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タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密 (3D字幕)


原題: The Adventures of Tintin: Secret of the Unicorn (2011)
上映時間: 107 分
2011年12月1日 国内劇場初公開
公式サイト: http://tintin-movie.jp/

TOHOシネマズ スカラ座 H-16
2011年12月21日(水)16時30分の回

ゴウ先生総合評価:  B-
  画質(2.39:1/3D/SXRD): A
  音質(SDDS?): A+
  英語学習用教材度: C+
スティーヴン・スピルバーグ監督・製作、ピーター・ジャクソン製作による3Dアクション・アドベンチャー・アニメーション。原作は、ベルギーの漫画家エルジェによるコミック。声の出演は、ジェイミー・ベル、アンディ・サーキス、ダニエル・クレイグ、サイモン・ペッグ、ニック・フロスト。

3Dモーション・キャプチャー映画と聞いた瞬間、ロバート・ゼメキス作品の醜さが頭に浮かび尻込みしたのですが、スピルバーグとジャクソンが作ったとなると、無視はできません。見たがっていた中学1年の息子を連れて行くことにしました。

ところが、いまひとつ人気がないのか、近場の新宿では3D字幕の上映が少なく、都合のよい時間にやっていません。ならば、と日比谷のスカラ座まで出張です。

地下鉄で日比谷駅に上がり、先日『勧進帳』を見た日生劇場の前を通って、スカラ座へ。確か、ここは32年ぶり。『地獄の黙示録』を公開初日に最前列右端の席で見て以来。懐かしさを覚えながら、地下に降りていきます。

すると、地下1階にY's Roadがあることを発見。自転車も趣味のひとつなので、のぞいてみると、他の店舗とは違って、場所柄、高級車ばかり。いきなりLook社のフレームが飾ってあって、平気で完成車130万円の重量5.75kというスペシャライズドのロードバイクが置いてあります。よい目の保養になりました。

そして、地下2階のスカラ座へ。654席の大劇場。ですが、ガラガラ。40人もいたのかどうか。前から8列目の中央やや下手よりの席を確保すると、他の観客はほとんど気になりません。

この劇場は、TOHOシネマズ渋谷と同じく、Sony Digital Cinema 3Dという新しい方式を採用しています。2本のレンズをもつ4KのSXRDプロジェクターで映し出すものです。(詳しくは、公式サイトのhttp://www.tohocinemas.co.jp/news/pdf/2011/110310a.pdfをどうぞ。)

提供されている3Dメガネは、サングラス・タイプとクリップ・オン・タイプの2種類。前者が100円で、後者が300円で購入しなければなりません。











子供には上のサングラス・タイプを、メガネをかけている小生は下のクリップ・オン・タイプを買いました。どちらも中国製。

軽量で、フィット感のよいのが特長です。特に、クリップ・オン・タイプはメガネ・ユーザーにはうれしい限り。メガネの上にメガネをつける不快さがなく、快適です。サングラス・タイプでもメガネの上にかけることはできますが、どうしてもフィット感で劣ります。

なお、TOHOシネマズの3D料金は、通常料金+300円+メガネ代。ゆえに、大人の場合、サービス・デー以外だと、1800円+300円+(100円or300円)=2200円or2400円となります。

ただし、次回以降は、メガネを持参すればメガネ代が要りませんから、2100円で見られます。ファースト・デーのように1000円で映画を見られるサービス・デーだと、1300円で3D作品が見られるというのですから、魅力です。ちなみに、小生はポイントがたまっていたので、3D代とメガネ代だけの600円で見ることができました。

こうして始まった予告編。これも3D。息子とふたりで喜んだのが、2012年3月に公開される『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999)3D版の予告編が流れたこと。予告編では立体感はいまひとつでしたが、3Dには間違いありません。本編ではどれだけデコボコしてくるのか、いまから楽しみです。「連れて行ってくれるよね」と息子から言われたので、「うん、うん」とうなずく親父でありました。

さて、本編。

少年新聞記者タンタン(ジェイミー・ベル)が愛犬のスノウィーとともに、骨董市に行きます。そこで見つけたのが、美しい帆船ユニコーン号の模型。それを購入すると、それがほしいというサッカリン(ダニエル・クレイグ)という男が現れます。

これは何かあると思ったタンタンが図書館でユニコーン号を調べると、海賊に襲撃されて沈んだ軍艦で、財宝を積んでいたことが分かります。

どうしたものかと考えながら家に帰ると、何と模型が盗まれています。当然サッカリンを疑って、サッカリンの屋敷に忍び込みます。すると、ユニコーン号の模型があるではないですか。しかし、それはタンタンが買った模型ではありませんでした。

仕方なく、家に戻ったら、見つかったのが、なぞの言葉が書かれた羊皮紙です。どうやら財宝の秘密がこの紙に隠されているようです。ところが、その羊皮紙を収めた財布をスリに盗まれてしまいます。

そのうえタンタンはサッカリンに拉致され、貨物船カラブジャン号に連れ込まれます。しかし、勇気あるタンタンは、そこで出会った、同じ境遇のハドック船長(アンディ・サーキス)とともに、船を脱出し、ユニコーン号の秘密を求めて闘うことにするのでした……。

『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981)が、『タンタンの冒険』によく似ているという指摘を受けたことをきっかけに、スピルバーグは原作を知って、その映画化を考えていたということですが、後者をよく知らない人間としては、まさに本作が『インディ・ジョーンズ』シリーズ第5弾に見えてきます。

