めて見ましたが、写真通り、物騒な雰囲気です。噺は古典『千早ふる』。

百人一首に収められている在原業平の歌「ちはやふる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くくるとは」の意味を知らなかった八つぁんが、何でも知っているというご隠居のところにその意味を尋ねにいきます。すると、知ったかぶりのご隠居が、実はその意味を知らないのに、とんでもない解釈をしてみせるという滑稽噺です。

スタンダード版が微妙に変えられているのですが、師匠の無愛想なご隠居が怖いのがおかしく、クスクス笑いながら、どんどん引きずり込まれていきます。

そして、出たんです、師匠お得意の「とは」の謎送りが。「『とは』とは……喬太郎に訊いてくれ!

本では読んだことがあるのですが、寄席でぶつかったのは初めて。本当にやるんですね、文左衛門師匠は、この宿題出しを。ちなみに、このことは2010年に出た『この落語家に訊け!』に紹介されています。


最初に行われたのは、池袋演芸場だったようですが、それ以来ちょくちょく行われているようです(pp. 73f., 131, 173)。でも、珍しくはあるわけで、歴史の証人になれました(?!)。

トリのひとつ前に出る膝代わりは、紙切りの林家二楽さん。8時4分登場です(8時13分上がり)。プロジェクターをもちこんでやるんですねえ。白鳥師匠にもいじられていたのですが、切るのが遅いのか、桃太郎(と犬)・サル(孫悟空がキントン雲に乗っている)・春画(タコが「トハ」を見ている)の3枚だけでした。でも、この人、キャラクターがよいので、嫌味なく笑えます。

待ってました、8時14分、柳家喬太郎師匠の登場です。

「特別企画公演 喬太郎 ハイテンション 高カロリー!」という副題がついています。期待が募ります。

マクラが東北に行った時のエピソードを交えて旅行の話なので、古典の『抜け雀』かと予想したのが、甘かった……。

『抜け雀』とは、ある宿に泊まった客が1か月にわたって毎日毎晩酒を大量に飲み続け、いざ宿の主人から宿賃を請求されると、金はないと開き直り、その代わり、自分は狩野派の絵師だから、絵を描いてやるといい、怪しむ主人を横目にスズメの絵を描くと、そのスズメが抜け出し、そのことが話題を呼んで、その宿が大儲けするという噺です。

喬太郎師匠の噺も、前半は明らかに『抜け雀』なのです。しかし、絵師が金は「ない!」と主人に堪える異常なハイテンションがおかしくて、冒頭から大笑いです。

絵を描く紙が欲しいと絵師がいうと、主人が「絵を描いてもらうような高級紙はございません」と応えます。すると、師匠、いきなりアドリブです。上手と下手に顔を向けて、「紙だ!二楽!紙をもってこい!」。場内、大爆笑です。

そして、ここからが喬太郎大劇場の始まりでした。

江戸時代の噺なのに、なぜか宿の外には「土管」があるのです。そうです、『抜け雀』ならぬ、ウルトラマン大好きの師匠が自作した『抜けガヴァドン』だったのです。

絵師は、土建屋(!)が宿賃代わりに置いていった土管に絵を描いてやろうといいだします。そして、書いたのが、はんぺんとも水餃子ともつかぬ三角形の絵。ところが、この絵が抜け出して怪獣ガヴァドンAになってしまうのです。

『ウルトラマン』第15話「恐怖の宇宙線」で子供が土管に落書きしたものが宇宙線を浴びたら怪獣になるという話が元ネタです。

これだけでも、大爆笑の連続なのに、この日は、文左衛門師匠から宿題が出されていました。「とは」の謎を解けというものです。

マクラでも一切触れなかったので、忘れていたのかと思ったら、それが喬太郎師匠の計算でした。微妙に『抜けガヴァドン』の中身も変えて伏線を張って準備していたのです。

絵師の父親が出てきてガヴァドンBを土管に描いたところで、いきなり『千早ふる』になってしまい、業平の和歌がウルトラマンとガヴァドンBの対決で解釈し直されるのです。

結局、「とは」は、ウルトラマンがガヴァドンBを投げる時の叫び声であったというオチでした。

この辺、笑いすぎて、のどと腹が痛くてなりませんでした。いくら慣れているとはいえ、打ち合わせはなかったはず。喬太郎師匠は、この短時間でよくも考えつくものです。天才といわざるをえません。

サゲは、オリジナルに戻りますが、鈴本バージョンで、こんな噺はダメだと台本を放り投げるのは鈴本の社長という設定です。そして、投げられた台本は上野駅前に落ち、そこからガヴァドンが出てくるところで、お開きとなります。

それにしても、喬太郎師匠の観客をうまく取り込みながら進めていく話術の巧さは天下一品です。

鈴本という場所に配慮してか計算してか、『抜け雀』を『抜けガヴァドン』に替えたことを「怒ってません?」と客席に尋ねること、3回。それによって、うまくチェンジ・オブ・ペースを図る。うまいです。3回目に、客席から「やめろ」という声がかかると、師匠、かえって喜んで「いまから『芝浜』はできません。このまま続けさせてもらいます」。この人が大人気である理由が、よくわかります。

予定終了時刻を7分も過ぎて終わった夜の部でしたが、大満足です。何よりも、文左衛門ー喬太郎の夢の「『とは』の謎」リレーが聴けたのが最高でした。寄席ならではのハプニングに、落語の面白さを堪能したのでありました。これで、2800円。安いものです。

この日の文左衛門師匠と喬太郎師匠の噺がカップリングでCD化されると最高なのですが。

帰りは、冷え込んだ夜道を銀座まで歩きました。ですが、心はホカホカであったのでした。
| 落語 | 11:21 | comments(0) | trackbacks(0) |
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