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ザ・ヤクザ (レンタルDVD)


原題: The Yakuza (1974)
上映時間: 1:52:07
1974年12月21日 国内劇場初公開
公式サイト: N/A

ゴウ先生総合評価: A-/B+
  画質(2.35:1): A-/B+
  音質(ドルビーデジタル 1.0): B-
  英語学習教材度: C
ロバート・ミッチャム、高倉健主演の日米合作任侠映画。共演は、ブライアン・キース、岸恵子、ハーブ・エデルマン、リチャード・ジョーダン、待田京介、ジェームズ繁田、岡田英次。監督・製作は、シドニー・ポラック。

『あなたへ』の劇場公開が近づいてきて、健さん主演映画を見たくなったときに思い出したのが本作です。公開時には見ていないものの、その後何度もVHSや所有しているレーザーディスク(LD)で見ています。

ところが、LDプレーヤーが壊れたために、LD類は段ボールの箱の中に入れっぱなし。早くDVDかBlu-ray Discが出ないものかと思っていました。アメリカでは2007年にDVDが発売されていますが、BDはまだ。日本でもDVDもBDも発売されていません。

ところが、どういう理由か、TSUTAYAがDVDをレンタルしているではないですか。早速、借り出すことにしました。

あらすじをまとめておきましょう。

ロサンゼルスで表向き海運会社を経営するジョージ・タナー(ブライアン・キース)の娘が、日本滞在中にヤクザ組織である東野組に誘拐されました。組長の東野五郎(岡田英次) とタナーの間に交わされた武器の売買契約をタナーが無視したためです。東野が殺し屋の加藤次郎(侍田京介)をロスに送りこみ、娘のドレスの袖をタ ナーに渡して4日以内にタナー自身が日本にこなければ娘の命はないと通告します。

タナーは悩んだ挙句、旧友のハリー・キルマー(ロバート・ミッチャム)に相談します。二人は大東亜戦争後、進駐軍兵士として日本に滞在していた戦友だったのです。日本には田中健(高倉健)というヤクザの幹部がいて、ハリーには大きな義理があるので、彼を通して話を進めれば東野との交渉もうまく行くだろうというのがタナーの目算でした。

いやいやながらもこの役を引き受けることになったハリーは、監視役兼護衛役としてタナーのボディガードのダスティ(リチャード・ジョーダン)とともに東京に向かいます。

ハリーとタナーの共通の戦友で日本に住んでいるオリヴァー・ウィート(ハーブ・エデルマン)に出迎えられたふたりは、ウィートの邸に世話になります。オリヴァーは終戦以来、日本文化にひかれて日本にとどまり、大学で米国史を教えているのです。

東京に着くと、ハリーは田中英子(岸恵子)の経営するバー“キルマー・ハウス"を訪れます。英子はハリーのかつての愛人でした。終戦直後の混乱のさなかに、ふたりは知合い愛し合ったのです。幼い娘を抱えた英子が娼婦にならずにすんだのも、ハリーの愛情のおかげでした。

しかし昭和31(1956)年、英子の夫健がフィリピンから奇跡的に復員してきました。健はハリーを憎悪したものの、妻と娘が受けた恩義を尊び、二人から遠去かります。そして健と英子の関係は兄妹としてハリーに知らされることにります。英子はハリーの求婚を拒み続けたのですが、そんな事情があったからでした。

軍を除隊になって日本を去らなければならなくなったハリーは、タナーから金を借り、“キルマー・ハウス"を英子にプレゼントします。その店で二人は二十余年ぶりで再会したのです。娘花子(クリスチナ・コクボ)は美しく成長しており、心からハリーを歓迎しました。

英子から、健が京都で剣道を教えていることを聞いたハリーはすぐ京都へ飛びます。そして、健に事情を打ち明けますが、すでに健がヤクザの世界から足を洗っていることを知らされ、愕然とします。ですが、一たんハリーの口から出た以上、健は義理を返すために頼みを引き受けることにします。

二人は早速、タナーの娘が監禁されている鎌倉の古寺に忍び入り、東野の手下数人を殺傷し、娘を救出します。ですが、そのために健の生命が今度は東野組に狙われることになってしまいます。健には五郎(ジェームス・繁田)というヤクザ世界の大物である兄がいましたが、その五郎でさえも健を救うことはできません。

ハリーはその頃、タナーが東野と手を握って、自分たちを裏切ったことを知ります。ある夜、ウィートの邸に東野組の手下が殴り込みをかけてきて、その結果、花子とダスティが殺されてしまいます。

