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善き人


原題: Good (2008)
上映時間: 96分
2012年1月1日 国内劇場初公開
公式サイト: http://yokihito-movie.com/

ヒューマントラストシネマ渋谷 シアター1 F-6
2012年2月16日(木)10時00分の回

ゴウ先生総合評価:  A-/B+
  画質(2.39:1/デジタル): A
  音質(Linear PCM): A/A-
  英語学習用教材度: C+
ヴィゴ・モーテンセン主演によりC・P・テイラーの同名戯曲を映画化した人間ドラマ。共演は、ジェイソン・アイザックス、ジョディ・ウィッテカー、スティーヴン・マッキントッシュ、マーク・ストロング、ジェマ・ジョーンズ、アナスタシア・ヒル。監督は、まったく知らなかった、『Oi ビシクレッタ』(2003)のヴィセンテ・アモリン。

ナチス関連映画だと見たくなる性分ですし、いまを盛りのヴィゴ・モーテンセンが主演となれば、監督その他は知らなくても見たくなります。

しかし、都合がなかなかあわず、ズルズルと。しかも仕事で寝不足でしたが、東京ではいま現在ヒューマントラストシネマ渋谷でしか上映していませんし、今日を逃すとあとがないと思って、渋谷まで行ってきました。テアトルシネマグループの会員になったおかげで、1回無料で見られることもありますし。

ここも、ずいぶん久しぶり。2010年8月4日に『ゾンビランド』を見て以来のこと。おかげでスムーズな行き方を忘れていて、間違ったエスカレーターに乗ってしまい、プチ迷子になってしまいました(トホホ)。

入りは1割弱。20人も入っていなかったでしょう。いま現在、この劇場では本作は朝の10時から一回だけの上映。地味な内容なうえ、平日ですからいたし方ない結果でしょう。

舞台は、1930年代のドイツ。

小説家でありベルリンの大学の文学部の教授であるジョン・ハルダー(ヴィゴ・モーテンセン)は、第一次世界大戦にともに従軍した戦友を大事にする善き友人であり、善き教員であり、母の介護をする善き息子であり、神経を病んでいる妻の代わりに料理をする善き夫であり父親です。

そんなハルダーが、1938年、いきなりナチス総統官邸に呼びつけられます。対応した検閲官のトップのフィリップ・ボウラー(マーク・ストロング)によると、ハルダーが1933年に書いた小説をヒトラーがいたく気に入ったのだとか。そして、ナチスへの入党を強く迫られます。

ナチスに入るのは気が進みませんが、ボウラー直々の申し出であり、そうしないと教職からも追放されると脅されると、仕方なく入党します。

しかし、これがきっかけでハルダーの善き生活ぶりは崩れだします。教え子の学生であるアン(ジョディ・ウィッテカー)から言い寄られた結果、恋に落ち、妻ヘレン(アナスタシア・ヒル)と離婚。

そのうえ、無二の親友だったモーリス・イスラエル・グリュックシュタイン(ジェイソン・アイザックス)がユダヤ人であるために、迫害に遭うのに何もできません、国外逃亡するための切符を手配してくれと頼まれるのに、自分の保身のために、手配できないありさまなのでした……。

寝不足の頭にガツンと来る衝撃。見に来た甲斐がありました。

国家が大きく変化するとき、善良な国民は、というか善良な国民だからこそ、善良でない道へと踏み入っていくという主題。実に考えさせられる問題です。

ナチスのユダヤ人狩りがよくないことだと思っていた一般ドイツ国民は、当時少なからずいたはず。しかし、自分に悪影響がないと思えば、決して好きではなかったユダヤ人ですから、平気で虐待・虐殺したのでしょう。

もちろん命令したのはナチスの高官ですが、実際に手を下したのは一般ドイツ国民。それも、嫌々ながらの人間ばかりでなく、積極的に関与した人間が多かったと言われています。

日本人にしても、大東亜戦争を引き合いに出すまでもなく、2009年の総選挙において、自民党嫌さに、ムードに流されて、ナチス以上に無能な民主党に政権を与えてしまいました。いつの時代も、善良な国民というのは、一歩間違えると邪悪な存在となってしまうのです。

しかも、本作の構成が絶妙。いままで「善良」レベルで統一していた生き方が、すべて低落していくのですが、その壊れ方のせいで最後まで緊張感が途切れません。まずは、善き夫や父でなくなり、善き息子でなくなり、そして善き友人でなくなる。結末の強制収容所で見せる顔は、善き国民ではあるのかもしれませんが、善き教員どころか、善き人間でもなくなる脆弱さが提示されています。

その難しい役をヴィゴ・モーテンセンが実に巧みに演じます。強面でマッチョなイメージのあるモーテンセンが、気弱なインテリを演じるのですが、違和感ゼロ。ぐっと引き込まれます。

脇役も地味ですが、達者な俳優ばかり。特に、アン役のジョディ・ウィッテカーは、セクシー。真面目な大学教授が翻弄されるのもよく分かります。

さらに、ユダヤ人であるグスタフ・マーラーの歌曲をふんだんに使った音楽も、ハルダーの揺れ動く気持ちを代弁して聴き応え十分。特に、最後の強制収容所で、ユダヤ人たちが疲れた顔で、交響曲第1番『巨人』の第3楽章を演奏するに至っては、その選曲の鋭さに鳥肌が立ってしまいました。

