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タンポポ(GR BD/Region Free)


英語・独語題: Tampopo (1985)
上映時間: 1:54:19
1985年11月23日 国内劇場初公開
公式サイト:N/A

ゴウ先生総合評価: A-/B+
  画質(1.85:1): A-
  音質(Dolby Digital 2.0): B+/B
  英語学習用教材度: C
伊丹十三監督・脚本による、西部劇『シェーン』(1953)を模した「ラーメンウェスタン」コメディ。『お葬式』(1984)に次ぐ監督2作目。

主演は、宮崎信子、山崎務。共演は、渡辺謙、役所広司、安岡力也、桜金造、加藤嘉、大滝秀治、黒田福美、津川雅彦、橋爪功、藤田敏八、原泉、井川比佐志、三田和代、中村伸郎、大友柳太朗、岡田茉莉子。

日本映画・TVドラマをほとんど見ない人間なので、『あまちゃん』で久々に出会えた夏ばっぱ役の宮本信子には非常に新鮮な魅力を感じました。そうなると、宮本が主演を務めた伊丹十三監督作品を見直したくなるのが映画ファンというものです。

ところが、そこには予算という壁が待っていました。レンタルDVDでお茶を濁したくないと思うと、2011年11月と2012年1月に発売された高価な東宝製のBlu-ray Discしかないのです。


伊丹十三 FILM COLLECTION Blu-ray BOX ?

東宝


伊丹十三 FILM COLLECTION Blu-ray BOX ?

東宝

これで監督した全10作品が収められているのですが、アマゾンでの売価がそれぞれ19,623円、18,180円もして、全部見たいと思うと、37,803円も必要なわけです。もちろん、特典ディスクがつきますから、バラで買うよりはボックスで買ったほうがとく。でも、貧乏英語塾長には厳しい壁です。

そこで、海外で高い評価を得ていた伊丹作品ですから、海外でBDが売られていないかとチェックしてみると、『タンポポ』だけはドイツで発売されていたのです。しかも、独アマゾンだとたったの7.97ユーロ。これなら変えるというわけで、注文しました。なお、国内盤単品は、特典は予告編集しか入っていないのに、3,536円もします。


タンポポ<Blu-ray>

東宝

それに対して、独盤はその予告編集に「伊丹十三の『タンポポ』撮影日記」まで収録しています。


伊丹十三の「タンポポ」撮影日記 [DVD]

ジェネオン エンタテインメント

映像と音声仕様は、国内盤に負けますが、とりあえず見てみるかの軽い気分で買える値段ですから、『シェーン』とともに購入したのでした。

注文してから9日目の昨日、予想よりはるかに早く到着したので、すぐに開けてみました。

それにしても、ジャケットはいかがなものか。いくら渡辺謙がハリウッドで活躍して「世界のケン・ワタナベ」になったからといって、主役のようにジャケットをハイジャックしているのはいただけません。

しかも、『タンポポ』当時の渡辺の写真ではなく、最近の写真です。BD本体も、この写真が流用されているにいたっては、宮本・山崎が可哀想でなりません。



ただし、このジャケットはリバーシブルになっています。それをひっくり返すと、宮本と山崎が現れるかと思ったら、今度は役所広司と黒田福美が口で卵の黄身をやり取りする場面の写真が使われているんです。ガッカリ。



それでは、夏ばっぱはどこに?と思ったら、裏ジャケットに山崎務と一緒に写っている小さな写真だけ(下段右端)。これはないですよね。いっそん風だと「くぬやろ」であります。



なお、ジャケットにもディスクにもリージョンBと表記されていますが、実際はリージョン・フリーでした。

さて、内容です。本作は、主筋とそれと直接関係のない食にまつわる13の物語が並行して進行します。主筋の舞台は、製作当時の東京にあるラーメン店来々軒。

タンポポ(宮本信子)は、ひとり息子のターボー(池内万平)をひとりで育てながら来々軒を経営している未亡人です。ある夜、行きずりのトラック運転手のゴロー(山崎務)とガン(渡辺謙)がお腹をすかして来々軒に立ち寄ります。

しかし、土建屋のピスケン(安岡力也)がタンポポに言い寄っている店内は、居心地の悪いものでした。タンポポがつれなくすると、ピスケンが言葉を荒げたりします。ゴローがそれを止めに入ると、ケンカになります。ゴローは、ひとりでピスケンとその手下4人に手向かいます。ですが、ボコボコに打ちのめされ、そのまま来々軒のカウンターで寝てしまいました。

