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ハングリー・ラビット


原題: Seeking Justice (2011)
上映時間: 106 分
2012年6月16日 国内劇場初公開
公式サイト: http://hungry-rabbit.com/

新宿バルト9 シアター2 F-13
2012年6月18日(月)20時20分の回

ゴウ先生総合評価:  A-/B+
  画質(2.39:1/デジタル): A/A-
  音質(Linear PCM): A
  英語学習用教材度: C+
ニコラス・ケイジ主演のサスペンス・アクション。共演は、ジャニュアリー・ジョーンズ、ガイ・ピアース、ハロルド・ペリノー。

監督は、『13デイズ』(2000:レビューは、こちら!)、『リクルート』(2003)、『世界最速のインディアン』(2005:レビューは、こちら!)、『バンク・ジョブ』(2008)のロジャー・ドナルドソン。

最近のニック・ケイジは、どうも冴えません。「なんでこんな映画に出るの?」というような作品に出ていて、劇場に行く気を失います。ところが、Blu-ray Discが出たりすると、ファンの性、見てしまいます。

確かに「こりゃ、いかん」とレビューさえ書きたくない作品もいくつかあるのですが、見てみると、意外と面白いものもあって、「さすがニックだ」と思ってしまうのです。贔屓の引き倒しではなく。

そんな折り、ケイジ主演作が2週連続で公開になるというではないですか。先行するのが、本作。そして、今週の土曜日から公開されるのがニコール・キッドマンと共演する『ブレイクアウト』(2011)。

ならば、続けて見てみたい。2009年7月に『ノウイング』(2009:レビューは、こちら!)を見て以来、久々に劇場でケイジ主演作を見ることにしたのでした。

アメリカで大コケをして、専門家からも酷評された本作、上映館は多くありません。東京でもたったの5館。ケイジ人気の凋落を露骨に示しています。

ですが、幸い、好きな劇場である新宿バルト9とユナイテッド・シネマ豊洲で上映されています。ただし、前者はデジタル上映なのに、後者はアナログ上映。本作はパナビジョン・ジェネシスというHDカメラで撮影された作品ですから、ここはデジタル上映で見るのが筋。バルト9を選んだのでした。

都合に合う、できるだけ空いている回を選んだら、昨日の8時20分の回が手ごろ。いつも通り自転車にまたがり、バルト9に向かいます。買っていた前売券でチケットを入手。予告編が始まる直前に席に着きました。

入りは、1割強。15人もいたかどうか。それでもできるだけ絵と音のよい席をと選んだら、周りには同世代のオヤジたちが固まっていました(ケイジ・ファンのなれの果て?トホホ)。

久々にちゃんと予告編を見たら、今週末から公開される『ワン・デイ 23年のラブストーリー』が面白そう。アン・ハサウェイ・ファンとしては見逃せません。

さて、本編。舞台は、現代のニューオリンズ。

ウィル・ジェラード(ニコラス・ケイジ)は、高校の英語の教師。チェリストの妻ローラ・ジェラード(ジャニュアリー・ジョーンズ)と平凡ながら幸せな結婚生活を送っています。

ところが、ある夜ローラがオーケストラの練習から帰宅しようと車に乗りこんだら、ピストルをもった男にいきなり襲われ、暴行強姦されてしまいます。

命に別状はありませんでしたが、ローラは心身ともに深く傷つきます。ローラが担ぎこまれた病院に駆けつけたウィルも、動転するばかりです。

ウィルが病院の待合室で途方に暮れていると、「サイモン」と名乗る男(ガイ・ピアース)が近づいてきます。そして、「自分は正義を求めて(seeking justice)世の中の悪人たちを処理する(deal with people)組織の人間である。お前の代わりにその強姦犯を成敗してもよい。見返りは、あとから簡単なことをしてもらうだけだ」と言いだします。

一度は断ったウィルでしたが、犯人に対して怒りを燃やすウィルは結局頼んでしまいます。すると、その翌朝には犯人が何者かに殺されてしまっていたのでした。

それから、半年。ローラの身体の傷が完全に癒えた頃、ウィルにサイモンから電話がかかってきます。簡単な「約束」を果たしてくれと言うのです。その約束とは、レオン・ワルツァック(ジェイソン・デイヴィス)という幼児を狙う性犯罪者を処理するというものでした。ウィルは断りますが、サイモンたちはウィルとローラの家にまで忍び込んできて、執拗に約束の履行を迫ります。