ハリーと健は復讐の鬼と化します。五郎も、今は東野の部下となっている息子の四郎(郷えい治)を見のがしてもらうことを条件に全面的に協力することを約束します。

ハリーは、タナーを射殺した足で、健と共に東野邸に殴り込みます。今度は健が東野を殺す番です。健のふりかざした日本刀が、東野を叩き斬ります。しかし、誤って四郎の命も奪ってしまいました。

五郎との約束を破ったことに責任を感じた健は、五郎が制止するのもきかず、この世界の掟どおりに、指を詰めてしまいます。

ハリーがアメリカへ帰る日がきます。健への友情のしるしに、ハリーは自分も指を詰めることを決意していました。健が英子の実の夫であり、花子の実の父親であることを五郎から知らされた今、健が忍んだ苦痛を同じように耐え忍ぶことで。ハリーは健が自分のために払ってくれた犠牲に報いようとしたのです。そして、健が見送る中、ハリーは羽田からパンナム機に乗っていくのでした。最後に、深い最敬礼を残して……。

『太陽を盗んだ男』(1979)の脚本を書いた日本通のレナード・シュレイダーが原案を出し、のちに『タクシードライバー』(1976)、『レイジング・ブル』(1980)の脚本を書く実弟のポール・シュレイダーと『チャイナタウン』(1974)でオスカーを受賞したロバート・タウンがまとめた脚本です。ゆえに、かなりまともな任侠映画。特に、日本語のセリフがとてもナチュラルに仕上がっているのには、目を瞠らせます。

撮影当時43歳の健さんが、実に若々しい。終戦時に妻と娘がいたという設定ですから、田中健の歳は50歳を上回っていて当然なので、若すぎると思うくらいに若々しいのです。

しかも、殺陣がすばらしい。任侠映画屈指の美しい長ドス対決が見られます。健さんは無言のまま、6人の敵と長ドス一本で勝負するのです。その場面の緊張感たるや、半端ではありません。しかも、健さんの動きを真上から撮るという発想が見事。任侠映画のことなど何も知らなかったというシドニー・ポラックですが、この演出力はさすがです。

ロバート・ミッチャムのことをアメリカの偉大な大根役者だと思っているのですが、その大根ぶりが本作では何とも言えぬ柔らかみを出していて、ベストフィット。ポラックは、ロバート・レッドフォードをこの役にと考えていたそうですが、ミッチャムで正解だと考えます。

撮影当時41歳から42歳になろうとしていた岸恵子も、美しい女ざかり。健さんとの絡みがほとんどないのが寂しいところですが、英子の悲しい運命をしっかりと表現しています。もちろん、国際派女優ですから、英語は文句なし。見とれてしまいます。

違和感がないとは言いませんが、それでも荒唐無稽に流れていないのは、製作総指揮の俊藤浩滋のおかげ。ポラックとケンカしまくったと自伝の中で書いていますが、その成果は十分に本作に現れています。

『ブラック・レイン』(1989)や『キル・ビル』(2003)に深い影響を与えた本作。そのスタイリッシュな価値は、いまでもしっかりと確認できます。

内容: A-/B+

++++++++++

画質(2.35:1): A-/B+

Gump TheatreにてOppo BDP-93で480/60p信号をから1080/60p信号にアップコンバートして、HDMIケーブルによって直接ソニーVPL-HW30ESに送り込 み、120インチ・ワイド・スクリーンに映しています。コーデックは、MPEG-2。伝送レートは、1.2 Mbpsから8.1 Mbps。
  
撮影は、健さんとはこれが初めての顔合わせとなる、東宝で主に活躍した岡崎宏三。アメリカのシーンは、『インディアン狩り』(1967)、『大いなる勇者』(1972)でポラックと組んだデューク・キャラハン。機材は、詳細は不明ながら、パナビジョンの35mmフィルム・カメラを使用。オリジナル・アスペクト比は、2.39:1。

DVDにしては、かなりの高画質。輪郭はほとんど太らず、解像度もなかなか。確かに、細部は甘くなっていますが、それがフィルムらしさをかもし出しており、不愉快さはありません。

色温度は、やや低め。ほんのりとオレンジ系が支配しています。退色してセピア調になったというものではなく、キセノン・ランプによる暖かみという感じです。色数は多く、かなりの鮮やかさ。肌の質感もナチュラル。健さんの肌色を見ても、かなりリアルです。