翌朝、タンポポが、ゴローがラーメンに詳しいことを知って、意見を求めます。まずいと本当のことをいうと、ゴローにひと目ぼれしたタンポポは、ゴローにラーメン作りを指導してほしいと頼みます。ゴローもそれを引き受けることにします。

タンポポは、多くの人気店のラーメンを食べ歩いて研究し、自分で作ってみますが、うまくいきません。そこで、ゴローが立ち上がります。元産婦人科医でありながらいまはホームレスのセンセイ(加藤嘉)と運転手のショーヘイ(桜金造)をチーム・タンポポに引き入れ、仲直りしたピスケンの力も借りて、ラーメン店を「タンポポ」と改名して、行列のできるラーメン店をめざすことにするのでした……。

いま見ても、斬新です。もともと大好きな映画だったのですが、その感動は色あせていません。

タンポポを盛り上げる主筋で西部劇とコメディを合わせた映画の王道を突っ走る面白さを示し、その他の脇筋で伊丹の感性を披露し、それが微妙に絡み合って、えもいわれぬ効果を挙げています。ラーメンと食という素材もうれしく、最後までしっかりと楽しめます。

とはいえ、目的の宮本信子は、撮影当時40歳。演技は巧いものの、女優としての魅力という点では、いまひとつ。まだ、伊丹に引きずられている印象があります。やはりこの人が本領を発揮するのは『マルサの女』(1987)からなのでしょう。



もちろん、その背景には宮本をピンの主役にせずに、『お葬式』同様山崎努に沿わせる形にしている脚本のせいもあります。伊丹自身が宮本を前面に出すことを恐れていたのかもしれないと思うほどです。

しかし、宮本びいきの視線を他の役者に向ければ、話は変わります。

撮影当時48歳の山崎は若々しく、安岡力也との一対一のケンカで見せるパンチには切れがあり、見事なアクション・コメディ・スターとして貫禄を示しています。華があるのが、何より立派です。

脇筋の重要な役回りをする白服を着た男役の役所広司は、当時29歳。黒田福美との絡みで食とセックスを直接的に描く役目を演じるのですが、すでにスタートしてのオーラがあります。冒頭の映画館のシーンといい、達者なものです。

その他、安岡の無骨さ、桜金造の下品さ、加藤嘉の飄々としたふるまい、大友柳太朗のとぼけたおかしさ、岡田茉莉子の高貴さの中の俗人性、原泉の魔女のような存在感、中村伸郎の寂しげな欲望を含め、すばらしい俳優たちが登場して、映画好きにはたまらないご馳走になっています。

とりわけ大好きなのが、井川比佐志と三田和代が絡むシーンです。

妻が危篤だと知らされた男が、走って小田急線の線路沿いに立つアパートへと向います。そこには3人の小さな子供と医者と看護婦に囲まれて虫の息になっている妻が横たわっています。

その妻に向って、元気を出して欲しい男は、「母ちゃん、メシ作れ」といいます。すると、妻はよろよろと立ち上がり、ネギとチャーシューと卵が入ったチャーハンを作るのです。それを食べた男が「うまい」というと、妻は軽く微笑んで死んでいきます。

井川と三田の名演がこのコントのようなシーンを支えて、ユーモアとペーソスが入り混じり、食と生と死が一体であることを教えてくれ、笑いつつも目頭が熱くなります。

伊丹を含めて鬼籍に入った俳優が多いのですが、本作で活躍した宮本・山崎・渡辺・役所がいまの日本の映画界・テレビ界をリードしていることを考えると、28年前の本作の凄みが伝わってきます。

内容: A-

++++++++++

画質(1.85:1): A-

Gump TheatreにてOppo BDP-93から1080/24p信号を直接HDMIケーブルによってソニーVPL-HW30ESに送り込み、120インチ・ワイド・スクリーンに映して います。1層25GB。コーデックは、MPEG-2。伝送レートは、8 Mbpsから32 Mbps。

撮 影は、『竜馬暗殺』(1974)、『さらば愛しき大地』(1982)、『逆噴射家族』(1984)、『火まつり』(1985)、『美しい夏キリシマ』(2002)、『レイクサイド マーダーケース』(2004)の田村正毅。

機材は、詳細は不明ながら、パナビジョンの35mmフィルム・カメラを使用。オリジナル・アスペクト比も、1.85:1。

グレインがほどよく残されていますし、彫りも深くて、とてもフィルムルックなテクスチュアです。解像度もかなり高く、細部はほとんどスポイルされていません。MPEG-2だからといって、侮れません。

