2013.10.10 Thursday
『あまちゃん』最終週を、薬師丸ひろ子に注目して見る
『あまちゃん』は、能年玲奈・橋本愛という新しいアイドルを育てただけでなく、小泉今日子・薬師丸ひろ子という大御所のアイドル性を再認識させた、ある種究極のアイドル・ドラマです。
とりわけ、鈴鹿ひろ美=薬師丸ひろ子の存在には終始圧倒され続けました。最終週など、天野アキの復興物語というよりも、大女優鈴鹿ひろ美の復活劇に見えたほどです。古くからの薬師丸ファンとしては、何ともうれしい展開でした。
今回、最終週6話を焼いたBlu-ray Discを当英語塾(はい、一応英語を教えています)INDECの会員からもらったので(○○君、ありがとう!)、改めて見直すことにしました。
テーマは、「薬師丸ひろ子をじっくり見よう!」。そのために、プロジェクターとアンプも入念に調整することにしました。
最終週は、「音痴」の鈴鹿ひろ美が2012年の海開きの前日6月30日に北三陸の海女カフェで行う東日本大震災のためのチャリティ・リサイタルをめぐる物語でした。
見ているほうとしては、よもや朝ドラで薬師丸がひどい歌を披露するはずもなく、絶対にすばらしい歌を唄って周りを唖然とさせる展開になると思っていました。そして、その通りになります。しかし、予定調和でありながらも、その過程がすばらしかった。気になる薬師丸の姿を見ながら、ふり返ってみましょう。
まず、リサイタルでは何が唄われるか、154話で確認しておきましょう。
5曲目の「縦笛の天使」は鈴鹿の2枚目のシングルで、8曲目の「DON感ガール」は3枚目のシングルという設定です(いやあ、それも聞きたかった)。
それにしても、しぶいというか、わけのわかない選曲です。「My Favorite Things」、「だんご三兄弟」、「われは海の子」、「What a Wonderful World」、「Smile」というのは、どういうつながりなのでしょう。理由を教えて欲しいものでした。
できれば、このリサイタルを薬師丸本人に実現してもらえれば、最高です(NHKなら、できるでしょ!)。
なお、アンコールは、吉田正義北三陸駅副駅長(荒川良々)によれば、「民話の読み聞かせ」となっています。
リサイタル前に悩む姿としては、海を見ながら「潮騒のメモリー」を唄う姿もたびたび登場しますが、老眼鏡をかけたこれがいちばんです。
ウェリントン・タイプのメガネがよく似合っています。美しい!彼女こそ、メガネ・ベストドレッサーでしょう。
リサイタルが始まります。
「潮騒のメモリー」のイントロが流れ出し、「落武者」ではなく「影武者」として舞台袖に着いた天野春子(小泉今日子)が唄いだすのですが、そのマイクには電池が入っておらず、声が場内に流れません。電池は、鈴鹿の夫太巻(古田新太)に向って飛んで行ったのです。
下手袖に春子がいることを知って、驚く鈴鹿です。
「来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた」まで春子が唄うのを聞くと、鈴鹿が「アイ ミス ユー」と正確な音程で唄いだします。
感動しました、この場面。何回見ても、鳥肌が立ちます。「うつろいやすい音程」などどこにもありません。泣けます。
もちろん、春子は呆然です。
鈴鹿はどんどん乗って行きます。
若き日の春子(有村架純)も喜んでいます。
そして、マイクを手にとって、客席に伸びたエプロンステージで唄います。例の原詞(「三途の川の」、「友だち少ない」)を変えて唄っているシーンです。
次の155話の冒頭で、歌詞つきでもう一度流れます。
これを聞いた夏ばっぱ(宮本信子)は、大感激です。
唄い終わると、袖の春子に向って自信の笑みを浮かべます。
潮騒のメモリーズを呼び出してのMCも上手いです。
臨時ボイストレーナー役を勤めたメモリーズとバンザイです。いい笑顔です。
結婚式に移ります。新郎新婦の入場です。
初々しいです。
勉さん(塩見三省)がくれた琥珀の指輪を眺めています。
終盤、モンスター化していた春子も美しい花嫁姿を見せてくれました。まずは、夏ばっぱに向ってのこの笑顔。
夏ばっぱがあいさつを始ると、涙ぐみます。
余興も楽しい。メガネ会計ばばあ(木野花)もPerfumeで踊ります。
渡辺えりが唄う「潮騒のメモリー」も味があったんで、薬師丸バージョンとともにCD化されると最高なのですが。
「南部ダイバー」に次ぐ「南部ダイバー」です。いっそん(皆川猿時)、いいです。
夏ばっぱの挨拶に涙ぐむ鈴鹿です。
すべてが終わって、夜の9時過ぎ、鈴鹿が春子の部屋でくつろいでいたら、春子が入ってきます。ほっとした笑顔です。