モーション・キャプチャー・アニメーションですから、表現できないものは何もない強みを活かして、次から次へと激しいアクションが展開します。しかも、3Dの画質も内容もよいので、すごい迫力です。

ところが、やっぱりどこかで見たような既視感に襲われるのです。ハドック船長が乗ったサイドカー付のバイクをタンタンが運転する姿は『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989)のショーン・コネリーとハリソン・フォードそのものだし、帆船同士の戦いは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのどこかで見たような印象。砂漠に不時着する飛行機も、どこかで見たような気がしてならず、新鮮さに欠けます。おかげで、単調に思え、眠気に襲われてしまいました。

救いのキャラクターも、アピールしません。特に、タンタン(本当は、「ティンティン」か「チンチン」ですよね)がイマイチ。オリジナル漫画の絵をそのまま持ってくればよいのに、何か奇妙。原作では14歳から16歳の間の少年となっていますが、大人なのか子供なのか分からないトッチャン坊や。違和感がぬぐえません。

モーション・キャプチャーの絵もやはり苦手。アニメの鮮明さはなく、実写の生々しさもない。その中途半端さに引いてしまいます。

スピルバーグ作品としては、やや肩透かし。B-/C+程度の満足度でした。

 ++++++++++

画質(2.39:1/3D/SXRD): A

機材は、Canon 5D H4.1カメラとパナビジョンのカメラ(詳細不明)を使用。

スピルバーグ組のオスカー・カメラマン、ヤヌス・カミンスキーがコンサルタントとして参加したというだけあって、通常のアニメ作品よりも陰影の深い映像が楽しめます。

しかも、上述したように、スカラ座はSony Digital Cinema 3Dを採用しているせいで、3Dメガネをかけていても暗い場内が見えるようになっていて、画面がとにかく明るいのです。これなら普通の2D映画を見ている感覚で楽しめます。

スクリーンは幅14.6メートルある大型サイズなのに、3D特有のクロストーク(ずれ)も映像においてはほぼ皆無。顔を左右上下に動かしても問題なし。これは信じられないことです。クロストークが時たま気になるのは、字幕ぐらい。ゆえに、吹き替え版ならほぼクロストークを心配せずに楽しめることでしょう。

解像度は、抜群。これが4Kプロジェクターの威力かと思うほどに、細部は鮮明そのもの。色数も多く、微妙なグラデーションが楽しめます。

ただし、個人的にモーション・キャプチャー方式は苦手。細部まですっきりしているのに、パリッとしたクリアネスに欠けているようで、A+評価するのに抵抗蛾あります。

なお、軽量メガネの威力とデュアルレンズ方式の4Kプロジェクターのせいなのか、疲れは軽微。ユナイテッド・シネマでIMAX 3Dを見るときの半分の疲労度のような気がします。

音質(SDDS?): A+
  
Sony Digital Cinema 3D方式なので、SDDS仕様の上映かと推測していますが、確信はありません。

特徴は、音量はかなりの大きさなのに、重たくないこと。左右前後上下に音が定位するのですが、高密度に音が迫ってくるというよりも、自然に包囲されるような印象。これは、他の劇場ではあまり経験をしたことがないタイプの音です。

透明度は、極限。雑味は、ほぼゼロ。濁りのない音が重層的に取り囲むために、上記のような印象になったのだと判断します。悪漢は、ジョン・ウィリアムズのオーケストラ曲が流れるエンディング・クレジット。弦楽器、管楽器の位置が手に取るように分かるではないですか!映画館でこんなに定位が明らかなのは初めてです。

セリフの抜けも、音像の小ささも文句なし。超低音成分も、重たさはないのに、すごい迫力。実に、高品位。A++評価したくなる音です。

英語学習用教材度: C+

字幕翻訳は、戸田奈津子。

セリフ量は、多め。アメリカでのレーティングがPGであることから分かるように、俗語・卑語は皆無。戸田さんの字幕も、それほどひねくれていません。凝った表現も少ないし、TOEIC860点ホルダーであれば、日本語字幕をあまり見なくても、ストーリーは理解できるはずです。

++++++++++

気になるところを、アト・ランダムに。

☆原題は、The Adventures of Tintin: Secret of the Unicorn。邦題は、直訳。これでいいんです。

☆やっぱり、「チンチン」だと日本ではやばいですよねえ。スーパーマリオネットTVシリーズの『サンダーバード』でも「チンチン」という中国系の女性が出てくるのですが、これも「ミンミン」に換えられていました。文化の相違とは恐ろしいものです。

☆1億3000万ドルの製作費で、これまでのところ12月21日に劇場公開が始まったばかりのアメリカで1153万ドル、海外で2億3910万ドル、計2億5063万ドルの売り上げ。さて、どこまでこの数字が伸びるのでしょうか。

米国盤Blu-ray Discの発売は未定ですが、UK盤BDは、2012年3月に発売予定となっています。

続編も、ピーター・ジャクソン監督で2013年公開予定とか。もっと斬新な映像とストーリーを期待したいところです。

++++++++++

個人的にはツボにはまりませんでしたが、面白い映画であることは間違いないでしょう。冬休みに見る映画のひとつの選択肢にはなるはずです。その場合に、スカラ座はオススメの劇場です。
| 外国映画(タ行) | 14:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
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