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007 スカイフォール


原題: Skyfall  (2012)
上映時間: 143分
2012年12月1日 国内劇場初公開
公式サイト: http://www.skyfall.jp/

109シネマズ木場 シアター1 H-11
2012年12月5日(水)16時45分の回

ゴウ先生総合評価:  B
  画質(2.39:1/Digital): A+
  音質(Linea PCM): A/A-
  英語学習用教材度: C
007映画50周年の記念すべき第23弾。ジェームズ・ボンド役は、3作目の登板となるダニエル・クレイグ。共演は、ハビエル・バルデム、レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリス、ベレニス・マーロウ、アルバート・フィニー、ベン・ウィショー、ジュディ・デンチ。

監督は、『アメリカン・ビューティー』(1999:レビューは、こちら!)でアカデミー監督賞を取った、『ロード・トゥ・パーディション』(2002:レビューは、こちら!)、『ジャーヘッド』(2005:レビューは、こちら!)、『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』(2008:レビューは、こちら!)、『お家(うち)をさがそう』(2009:レビューは、こちら!)のサム・メンデス。脚本は、ニール・パーヴィス、ロバート・ウェイド、ジョン・ローガン。

007映画の大ファンですから、絶対に見たいと思っていた作品。公開初日の12月1日に行こうかと思っていました。ですが、土曜日のうえに映画の日ということもあって、各劇場とんでもない混み方をしている様子。潜入するのをパスしまいました。ですが、平日ともなると、意外と空いているよう。昨日、見てきました。

劇場選びにおいて今回こだわったのは、4Kプロジェクターのある劇場。というのも、本作は名匠ロジャー・ディーキンスが全編HDカメラで撮影した作品。ネイティブ4K上映かどうかはわかりませんが、解像度の高いソニーの4Kプロジェクターがあるところで見たほうが、製作陣の意図を理解しやすいと思ったからです(酒井俊之さんが推奨されるIMAXデジタル上映にも心を動かされたのではありますが)。

そこで選んだのが、座り心地の良いエグゼクティブシートがある109シネマズ木場。中学2年の息子の帰宅を待って出かけます。

入りは、40人程度。ガラガラです。レディースデイなのに、女性もそれほど多くありません。ゆえに、快適に映画を楽しめるかと思ったら、60歳過ぎと思われるマナーの悪い老夫婦にムカムカ。

予約していた席に着いたら、その後に座っていたそのふたり、われわれの席に服をかけているのです!一応「すいません」と言ったので黙って引き下がりましたが、どうしてこんなことをするのでしょう。しかも、上映中に平気で座席に足をコツコツぶつけるし、怒鳴りつけようかと思ったほどです。

団塊の世代が退職して映画館に大挙押しかけてきますが、今回に限らず、マナーの悪さにはウンザリします。老人がマナーを守らなければ、若者に示しがつかないとは思わんのでしょうか。

さて、本編。前作とは、ストーリー的には関係なし。

MI6の秘密工作員である007ことジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、トルコでの作戦に参加していました。その最中、MI6の同僚が殺され、NATOがテロ組織に潜入されている工作員のリストが入ったハードディスクを奪われます。Mの指示の下、ボンドはその犯人であるパトリス(オーラ・ラパス)を同僚のイヴ(ナオミ・ハリス)と追跡します。

ところが、ボンドが列車の屋根の上にパトリスを追いつめたにもかかわらず、パトリスを狙ったイヴの銃弾がボンドに当たり、ボンドは峡谷の川に落ちてしまい、死亡したものと見なされてしまいます。

この不始末の責任を問われ、M(ジュディ・デンチ)は新任の上司である情報安全委員会議長のガレス・マロリー(レイフ・ファインズ)に辞職を勧告されます。その間に、MI6のサーバーは何者かにハッキングされ、MI6本部は爆破され、MI6は危機に瀕します。

一方、ボンドは幸運にも、瀕死の重傷から生き延び、このニュースを目にします。アルコールに溺れていたボンドでしたが、復職することを決め、ロンドンに戻り、Mに会います。