アイドル二大巨頭が、幸せそうです。3Jプロダクションの未来は、めちゃくちゃ明るいです。
翌朝、鈴鹿は海女クラブ召集の放送までサプライズでやってしまいます。7時の新幹線に乗らなければならないのに。
別の会場(海女カフェと似ていますが、別ですよね?)では、赤のドレスを着ています。
髪型もポップです。
こうなれば、キョンキョンが唄う名場面も記録しておきましょう。この右腕の動きが、アイドルなんです。しびれます。
そして、アキとユイによる大団円になだれ込みます。まずは、お座敷列車。
「完成しなくていいべ」いいんです。ふたりには、「明日も明後日も、来年も」あるんですから。それにしても、このトンネル・シーン、感動的です。
防波堤でジャンプするユイ。腹黒毒舌ユイが見せた唯一屈託ない笑顔のような気がします。
アキは、いつも通り、ぶっ飛んでいます。
「おしまい」には、やられました。
何回見てもいいですなあ。飽きません。
この感動をもっと高めるために、というか薬師丸の肌をもっとも綺麗に見せるために、INDECの教室兼映画室であるGump Theatreのプロジェクター、ソニーVPL-EW30ESを次のように調整しました。
ランプを換えたこともあって、1080iの地デジ録画の映像にしては相当美しく映えるようになりました。この設定が、これからの『あまちゃん』鑑賞の基準です。
AACステレオの音の改善は、厄介でした。
愛用しているパイオニアVSA-LX55のDSPでは、普段「THX Surround EX」を使っています。しかし、それで聴くと、通常音量のマイナス12デシベルでは、音が薄く感じるのです。迫力を出そうとすると、マイナス6デシベルまで上げなければなりません。まあ、それでノイズも乗らないので構わないといえば構わないのですが、オリジナルの音量レベルが上がると耳障りです。
そこで、搭載されているDSPを色々試しました。その結果、納得したのが「アドバンスドサラウンド」の中に入っている「EXT.STEREO」でした。これだとサラウンド・スピーカーからも、サラウンドバック・スピーカーからも濃密な音が飛び出してきて、マイナス12デシベルでも十分に満足できる包囲感を味わえます。大友良英率いるバックバンドのヴァイオリンとチェロの音もリアルです。これまた『あまちゃん』視聴の基準となりました。
個人的には、『あまちゃん』フィーバーがまったく冷めません。キョンキョンが「潮騒のメモリー」で紅白歌合戦に出るのは間違いないことでしょうが、薬師丸ひろ子にも「潮騒のメモリー」をどこかできちんと披露してもらいたい。もちろん、続編もしくは映画化も期待したいところです。NHKには、もう少し汗をかいてもらいましょう。
見ているほうとしては、よもや朝ドラで薬師丸がひどい歌を披露するはずもなく、絶対にすばらしい歌を唄って周りを唖然とさせる展開になると思っていました。そして、その通りになります。しかし、予定調和でありながらも、その過程がすばらしかった。気になる薬師丸の姿を見ながら、ふり返ってみましょう。
まず、リサイタルでは何が唄われるか、154話で確認しておきましょう。
5曲目の「縦笛の天使」は鈴鹿の2枚目のシングルで、8曲目の「DON感ガール」は3枚目のシングルという設定です(いやあ、それも聞きたかった)。
それにしても、しぶいというか、わけのわかない選曲です。「My Favorite Things」、「だんご三兄弟」、「われは海の子」、「What a Wonderful World」、「Smile」というのは、どういうつながりなのでしょう。理由を教えて欲しいものでした。
できれば、このリサイタルを薬師丸本人に実現してもらえれば、最高です(NHKなら、できるでしょ!)。
なお、アンコールは、吉田正義北三陸駅副駅長(荒川良々)によれば、「民話の読み聞かせ」となっています。
リサイタル前に悩む姿としては、海を見ながら「潮騒のメモリー」を唄う姿もたびたび登場しますが、老眼鏡をかけたこれがいちばんです。
ウェリントン・タイプのメガネがよく似合っています。美しい!彼女こそ、メガネ・ベストドレッサーでしょう。
リサイタルが始まります。
「潮騒のメモリー」のイントロが流れ出し、「落武者」ではなく「影武者」として舞台袖に着いた天野春子(小泉今日子)が唄いだすのですが、そのマイクには電池が入っておらず、声が場内に流れません。電池は、鈴鹿の夫太巻(古田新太)に向って飛んで行ったのです。
下手袖に春子がいることを知って、驚く鈴鹿です。