小粒ながら、考えさせられる秀作です。

++++++++++

画質(2.39:1/デジタル): A

撮影は、『ボディガード』(1992)、『最後の恋のはじめ方』(2005:レビューは、こちら!)、『ヘンダーソン夫人の贈り物』(2005:レビューは、こちら!)、『ミス・ポター』(2006:レビューは、こちら!)、『プレシャス』(2009:レビューは、こちら!)、『小さな命が呼ぶとき』(2010:レビューは、こちら!)、『ラブ・アゲイン』(2011:レビューは、こちら!)のアンドリュー・ダン。マスター・フォーマットは、DI (バイト数は、不明)。なお、アメリカではデジタル上映は行われていません。

前から6列目、中央やや下手よりの通路側の席。もう少し中央に寄ろうと思いましたが、前の席のひとの頭がスクリーンを蹴りそうだったので、断念。ただし、この位置だと、たとえシネスコ・サイズでも楽に視野に収められます。

予習していかなかったら、デジタル上映でした。後ろを振り向くと、映写室の外に1台パナソニックの業務用プロジェクターが置かれていますが、本作は映写室の中のプロジェクターから投影されていました。メーカーは不明ながら、2Kか4KのHDプロジェクターだろうと推測します。

2008年当時の上映ではフィルム・オンリーだったようですが、時代の進歩のせいでしょう、高品位なデジタル上映が可能になったようです。

グレインを程よく残したフィルムルックでありながら、鮮明。解像度は高く、細部がスポイルされた印象はありません。輪郭のエッジを立てずに、自然な鮮明さ。安心して見られます。日常的に見慣れたタイプの絵ですから、違和感を覚えないのは当然といえば当然ですが。

色温度は、やや低め。ほんのりとオレンジが協調されている感じ。色数は多く、実に艶やか。ただし、これ見よがしの鮮明さではなく、深みのある色あいです。暗部情報は、豊富。黒もよく沈み、階調も滑らか。デジタル臭さがなくて、ホッとする絵です。

音質(Linear PCM): A/A-
  
真後ろからの音圧は限りなくゼロでありながらも、サイド・スピーカーはよく働いていて、ふわりとした立体音場を作り上げています。ただし、密度感はそこそこ。もっとみっちりとした音だと怖さが募っただろうにと惜しまれます。

十分に透明度が高い音でありながら、シャープでクリアというよりもマイルド。メタリックな響きに不快な思いをすることはありませんが、やや迫力不足に感じます。

セリフの抜けは問題なし。音も口元に寄り添い、ナチュラル。発声も明瞭で、セリフを正確に聞き取れます。

超低音成分は、意外と大量。使われると、床が震え、腹にこたえます。使われる場面はそれほど多くはありませんが、かなりの派手さです。

英語学習用教材度: C+

字幕翻訳は、渡邊貴子。

セ リフは、多め。R指定になっていますので、俗語・卑語は多少使われますが、気にするほどではありません。テクストとして十分に使えます。しかも、早くしゃべったり、癖のある発音をする俳優は少なく、やろうと思えば劇場で英語学習ができます。字幕も、素直な訳。TOEIC860点ホル ダーであれば、日 本語字幕をヒントに7割はセリフを再現できるはずです。

++++++++++

気になるところを、アト・ランダムに。

☆原題は、Good。もちろん、直訳すれば「善」。邦題は『善き人のためのソナタ』(2006)を思い出させられて、ややあざとく感じられますが、悪くない邦題です。

☆ハルダーが書いた本というのが、尊厳死をテーマにした小説。病弱な人間を殺す理由を求めていたヒトラーが感心したという設定です。唸るしかありません。

☆ハルダーはナチス親衛隊(SS)大尉にまでなってしまい、後半はその制服姿を存分に見せてくれます。そうすると、あの善良だったハルダーが悪の権化に見えてくるから不思議です。カメラワークも冴えていて、モーテンセンを大写しにするときには、軍帽をかぶった顔にして、SSの帽章のどくろを見せるようにするのですから、不気味さが募ります。

☆詳しく予習していなかったので知らなかったのですが、マーク・ストロングが出てきたときには、心の中で拍手してしまいました。たとえ脇役でも、このひとの出る映画は、見ごたえ十分なものばかり。見逃している出演作は、きちんとさらわないといけません。

☆撮影は、ハンガリーで行われたとか。どんな気分なのでしょうね、ナチスの強制収容所が再現されて、撮影されるというのは。

☆1500万ドルの製作費で、これまでのところアメリカで27,276ドル、海外で1,521,975ドル、計1,549,251ドルの売り上げ。やっぱり大幅な赤字になっています。

☆アメリカではすでにBlu-ray Discが発売されています。



仕様は、次の通りです。

  容量: 2層50GB
  映像: 1080p/2.34:1/MPEG-4 AVC
  音声: DTS-HD Master Audio 5 .1(英語)/Dolby Digital 5.1(英語)
  字幕: 英・西語

次の特典がついています。

  Interviews with Viggo Mortensen, Jason Isaacs, Jodie Whitaker, Mark Strong and more (59:39)
  Behind the Scenes  (29:43)
  Theatrical trailer

定価24.98ドル。Amazon.comでは、今日現在16 .99ドル。Blu-ray.comによれば、画面に紗がかかったような画質だとか。それでは、手を出せません。

++++++++++

映画好きなら、見て損はない作品。サービス・デーなどを使ってご覧になれば、お得です。オススメします!
| 外国映画(ヤ行) | 09:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
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