ところが、復職するためにはボンドは適正検査に合格しなければなりません。しかし、アルコールならびに薬物に対する依存症を持ち、体力も落ちて、射撃の腕前も鈍っているボンドには、合格は無理でした。それでも、Mはボンドに現場復帰を命じます。

ボンドは肩に残った弾丸の破片から、トルコで戦った相手がフランス人の殺し屋パトリスだということを知り、暗殺の仕事のためにパトリスが上海に現れるという情報を得て、同地に向かいます。

暗殺の仕事を終えたパトリスから雇い主を訊こうとしますが、当然乱闘に。そして、その最中に高層ビルからパトリスは落ち、死んでしまいます。

手がかりは、パトリスが残していったマカオのカジノのチップでした。マカオに渡ったボンドは、チップを換金し、400万ユーロが入ったケースを手にします。しかも、そこには上海でパトリスが殺した相手の近くにいた女性がいました。セヴリン(ベレニス・マーロウ)です。そこで、セヴリンを糸口に雇い主を知ろうと、セヴリンがいる船に乗り込みます。

その船は雇い主のいる島に向かい、ボンドはそれがかつてMI6の敏腕工作員であったラウル・シルヴァ(ハビエル・バルデム)であることを知るのでした……。

正直、感心しませんでした。クレイグ=ボンド作品では、『カジノロワイヤル』がはるかにましです。サム・メンデスの作品としても、最も出来が悪いものに思えます。ロジャー・エバートを始めとした欧米の評論家が高く評価する理由がわからなくなるほどです。

欠点は、ふたつ。ひとつは、映画としてみて脚本・演出が雑であること。もうひとつは、007映画らしさに欠けることです。

まず、脚本と演出の問題。

第一に、どうしてMはイヴにパトリスを撃つように命じたのでしょう。列車の上でもみ合っていたのですが、ボンドがパトリスを倒す可能性は十分にありました。にもかかわらず、Mはイヴに撃たせたのです。ボンドへの信頼がMになかったためにそうしたのだとしたら(後でボンド自身がMに問い質しますが)、そういう伏線を映画で示すべきです。

第二に、いくら何でもあの距離で銃弾を受けて、あの高さの川に落ちて、ボンドが死ななかったというのは都合のよい話。肋骨4本が折れて、内臓が傷ついただけというのは、にわかに信じられません。

第三に、ボンドが復職しようとする動機が不明です。どうしてMI6が爆破されただけで、戻ろうと思ったのでしょう。「愛国者」だからだけでは、たとえイギリス人にもわからないはずです。何か因縁を語ってくれないと。

第四に、セヴリンと知り合って敵の船に乗り込むのですが、セックスまでして甘美な夜を過ごしたはずなのに、翌日には捕まってしまいます。その間、何が起きたのでしょう。捕まらなくても、隠れたまま島に着くことはできたはずです。

第五に、任務遂行中に自分を見捨てたMへの復讐に燃えるシルヴァですが、Mのことを“Mother”と呼んだりして、その関係は不可思議。実は、シルヴァがMの隠し子であったという展開なのかと思ったら、そんな「瞼の母」物語はなし。母性を求めたシルヴァのマザコンであったという理解でよいのでしょうか。

第六に、あれだけ用意周到なシルヴァだったのに、いざMを殺そうとするのが、公聴会が開かれている国会の中というのはどうしたことでしょう。派手に演出したかったということでしょうか。その割には、銃だけで乗り込むという芸のなさ。あまりにチグハグしています。名優ハビエル・バルデムの起用が泣いています。

第七に、ボンドはシルヴァを罠にかけようと、Mとともに自分が生まれ育って両親を(たぶん)殺されたスコットランドにある城Skyfallに向かいます。しかし、どうしてそこへ行かねばならなかったのでしょう。別の場所で、MI6の他の工作員の応援を借りて戦ったほうが、もっと楽に戦えたはずです。

というわけで、映画としてみても、かなり首を傾げる展開が続き、あれだけ緻密な映画を作るサム・メンデスなのにとガッカリさせられたのでした。

さらに、ボンド映画として見ても、不満は募ります。

第一に、どうしてボンドの出自を語らねばならないのか。アンドリューとモニークという両親が死んだ(殺された?)ことが原因となって、社会正義というか悪者全般に対する復讐に燃えていると語られても面白くもおかしくもありません。ボンドにはそういう俗世を超越してくれていないと困ります。