暗部情報も、DVDとしては最高レベル。あるところから黒が沈まなくなってしまいますが、それでもかなり黒が粘ります。

4メートルも離れれば、大画面の近接視聴も可能。A-評価にしてあげたくなる健闘ぶりです。

音質(ドルビーデジタル 1.0): B

Oppo BDP-93からパイオニアVSA-LX55にHDMI接続し、サラウンドバック・スピーカー2本を付け加えた7.1チャンネルによる再生。伝送レートは、不明。音量は、マイナス6デシベル。

デフォルトだとセンター・スピーカーからしか音は出ません。それだと、通常の音圧マイナス12デシベルだと迫力不足。そこで、マイナス9デシベルまで音量アップ。すると、ぐっと迫力が出ますが、それでも大音量派としてはもの足りない。そこでマイナス6デシベルまで上げるとこれが良好。結局、これで見通してしまいました。

これだけ音量を上げられたのも、ノイズフロアが低いから。この時代の東映任侠映画のDVDは、ヒスノイズが盛大なのですが、本作にはそれがありません。ハリウッド映画のほうがマスター・フィルムを大切に保存しているということなのでしょう。

モノラルですが、何ともいえないふくらみがあります。とはいえ、音場の出来が平面的であるのは仕方ありません。

セリフの抜けも文句なし。レンジも広く、発音も明晰。サ行もきつくなりません。超低音成分は、もちろんゼロ。本作に関しては、まったくさびしいとは思いません。

英語学習用教材度: C

日本語字幕つき。英語字幕はつきません。セリフ量は、平均。ただし、俗語・卑語は皆無。カッコいい重みのある英語が使われますので、勉強になります。テクストとして使うのは難しいですが、上級者ならテクストとして十分に使えます。

++++++++++

気になるところを、アト・ランダムに。

☆このDVDは、アメリカ公開版を収録しているために、上映時間は112分。ところが、日本版の上映時間は123分あり、記憶の中ではもっと健さんの内面の葛藤を明らかにするシーンがもっとありました。セルDVDが発売されるときには、ぜひとも日本版を収録して欲しいものです。

☆「義理は、責任(obligation)ではなく、重荷(burden)だ」という健さんのセリフには、しびれてしまいます。

プロローグを、段組そのままに記録しておきましょう。

  The Japanese Kana for this word
  is made of the numbers eight,
  nine and three, totalling twenty:
  A losing number in Japanese
  gambling. Its is what the Japanese
  gangster, out of a perverse pride,
  has called himself.

  The yakuza began life in Japan
  over three hundred and fifty years
  ago as gamblers, con men, and
  shady merchants at traveling fairs.
  They were also said to have
  protected the poor of the towns
  and countryside from bands
  of marauding noblemen.
  This they apparently did with
  matchless skill and courage.

  To this day it is said the yakuza
  abide by a code of honor
  as rigorous as the samurai
  code of bushido.

健さんが剣道の達人というのは、『ブラック・レイン』に引き継がれる設定ですが、本作のほうがはるかにカッコよく撮影されています。

☆役名が「田中健」というのは、レナード・シュナイダーが高倉健さんを念頭に置いて脚本を書こうとしたということなのでしょう。いまでは同名の俳優がいますから、変な感じがしますが。

東京でのロケ地は、六本木、新宿、新宿地下街、歌舞伎町、渋谷、羽田空港が使われています。キルマー・ハウスは新宿にある設定です。

☆助演男優賞を与えたくなるのが、待田京介。冒頭の仁義を切る場面から、最後の健さんとの絡みまで、見事に任侠映画を背負ってくれました。こういう立派な脇役がいたからこそ、任侠映画は成り立ったのです。

DVDには、何の特典もつきません。

++++++++++

健さんの任侠映画ファンなら、必見。オススメします!
| 高倉健映画 | 14:39 | comments(1) | trackbacks(0) |
コメント
はじめまして。この作品は私もDVD化を望んでいました。米版を買ったり、LDをこれらDVD化されていない作品のために中古で購入したりしました。ツタヤがやってくれていたんですね。今ではBSデジタルで放送されたものをダビングして持っていますが、DVD化を喜んでいらっしゃる方がいるのを知り、書き込んでいます。『燃えよドラゴン』直後の時代。少し違和感のある日本描写。今は亡き郷えいじの頭に現れるクモの刺青。アラン・ドロンの『サムライ』と同じで心の深いところに染み付いたような記憶になった映画でした。解説、ありがとうございます。
| taipei101 | 2013/02/11 8:57 PM |
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