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ダークナイト ライジング (IMAX字幕)


原題: The Dark Knight Rises  (2012)
上映時間: 164分
2012年7月28日 国内劇場初公開
公式サイト: http://www.darkknightrising.jp/

109シネマズ木場 シアター2 L-14
2012年7月30日(月)10時00分の回

ゴウ先生総合評価:  A+
  画質(2.39:1+1.85:1?/IMAX): A+
  音質(IMAX): A
  英語学習用教材度: C
クリストファー・ノーラン監督の『バットマン』三部作の完結編。主演は、前2作に引き続き クリスチャン・ベイル。共演は、マイケル・ケイン、トム・ハーディ、ゲイリー・オールドマン、アン・ハサウェイ、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、マリオン・コティヤール、モーガン・フリーマン。

ずっと見たかった作品です。ところが、尊敬する映画評論家のロジャー・エバートが高く評価していないではないですか(当ブログ「気になる英語表現」をご覧あれ!)。

不安が走ります。ですが、やっぱり見たい。そこで、あまり期待しないように自分に言い聞かせながら、中学2年の息子と出かけたのでした。

IMAXカメラを使って撮影された部分が1時間以上というので、ノーランに敬意を表してIMAXで見ることにしました。となれば、109シネマズ木場がいちばん便利です。

109シネマズ木場のIMAXは、初めて。ユナイテッド・シネマとしまえんでは不満を覚えることが多かったのですが、ここではどうでしょう。

3Dではないので、IMAX料金は大人2000円、中学生1200円。ブルーカード会員というものになっているので、インターネット予約で自由に座席が選べます。

しかも、会員だと2000円で座れるエグゼクティブ・シート(通常は、2500円)も選べるので、迷わずアップグレードします。(実際、2時間44分の長丁場においては、隣との間隔が50cm近くあるすわり心地のよいこの席は助けになりました。)

入りは、4割程度。ただし、エグゼクティブ・シートから後の見やすい席は8割以上埋まっています。

時間になり、まず広告が流れます。ですが、その音の悪いこと。周波数帯域は狭いし、音が割れているし、サ行はきつい。嫌な予感がします。

ところが、IMAXのデモが始まると、かなり落ち着きます。それでも、うるさめ。予告編に入って、『ホビット』、『スカイフォール』、『バイオハザードV』、『アベンジャーズ』と流れますが、映像の美しさは認めるものの、まだうるささが残ります。

そして、本編。大音量はそのまま。ですが、音の暴れはずいぶん治まりました。ただし、後述するように、超低音成分は莫大。でも、雑味がなくなり、ホッとします。

さて、内容。傑作です。今年1番の感動作三部作の中でも、最高だと評価します。

あらすじは、よいでしょう。公開が始まったばかりですし、ネタばれは最悪です。特に最後の30分のドンデン返しは触れるわけにはいきません。いずれ深く論じられたらと願っています。

そこで、今日はロジャー・エバートの映画評に対する反論だけ行わせていただきます。エバートは本当に本作を見たのだろうかと思ってしまったからです。

まず、エバートは「理解しにくいストーリー展開とあまりに多すぎる新しい登場人物とともにゆっくりと始まる」と書いています。

確かに、登場人物は多いですが、「多すぎる」とは思いません。ストーリー展開も非常に分かりやすく感じました。というのも、ムダな登場人物がひとりもいないからです。前作から登場しているレギュラーに加えて、新しく出る主要キャラクターは、ベイン、キャットウーマン、ジョン・ブレイク、ミランダ・テイトの4人。それぞれが登場する必然性も最終的には過不足なく明らかにされます。

次に、「たいして楽しくないし、バットマンがあまり登場しない」とエバートは言いますが、どうしてどうして。確かに、初めてバットマンが登場するのは、開始40分ですが、それからは断続的に出てきます。時間的には、前作と同じ程度バットマンは登場していると考えているのですが、どうなのでしょう。

「ユーモア」がないと指摘し、「暗くて重い」「シリアス・ドラマ」で面白くないとエバートは批判しますが、ほのかなユーモアもあるし、暗くても重すぎることはありません。ずしりとした重みが、単なるスーパーヒーロー映画を超えています。