その手口は、まるでクリストファー・ノーランの『ダークナイト』三部作を見ているかのよう。これでは夢とロマンがなくなります。特に、ボンドに“A storm's coming. ”と『ダークナイト ライジング』にあったセリフを言わせるにいたっては、偶然の一致とはいえ、どういう神経なのだろうと思ってしまいます。

第二に、ボンドの敵が私怨にかられた元MI6工作員というのは、いかがなものか。もう少しスケールの大きな世界征服を考える悪者でないと、007映画を見ている気になれません。

第三に、夢のあるガジェットが使われないのが、寂しい限り。若くて「にきびだらけ」のQ(ベン・ウィショー)が「ペン型爆弾など古臭い」と言い放ちますが、それを見たくて劇場に足を運んでいる人間はどうすればよいのでしょう。救いようがありません。

もちろん、『ゴールドフィンガー』で使われたアストン・マーチンのDB5がレストアされて当時のガジェットを載せていますが、使われるのはヘッドライトの部分がマシンガンになる機能くらい。シルヴァの一味に攻撃されたら、ひとたまりもなく爆破されてしまいます。防御板やミサイルもついていたはず。もう少しDB5を使ってくれないと、ナンバープレートまで同じにした意味がありません。

第一、ボンドがオンボロのライフル銃や手製の爆弾だけで戦うなんて設定にして何が楽しいのでしょう。これでは『ボーン』シリーズと同じです(実際、グラン・バザールの屋根の上でのバイク・チェイスにいたっては、『ボーン・アルティメイタム』を思い出さざるを得ませんでした)。

第四に、007映画の決め言葉をもっと大切にして欲しい。せっかくウオッカ・マティーニを呑むシーンがあるのですから、そこは“Not stirred, but shaken”の決め言葉が出ないと。ところが、女性のバーテンダーがシェイクしている姿を映すだけ。“Bond. James Bond.”と同様、毎作これだけは言ってほしい内容なのに。シルヴァに1950年のマッカランがお気に入りのはずだと教えさせるのでは、もの足りません。

第五に、皮肉なユーモアがもっと全編にわたって欲しいところ。悪人顔のダニエル・クレイグですが、笑うと可愛いのです。あの笑顔がもっと見たいものでした。

というわけで、期待していただけに不満を覚える内容です。

ついでに、文句を言わせてもらうと、劇伴の少なさは寂しいし、観客に要らぬ緊張感を与えます。本来はポップコーンをバリバリ食べながら見るべき007映画なのに、静か過ぎて、そんな雰囲気ではありません。サム・メンデスの作品の中で最も暗い映画ではないでしょうか。

アクション・シーンにはそれなりのカタルシスを得られますが、途中退屈さを覚えたのは事実。大ヒットしている理由が、よくわからないというのが本音です。

残念。

++++++++++

画質2.39:1/Digital): A+

撮影は、アカデミー撮影賞に9回ノミネートされている名匠ロジャー・ディーキンス。ディーキンス撮影作品で、当ブログにおいてレビューしているのは次の作品です。

  ショーシャンクの空に (1994)
  未来は今 (1994)
  戦火の勇気 (1996)
  ファーゴ (1996)
  マーシャル・ロー (1998)
  地上(ここ)より何処(どこ)かで (1999)
  13デイズ (2000)
  ビューティフル・マインド (2001)
  最高の人生 (2003)
  ジャーヘッド (2005)
  ノーカントリー (2007)
  ジェシー・ジェームズの暗殺 (2007)
  ダウト 〜あるカトリック学校で〜 (2008)
  レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで (2008)
  愛を読むひと (2008)
  シリアスマン (2009)
  カンパニー・メン (2010)
  TIME/タイム (2011)

機材は、アリ・アレクサM、アリ・アレクサ・プラス、アリ・アレクサ・スタジオ、レッド・エピックHDカメラを使用。マスター・フォーマットは、DI(バイト数は不明)。オリジナル・アスペクト比 は、2.39:1。