仕方なく、ウィルはワルツァックを歩道橋の上で待ち伏せします。すると、いきなりワルツァックが襲ってきて、それをよけようとウィルがすると、ワルツァックは歩道橋から落ちて車に轢かれ死んでしまいます。

ところが、その日のうちに、ウィルは逮捕されます。ニューオリンズ・ポスト紙の記者アラン・マーシュを殺害したという容疑です。わけが分からないでいると、マーシュがワルツァックだったということがわかります。ウィルは、サイモンによってだまされていたのでした……。

なるほど、どこかで見たことがあるような展開ではあります。しかし、その見せ方はきちんとしており、伏線の張り方、アクションの激しさ、最後のひねりなど十分に楽しめるものです。

どうしてアメリカの批評家や観客たちはこの映画をここまで嫌ったのだろう(ロジャー・エバートは、星1つ半)といまもって理解に苦しみます。

まずもって、テンポの速さが小気味よい限り。ウィルとローラの結婚記念日を映し出して、子供はいないもののふたりの愛が深く変わらないものであることを示したあとで、ふたりをいきなり不幸のどん底に叩き込む。そして、サイモンの登場。このテンポのよさは、最後まで失われることなく、106分があっという間に過ぎ去ります。ロジャー・ドナルドソンらしいプロの仕事です。

さらに、ニコラス・ケイジが颯爽としていないのも、悪くありません。ややしょぼくれた高校教師が、降りかかった火の粉を払うために必死になる姿が、共感を呼びます。

普通の高校教師ですから、格闘や射撃が上手いはずがありません。ゆえに、普通の男ができる範囲でサイモンたちと戦える手段を提示しているのが、よいのです。

ウィルがアラン・マーシュがサイモンの組織を調べていたことをウィルの友人たちがバーで開いたお別れ会で知ってから、サイモンの本名が「ユージン・クック」であることを突き止めるあたり、かなりのカタルシスがあります。

しかも、ウィルの戦い方は、ローラが絡まない場面ではひたすら逃げるだけ。これも普通の男にとっては立派な戦術でしょう。

敵役のガイ・ピアースも、この俳優しかできないというクールさをかもし出して、見る喜びに浸れます。他の配役はイマイチですが、ケイジとピアースがいるだけで、お腹一杯になれるのです。

不満が残るとすれば、ウィルとローラの関係が丁寧に描写されないこと。ローラは強姦されてPTSDを抱え込んでしまっているわけですから、夫婦の仲がおかしくなっても不思議ではありません。しかし、その辺に関して、一切描かれていないのです。

ゆえに、最後ローラがウィルを信じて、警察に追われるウィルを助けるのですが、ローラの内面が分からないために、その辺の事情がよく飲み込めません。あの場面なら、ローラは警察を信じてもおかしくはないはずです。脚本(ロバート・タネン、ユーリー・ゼルツァー)の不備なのか、編集上のカットなのか、どちらにせよ、物語が薄っぺらになっているのは隠しようがない事実です。

それでも、結末における秘密組織の合言葉“A hungry rabbit jumps”(空腹のウサギは跳ぶ)の使い方には、ニヤリ。最後まで楽しませてくれました。

++++++++++

画質(2.39:1/デジタル): A/A-

撮影は、『スター・ウォーズ』エピソード1から3までをすべて担当した、『コン・エアー』(1997)、『グリーンマイル』(1999)、『007/ダイ・アナザー・デイ』(2002:レビューは、こちら!)、『スピード・レーサー』(2008:レビューは、こちら!)、『地球が静止する日』(2008:レビューは、こちら!)、『妖精ファイター』(2010:レビューは、こちら!)、『センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島』(2012)のデヴィッド・タッターサル。

機材は、パナビジョン・ジェネシスHDカメラを使用。マスター・フォーマットは、DI(バイト数は、不明)。

バルト9のシアター2は、スクリーンの横幅がシネスコでもビスタでも変わりません。シネスコになると上下がカーテンで覆われて短くなります。

前から6列目の席を選んだのも、そこだとスクリーンを楽に視野に収められると知っていたからです(もう一列ぐらい前でも、個人的に大丈夫です)。上手側の通路脇を選んだので、オフセンターですが、それほど見づらくはありません。