さらに、エバートが悪役の「ベインの動機が何か分かりにくい」と書くにいたっては、唖然。最後にすべて明らかになるではないですか。そこまで謎だからこそ、不気味だし面白いのでしょう。首を傾げる批判です。同じく、「ベインの資金源」もベインがバットマンと素手で殴りあう理由もよく分からないと言いますが、すべて映画で明らかにされます。

最後に、「『ダークナイト』(2008)もつほぼ完璧な完成度は、本作にはない」と切り捨てます。ですが、そう思いません。本作は前作を上回る完成度を持つと評価します。そして、最後のバットマンの行動と執事のアルフレッドの慟哭には涙さえ流してしまいました。

エンドクレジットが流れた瞬間、息子と拍手。重たくて長い映画ですから、続けてもう一回見る体力は残っていませんでしたが、帰宅するとすぐにも見直したくなりました。今度は、4Kデジタル上映されている劇場に行きます。

間違いなく、傑作だと確信します。

++++++++++

画質2.39:1+1.85:1?/IMAX): A+

撮影は、『バットマン ビギンズ』(2005:レビューは、こちら!)、『プレステージ』(2006:レビューは、こちら!)、『ダークナイト』(2008:レビューは、こちら!)でアカデミー撮影賞にノミネートされ、『インセプション』(2010:レビューは、こちら!)で同賞を受賞したのウォーリー・フィスター。その他、『マネーボール』(2011:レビューは、こちら!)などを撮影。

機材は、IMAX MSM 9802カメラ、パナビジョン・パナフレックス・ミレニアムXL2 35mmフィルム・カメラ、パナビジョン・パナフレックス・システム65 65mmフィルム・カメラを使用。マスター・フォーマットは、DI(バイト数は不明)、IMAX、パナビジョン・スーパー70。オリジナル・アスペクト比は、2.39:1ないしは1.44:1。

かつてはテアトル・タイムズスクエアやメルシャン品川アイマックスシアターのように、1.44:1のオリジナル・アスペクト比の映像をそのまま見られるIMAXシアターがあったのですが(後者のスクリーンは、横22メートル縦16メートルでした)、いま現在日本にはありません。施設は壊されているわけではないようですから、ぜひとも再開して欲しいと願わずにはいられません。

というわけで、109シネマズ木場のIMAXシアターも、既存の劇場のスクリーン側の壁を全面シルバースクリーンで覆うタイプ。そのアスペクト比は正確には知りませんが、ビスタ・サイズのスクリーンに見えます。

本作の場合、IMAXカメラで撮影された部分はビスタ・サイズのフル投射となり、それ以外の場面は上下に映らない部分が出るシネスコ・サイズとなります。言うなれば、『ダークナイト』のBlu-ray Discで行われた縦の伸び縮みが、劇場でも見られるというわけです。(通常の劇場では、この辺どんな風になっているのでしょう?)

座った席は、スクリーンから直線距離で15メートルほど離れた下手よりの席なのですが、楽にスクリーンを俯瞰できます。逆に言えば、巨大なスクリーンに圧倒されるという感覚を味わうことはできません。単に大きなスクリーンだと認識するだけです。

それでも、画質は期待通りのものでした。ユナイテッド・シネマのIMAX 3Dの映像には満足をした経験が一度もないのですが、3Dでないせいなのか、非常に美しいHi-Def画質です。2000円の価値は、十分にあります。

特に、IMAXカメラ撮影部分は、唖然。解像度は極限まで高められ、甘さはゼロ。シャープでクリアな映像にしびれまくります。特に、最後の40分ほどはずっとIMAX映像ですから、感動も高まります。この部分は、A+++評価したいほどです。

それに対して、シネスコ映像は、その違いがAVファンの方ならひと目で分かるはず。それでも、解像度は高く、ハードボイルドで相当に美しい絵なのですが、IMAX部分と比べると、もの足りません。AからA+評価という感じです。