発色は、ほぼニュートラル。色数は多く、色乗りにパワーがあります。くすんでも、白茶けてもいないのは、立派です。肌の質感も、かなりナチュラル。違和感はほとんどありません。

最大の問題は、暗部情報の少なさ。陰影に富んだ映像を狙った伊丹・田村コンビなのですが、その意図がこのBDでは十分に発揮されていないのです。黒の引き込みがあまりに早すぎて、暗いシーンになると、非常に見えづらくなってしまいます。

仕方ないので、通常はプロジェクターの明るさを36あたりで見ているのですが、それを70まで上げてみました。そうすると、何とか見やすくなるのですが、それでも細部が黒に埋もれてしまいます。この辺、国内盤はどうなっているのでしょう。

評価すれば、昼間のシーンはA/A-、夜間ならびに暗いシーンはB+というところです

大画面の近接視聴も、一応、問題ありません。

音質(Dolby Digital 2.0/Stereo): B+/B

Oppo BDP-93からパイオニアVSA-LX55にHDMI接続して、サラウンドバック・スピーカー2本を付け加えた7.1チャンネルにより再生。伝送レート は、不明。音量は、マイナス18デシベル。DSPは、THXサラウンドEXを選択。

やっぱりドルビーデジタルでは、寂しいものです。いくらステレオでも、左右の広がりもたいしたことなく、できあがる立体音場はこじんまりとしています。DSPを入れると、それなりの雰囲気は出ますが、最新BDと比べれば、その差は歴然です。

さらに、悪いことには周波数帯域もダイナミック・レンジも狭いのです。通常聴いているマイナス12デシベルだと、メタリックな響きが強調されて、耳障りな音が出てきます。特に、だれかが大声で何かをいうと高音がビリつきます。ゆえに、マイナス18デシベルまで落としたのですが、それだと迫力が不足します。

ノイズ感はほとんどないのは、よいことです。おかげで、劇伴で使われるリストやマーラーのオーケストラはそれなりの迫力です。しかし、どうしても団子状になります。ピアノの響きもイマイチです。

セリフの抜け自体は、まずまず。ただし、サ行はそれほどでもありませんが、前述したように高音がきつく聞こえるのが難点です。

超低音というよりも、低音自体がほとんど感じられないレンジの狭い音です。

英語学習用教材度: C

独語・英語字幕ならびに独語吹替えつき。

セリフは、大量。しかも、凝った表現が多いですから、英語字幕と見比べながら見ると、ちょっとした英作文練習になります。

++++++++++

気になるところを、アト・ランダムに。

☆本作で来々軒=タンポポとして使われるのは、品川区芝浦の高浜橋のそばにいまも存在するやまやという焼肉屋さん。映画製作当時、そこを経営する方の息子さんの家庭教師をしていて、毎週2回お邪魔していました。

そのために、映画のスタッフとクルーには会えなかったのですが、頼んで山崎努のサインをもらうことができました。大事にしていたのですが、アメリカ留学のドサクサでどこかへ行ってしまいました。残念。(それにしても、不義理を重ねていますが、やまやの皆さんはお元気でしょうか。)

☆無口のノッポさんこと高見映が、セリフを喋る貴重な映画でもあります。ホームレスとしてターボーにオムライスを作ってやる役で登場します。たいめいけんで出されているタンポポ・オムライスです。もちろん作っているのは、たいめいけんのシェフではあるのですが。

BDの特典は、次の内容です。
 
  Original Trailers(3種/3:42)
 ◆Making Of "Tampopo" (1:27:09):伊丹十三の『タンポポ』撮影日記

映像: 
  .咼好拭Ε汽ぅ此1.85:1)のHD画質(MPEG-2/1080・24p)
 ◆.好織鵐澄璽鼻Ε汽ぅ此1.33:1)の
SD画質(MPEG-2/480i)

音声: ドルビーデジタル・ステレオ 2.0
 
字幕は、つきません。ドイツ人の人は、これでメイキングを楽しめるのでしょうか???

++++++++++

本作を見たら、伊丹熱が再燃しそうです。BDボックスが欲しくなりました。何とか我慢しないといけません。BDの仕様には問題ありますが、この値段でこの内容なら、文句はいいません。伊丹ファンなら、一考の価値ありです。
| 日本映画(た行) | 13:06 | comments(0) | trackbacks(0) |
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