最近は、HDカメラではアリ・アレクサやレッド・ワンが大人気。ゆえに、久々にパナビジョン・ジェネシスの絵を見ました。2009年12月から2010年2月にかけて撮影されたことと限られた予算が、(単なる推測ですが)この選択を余儀なくさせたのかもしれません。

そのせいなのか、解像度は高くて決して悪い画質ではないのですが、ちょっと前のデジタル映像を見ている感じ。エッジを強調した尖鋭性こそないものの、どこかツルツルしたテクスチュア。もう少しそれぞれの素材の質感をきめ細かく再現してもらえないものかと不満が残ります。

発色は、場面によって変更されるタイプ。殺伐とした強姦シーンなどは、ブルー系が強調されて、色数が減らされます。肌の質感は、全般的にやや青白っぽく感じられ、違和感を覚えます。

暗部情報は、文句なし。黒もよく沈み、階調も滑らか。バルト9の迷光対策が完璧なのも効いています。

問題は、レジストレーションずれが視認できること。字幕はもちろん、場面によっては輪郭の左側に赤がにじみます。プロジェクターを細かく調整してもらいたいものでした。

音質(Linear PCM): A
  
ノイズフロアは低く、透明度は高い音。それでいてメタリックさはありません。ただし、オーケストラのリハーサル・シーンが流れますが、弦楽器の音がかなり硬く響きます。ホールのアンビエント成分がもっと混じっていてくれれば、もう少し柔らかく聞こえただろうにと惜しまれます。

音響設計は、アクション映画の標準。左右前後上下にきちんと音が定位し、サラウンド感は相当なものですし、移動感も絵に寄り添って迫真性を高めます。

左右の広がりも相当ですが、両側の壁がなくなるほどではありません。ただし、密度感は上々。濃密な音のうねりのせいで身じろぎも許しません。

セリフの抜けも、文句なし。発音も明瞭。レンジの狭さもありません。

英語学習用教材度: C+

字幕翻訳は、岡田荘平。

セリフは、多め。俗語・卑語は、F-wordを含め多少使われますが、目くじらを立てるほどではありません。カッコいい決め言葉が多用されますので、かなりよいテクストになる可能性を秘めています。字幕は、すんなり頭に入る素直なものです。

++++++++++

気になるところを、アト・ランダムに。

☆原題は、Seeking Justice。直訳すれば、「正義を求めて」。秘密組織のモットーです。邦題は、秘密組織の合言葉“A hungry rabbit jumps”から取られています。

☆終始苦虫をつぶしたような顔をしているニコラス・ケイジですが、ローラとパーティーで踊る場面でだけはノリノリ。ケイジが首を縦に振ってリズムを取る姿が好きなもので、ちょっとハッピーになります。

ジャニュアリー・ジョーンズは、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011)と『アンノウン』(2011)から悪女が似合うと思っていたものですから、どこかでケイジを裏切るのではないかと思ってハラハラしてしまいました。実際は、そんなことはないのですが。

☆それにしても、ケイジ作品の評価の低さは止まりません。IMDbのファンの評価では、今日現在『ブレイクアウト』が10点満点中で5.2。アメリカで公開された『ゴーストライダー』の続編は、4.5。興行的にも失敗しており、ファンとして悲しくなります。

☆1700万ドルの製作費で、これまでのところアメリカで41万ドル、海外で1194万ドル、計1236万ドルの売り上げ。黒字は、難しそう。どうしたことでしょう。

☆アメリカでは今日6月19日にBlu-ray Discが発売予定です。



仕様は、次の通りです。

  容量: 1層25GB
  映像: 1080p/2.34:1/MPEG-4 AVC
  音声: Dolby TrueHD 5.1(英語)
  字幕: 英・西語

特典は、次の内容です。

  Seeking Justice: Behind the Scenes (480p, 7:08)
  Seeking Justice Trailer (1080p, 2:04).

今日現在、Amazon.comで19.99ドル(定価34.98ドル)で売られています。10ドルを切ったら、考えます。

++++++++++

サスペンス・アクションとして、十分に満足できる作品。ケイジ・ファンなら、劇場で見て損はないはずです。バルト9は、ベストではないものの、悪い選択ではありません。オススメします!
| 外国映画(ハ行) | 12:20 | comments(0) | trackbacks(1) |
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