発色は、ニュートラル。色数は多く、その艶やかな色あいには、終始うっとり。肌の質感も、文句なし。暗部情報も極大。黒がどこまでも沈み、陰影の彫りの深さにゾクゾクさせられます。

音質(IMAX): A

絵の繊細な美しさからすると、音は荒削り。IMAXシアターはどこも大音量で、超低音成分が盛大なのですが、ちょっと煩わしく感じました。大音量派ではあるのですが、L列で助かったという感じです。

とにかく、超低音成分がすごいのです。劇場全体が常に振動している状態。もう少し抑えて、品位の高さを売りにしてほしいと思ってしまいました。

サラウンドは、良好。左右前後にしっかりと音が定位します。ただし、高さの表現は、イマイチ。本作では、高さの表現がカギを握るはずなのですが。

ノイズフロアは低く、透明感にあふれたもの。大音量でもうるさくは感じませんし、メタリックな響きも乗りません。

とはいえ、セリフの抜けは、オリジナルのせいかもしれませんが、やや不満。バットマンもベインもくぐもった声で話すので、かなり聴き取りづらく感じます。

英語学習用教材度: C

翻訳は、アンゼたかし。

セ リフ量は、多め。俗語・卑語は多少使われますが、テクストとして十分に使えます(PG-13)。重厚な表現が多く、勉強になります。訳はポイントを押さえており、分かりやすいものです。

++++++++++

気になるところを、アト・ランダムに。

☆原題は、The Dark Knight Rises。訳せば、「闇の騎士、立ち上がる」とでもなるところ。もちろん、8年間の隠遁生活からバットマンが戻ってきたこと、ベインからやられてボロボロになって地底の牢屋から壁を登って出てきたこと、そして最後の場面で登場することが意味されています。

☆邦題はリズムで選ばれたのでしょうが、『バットマン・ビギンズ』としたのですから、『ダークナイト・ライゼズ』とすべきだったのではないのでしょうか。

☆ユーモアがないとエバートは言いますが、とんでもない。バットマンのこの発言は、何度見ても笑ってしまいます。

  Catwoman: My mother warned me about getting into cars with strange men.
  Batman: This isn't a car.

  キャットウーマン:知らない男の車に乗ったらダメってママから注意されたのに。
  バットマン:これは車じゃない。

ちなみに、「これ」は「バット」。今回登場した垂直離発着飛行機のことです。

☆さらにニヤリとさせられるのが、キャットウーマンの発言です。

  Batman: No guns, no killing.
  Catwoman: Where's the fun in that?

  バットマン:銃も殺しもダメだ。
  キャットウーマン:それで何が楽しいの?

これが、最後のキャットウーマンがバットマンを助けることへの伏線となっています。

☆バットマンが、ゴードン市警本部長に向かって言う、このセリフにもしびれました。

  A hero can be anyone.
  Even a man doing something as simple
  and reassuring as putting a coat around a little boy's shoulders
  to let him know that the world hadn't ended.

   ヒーローにはだれだってなれる。
   単純なことができる男だってなれる。
   幼い少年の肩に上着をかけて安心させてくれる男ならなおさらだ。
   世界はまだ終わっていないと教えてあげたのだから。

☆本作の魅力は、アン・ハサウェイとマリオン・コティヤールの女優の魅力に支えられています。最後の30分の感動は、このふたりがいなければ与えられませんでした。

マイケル・ケインにも泣かされました。もはや彼を超えるアルフレッド役者は現れないでしょう。

リーアム・ニーソンも登場します。

☆2億5000万ドルの製作費で、いままでのところアメリカで2億8909万ドル、海外で2億4820万ドル、計5億3729万ドルの売り上げ。すでに1作目の売り上げを凌駕し、めざすは2作目の全米5億3335万ドル、世界10億192万ドルの売り上げです。個人的にも、かなり貢献しそうな気がします。

米国盤BDの発売は、12月7日に予定されているとか。前2作もリマスタリングして発売してほしいものです。絶対、買います。

++++++++++

これ以上、何も申しません。明日にも見に行きたいと思っています。強くオススメします!
| 外国映画(タ行) | 11:31 | comments(0) | trackbacks(1) |
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