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成瀬巳喜男を勉強せねば

成瀬巳喜男の世界へ リュミエール叢書36
蓮實 重彦
筑摩書房

池袋の新文芸座で9月8日(月)から20日(土)まで「成瀬巳喜男の、感動の世界」と題して成瀬巳喜男監督作品が特集上映されていました。都合のついた3日だけ通って、未見だった5本を見ることができました。その結果、改めて成瀬はしっかりと勉強しなければと痛感させられた次第です。

そこで、研究書を読もうと思ったら、小津安二郎や黒澤明と比べたらとても少ないのですね。寂しくなります。一気に読んでみることにします。
まず手に取ったのは、上掲の蓮實重彦・山根貞男編集の『成瀬巳喜男の世界へ』(2005)。11本の論文と3本のインタビューからなる本です。

本書には、実に衝撃的な部分があります。それは、次の13本で撮影監督を勤めた玉井正夫のインタビュー(聞き手は、蓮實重彦)です。

めし(1951)
妻(1953)
山の音(1954)
晩菊(1954)
浮雲(1955)
驟雨(1956)
妻の心(1956)
流れる(1956)
あらくれ(1957)
杏っ子(1958)
鰯雲(1958)
コタンの口笛(1959)
女が階段を上る時(1960)

成瀬さんの本領は、一歩歩いて振り返る、独特の振り返りのポジションですね」とタイトルをつけられた1986年10月17日に行われたインタビューで、玉井は高峰秀子ファンである貧乏英語塾長を愕然とさせる発言をしているのです。

成瀬は、世間に伝わっている話とは違って、よくしゃべる人であるという話から、玉井が次のようにいうわけです。

「よくしゃべりましたよ。高峰[秀子]さんは無口だったって言ってますが、そんなことはない。高峰さんは、自分が相手からどう思われているかということは、言ってませんね。実際、成瀬さんは高峰さんにあまりいい感じを持ってない。ただ、演技だけはかっておった、演技だけですよ。ですから、普通のときはあまり話しなかった。成瀬さんはそういう人ですよ」(p. 227)

つまり、成瀬は嫌いな人とは話しをせず、成瀬は高峰を嫌いだったから、話をしなかっただけであり、好きな人、つまり玉井とはよく話をしたというのです。これをもし高峰さんが読んでいたら、相当カチンと来たのではないでしょうか。

その他にも、玉井自身も高峰を好ましく思っていないような発言が目立ちます。

高峰が映画評論化の佐藤忠男と三百人劇場で対談したときに、玉井が『放浪記』(1962)を撮影したようなことをいっているが、それは違う(実際は、安本淳)と断固として否定したり(p. 220f.)、高峰が成瀬が死に際に「バックなしの映画を撮りたい」といったというが、本当は志賀直哉をやりたかったのだと高峰発言を完全否定するのです(p. 232)。

あれだけの傑作を撮りあげた映画監督と撮影監督が、主演女優を好きではなかった。少なくとも撮影監督はそうであった。この事実だけでも、映画というものの摩訶不思議な神秘性を感じてしまうわけです。

というわけで、とりあえず集めたのが、この本と悪評かまびすしい次の本でした。


映画の中の昭和30年代―成瀬巳喜男が描いたあの時代と生活
片岡 義男
草思社

その上で、次の本を取り寄せ中です。


成瀬巳喜男の設計―美術監督は回想する (リュミエール叢書)
中古 智,蓮實 重彦
筑摩書房


成瀬巳喜男 演出術―役者が語る演技の現場

ワイズ出版


成瀬巳喜男を観る
平能 哲也
ワイズ出版


成瀬巳喜男―透きとおるメロドラマの波光よ (映画読本)

フィルムアート社


成瀬巳喜男と映画の中の女優たち

ぴあ


成瀬巳喜男
阿部 嘉昭
河出書房新社

玉石混交のような気はしますが、まずは勉強です。ちょっとドロドロした人間関係が見えて、怖くなってはいるのですが。

付記:

今回新文芸座で観たのは、順に『驟雨』(1956)、『妻の心』(1956)、『夜の流れ』(1960)、『ひき逃げ』(1966)、『女の中にいる他人』(1966)の5本でした。

正直に申し上げて、『女の中にいる他人』のスローテンポには眠気を誘われ、『ひき逃げ』では高峰らしくないオーバーアクションにも引き気味になりました。ですが、はずれなしであったのは事実です。特に、『夜の流れ』にはいたく感心しました。(簡単なレビューを、今度アップロードします)。

この5本に加えて、次の12本をこれまで見ています。

稲妻 (1952)
山の音 (1954)
浮雲 (1955)
流れる (1956)
あらくれ (1957)
女が階段を上る時 (1960)
娘・妻・母 (1960)
妻として女として (1961)
放浪記 (1962)
女の歴史 (1963)
乱れる (1964)
乱れ雲 (1967)

計17本を見ただけですから、まだまだです。これから、今回の新文芸座のような企画を見落とさないようにしていかないといけません。

加えて、東宝に申し上げたいのは、Blu-ray Discになっているものが一本もなく、DVD化されているのも13本しかないということです。これだけの映画作家なのに、扱いがひどすぎます。日本の文化程度の低さを痛感させられる事実です。東宝の奮起を促します。
| 推薦図書 | 10:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
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