ソニーの4Kプロジェクターが使われているはずだと思って行った109シネマズ木場でしたが、よく見ると劇場の公式サイトから“Sony Digital Cinema”の表記が消え、「デジタル2D」という表記に変わっています。前者だと「SDC-2D」という表記をしているようですので、これは4kプロジェクターを使っていないということでしょうか。

よくわからないまま見始めますが、画質の解像度は最高レベル。細部までくっきりとしており、繊細で精細。それでいてエッジが立ちすぎることのない柔らかさ。グレインは皆無ですが、ふんわりとした雰囲気がフィルムの質感を伝えています。それでも、どこか4Kのあの凄まじさを感じないのは事実です。問い合わせたいところです。

光の魔術師ロジャー・ディーキンスですから、陰影が濃厚で彫りの深い絵はさすが。階調も滑らかで、黒がどこまでも沈みます。

色温度は、ほんの少しばかり高め。色数をやや間引いているようで、あっさりとした色あい。それでも、イギリスの国旗のユニオンジャックの赤と青が映えます。肌の質感も悪くありません。

エグゼクティブ・シートの中央からひとつ下手よりの席ですが、シネスコ・スクリーンを俯瞰できて問題なし。シアター1のベスト・シートのひとつであることは間違いないでしょう。

音質(Linear PCM): A/A-

左右前後に音が定位する音響設計。派手なアクション・シーンでは包囲感も移動感も味わえます。ですが、上述したように、そのようなシーンよりも音数を減らした静粛な場面が長くて、かなり気疲れを覚えました。007映画で、これはないでしょう。ど派手な音で楽しませてくれないと。

ノイズフロアは最低レベル。静けさを演出するS/N比は、確保されています。

セリフの抜けも、文句なし。レンジも広く、詰まった印象はありません。サ行も滑らかです。

超低音成分は、使われる場合にはかなりの量。ですが、その存在を忘れるように静かな部分が多いのは事実です。

英語学習用教材度: C

翻訳は、戸田奈津子。

セリフは、平均。F-wordを含め俗語・卑語は多少使われますが、目くじらを立てるほどではありません(PG-13指定)。問題は、戸田女史の訳。相変わらず、ひねった意訳が多くて、時々イラッとさせられます。

++++++++++

気になるところを、アト・ランダムに。

原題も、Skyfall。ボンドの生家を意味します。確かに、空が落ちてきそうなほどどんよりとした場所にあります。

☆シルヴァが、Mにたたきつける脅しの文句がこれです。

  Think on your sins.
   (お前の道義上の罪を思い巡らせ。)

☆ボンドが復職するときに言うセリフがカッコいい。

  007 reporting for duty.
   (007、任務に復帰します。)

お仕事で、どうぞ。

☆とうとうMが死んでしまいました。これからはレイフ・ファインズがMになるわけで、ひとつの時代の終焉を感じます。

ミス・マネーペニーが、あんなに勇ましいお嬢さんになるとは。ロイス・マクスウェルが懐かしい。

☆シルヴァがいた上海沖の島は、長崎県の軍艦島で撮影されたのですね。さすがに俳優は来なかったようですが。

☆2億ドルの製作費で、これまでのところアメリカで2億4671万ドル、海外で6億2300万ドル、計8億6971万ドルのメガヒット。これは、シリーズ1位の売り上げであると同時に、スパイ映画でも史上最高のヒット作となっています。どこまで伸びるのでしょうか。

Blu-ray Discは、イギリスでは2月18日、アメリカでは3月12日発売予定です。仕様・特典内容は、未定です。これだけ文句言っていても買うんでしょうなあ。惚れた弱みです。

++++++++++

ともあれ、クレイグ=ボンドで3作作られて、アイデンティティの確立がやっと終わったわけですから、次回作ではぜひ伝統を大切にして新しいものを盛り込む姿勢で作ってもらいたいと思います。個人的には、1800円の価値を認めません。1000円の日にどうぞ。
| 外国映画(サ行) | 14:53 | comments(1) | trackbacks(0) |
コメント
まったく同感です。撮影は素晴らしいんですがねぇ。
| ちこ | 2016/12/29 3:42 PM |
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