「来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた」まで春子が唄うのを聞くと、鈴鹿が「アイ ミス ユー」と正確な音程で唄いだします。
感動しました、この場面。何回見ても、鳥肌が立ちます。「うつろいやすい音程」などどこにもありません。泣けます。
もちろん、春子は呆然です。
鈴鹿はどんどん乗って行きます。
若き日の春子(有村架純)も喜んでいます。
そして、マイクを手にとって、客席に伸びたエプロンステージで唄います。例の原詞(「三途の川の」、「友だち少ない」)を変えて唄っているシーンです。
次の155話の冒頭で、歌詞つきでもう一度流れます。
これを聞いた夏ばっぱ(宮本信子)は、大感激です。
唄い終わると、袖の春子に向って自信の笑みを浮かべます。
潮騒のメモリーズを呼び出してのMCも上手いです。
臨時ボイストレーナー役を勤めたメモリーズとバンザイです。いい笑顔です。
結婚式に移ります。新郎新婦の入場です。
初々しいです。
勉さん(塩見三省)がくれた琥珀の指輪を眺めています。
終盤、モンスター化していた春子も美しい花嫁姿を見せてくれました。まずは、夏ばっぱに向ってのこの笑顔。
夏ばっぱがあいさつを始ると、涙ぐみます。
余興も楽しい。メガネ会計ばばあ(木野花)もPerfumeで踊ります。
渡辺えりが唄う「潮騒のメモリー」も味があったんで、薬師丸バージョンとともにCD化されると最高なのですが。
「南部ダイバー」に次ぐ「南部ダイバー」です。いっそん(皆川猿時)、いいです。
夏ばっぱの挨拶に涙ぐむ鈴鹿です。
すべてが終わって、夜の9時過ぎ、鈴鹿が春子の部屋でくつろいでいたら、春子が入ってきます。ほっとした笑顔です。
アイドル二大巨頭が、幸せそうです。3Jプロダクションの未来は、めちゃくちゃ明るいです。
翌朝、鈴鹿は海女クラブ召集の放送までサプライズでやってしまいます。7時の新幹線に乗らなければならないのに。
別の会場(海女カフェと似ていますが、別ですよね?)では、赤のドレスを着ています。
髪型もポップです。
こうなれば、キョンキョンが唄う名場面も記録しておきましょう。この右腕の動きが、アイドルなんです。しびれます。
そして、アキとユイによる大団円になだれ込みます。まずは、お座敷列車。
「完成しなくていいべ」いいんです。ふたりには、「明日も明後日も、来年も」あるんですから。それにしても、このトンネル・シーン、感動的です。
防波堤でジャンプするユイ。腹黒毒舌ユイが見せた唯一屈託ない笑顔のような気がします。
アキは、いつも通り、ぶっ飛んでいます。
「おしまい」には、やられました。
何回見てもいいですなあ。飽きません。
この感動をもっと高めるために、というか薬師丸の肌をもっとも綺麗に見せるために、INDECの教室兼映画室であるGump Theatreのプロジェクター、ソニーVPL-EW30ESを次のように調整しました。
ランプを換えたこともあって、1080iの地デジ録画の映像にしては相当美しく映えるようになりました。この設定が、これからの『あまちゃん』鑑賞の基準です。
AACステレオの音の改善は、厄介でした。
愛用しているパイオニアVSA-LX55のDSPでは、普段「THX Surround EX」を使っています。しかし、それで聴くと、通常音量のマイナス12デシベルでは、音が薄く感じるのです。迫力を出そうとすると、マイナス6デシベルまで上げなければなりません。まあ、それでノイズも乗らないので構わないといえば構わないのですが、オリジナルの音量レベルが上がると耳障りです。
そこで、搭載されているDSPを色々試しました。その結果、納得したのが「アドバンスドサラウンド」の中に入っている「EXT.STEREO」でした。これだとサラウンド・スピーカーからも、サラウンドバック・スピーカーからも濃密な音が飛び出してきて、マイナス12デシベルでも十分に満足できる包囲感を味わえます。大友良英率いるバックバンドのヴァイオリンとチェロの音もリアルです。これまた『あまちゃん』視聴の基準となりました。
個人的には、『あまちゃん』フィーバーがまったく冷めません。キョンキョンが「潮騒のメモリー」で紅白歌合戦に出るのは間違いないことでしょうが、薬師丸ひろ子にも「潮騒のメモリー」をどこかできちんと披露してもらいたい。もちろん、続編もしくは映画化も期待したいところです。NHKには、もう少し汗をかいてもらいましょう。
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